青い海と白い建物のコントラストが美しいギリシャは、多くの旅行者を魅了する地中海の宝石です。
しかし、数多くの島々や見どころが点在しているため、初めて訪れる方は効率的な周り方に悩まれるかもしれません。
ギリシャ旅行のモデルコースを考える際に最も重要なのは、滞在日数と訪問地のバランスです。
初めての方には、アテネを起点に、サントリーニ島やミコノス島を巡る7日間(6泊)のコースがおすすめです。
この日数があれば、主要な観光地をゆとりを持って巡ることができます。
日数が限られている場合は、アテネとサントリーニ島という2大観光地に絞るのが効率的です。
10日以上あれば、デルフィやクレタ島なども訪れられるでしょう。
この記事では、日数別のモデルコース、効率的な移動方法、予算別のプラン、ベストシーズンなど、ギリシャ旅行計画に役立つ情報をご紹介します。
- 滞在日数に応じた最適な訪問地と具体的な行程プラン
- 予算別(エコノミー/スタンダード/ラグジュアリー)の旅行計画の立て方
- ギリシャの人気エリア(アテネ、サントリーニ、ミコノス)の見どころと所要時間
- 季節ごとの特徴と訪問に最適な時期(5月中旬〜6月中旬と9月〜10月中旬がベスト)
ギリシャ旅行|モデルコースの選び方

- 初めてのギリシャ旅行に必要な日数とは
- 日数別おすすめモデルコース
- 人気エリアを効率的に巡るルート
- 予算別プランの立て方
- ベストシーズンと注意点
初めてのギリシャ旅行に必要な日数とは

初めてのギリシャ旅行には最低でも7日間(6泊)の滞在をおすすめします。
ギリシャは多様な魅力を持つ国であり、十分に楽しむためには一定の日数が必要になります。
この日数があれば、アテネとサントリーニなど人気の島を組み合わせた基本的なモデルコースを楽しむことができます。
理由として、ギリシャは国土が広く、特に島々が点在しているため移動に時間がかかるためです。
例えば、アテネからサントリーニ島へはフェリーで約5時間、飛行機でも約45分かかります。
移動日をしっかり計算に入れておかないと、観光地での滞在時間が短くなってしまいます。
ギリシャ旅行の日数別にどのようなプランが可能か、以下にまとめました:
- 5日間(4泊):時間が限られている場合はアテネに3日、サントリーニに1日という組み合わせが最低限のプランです。ただし、移動に1日使うため、実質的な観光は3日程度になります。必要最低限の日程ですが、かなり忙しいスケジュールになることを覚悟しておく必要があります。
- 7日間(6泊):初めての方に最もおすすめの日数です。アテネに2〜3日、サントリーニに3〜4日滞在できます。移動日を含めても、各地でゆとりを持って観光できる日程になります。
- 10日間(9泊):より充実した旅行ができます。アテネ2日、サントリーニ3日、ミコノス3日といった人気の3地域を訪れることが可能です。各地でのんびり過ごせる日程になります。
- 14日間以上:ペロポネソス半島やクレタ島など、定番コース以外の地域も訪れることができます。あるいは、一つの島に長く滞在してローカルな雰囲気を楽しむこともできるでしょう。

このように考えると、初めての旅行でギリシャの魅力を十分に味わうには、最低でも7日間、できれば10日間程度の日程を確保することが望ましいです。
なぜならば、短すぎる日程では移動に時間を取られ、せっかくの観光地でゆっくり過ごせないためです。
ここで注意したいのは、季節によっても必要な日数が変わる点です。
夏のハイシーズン(6月〜9月)はフェリーや飛行機の便数が多いため移動がスムーズですが、冬季(11月〜3月)は便数が減るため、移動に余裕を持たせる必要があります。
また、初めての方は欲張りすぎないことも大切です。
ギリシャには数多くの島々がありますが、すべてを一度に訪れようとするのではなく、次回の楽しみも残しておくという考え方も良いでしょう。
多くの観光客は、アテネとサントリーニという組み合わせから始め、徐々に訪問地を広げていきます。
以上のことから、初めてのギリシャ旅行の日数は、制約がある場合は最低5日間、理想的には7〜10日間を確保することをおすすめします。
この日数があれば、移動にかかる時間を考慮しても、ギリシャの魅力を十分に体験できるはずです。
ご自身の休暇日数や予算と相談しながら、無理のない旅程を組むことが大切です。
短い日数しか取れない場合は、訪問地を絞ることで、より充実した旅行にすることができます。
日数別おすすめモデルコース

ギリシャ旅行を計画する際、滞在日数によって訪れられる場所や充実度が大きく変わります。
ここでは日数別に実現可能なおすすめモデルコースをご紹介します。自分の休暇日数に合わせて、最適なプランを立ててみましょう。
【5日間(4泊)モデルコース】 限られた日数でも効率よく回るためのプランです。
1日目:アテネ到着 → アクロポリス周辺散策
2日目:アテネ市内観光(国立考古学博物館、プラカ地区)
3日目:アテネからサントリーニ島へ移動(飛行機約45分)→ フィラ散策
4日目:サントリーニ島観光(イア、赤浜・黒浜など)
5日目:サントリーニから出国
このプランでは移動時間を考慮すると、実質的な観光は3日程度になります。
短期間でギリシャの魅力を体験するには、アテネとサントリーニという2大観光地に絞ることがポイントです。
ただし、かなりタイトなスケジュールになることは覚悟しておく必要があります。
滞在日数が限られている方は、「ミコノス島とサントリーニ島 どっちを選ぶ?絶景と観光を徹底比較」を参考にすると、自分の好みや旅行スタイルに合った島を選べるでしょう。

