ヨーロッパ旅行を計画中で、お持ちのアメリカン・エキスプレスカード(アメックス)が現地でどのくらい使えるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
まず結論からお伝えすると、ヨーロッパにおいてアメックスは
「主要都市にある大手チェーン店や施設での利用に限定される」
と考えておくのが良いでしょう。
どこでも万能に使えるカードというよりは、特定の場面で活躍するカードと捉えるのが現実的です。
これは、VisaやMastercardと比較して、アメックスを利用できるお店やサービスの数がまだ少ないのが主な理由です。
特に地方都市や個人経営の小さなお店では、使えない場面に遭遇することも少なくありません。
この記事では、ヨーロッパの国や場面ごとのアメックスの使い勝手、注意すべき点、手数料や付帯特典を活かすコツ、そして他のカードとの上手な併用方法まで、詳しく解説していきます。
ヨーロッパ旅行でのお金の心配を減らし、アメックスカードを賢く活用するための情報として、ぜひ参考にしてください。
- ヨーロッパでのアメックスの利用は都市部や大手に限られ、万能ではないこと
- 国や地域によってアメックスが使える度合いに差があること
- 高めの手数料や支払い時の注意点、ホテル特典や保険などのメリット
- VisaやMastercardを併用することが最も賢明なカード戦略であること
ヨーロッパでアメックスは使える?結論と注意点

- 結論:都市部・大手限定と割り切るのが吉
- 国別 Amex対応状況早見表【2025年版】
- 使えない場面は?個人店や交通機関に注意
- モバイル決済なら使える?Apple/Google Pay
- タッチ決済の普及状況と各国の特徴
- 「使えません」と言われた時の対処フレーズ
結論:都市部・大手限定と割り切るのが吉

ヨーロッパ旅行でアメリカン・エキスプレス(Amex)カードがどの程度使えるか、気になりますよね。
結論からお伝えしますと、ヨーロッパにおいてAmexは「主要都市にある大手チェーン店や施設での利用に限定される」と考えておくのが現実的です。
どこでも使える万能カードというよりは、特定の場面で活躍するカードと位置づけるのが良いでしょう。
なぜ限定的になってしまうのでしょうか。主な理由は、ヨーロッパにおける加盟店の数にあります。
VisaやMastercardと比較すると、Amexを利用できるお店やサービスの数は、残念ながらまだ少ないのが現状です。
特に、地方都市や個人経営の小さなお店、ローカルな市場、一部の交通機関などでは、Amexのステッカーを見かける機会は少ないかもしれません。
これは、カード会社に支払う加盟店手数料の違いなどが影響していると言われています。
具体的に、どのような場所で使えて、どのような場所で使いにくい傾向があるか、一般的な例を挙げてみます。
場面 | 使える可能性が高い場所の例 | 使いにくい可能性が高い場所の例 |
宿泊 | 国際的なホテルチェーン(ヒルトン、マリオットなど)、予約サイト経由の大手ホテル | 地方の小規模ホテル、個人経営のペンションやB&B |
ショッピング | 主要都市の有名百貨店(ハロッズ、ギャラリー・ラファイエットなど)、高級ブランド直営店、国際チェーン店 | 地方の個人商店、お土産物屋さん、ローカルスーパーマーケット、蚤の市 |
食事 | 星付きレストランや高級店、ホテルのメインダイニング、世界展開するカフェチェーン(スターバックスなど) | 街角のカフェ、地元の人が通う食堂、個人経営のパン屋さん、市場の屋台 |
交通 | 大手レンタカー会社(Hertz, Avisなど)、主要な国際鉄道(ユーロスターなど)、航空会社の公式サイト | 多くの都市の公共交通機関(券売機や窓口)、タクシー、地方のローカル線 |
その他(観光・サービス) | 大規模な美術館や観光施設、一部のオンライン予約サイト | 小さな博物館、地域のガイドツアー、一部の現地サービス(SIMカード購入など) |
もちろん、国や都市によっても状況は異なります。
例えばイギリスのロンドンなどでは比較的使える場面が多いと感じるかもしれませんが、ドイツや東欧の一部の国では、より利用できる場所が限られる傾向があります。
このように、ヨーロッパ全域でAmex一枚だけを頼りにするのは、少し心許ないかもしれません。
決済で困る場面を避けるためにも、Amexはホテルや特定のお店でのポイント獲得・特典利用を目的とした「サブカード」として考え、広く使えるVisaやMastercardをメインカードとして必ず持っていくことを強くおすすめします。
これが、ヨーロッパ旅行で安心してアメックスと付き合うための、まずお伝えしたい結論です。
参照情報:
- Wise. (2025, March 27). Using Amex in Europe: What you need to know. https://wise.com/gb/blog/using-amex-in-europe
- Merchant Cost Consulting. (2024, October 7). Why Isn’t American Express Accepted at More Places? https://merchantcostconsulting.com/lower-credit-card-processing-fees/where-american-express-accepted/
- Reddit – r/amex & r/Europetravel 内の関連スレッド (複数)
国別 Amex対応状況早見表【2025年版】

前述の通り、ヨーロッパでのアメリカン・エキスプレス(Amex)カードの使いやすさは、一概には言えません。
国によって加盟店の普及状況やカード決済文化が異なるため、渡航先によってAmexが活躍できる場面には差が出てきます。
ここでは、ヨーロッパの主要な国々について、Amexの対応状況をまとめた早見表(2025年5月現在)をご紹介します。
ただし、これはあくまで一般的な傾向を示すものであり、個々のお店や状況によって利用可否は変わる点にご留意ください。
国名 | 都市部(大手/ホテル) | 地方/個人店 | 公共交通機関 | 特記事項/注意点 | 総合評価 (目安) |
イギリス | ◎ | △~○ | ○ (ロンドン交通局等) | 他国比で受容度高め。Shop Small期間は中小店舗も狙い目。 | ○~◎ |
フランス | ○ | ×~△ | △ (主要駅/空港除く) | パリなど大都市の観光関連施設中心。地方や日常的なお店は厳しい傾向。 | △~○ |
ドイツ | ○ | × | ×~△ | 大手でも要注意。現金やデビットカード(Girocard)文化が根強い。 | △ |
イタリア | ○ | × | △ (主要駅除く) | 観光地中心。レストラン利用時は確認推奨。地方での利用は期待薄。 | △ |
スペイン | ○ | △ | △ | 加盟店増加の動きも?都市部中心だが、まだ限定的。 | △~○ |
スイス | ○ | △ | △ | 都市部や国際的な観光地では使える可能性あり。 | △~○ |
北欧諸国 | △~○ | ×~△ | △ | 国による差が大きい。キャッシュレスは進むもAmexは主流ではない。 | △~○ |
オランダ | △~○ | ×~△ | △ | ドイツなどに近い傾向か。アムステルダム等都市部中心。 | △ |
評価の目安:
◎=Visa/Mastercard並みに使える場面が多い
○=比較的使える場面が多い
△=かなり限定的(要Visa/Mastercard)
×=ほとんど期待できない
この表を見ると、やはり国によってAmexの使い勝手にばらつきがあることがわかります。
特に、イギリスを除く多くの国では、都市部の大手施設を離れると、利用できる場面がぐっと減る傾向にあります。
地方への旅行や、地元の人々が利用するような小さなお店での支払いには、あまり向いていないと言えるでしょう。
また、「Shop Small」というAmex独自のキャンペーンがイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペインなどの国で実施されることがあります。
この期間中は、キャンペーンに参加している中小規模のお店でAmexを利用すると特典があるため、一時的に使えるお店が増える可能性があります。
ただし、キャンペーンは期間限定であり、常時利用できるわけではない点に注意が必要です。
繰り返しになりますが、この表はあくまで全体的な傾向を示すものです。
実際にお店で使えるかどうかは、レジにAmexのロゴがあるかを確認したり、店員さんに尋ねてみるのが確実です。
そして何より、どの国へ旅行する場合でも、Amexが使えなかった場合に備えて、VisaやMastercardブランドのカードを必ず一緒に携帯するようにしましょう。
参照情報:
- Wise. (2025). Using your American Express card abroad: UK guide (2025). https://wise.com/gb/blog/using-amex-card-abroad (他国情報含む)
- How To Germany. (2025, January 20). AMEX Credit Cards in Germany in 2025 – Guide for Expats. https://www.how-to-germany.com/credit-cards/american-express/
