ヨーロッパ旅行を計画する際、ビザの必要性や滞在可能期間は重要なポイントです。
日本は世界でもトップクラスのパスポートを保有しており、多くのヨーロッパの国にビザなしで入国できます。
しかし、滞在できる期間や必要な手続きは国によって異なります。
この記事では、ヨーロッパへのビザなし渡航について、シェンゲン協定加盟国と非加盟国の違い、必要な書類、滞在期間、注意点などを詳しく解説します。
さらに、2024年から導入されるETIASについても分かりやすく説明します。
ヨーロッパへビザなし渡航の基礎知識
ヨーロッパのビザなし渡航:知っておきたい基本情報
実は、日本は世界最強レベルのパスポートを保有しており、多くの国にビザなしで入国できます。
ヨーロッパもその例外ではありません。
観光目的であれば、多くの国でビザなしで一定期間滞在することが可能です。
ビザなしでヨーロッパに滞在できる期間は?
ヨーロッパの国々の大半は、 シェンゲン協定 という協定に加盟しています。
シェンゲン協定加盟国では、 原則として90日以内 の観光滞在であればビザは不要です。
ただし、 180日間のうち最大90日 というルールがあるので注意が必要です。
このルールについては後ほど詳しく解説します。
シェンゲン協定に加盟していない国では、ビザなしで滞在できる期間が異なります。
例えば、イギリスは 6ヶ月以内 の観光滞在であればビザは不要です。
アイルランドも同様に、 3ヶ月以内 の観光滞在であればビザなしで入国できます。
シェンゲン協定加盟国の滞在期間
シェンゲン協定の概要
シェンゲン協定は、1985年にルクセンブルクのシェンゲン村で署名され、現在では26カ国が加盟しています。
この協定により、加盟国間の国境検査が廃止され、自由な移動が可能となりました。
シェンゲン協定加盟国一覧
シェンゲン協定に加盟している国は以下の通りです。
オーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス
90日間の滞在ルール
シェンゲン協定加盟国における滞在期間は、180日間のうち最大90日間です。
この90日間は連続して滞在することも、複数回に分けて滞在することも可能です。
例えば、30日間滞在した後、60日間の間隔を空けて再度60日間滞在することができます。
ただし、180日間の期間内に合計90日を超えないように注意が必要です。
シェンゲン協定加盟国への旅行を計画する際は、滞在日数をしっかりと管理し、規定を守ることが重要です。
違反すると、将来的な入国が制限される可能性があります。
シェンゲン協定非加盟国の滞在期間
シェンゲン協定非加盟国でも、日本人がビザなしで滞在できる国がいくつかあります。
これらの国々では、シェンゲン協定の90日ルールとは異なる滞在期間が設定されています。
イギリスの滞在期間
イギリスはシェンゲン協定に加盟していないため、独自のビザ制度を持っています。
日本人はビザなしで最大6か月間滞在することができます。ただし、滞在目的が観光や短期のビジネスであることが条件です。
アイルランドの滞在期間
アイルランドもシェンゲン協定に加盟していませんが、日本人はビザなしで最大90日間滞在することができます。
さらに、滞在を延長する場合は、現地の警察署で手続きを行うことで最大180日まで延長可能です。
その他の非加盟国
他にもシェンゲン協定に加盟していないヨーロッパの国々があります。
以下はその一部です。
- ブルガリア:ビザなしで最大90日間滞在可能。
- ルーマニア:ビザなしで最大90日間滞在可能。
- クロアチア:ビザなしで最大90日間滞在可能。
- キプロス:ビザなしで最大90日間滞在可能。
- セルビア:ビザなしで最大90日間滞在可能。
これらの国々では、シェンゲン協定のルールとは異なる独自のビザ免除制度が適用されます。
ビザなしで長期滞在できる国
ヨーロッパには、日本人がビザなしで長期滞在できる国がいくつかあります。
これらの国々では、特定の条件を満たすことで、通常の観光ビザの範囲を超えて滞在することが可能です。
オーストリアの特例
オーストリアはシェンゲン協定加盟国ですが、日本との二国間協定により、ビザなしで最大6か月間滞在することができます。
この特例は観光や短期のビジネス目的に限られますが、他のシェンゲン協定加盟国と異なり、長期滞在が可能です。
アイルランドの延長手続き
アイルランドでは、ビザなしで最大90日間滞在できますが、現地の警察署で手続きを行うことで、さらに90日間延長することが可能です。
これにより、合計で最大180日間の滞在が認められます。
延長手続きには、滞在理由や経済的な証明が必要となる場合があります。
長期滞在の注意点