【7日間(6泊)モデルコース】 初めての方に最もおすすめの日数です。
1日目:アテネ到着 → アクロポリス観光
2日目:アテネ市内観光(国立考古学博物館、アゴラ遺跡など)
3日目:アテネからサントリーニ島へ移動 → フィラ散策
4日目:サントリーニ島(イア、夕日鑑賞)
5日目:サントリーニ島(アカロティリ遺跡、ビーチ)
6日目:サントリーニからミコノス島へ移動(フェリー約2-3時間)→ ミコノスタウン散策
7日目:ミコノス島から出国
7日間あれば、ギリシャの代表的な3つの観光地をバランスよく巡ることができます。
各地にゆとりを持って滞在できるため、観光だけでなく、カフェでのんびり過ごす時間なども確保できます。
【10日間(9泊)モデルコース】 より深くギリシャを知るためのプランです。
1日目:アテネ到着 → 市内散策
2日目:アテネ市内観光(アクロポリス、新アクロポリス博物館)
3日目:アテネからデルフィへ日帰り観光
4日目:アテネからミコノス島へ移動(フェリー約3-4時間)
5日目:ミコノス島観光(ビーチ、リトル・ベニス)
6日目:ミコノス島からサントリーニ島へ移動(フェリー約2-3時間)
7日目:サントリーニ島観光(フィラ周辺)
8日目:サントリーニ島観光(イア、夕日鑑賞)
9日目:サントリーニ島(クルーズまたはビーチデー)
10日目:サントリーニ島から出国
10日間あれば、アテネからデルフィへの日帰り観光も組み込めます。
世界遺産であるデルフィの遺跡は、古代ギリシャの神秘を感じられる場所です。
また各島での滞在も余裕があるため、ゆったりとした島時間を楽しめます。

【14日間(13泊)モデルコース】 ギリシャをより幅広く深く楽しみたい方向けです。
1-3日目:アテネとその周辺(スニオン岬、デルフィなど日帰り観光含む)
4-6日目:クレタ島(イラクリオン、クノッソス宮殿、ハニア)
7-9日目:サントリーニ島(フィラ、イア、アカロティリ遺跡など)
10-12日目:ミコノス島(ミコノスタウン、デロス島日帰り観光)
13-14日目:アテネ経由で出国
2週間あれば、クレタ島も訪れることができます。
ミノア文明の中心地として栄えたクレタ島には、歴史的な見どころが数多くあります。
また、各地での滞在が2-3日あるため、定番観光地以外の穴場スポットも探索できます。
これらのモデルコースはあくまで一例です。
季節や便の運航状況によって調整が必要な場合もあります。
特に島間の移動はフェリーに依存する部分が大きいため、オフシーズンは運航本数が減少することに注意が必要です。
また、ギリシャの島々は数百にも及ぶため、すべてを一度に訪れることは不可能です。
初めての旅行では定番の島々を訪れ、リピート時に別の島を探索するという楽しみ方もできます。
いずれのプランでも、航空券やホテル、フェリーチケットは早めに予約することをおすすめします。
特に夏のハイシーズン(6〜9月)は混雑するため、数ヶ月前からの準備が望ましいでしょう。
人気エリアを効率的に巡るルート

ギリシャ旅行を計画する際に最も重要なのが、どの順序で人気エリアを巡るかです。
効率的なルート設計によって、移動時間を最小限に抑え、滞在時間を最大化できます。
ここでは、ギリシャの主要エリアを効率よく巡るためのルートプランをご紹介します。
ギリシャ旅行の基本的な流れは「アテネを起点に島々を巡る」というパターンが一般的です。
国際線が最も多く発着するアテネ国際空港(エレフテリオス・ヴェニゼロス国際空港)を利用し、そこから島々へと移動するのが合理的です。
【基本ルートプラン:アテネ→キクラデス諸島→アテネ】
最も効率的で人気の高いルートは、アテネを起点・終点として、キクラデス諸島(サントリーニ、ミコノスなど)を巡るコースです。
- アテネ到着
- アテネ観光(1~3日)
- アテネからサントリーニへ移動(飛行機45分またはフェリー約5~8時間)
- サントリーニ観光(2~4日)
- サントリーニからミコノスへ移動(フェリー約2~3時間)
- ミコノス観光(2~3日)
- ミコノスからアテネへ移動(飛行機40分またはフェリー約3~5時間)
- アテネから出国
このルートでは最大の魅力は、主要3エリアを効率よく回れることです。
また、サントリーニとミコノスの間は比較的近く、フェリーでの移動が便利です。
ただし、フェリーの運行は季節によって大きく変わるため、事前の確認が必須です。
特に10月~4月のオフシーズンは運行本数が大幅に減少します。
【代替ルート:アテネ→クレタ島→サントリーニ→アテネ】
より歴史に興味がある方には、クレタ島を含めたルートもおすすめです。
- アテネ到着・観光(2日)
- アテネからクレタ島へ移動(飛行機55分またはフェリー約8~9時間)
- クレタ島観光(3~4日)
- クレタ島からサントリーニへ移動(フェリー約2時間)
- サントリーニ観光(2~3日)
- サントリーニからアテネへ移動
- アテネから出国
クレタ島はギリシャ最大の島で、ミノア文明の遺跡や美しいビーチなど見どころが豊富です。
特にクノッソス宮殿はミノア文明の中心地として必見スポットです。
イラクリオン考古学博物館と合わせて訪れると理解が深まります。