- American Express. Shop Small Home | Amex UK. https://www.americanexpress.com/en-gb/benefits/shop-small/ (他国キャンペーン情報含む)
- American Express. (2024, January 15). American Express Map FAQ. https://icm.aexp-static.com/content/dam/one-amex/merchant/static/documents/FAQ_US.pdf
- Business Wire. (2020, June 29). American Express Commits More than $200 Million to Help Get Customers Shopping Small. https://www.businesswire.com/news/home/20200629005399/en/American-Express-Commits-More-than-200-Million-to-Help-Get-Customers-Shopping-Small-with-its-Largest-Ever-Global-Shop-Sm1all%C2%AE-Campaign
- Reddit – r/amex, r/germany, r/Europetravel 等の関連スレッド (複数)
- 各種メディア記事(Payment Expert, Better Retailing等)
使えない場面は?個人店や交通機関に注意

ヨーロッパでは、アメリカン・エキスプレス(Amex)カードが国際的なホテルや大手百貨店などで使える場面がある一方で、残念ながら「ここでは使えない」という状況に遭遇することも少なくありません。
特に注意しておきたいのが、地域に根差した「個人経営のお店」と、日々の移動に使う「交通機関」です。
まず、個人経営のお店について見ていきましょう。
ヨーロッパの街角には、魅力的な個人商店がたくさんあります。例えば、以下のようなお店です。
- こだわりのパンを焼くパン屋さん
- 新鮮な野菜や果物が並ぶ八百屋さん
- 地元の人で賑わう小さなカフェやバル
- 家族で切り盛りしているアットホームなレストラン
- 個性的な雑貨や洋服を扱うセレクトショップ
- 掘り出し物が見つかるかもしれないアンティークショップ
- 町の小さなお土産物屋さん
- 活気あふれる市場(マルシェ)の露店
これらのお店では、Amexカードが使えない可能性が高いと考えておくのが無難です。
理由としては、お店側がカード会社に支払う手数料が比較的高めであることや、導入の手続き、あるいは単純にVisaやMastercardがあれば十分と判断している、などが挙げられます。
こうしたお店では、現金払いのみ、あるいはVisa/Mastercardのみ利用可能というケースが多く見られます。
せっかく素敵なお店を見つけても、支払いで困らないように準備しておきたいですね。
次に、交通機関での利用についてです。
ヨーロッパ内の移動では様々な交通機関を利用しますが、Amexが使いにくい場面が比較的多いのが実情です。
- 都市の公共交通機関:
多くの都市の地下鉄、トラム、バスの券売機や窓口では、Amexが利用できないことがあります。
特に古いタイプの券売機では注意が必要です。(ロンドンの交通機関のように、タッチ決済でAmexが広く使える例外もあります。) - タクシー:
流しのタクシーでは、カード自体が使えないか、使えてもVisa/Mastercardのみという場合が多いです。
配車アプリ経由であれば、アプリに登録したAmexで支払えることもあります。 - 地方の交通機関:
地方都市を結ぶローカル線や長距離バスなどでは、窓口での利用が難しい場合があります。 - その他:
一部の格安航空会社(LCC)の機内販売や追加料金支払い、フェリーの窓口、無人のコインロッカーやガソリンスタンドなどでも、利用できない可能性が高いです。
もちろん、ユーロスターのような国際高速鉄道や、大手航空会社、主要なレンタカー会社などではAmexが使えることが多いです。
しかし、旅先での日常的な移動手段においては、Amexが使えない場面を想定しておく必要があります。
これら以外にも、大手チェーンであっても、国や地域によってはAmex非対応のスーパーマーケットが存在したり、ヨーロッパのオンラインショップで使えなかったりするケースもあります。
まとめると、Amexが使いにくい可能性が高い場面は以下の通りです。
- 個人経営の店舗全般(飲食店、小売店、サービス業など)
- ローカルマーケット、市場の露店
- 多くの都市の公共交通機関(券売機、バス、トラムなど) ※ロンドン等を除く