ビザなしで長期滞在する際には、各国の入国管理法や滞在条件をしっかりと確認することが重要です。
滞在期間を超えると、将来的な入国が制限される可能性があります。
また、滞在中に働くことは基本的に禁止されているため、観光や短期のビジネス目的に限られることを理解しておきましょう。
ビザ以外の必要書類と注意点
ビザなしでヨーロッパへ渡航できるのは嬉しいですが、パスポート以外にも必要な書類や、知っておくべき注意点があります。
パスポートの残存有効期限
ヨーロッパへビザなしで入国する際には、パスポートの残存有効期限に注意が必要です。
シェンゲン協定加盟国では、 帰国時に3ヶ月以上の残存有効期限 が必要です。
例えば、3ヶ月間ヨーロッパに滞在する場合、帰国時にも3ヶ月以上の有効期限が残っているパスポートが必要です。
つまり、最低でも6ヶ月以上の有効期限が残っているパスポートで出発する必要があります。
パスポートの有効期限が近づいている場合は、余裕を持って更新手続きを行いましょう。
ETIAS(エティアス)申請について
2024年からは、シェンゲン協定加盟国へビザなしで渡航する際に、 ETIAS(エティアス) の申請が必要になります。
ETIASは、ビザとは異なり、オンラインで簡単に申請できる渡航認証です。
申請費用は7ユーロで、有効期限は3年間です。
ETIASの申請は、渡航の 72時間前まで に済ませておく必要があります。
出発直前に慌てないように、早めに申請を済ませておきましょう。
渡航目的の証明書類
ビザなしでヨーロッパへ入国する際、入国審査官から 渡航目的 を聞かれることがあります。
観光目的で渡航する場合は、帰りの航空券や滞在中の宿泊先を予約したバウチャー、十分な滞在資金を証明できる書類などを提示できるように準備しておきましょう。
また、旅行保険に加入していることを証明する書類や、雇用主からの休暇証明書なども役立つ場合があります。
これらの書類は、必ずしも必要というわけではありませんが、入国審査をスムーズに進めるために、準備しておくことをおすすめします。
シェンゲン協定の90日ルールとその対策
90日ルールの詳細
シェンゲン協定加盟国を訪れる際、日本人はビザなしで最大90日間滞在することができます。
この「90日ルール」は、シェンゲン圏内での滞在期間を管理するための重要な規則です。
ルールの適用範囲
シェンゲン協定は、ヨーロッパの26カ国が加盟している協定で、加盟国間の国境を自由に越えることができます。
日本人は、観光やビジネスなどの短期滞在目的で、シェンゲン圏内にビザなしで最大90日間滞在することが認められています。
180日間のカウント方法
90日ルールは、180日間の期間内で最大90日間滞在できるというものです。
この180日間は、過去180日間を遡って計算されます。
例えば、1月1日にシェンゲン圏に入国し、30日間滞在した場合、次に滞在できるのはその後150日間のうち60日間となります。
具体的には、以下のようにカウントします。
- 1月1日
シェンゲン圏に入国 - 1月30日
30日間滞在後、シェンゲン圏を出国 - 4月1日
再入国可能(過去180日間のうち、滞在日数が90日を超えないようにする)
ルール違反のペナルティ
90日ルールを超えて滞在すると、将来的な入国が制限される可能性があります。
違反者は、罰金や強制退去、さらにはシェンゲン圏への再入国禁止措置が取られることがあります。
そのため、滞在日数をしっかりと管理し、規定を守ることが重要です。
90日を超える滞在方法
シェンゲン協定加盟国では、ビザなしでの滞在は最大90日間と定められていますが、特定の方法を利用することで90日を超えて滞在することが可能です。
以下に、その方法を紹介します。
ビザの取得方法
シェンゲン圏内で90日を超えて滞在するためには、長期滞在ビザを取得するのが一般的です。
各国の大使館や領事館で申請手続きを行い、滞在目的に応じたビザを取得します。
例えば、学生ビザ、就労ビザ、家族滞在ビザなどがあります。
滞在延長の手続き
一部のシェンゲン協定加盟国では、現地で滞在延長の手続きを行うことが可能です。
例えば、フランスやドイツでは、現地の移民局で滞在延長の申請を行うことができます。
申請には、滞在理由や経済的な証明が必要となる場合があります。
特例を利用する方法
オーストリアやポーランドなど、日本と特別な査証免除協定を結んでいる国では、90日を超えて滞在することが可能です。
例えば、オーストリアでは、日本人はビザなしで最大180日間滞在することができます。
この特例を利用することで、シェンゲン圏内での長期滞在が可能となります。
シェンゲン圏外の国を利用する方法