【地理的に近い島を巡るルート】
限られた日数でより多くの島を訪れたい場合は、地理的に近い島々を選ぶのがコツです。
例えば、キクラデス諸島の中でも以下のようなグループ分けが可能です。
- グループA:ミコノス・ティノス・シロス・アンドロス
- グループB:パロス・ナクソス・イオス・アモルゴス
- グループC:サントリーニ・フォレガンドロス・シキノス・アナフィ
これらのグループ内の島々は互いに近く、短時間のフェリー移動で行き来できます。
例えば、ミコノス島に滞在しながらティノス島へ日帰り観光するといった効率的な回り方も可能です。
【効率的に巡るためのポイント】
- 島間の移動手段を事前に確認する:季節によってフェリーの運航本数は大きく変わります。夏季(5~9月)は多くの便がありますが、冬季は本数が減少するため注意が必要です。
- 国内線の活用:時間に余裕がない場合は、島間移動にフェリーではなく飛行機を利用するのも一つの方法です。アテネからサントリーニ、ミコノス、クレタ、ロドス、コルフなどの主要な島には直行便があります。
- 滞在拠点を絞る:すべての島を訪れるのではなく、2~3ヶ所の拠点を決めて、そこから小さな島への日帰り観光を楽しむ方法もあります。例えば、パロス島に滞在して、アンティパロス島へ日帰りするなどです。
- フェリーチケットの事前予約:特に7~8月のハイシーズンは、人気ルートのフェリーチケットは早めに売り切れることがあります。計画が決まったら早めに予約しましょう。
効率的なルート計画を立てることで、移動の疲れを最小限に抑え、ギリシャの魅力を最大限に楽しむことができます。
自分の興味や滞在日数に合わせて、最適なルートを選んでください。
※フェリーの運行時間や頻度は変更される可能性があるため、旅行計画時には公式サイトや最新の情報を確認することをおすすめします。
複数のフェリー会社の時刻表や料金を比較できるFerryhopperの予約サイトが便利です。
主要なフェリー会社としては、Blue Star Ferries、Hellenic Seaways、Sea Jets などがあります。
予算別プランの立て方

ギリシャ旅行は予算によって大きく旅の形が変わります。
リーズナブルに楽しみたい方から贅沢な旅を希望する方まで、予算に合わせたプランの立て方をご紹介します。
まずは自分の予算を明確にし、それに合わせた旅程を組み立てることが大切です。
【予算の目安(7日間の場合)】
ギリシャ旅行の費用は、訪問時期、滞在スタイル、訪問地などによって大きく変動します。
以下は一般的な目安です。
- エコノミープラン:約15万円~20万円
- スタンダードプラン:約25万円~35万円
- ラグジュアリープラン:40万円~
※上記金額は日本からの往復航空券込みの概算です。為替レートや物価変動により金額は変わります。
【エコノミープランの立て方】
限られた予算でギリシャの魅力を十分に味わうポイントは、以下の点です:
- オフシーズン(10月下旬~4月)に旅行する オフシーズンは航空券やホテル代が30~50%も安くなることがあります。特に11月~3月は最も安価です。ただし、島々のフェリーの運航本数が減少し、一部の施設が閉まっていることもあるため注意が必要です。
- 滞在地を絞る アテネと1つの島(例:サントリーニ)に滞在地を絞ることで、移動費を抑えられます。多くの島を訪れるほど、フェリー代や宿泊費がかさみます。
- ホステルや民泊を活用する アテネやサントリーニには清潔で設備の整ったホステルがあります。また、Airbnbなどの民泊サービスも活用できます。特に複数人で旅行する場合は、アパートメントタイプの宿泊施設がコスト効率が良いでしょう。
- 地元のタベルナで食事する 観光客向けのレストランを避け、地元の人が通うタベルナを利用しましょう。昼食を主食にし、夕食は軽めにするのも節約のコツです。スーパーで食材を購入し、簡単な朝食や軽食を自分で用意するのも良いでしょう。
- 公共交通機関を利用する アテネ市内はメトロが発達しており、観光スポットは公共交通機関でアクセスできます。島内移動もローカルバスを利用すれば、タクシーよりもかなり安く済みます。
【スタンダードプランの立て方】
適度に快適さを求めながら、効率よく観光を楽しむプランです:
- ショルダーシーズン(5月・6月前半・9月・10月前半)に旅行する ハイシーズンより安く、オフシーズンより気候が良く、観光施設も通常営業している時期がおすすめです。
- 訪問地は2~3ヶ所に設定 アテネに加え、サントリーニとミコノスなど2つの島を訪れるのが一般的です。1ヶ所につき2~3泊するとゆとりを持って観光できます。
- 3~4つ星ホテルに宿泊 清潔で立地の良い中級ホテルを選びましょう。島では海の見えるホテルがおすすめですが、必ずしも最高級のオーシャンビューでなくても、徒歩圏内に海があれば十分楽しめます。
- 一部のアクティビティにお金をかける サントリーニのカルデラクルーズやワイナリーツアーなど、特別な体験にはお金をかけると思い出に残ります。すべてのアクティビティに参加するのではなく、特に興味のあるものを厳選しましょう。
- 朝食付きのホテルを選ぶ 朝食付きのホテルを選べば、朝から効率よく観光に出かけられます。昼食は軽めに、夕食はレストランで楽しむというメリハリをつけると良いでしょう。

【ラグジュアリープランの立て方】
快適さと特別な体験を重視したプランです:
- ベストシーズン(6月後半~9月前半)でも良質な体験を ハイシーズンでも事前に予約を取ることで、混雑を避けながら最高の季節にギリシャを楽しめます。
- 複数の島を巡る アテネに加え、サントリーニ、ミコノス、クレタ島など複数の島を訪問できます。各島に十分な滞在日数を確保することで、ゆったりとした時間を過ごせます。
- 4~5つ星ホテルや高級ブティックホテルに宿泊 サントリーニではカルデラビューの高級ホテル、ミコノスではビーチフロントの高級リゾートなど、島の特性を活かした宿泊体験ができます。
- プライベートツアーやチャーターを活用 混雑を避け、自分のペースで観光するために、プライベートガイドやボートチャーターを利用するのもおすすめです。特にサントリーニでのセーリングクルーズは、プライベートチャーターだとより特別な体験になります。
- 高級レストランでの食事体験 ミシュランガイドに掲載されているレストランや、地元で評価の高いフィンダイニングレストランでの食事は、ギリシャ料理の新たな発見につながります。
【予算を立てる際の注意点】
- 予期せぬ出費の余裕を持たせる: 総予算の10~15%程度は予備費として確保しておくことをおすすめします。
- 地域によって物価が異なる: アテネよりもサントリーニやミコノスの方が物価は高くなります。
- 季節による価格変動が大きい: 同じホテルでも、シーズンによって2倍以上価格が変わることもあります。
- 為替レートの変動を考慮する: 事前に為替の動向をチェックし、必要に応じて両替や海外送金の計画を立てましょう。
予算に合わせたプランを立てることで、無理なく満足度の高いギリシャ旅行を実現できます。
自分のスタイルや優先順位を考慮しながら、バランスの良い予算配分を心がけましょう。
※記載されている金額や情報は、為替レートや物価の変動により変わる可能性があります。最新の情報は各予約サイトやギリシャ政府観光局の公式情報を確認することをおすすめします。
ベストシーズンと注意点
ギリシャ旅行の体験は訪れる季節によって大きく異なります。
それぞれの季節には独自の魅力と注意点があるため、旅行の目的や好みに合わせて最適な時期を選ぶことが重要です。
ここでは、四季ごとのギリシャの特徴と観光におすすめの時期をご紹介します。
春(3月〜5月)