シェンゲン圏外の国を利用することで、90日を超える滞在を実現する方法もあります。
例えば、クロアチアやルーマニアなどのシェンゲン協定非加盟国を訪れ、その後再度シェンゲン圏に入国することで、滞在期間を延長することができます。
シェンゲン協定のリセット方法
シェンゲン協定の90日ルールに基づき、シェンゲン圏内での滞在日数をリセットする方法について説明します。
このルールは、180日間の期間内で最大90日間滞在できるというものです。
リセットの仕組み
シェンゲン協定のリセット方法は、過去180日間の滞在日数を基に計算されます。
つまり、180日間の期間内で90日間を超えないように滞在日数を管理する必要があります。
リセットは自動的に行われ、過去180日間の滞在日数が常に更新されます。
リセット後の再入国
シェンゲン圏内での滞在日数が90日に達した場合、一度シェンゲン圏外に出て、再度入国することで滞在日数をリセットすることができます。
ただし、再入国後も過去180日間の滞在日数が90日を超えないように注意が必要です。
シェンゲン協定90日ルール:例フランス
例1: 滞在日数の計算
例えば、あなたが2024年1月1日にフランスに入国し、30日間滞在したとします。
その後、2024年3月1日に再びフランスに入国し、60日間滞在しました。
この場合、以下のように滞在日数が計算されます。
- 2024年1月1日から1月30日までの30日間
- 2024年3月1日から4月29日までの60日間
合計で90日間滞在したことになります。
例2: リセットの仕組み
シェンゲン協定のリセットは、過去180日間の滞在日数を基に自動的に行われます。
例えば、2024年1月1日から6月30日までの180日間の期間内で90日間滞在した場合、次のようにリセットされます。
- 2024年7月1日以降、2024年1月1日から1月30日までの30日間がリセットされます。
- 2024年9月1日以降、2024年3月1日から4月29日までの60日間がリセットされます。
例3: 再入国後の滞在日数
フランスでの滞在日数が90日に達した場合、一度シェンゲン圏外に出て、再度入国することで滞在日数をリセットすることができます。
ただし、再入国後も過去180日間の滞在日数が90日を超えないように注意が必要です。
例えば、2024年1月1日から4月1日までの90日間フランスに滞在した後、2024年4月2日にシェンゲン圏外に出て、2024年7月1日に再入国した場合、過去180日間の滞在日数は以下のように計算されます。
- 2024年1月1日から4月1日までの90日間
- 2024年7月1日から12月28日までの180日間の期間内で再度90日間滞在可能
このように、シェンゲン協定の90日ルールを理解し、滞在日数を管理することが重要です。
リセット時の注意点
リセットを行う際には、以下の点に注意してください。
- 滞在日数の管理
過去180日間の滞在日数を正確に把握し、計算ミスを防ぐために記録をつけることが重要です。 - 再入国のタイミング
シェンゲン圏外での滞在期間が短すぎると、再入国時に問題が発生する可能性があります。十分な期間を空けることが推奨されます。 - 入国審査
再入国時には、過去の滞在日数や滞在目的について詳しく質問されることがあります。正確な情報を提供し、必要な書類を準備しておくことが重要です。
ヨーロッパ ビザなし滞在期間:国別の条件と注意点
ビザなしで行ける国ランキング
ヨーロッパには、日本人がビザなしで訪れることができる魅力的な国々が多数あります。
以下は、ビザなしで行ける国のランキングとその特徴です。
1. イタリア
イタリアは、歴史的な遺産や美しい風景で知られています。ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィアなどの都市は観光客に人気です。
日本人はビザなしで最大90日間滞在できます。
【こちらでイタリア旅行の費用、観光スポットについて詳しく紹介しています↓】
イタリア旅行の費用はいくら?3泊4日と1週間を徹底比較!賢く節約する方法も紹介
2. フランス
フランスは、エッフェル塔やルーブル美術館などの観光名所が豊富です。パリをはじめ、プロヴァンスやブルゴーニュなどの地方も魅力的です。
日本人はビザなしで最大90日間滞在可能です。
3. スペイン
スペインは、バルセロナやマドリードなどの都市が人気です。
ガウディの建築やフラメンコ、タパスなど、文化的な魅力が満載です。日本人はビザなしで最大90日間滞在できます。
【スペイン旅行について詳しく知りたい↓】
【最新版】スペイン旅行費用1週間の目安は?賢く楽しむための完全ガイド
4. ドイツ
ドイツは、ベルリンやミュンヘンなどの都市が観光客に人気です。