春のギリシャは観光のベストシーズンの一つです。
特に4月中旬から5月にかけては、気候が穏やかで観光に最適な時期といえます。
気温は15〜25℃程度で、日中は快適に観光できます。
この時期の魅力は何といっても花々が咲き誇る美しい風景です。
特に3月下旬〜4月上旬にはアーモンドの花が咲き、丘陵地帯は可憐な野花で彩られます。
また、復活祭(オーソドックス・イースター)が行われる場合は、各地で伝統的な祭りや行事を見ることができます。
ただし、島によってはまだシーズンが始まったばかりで、一部のレストランやホテルがオープンしていない可能性があります。
特に小さな島は3月や4月初旬はまだ閑散としていることもあるため、事前に営業情報を確認することをおすすめします。
また、海水浴を楽しむには少し肌寒いかもしれません。
夏(6月〜8月)

夏はギリシャのハイシーズンです。6月下旬から8月末までは、最も多くの観光客が訪れる時期となります。
気温は30℃を超える日も多く、島々では心地よい海風があるものの、アテネなどの都市部では40℃近くになる日もあります。
この時期の最大の魅力は、美しいビーチで海水浴を存分に楽しめることです。
エーゲ海やイオニア海の透明度の高い海は、まさに絶景です。
また、多くのフェスティバルやイベントが開催され、島々の間を行き来するフェリーの便数も最も充実しています。
ナイトライフも活気があり、特にミコノス島では夜遅くまで賑わいます。
しかし、夏の旅行には注意点もあります。
最大の問題は混雑です。
特に人気の島々(サントリーニ、ミコノス)は非常に混み合い、価格も年間を通して最も高くなります。
また、日中の暑さは想像以上に厳しく、特に遺跡観光などでは熱中症のリスクがあります。
十分な水分補給と日よけ対策が必須です。
秋(9月〜11月)

秋のギリシャは、夏の暑さが和らぎ、観光客も減少し始める穏やかな時期です。
特に9月と10月前半は、ギリシャ旅行のゴールデンタイムといえるでしょう。
気温は20〜28℃程度で快適に過ごせます。
この時期の魅力は、夏のような良い天気とビーチを楽しめながらも、夏ほどの混雑がないことです。
海水温度もまだ温かく、9月いっぱいは海水浴を楽しめます。
また、ワインの収穫シーズンでもあり、各地でワイン祭りが開催されることもあります。
ただし、10月中旬以降は徐々に天候が不安定になり、雨の日が増えてきます。
特に島では、10月後半から施設やレストランが閉まり始め、フェリーの便数も減少し始めるため注意が必要です。
冬(12月〜2月)

冬のギリシャは観光のオフシーズンです。
気温は地域によって異なりますが、アテネでは5〜15℃程度、北部はさらに冷え込みます。
島々も風が強く、思いのほか寒く感じることがあります。
この時期の魅力は、観光客が少なく、穴場的な体験ができることです。
特にアテネやテッサロニキなどの大都市では、文化施設や博物館を静かに楽しめます。
また、料金が大幅に安くなるため、予算を抑えて旅行したい方にはおすすめです。
冬でも雪はほとんど降らないため、遺跡観光は可能です。
ただし、島々の多くはオフシーズンに入り、ホテルやレストランの多くが閉まっています。
特に小さな島では宿泊施設を見つけることが難しいかもしれません。
また、フェリーの便数が大幅に減少し、天候によっては欠航することもあるため、島への旅行計画は柔軟性を持たせる必要があります。
総合的なベストシーズン
ギリシャ旅行の総合的なベストシーズンは、5月中旬〜6月中旬と9月〜10月中旬です。
この時期は気候が穏やかで、夏の混雑前または後であり、海も十分に暖かく、多くの施設が営業しています。
旅行の計画を立てる際は、自分の優先事項(ビーチ、遺跡観光、予算など)に合わせて最適な時期を選ぶことをおすすめします。
また、訪問地域によっても最適な時期は異なるため、具体的な目的地が決まったら、その地域の気候情報も確認するとよいでしょう。
地域別ギリシャ旅行モデルコース

- アテネ周辺の見どころと所要時間
- サントリーニ・ミコノスの人気スポット
- ペロポネソス半島の魅力的なコース
- ギリシャ国内の交通手段と移動のコツ
- 旅行者に役立つ現地情報
アテネ周辺の見どころと所要時間

アテネはギリシャ旅行の玄関口であり、古代と現代が共存する魅力的な都市です。
多くの歴史的遺跡があるため、効率良く観光するには見どころと所要時間を把握しておくことが大切です。
ここでは、アテネとその周辺の主要な観光スポットと、それぞれの観光に必要な時間をご紹介します。
アクロポリスとその周辺(半日~1日)
アクロポリスは言うまでもなくアテネ観光の中心です。
パルテノン神殿をはじめとする古代建築が丘の上に立ち並ぶ様子は圧巻です。
アクロポリス単体の見学には約2~3時間かかります。
入場料は夏季(4月~10月)は20ユーロ、冬季(11月~3月)は10ユーロです。
アクロポリスと併せて訪れたいのが、2009年にオープンした新アクロポリス博物館です。
アクロポリスから出土した遺物が展示されており、パルテノン神殿のフリーズ彫刻のレプリカも見ることができます。
ここでの見学には約1.5~2時間必要です。
さらに足を延ばせば、古代アゴラ(市場跡)やローマン・アゴラもあります。
これらを合わせると、アクロポリス周辺の観光には丸1日かかると考えておくとよいでしょう。

国立考古学博物館(2~3時間)
ギリシャ最大の考古学博物館であり、古代ギリシャの芸術と文化を知るには欠かせない場所です。
ミケーネ文明の黄金のマスクや、アンティキティラ機械などの貴重な展示物があります。
見どころが多いため、最低でも2時間、じっくり見たい方は3時間ほど見ておくとよいでしょう。
プラカ地区とモナスティラキ(半日)
アクロポリスの北側に広がる旧市街プラカ地区は、迷路のような細い路地と伝統的な建物が魅力的です。
お土産ショップやカフェ、タベルナが並び、散策するだけで楽しい場所です。
隣接するモナスティラキ地区のフリーマーケットも見どころの一つです。
のんびり歩いて食事もすれば、半日ほどかかります。

シンタグマ広場と国会議事堂(1時間)
アテネの中心部にあるシンタグマ広場では、国会議事堂前での衛兵交代式が見どころです。
正時に行われる衛兵交代式は写真撮影にも人気です。
特に日曜日の11時には盛大な衛兵交代式が行われます。広場周辺の散策も含めて1時間程度見ておくとよいでしょう。
パナティナイコ・スタジアム(30分~1時間)
1896年の第1回近代オリンピックが開催された大理石のスタジアムです。
古代のスタジアムを復元したもので、中に入って見学することができます。
スタジアム内には小さな展示スペースもあります。見学には30分~1時間程度かかります。
リカヴィトスの丘(1~2時間)
アテネ市内を一望できる展望スポットです。
頂上までは徒歩でも登れますが、ケーブルカーも利用できます。
特に夕暮れ時の景色は素晴らしく、アクロポリスが夕日に照らされる様子を見ることができます。
往復と展望を楽しむ時間を含めて1~2時間ほど見ておくとよいでしょう。

日帰り観光が可能な周辺スポット
アテネを拠点に日帰りで訪れることができる見どころもいくつかあります:
- スニオン岬(半日): アテネから車で約1.5時間。ポセイドン神殿の遺跡があり、エーゲ海を見下ろす絶景が楽しめます。
- デルフィ(1日): アテネから車で約2.5時間。古代ギリシャの重要な神託所があった場所で、世界遺産に登録されています。
- コリントス運河(半日): アテネから車で約1時間。ペロポネソス半島とギリシャ本土を分ける人工の運河です。
- エギナ島(1日): アテネのピレウス港からフェリーで約40分。アファイア神殿や美しいビーチがあります。
アテネの観光には最低でも2日間、周辺も含めるなら3~4日間あると余裕を持って回ることができます。
夏場は非常に暑くなるため、朝早くから観光を始め、昼の暑い時間帯は博物館などの屋内施設を訪れるとよいでしょう。
また、多くの遺跡では日陰が少ないため、帽子や日焼け止め、水分を十分に持参することをおすすめします。
入場料や開館時間は変更されることがあるため、訪問前には公式サイトや最新の観光情報を確認することが大切です。
また、多くの遺跡や博物館は月曜日が休館日となっていることが多いので、スケジュールを立てる際に注意が必要です。
サントリーニ・ミコノスの人気スポット
サントリーニとミコノスはギリシャを代表する人気の島で、それぞれに魅力的な観光スポットがあります。
まずは両島の特徴を理解し、効率的に回るコツをご紹介します。
サントリーニ島の人気スポット

サントリーニ島は火山の噴火でできた独特の地形と、断崖絶壁に立ち並ぶ白い家々が特徴的です。
- イア(Oia) サントリーニの北端に位置するイアは、真っ白な家と青いドームの教会が印象的な村です。特に夕日の時間帯は多くの観光客が訪れます。メインストリートには可愛らしいお店やカフェが並び、歩いているだけで絵になる風景が広がります。夕日鑑賞の際は、人気スポットは早い時間から混雑するため、少なくとも1時間前には場所を確保することをおすすめします。所要時間:散策に2〜3時間、夕日鑑賞を含めると4時間程度。
- フィラ(Fira) サントリーニの中心地であるフィラは、ショッピングやレストラン、ナイトライフを楽しめる場所です。カルデラに面した断崖に建つ町からの眺めは圧巻です。ケーブルカーで港から上がることもできますが、夏場は長蛇の列ができるため注意が必要です。所要時間:散策に2〜3時間。
- アカロティリ遺跡(Ancient Akrotiri) 紀元前17世紀頃に火山噴火で埋もれたミノア文明の遺跡です。ポンペイと同様、火山灰に埋もれたことで保存状態が良く、当時の生活を垣間見ることができます。屋内施設のため、暑い日の観光にも適しています。所要時間:1〜2時間。
- レッドビーチ・ブラックビーチ 火山活動によって形成された特徴的なビーチです。レッドビーチは赤い崖に囲まれ、ブラックビーチは黒い砂浜が広がります。水着と水を持参して、海水浴も楽しむとよいでしょう。所要時間:各ビーチ1〜2時間。
- サントリーニワイナリー 火山性の土壌で育つブドウから作られるサントリーニワインは独特の風味があります。島内には複数のワイナリーがあり、試飲ツアーに参加できます。特に白ワイン「アシルティコ」は有名です。所要時間:ツアーで2〜3時間。
ミコノス島の人気スポット