歴史的な建造物や美しい自然が魅力です。
日本人はビザなしで最大90日間滞在可能です。
5. スイス
スイスは、アルプス山脈の美しい風景や高品質のチョコレートで知られています。
チューリッヒやジュネーブなどの都市も見どころです。
日本人はビザなしで最大90日間滞在できます。
6. オーストリア
オーストリアは、ウィーンやザルツブルクなどの都市が有名です。
音楽や芸術の歴史が深く、観光名所も多いです。日本人はビザなしで最大180日間滞在可能です。
7. オランダ
オランダは、アムステルダムやロッテルダムなどの都市が人気です。
風車やチューリップ畑、運河などが観光の見どころです。日本人はビザなしで最大90日間滞在できます。
8. ギリシャ
ギリシャは、アテネやサントリーニ島などの観光地が有名です。
古代遺跡や美しいビーチが魅力です。日本人はビザなしで最大90日間滞在可能です。
9. ポルトガル
ポルトガルは、リスボンやポルトなどの都市が観光客に人気です。
美しい海岸線や歴史的な街並みが魅力です。
日本人はビザなしで最大90日間滞在できます。
10. ノルウェー
ノルウェーは、フィヨルドやオーロラなどの自然景観が魅力です。
オスロやベルゲンなどの都市も見どころです。
日本人はビザなしで最大90日間滞在可能です。
ヨーロッパ旅行に役立つ情報サイト
ヨーロッパ旅行を計画する際には、情報収集が欠かせません。
信頼できる情報源から最新の情報を集め、スムーズで快適な旅を実現しましょう。
各国大使館のウェブサイト
渡航先の国の最新情報を入手するなら、 各国大使館のウェブサイト が最も信頼できる情報源です。
ビザやパスポート、入国に関する規定、安全情報、滞在に関する注意点など、公式の情報が掲載されています。
例えば、フランス大使館のウェブサイトでは、ビザに関する情報だけでなく、フランスの文化や観光情報、イベント情報なども入手できます。
外務省の海外安全ホームページ
海外旅行の安全に関する情報収集には、 外務省の海外安全ホームページ が役立ちます。
渡航先の安全情報、危険情報、テロ情報、自然災害情報など、最新の情報が提供されています。
また、海外でトラブルに巻き込まれた場合の対処法や、緊急時の連絡先なども掲載されているので、必ずチェックしておきましょう。
旅行情報サイト
旅行の計画や予約には、 旅行情報サイト を活用するのが便利です。
航空券やホテルの予約、観光スポットの情報収集、モデルコースの作成など、様々なサービスを提供しています。
人気の旅行情報サイトとしては、以下のようなものがあります。
- エクスペディア: 航空券、ホテル、レンタカー、ツアーなどを予約できる総合旅行サイト
- Booking.com: 世界中のホテルを予約できるサイト
- 楽天トラベル: 国内外の旅行を予約できるサイト
- じゃらん: 国内旅行に特化したサイト
これらのサイトでは、ユーザーレビューやランキングなども参考にできるので、自分に合った旅行プランを立てることができます。
まとめ:ヨーロッパ旅行はビザなしで何日滞在できる?必要な国と滞在期間を解説
- ヨーロッパの多くの国は、観光目的で90日以内の滞在であればビザなしで渡航できる。
- シェンゲン協定加盟国では、180日間のうち最大90日間滞在できる。
- シェンゲン協定加盟国以外では、滞在できる期間が国によって異なる。
- イギリスは6ヶ月以内、アイルランドは3ヶ月以内の滞在であればビザは不要。
- 2024年からは、シェンゲン協定加盟国へビザなしで渡航する際にETIASの申請が必要になる。
- ETIASはオンラインで申請でき、費用は7ユーロ、有効期限は3年間。
- シェンゲン協定加盟国では、パスポートの残存有効期限が帰国時に3ヶ月以上必要。
- 入国審査では、渡航目的を聞かれる場合があるので、帰りの航空券や滞在中の宿泊先を予約したバウチャーなどを提示できるように準備しておくと良い。
- シェンゲン協定の90日ルールを超えて滞在すると、罰金や強制退去、再入国禁止措置などのペナルティを受ける可能性がある。
- シェンゲン協定加盟国で90日を超えて滞在するには、長期滞在ビザを取得するか、滞在延長の手続きを行う必要がある。
- オーストリアやポーランドなど、一部の国では特例で90日を超えて滞在できる。
- シェンゲン圏外の国を利用することで、滞在期間を延長することも可能。
- イタリア、フランス、スペイン、ドイツなど、多くのヨーロッパの国々が観光地として人気。
- 各国大使館のウェブサイトや外務省の海外安全ホームページで最新情報を入手することが重要。
- エクスペディア、Booking.com、楽天トラベルなどの旅行情報サイトも役立つ。