ミコノスは美しいビーチと活気あるナイトライフで知られる島です。
- ミコノスタウン(チョーラ) 白壁の家々が迷路のように並ぶ中心地で、「リトル・ベニス」と呼ばれる海沿いのエリアは特に人気があります。夕方から夜にかけては多くのレストランやバーが賑わいます。所要時間:散策に2〜3時間、食事やショッピングを含めると半日程度。
- パラポルティアーニ教会 ミコノスタウンにある白い教会で、実際には5つの小さな教会が合わさった複合的な建物です。典型的なキクラデス建築の美しさを堪能できます。所要時間:30分程度。
- ミコノスの風車 島の象徴的な存在であるミコノスの風車は、かつて穀物を挽くために使われていました。現在は観光スポットとして人気があり、特に夕日の時間帯は写真撮影におすすめです。所要時間:見学に30分程度。
- パラダイスビーチ・スーパーパラダイスビーチ ミコノスで最も有名なビーチで、昼はマリンスポーツ、夕方からはビーチパーティーが行われます。若者向けのにぎやかなビーチですが、朝早い時間であれば比較的静かに過ごせます。所要時間:半日〜1日。
- デロス島 ミコノスから日帰りで訪れることができる無人島で、古代ギリシャの重要な遺跡があります。アポロンとアルテミスの生誕地とされ、多くの神殿や住居跡が残っています。ミコノス港からフェリーで約30分です。所要時間:遺跡見学に2〜3時間、フェリー移動を含めると1日がかりです。
両島を訪れる際のポイント
- サントリーニはイアの夕日が有名ですが、非常に混雑します。フィラやイメロヴィグリなど別の場所からの夕日も検討するとよいでしょう。
- ミコノスのビーチは風が強いことで知られています。北風が強い日は南側のビーチ(エリアビーチ、プラティスギアロスなど)、南風の日は北側のビーチ(フォキオスなど)を選ぶと快適です。
- 両島とも高級リゾート地であり、特に7〜8月は宿泊費が高騰します。予算を抑えたい場合は、ショルダーシーズン(5〜6月初旬、9〜10月)の訪問がおすすめです。
- サントリーニは起伏が激しいため、スニーカーなど歩きやすい靴が必須です。また、ミコノスは島内を移動するバスや車が便利です。
両島の魅力を十分に味わうには、それぞれ最低2泊は必要です。
特にサントリーニは島内の移動に時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。
サントリーニ島は人気の観光地ですが、混雑や高額な料金など知っておくべき課題もあります。
詳しくは「サントリーニ島はつまらない?絶景の裏にあるリアルな問題点と解決策」をご覧いただくと、より充実した旅行計画が立てられるでしょう。
ペロポネソス半島の魅力的なコース

ギリシャ旅行の定番コースにはあまり含まれませんが、ペロポネソス半島は古代遺跡、美しい海岸線、伝統的な村など見どころの宝庫です。
アテネからもアクセスしやすく、通常の観光ルートから少し足を延ばすだけで、より深いギリシャの魅力を体験できます。
ここでは、ペロポネソス半島を巡る魅力的なコースをご紹介します。
ペロポネソス半島の概要
ペロポネソス半島はギリシャ本土の南西部に位置し、コリントス地峡を挟んで本土と分かれています。
古代オリンピックの発祥地であるオリンピア、古代ギリシャの悲劇が上演されたエピダウロスの円形劇場など、歴史的に重要な遺跡が多数存在します。
また、美しいビーチや山岳地帯もあり、様々な魅力を楽しめる地域です。

おすすめ周遊コース(4~5日間)
以下は、アテネを起点としたペロポネソス半島4~5日間の周遊コースです。
1日目:アテネ → コリントス → ナフプリオン
- コリントス運河: アテネからペロポネソス半島へ向かう道中、最初に訪れるのがコリントス運河です。全長約6.3kmの細い人工水路で、両側の断崖が高さ約90mにもなる壮観な光景を見られます。休憩や写真撮影に約30分。
- 古代コリントス: 運河から少し足を延ばせば、かつての商業都市だった古代コリントスの遺跡があります。神殿や噴水、アゴラ(市場)などの遺構が残っています。見学に約1~2時間。
- ナフプリオン: ギリシャで最も美しい町の一つとされ、第一次ギリシャ共和国の最初の首都でした。ヴェネツィア風の旧市街、パラミディ要塞、ブルジ城など見どころが豊富です。午後の散策と夕食で約3~4時間。
2日目:ナフプリオン → エピダウロス → ミケーネ → ナフプリオン
- エピダウロス: 古代ギリシャの円形劇場で、その音響効果の素晴らしさで有名です。現在でも夏季にはギリシャ演劇が上演されます。敷地内には古代の医療施設跡もあります。見学に約2時間。
- ミケーネ: 紀元前1600年~1100年頃栄えたミケーネ文明の中心地で、「獅子の門」や「アトレウスの宝庫」などが見どころです。ホメロスの叙事詩『イーリアス』に登場するアガメムノン王の城塞とされています。見学に約2時間。
- 午後はナフプリオンに戻り、旧市街の散策や買い物を楽しみましょう。
3日目:ナフプリオン → スパルタ → ミストラス → モネムヴァシア
- スパルタ: 古代ギリシャの軍事都市国家として知られるスパルタの遺跡と博物館を訪れます。見学に約1時間。
- ミストラス: ビザンチン時代の重要な都市で、現在は世界遺産に登録されています。山の斜面に建つ修道院や教会、城壁などが見どころです。見学に約2時間。
- モネムヴァシア: 「ギリシャのジブラルタル」とも呼ばれる岩山の上に築かれた中世の要塞都市です。岩山と本土を繋ぐ一本の道があるのみで、その景観は非常に印象的です。モネムヴァシアでの宿泊がおすすめです。
4日目:モネムヴァシア → オリンピア
- モネムヴァシアの旧市街を散策した後、ペロポネソス半島西部へ移動します。移動距離が長いため、途中で美しい海岸線や小さな村に立ち寄りながら進むとよいでしょう。
- オリンピア: 古代オリンピックが開催された遺跡群で、競技場、神殿、トレーニング施設などが残っています。併設の考古学博物館も見どころです。オリンピアでの宿泊がおすすめです。見学に約3時間。
5日目:オリンピア → パトラス → コリントス → アテネ
- オリンピアを出発し、ペロポネソス半島北部の主要都市パトラスへ。聖アンドレアス教会などを見学します。見学に約1時間。
- その後、リオ・アンティリオ橋(世界最長の吊り橋の一つ)を渡って北岸を東へ進み、コリントス湾沿いをアテネへ戻ります。途中、小さな海岸沿いの町に立ち寄りながら進むとよいでしょう。

ペロポネソス半島観光のポイント
- 移動手段: レンタカーが最も便利です。公共交通機関(バス)もありますが、本数が限られ、全ての観光地を効率よく巡るのは難しいです。
- ベストシーズン: 春(4~6月)と秋(9~10月)が観光に最適です。夏は非常に暑くなることがあります。
- 宿泊拠点: ナフプリオン、モネムヴァシア、オリンピアが主な宿泊地としておすすめです。
- 所要日数: 全体を巡るには最低4~5日は必要です。時間に余裕があれば、各地でゆっくり過ごすために7日間程度あると理想的です。
ペロポネソス半島は、有名な島々と比べると観光客が少なく、よりローカルな雰囲気を味わえることが魅力です。
アテネや島々を訪れた後、もう一歩踏み込んだギリシャ旅行をしたい方にぴったりのエリアと言えるでしょう。
歴史、美しい自然、地元の食文化など、様々な側面からギリシャの魅力を発見できるペロポネソス半島の旅は、忘れられない思い出になるはずです。
※施設の営業時間や入場料などは変更される可能性があるため、訪問前に最新情報を確認することをおすすめします。
ギリシャ国内の交通手段と移動のコツ

ギリシャ旅行を計画する際に欠かせないのが交通手段の選択です。
効率的に移動できれば、限られた日数でもより多くの観光スポットを訪れることができます。
ここでは、ギリシャ国内で利用可能な交通手段とそれぞれの特徴、効率良く移動するためのコツをご紹介します。
フェリー(島間移動の主要手段)
ギリシャの島々を訪れる際の主要な交通手段はフェリーです。
大きく分けて「通常フェリー」と「高速フェリー」の2種類があります。
通常フェリーは料金が安く、車両も載せられますが、速度が遅いのが難点です。
一方、高速フェリー(ハイドロフォイルまたはフライングドルフィンなど)は料金が高めですが、移動時間を大幅に短縮できます。
例えば、アテネ(ピレウス港)からサントリーニまで、通常フェリーで約8時間かかるところを、高速フェリーなら約5時間で到着します。
予約のコツ:
- ハイシーズン(7〜8月)は少なくとも1ヶ月前には予約を済ませましょう。
- 主要なフェリー会社はBlue Star Ferries、Hellenic Seaways、Sea Jetsなどです。
- 予約サイトFerryhopper(ferryhopper.com)では、複数の会社のフェリーを比較・予約できます。
- オフシーズン(11〜3月)は便数が大幅に減少するため、事前の確認が必須です。
国内線(時間を節約したい方向け)
島間移動を素早く行いたい場合は、国内線の利用も検討しましょう。
アテネからサントリーニ、ミコノス、クレタ島、ロドス島などの主要な島へは直行便があります。
所要時間は島によって異なりますが、例えばアテネからサントリーニなら約45分です。
主要な航空会社はAegean Airlines、Olympic Air、Sky Expressで、早期予約で割引料金が適用されることも多いです。
ただし、小さな島には空港がない場合もあるため、目的地に応じて確認が必要です。
バス(陸路移動の経済的選択肢)
ギリシャ本土では、KTEL(ケーテル)と呼ばれる長距離バスが主要都市間を結んでいます。
アテネからデルフィ、メテオラ、テッサロニキなどへの移動に便利です。
料金は比較的安価ですが、所要時間は長くなります。
各地域によってバス会社が異なるため、時刻表や発着場所は各社のウェブサイトで確認するか、ホテルのフロントでも情報を得られます。
大きな荷物がある場合はトランクスペースを利用できますが、混雑時は座席確保のため早めに到着することをおすすめします。

レンタカー(自由度の高い旅に)
特にペロポネソス半島や、クレタ島のような大きな島では、レンタカーがあると行動範囲が大幅に広がります。
国際免許証があれば日本人でも運転可能で、主要な観光地には国際的なレンタカー会社(Hertz、Avis、Europcerなど)の営業所があります。
ギリシャでの運転には以下の点に注意しましょう:
- 右側通行(日本と同じ)
- 山間部では道が狭く、カーブが多い
- 島では未舗装の道路もある
- 夏場は駐車場が混雑する
アテネ市内の交通手段
アテネ市内には3路線のメトロ(地下鉄)があり、主要観光スポットへのアクセスに便利です。
空港からアテネ市内へもメトロで移動可能で、所要時間は約40分です。
その他、トラム、バス、トロリーバスなども運行しています。
アテネでは交通共通チケット「Athena Ticket」が便利で、90分間有効の単一チケット(1.20ユーロ)や24時間券(4.10ユーロ)などがあります。
観光客には24時間券や5日間券がおすすめです。
移動のコツとアドバイス
- 季節を考慮する: 夏のハイシーズンはどの交通手段も混雑します。特にフェリーは満席になることも多いので、事前予約が必須です。
- 移動日を計算に入れる: 島間の移動には予想以上に時間がかかることがあります。フェリーの遅延や欠航も考慮して、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
- 複合的な交通手段を活用する: 例えば、アテネからクレタ島へは夜行フェリーを利用すれば宿泊費も節約できます。島では現地のバスとレンタカーを組み合わせるなど、柔軟に考えるとよいでしょう。
- フェリーのクラスを選ぶ: 長時間のフェリー移動では、少し割高でも座席指定やキャビンを予約すると快適に過ごせます。
ギリシャ旅行は交通手段によって体験が大きく変わります。
滞在日数や予算、訪問地に合わせて最適な移動方法を選び、効率的かつ楽しい旅にしましょう。
旅行者に役立つ現地情報

ギリシャ旅行をより快適で充実したものにするために、現地で役立つ情報をまとめました。
初めてギリシャを訪れる方も、これを参考にすれば安心して旅行を楽しめます。
通貨と支払い
ギリシャの通貨はユーロ(€)です。現金とクレジットカードの両方を持参するのがおすすめです。
特に小さな島や地方では、まだ現金のみの店舗もあります。
クレジットカードは主要なホテル、レストラン、ショップでは広く利用できます。
Visa、MasterCardが最も普及しています。
ただし、小さなタベルナ(ローカルレストラン)や市場では現金が必要な場合が多いです。
ATMは主要都市や観光地には多くありますが、小さな島では限られていることもあります。
手数料は銀行によって異なりますので、ご自身の銀行に事前に確認しておくとよいでしょう。
チップの習慣
ギリシャではチップの文化はアメリカほど厳格ではありませんが、サービスに満足した場合は少額のチップを渡す習慣があります。
- レストラン:請求書の5-10%程度。請求書にサービス料が含まれている場合は不要です。
- タクシー:料金の端数を切り上げる程度で構いません。
- ホテルのポーター:荷物1つにつき1-2ユーロ程度。
- ツアーガイド:半日ツアーで5-10ユーロ、1日ツアーで10-20ユーロ程度が目安です。
営業時間と習慣
ギリシャでは特に夏場、昼休み(シエスタ)の習慣があり、多くの小さな店舗は昼過ぎから夕方まで閉まっています。
一般的な営業時間は以下の通りです:
- ショップ:9:00-14:30、17:30-21:00頃(地域や季節により異なります)
- スーパーマーケット:9:00-21:00頃(大型店は休憩なしの場合も)
- 銀行:8:00/8:30-14:00/14:30(月〜金のみ)
- 博物館:通常8:30-15:00頃(主要な観光地では夏季は延長あり)
また、ギリシャの食事時間は日本より遅い傾向があります。
ディナーは21:00以降に食べ始めることも珍しくありません。
人気のレストランは予約をしておくと安心です。
言語とコミュニケーション
公用語はギリシャ語ですが、観光地では英語が広く通じます。
特に若い世代やホテル、レストラン、観光関連の仕事をしている人は英語を話せることが多いです。
基本的なギリシャ語の挨拶を覚えておくと、現地の人々に親しみを持ってもらえます:
- こんにちは:ヤス(Γειά σας / Yassas)
- ありがとう:エフハリスト(Ευχαριστώ / Efharisto)
- お願いします:パラカロ(Παρακαλώ / Parakalo)

インターネットとWi-Fi
主要なホテルやカフェ、レストランではWi-Fiが提供されています。
ただし、特に島の遠隔地では接続が不安定な場合もあります。
インターネット接続が必要な場合は、現地でプリペイドSIMカードを購入するか、日本で海外用のポケットWi-Fiをレンタルするのも一つの方法です。
主要なギリシャの通信会社はCosmote、Vodafone、WINDなどです。
安全対策と注意点
ギリシャは一般的に安全な国ですが、観光客の多いエリアではスリや置き引きに注意が必要です。
特にアテネの混雑した場所やメトロでは貴重品に気をつけましょう。
また、夏場は非常に暑くなるため、日中の観光時には帽子、サングラス、日焼け止め、水分補給が欠かせません。
特に遺跡観光では日陰が少ないので注意が必要です。
緊急時の連絡先:
- 警察:100
- 救急:166
- 消防:199
- 欧州共通緊急電話:112
電気プラグ
ギリシャの電圧は230V、プラグはCタイプ(ヨーロッパ標準の二股プラグ)が主流です。
日本の電化製品を使用する場合は、変圧器とプラグアダプターが必要になる場合があります。
最近のスマートフォンや充電器は100V-240Vに対応しているものが多いので、その場合はプラグアダプターのみで使用できます。
祝日と宗教行事
ギリシャ正教の祝日には多くの施設が休業することがあります。
特にイースター(復活祭)期間は最も重要な宗教行事で、交通機関や営業時間に影響が出ることもあります。
主要な祝日の時期を事前に確認しておくと安心です。
以上の情報を参考に、ギリシャでの素晴らしい旅行体験をお楽しみください。
現地の習慣や文化を尊重することで、より深くギリシャの魅力を感じることができるでしょう。
ギリシャ旅行モデルコースの総括ポイント
- 初めてのギリシャ旅行には最低7日間(6泊)が理想的
- 5日間の短期旅行ではアテネとサントリーニの2カ所に絞るべき
- 7日間コースではアテネ、サントリーニ、ミコノスの3カ所を巡れる
- 10日間あればデルフィへの日帰り観光も組み込める
- 14日間以上ではクレタ島まで行ける本格的な旅程が可能
- アテネを起点にキクラデス諸島を巡るのが基本ルート
- 島間の移動には高速フェリーと通常フェリーの選択肢がある
- オフシーズン(10月下旬~4月)は料金が30~50%安くなる
- ショルダーシーズン(5・6月前半・9・10月前半)が観光に最適
- 夏季ハイシーズン(6月後半~9月前半)は混雑と高額料金に注意
- アテネではアクロポリスとその周辺に丸1日かける計画が理想的
- サントリーニとミコノスはそれぞれ最低2泊ずつ必要
- ペロポネソス半島を巡るには最低4~5日必要
- アテネ市内ではAthena Ticketという交通共通チケットが便利
- 島間のフェリーチケットは特にハイシーズンは早めに予約すべき