- タクシー(特に流し)
- 地方の鉄道・バス
- 一部のスーパーマーケット(特にディスカウントストア系)
- 一部のオンラインショップ
- 無人決済端末(自動販売機、コインロッカー、一部ガソリンスタンドなど)
これらの場面で慌てないためにも、ヨーロッパ旅行では必ずVisaやMastercardブランドのカードを併せて持っていくことが重要です。
また、特に地方や市場などでは、ある程度の現金も用意しておくと安心でしょう。
Amexが使える場面では活用しつつ、使えない場面も想定して、スマートに支払い方法を使い分ける準備をしておくことをお勧めします。
参照情報:
- Wise. (2025, March 27). Using Amex in Europe: What you need to know. https://wise.com/gb/blog/using-amex-in-europe
- Reddit – r/amex, r/Europetravel 等の関連スレッド (複数、過去の議論含む)
- 一般的なクレジットカード利用に関する情報サイト
モバイル決済なら使える?Apple/Google Pay

ヨーロッパ旅行では、アメリカン・エキスプレス(Amex)の物理カードが使えない場面も想定されます。
そこで、「スマートフォンにAmexを登録しておけば、Apple PayやGoogle Payで支払えるのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
特にヨーロッパでは、カードやスマートフォンをかざすだけのコンタクトレス(タッチ)決済が非常に普及しており、モバイル決済は便利な支払い方法です。
しかし、結論からお伝えすると、残念ながらApple PayやGoogle PayにAmexを登録したとしても、支払いをするお店自体がAmexに対応していなければ、Amexでの決済はできません。
少し仕組みを説明します。
Apple PayやGoogle Payは、NFC(近距離無線通信)という技術を使って、スマートフォンに安全に登録されたカード情報を決済端末に無線で送信します。
これは、物理的なタッチ決済対応カードをかざすのと同じ原理です。
お店の決済端末は、スマートフォンから送られてきた情報が「Amexカード」のものであることを認識します。
そして、もしそのお店がAmexと加盟店契約を結んでいなければ、たとえスマートフォン経由の支払いであっても、決済は承認されないのです。
つまり、モバイル決済は支払い方法を便利にするものであって、カードブランド自体の利用可否を変えるものではありません。
とはいえ、ヨーロッパ旅行でAmexをApple PayやGoogle Payに登録しておくことには、以下のようなメリットがあります。
- 支払いがスピーディになる:
財布からカードを探す手間がなく、スマートフォンをかざすだけで支払いが完了します(お店がAmexとコンタクトレス決済に対応していれば)。 - 物理カードを持ち歩かなくても良い場面が増える:
カード情報をスマートフォンに入れておけば、物理カードを携帯するリスクを減らせます。 - タッチ決済非対応カードでもタッチ可能に:
お持ちのAmexカード自体にタッチ決済機能がなくても、スマートフォンに登録すればタッチ決済として利用できます。
一方で、注意点もあります。
- お店がAmex非対応なら使えない:
これが最も重要な点で、モバイル決済にしても根本的な利用可否は変わりません。 - スマートフォンに依存する:
スマートフォンのバッテリー切れ、故障、一時的な通信不良などの際には利用できません。 - 全ての端末が対応しているわけではない:
非常に稀ですが、古い端末など一部ではモバイル決済に対応していない可能性もあります。
時々、「お店の人にはAmexは使えないと言われたけれど、Apple Payで試したら支払えた」という話を聞くことがあります。
これは、お店側が手数料を理由に口頭で断っているだけで、実際には決済システム自体はAmexに対応している、といった特殊なケースかもしれません。
しかし、基本的には「お店がAmexに非対応なら、モバイル決済経由でも使えない」と考えておくのが間違いありません。
まとめると、AmexをApple PayやGoogle Payに登録しておくのは、対応店舗での支払いをスムーズにする上で便利です。
しかし、Amexが使えない場面を解決する万能策ではありません。
ヨーロッパ旅行では、モバイル決済の準備と併せて、広く利用できるVisaやMastercardブランドのカード(物理カードまたはそれらを登録したモバイル決済)を必ず用意し、状況に応じて使い分けることが最も賢明な方法と言えるでしょう。
参照情報:
- American Express. 各国Apple Pay/Google Payに関するFAQページ (例: 米国 https://www.americanexpress.com/us/credit-cards/features-benefits/digital-wallets/apple-pay/frequently-asked-questions.html)
- Apple Pay 公式サイト
- Google Pay 公式サイト
- インフキュリオン. (2024, June 11). 数字で解説:世界と日本の「タッチ決済」普及状況. https://insight.infcurion.com/global/contactless-card-payment-penetration-data/
- NECモバイルPOS. NFC決済とは?. https://jpn.nec.com/mobile-pos/column/column0106/index.html
- Reddit – r/amex 等の関連スレッド (複数、過去の議論含む)
タッチ決済の普及状況と各国の特徴

ヨーロッパを旅行する際、支払い方法として非常に便利なのが「タッチ決済(コンタクトレス決済)」です。
これは、クレジットカードやデビットカード、あるいはそれらを登録したスマートフォンを、お店の決済端末にかざすだけで支払いが完了する仕組みを指します。
ヨーロッパ全体におけるタッチ決済の普及率は非常に高く、日本と比較しても格段に浸透していると言えます。
例えば、欧州中央銀行(ECB)のデータによると、2022年下期には対面でのカード決済のうち約65%がタッチ決済で行われたという報告もあります。
多くの国で、少額の支払いから日常的な買い物まで、タッチ決済がごく当たり前の支払い方法となっているのです。
この背景には、支払いのスピーディさや利便性、そして衛生面への意識の高まりなどがあると考えられます。
この便利なタッチ決済ですが、国によって普及の度合いや特徴に少し違いが見られます。
- イギリス:
ヨーロッパの中でも特に早くからタッチ決済が普及した国の一つです。
スーパーマーケットやカフェ、小売店はもちろん、ロンドンの地下鉄やバス(TfL)など公共交通機関でも広く利用できます。
タッチ決済の上限金額も比較的高めに設定されていることが多いです。 - 北欧諸国(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドなど):
これらの国々は世界的に見てもキャッシュレス化が非常に進んでおり、タッチ決済も極めて一般的です。
現金がほとんど使えないお店も存在するほどで、カードやスマートフォンでの支払いが主流となっています。 - フランス、スペイン、イタリアなど西欧・南欧主要国:
イギリスや北欧ほどではありませんが、これらの国々でもタッチ決済は広く普及しています。
都市部のほとんどのお店やレストラン、チェーン店などで対応端末を見かけるでしょう。
ただし、地方の小さなお店や個人経営の店舗などでは、まだ対応していない場合もあります。 - ドイツ:
他の西ヨーロッパ諸国と比べると、伝統的に現金支払いを好む傾向や、独自のデビットカードシステム(Girocard)の影響力が強いと言われてきました。
しかし、近年はタッチ決済の普及も急速に進んでおり、大手スーパーマーケットやチェーン店などでは利用できる場面が増えています。
それでも、他の国に比べると現金が必要になる場面がやや多いかもしれません。 - 東欧諸国:
国によって状況は異なりますが、ポーランドやチェコなど、多くの国で都市部を中心にタッチ決済の導入が進んでいます。
このように、ヨーロッパではタッチ決済が非常に便利な支払い手段となっています。
アメリカン・エキスプレス(Amex)カードを利用する場合も、タッチ決済を活用できる場面は多いでしょう。
まず、お持ちのAmexカード自体にタッチ決済機能が付いているか確認しましょう。
カードの表面(または裏面)に、Wi-Fiのマークに似た波のようなマークがあれば、タッチ決済に対応しています。
もしカード自体に対応マークがなくても、前述の通りApple PayやGoogle Payなどのモバイル決済サービスにカードを登録すれば、スマートフォンを使ってタッチ決済が可能になります。
ただし、非常に重要な点として、いくらタッチ決済が普及していても、またお持ちのカードやスマートフォンがタッチ決済に対応していても、支払いをするお店自体がAmexの加盟店でなければ、Amexでのタッチ決済は利用できません。
決済端末にタッチ決済のマークがあっても、Amexのロゴがなければ使えない、ということを覚えておきましょう。
また、タッチ決済には通常、一度に支払える上限額が設定されています(国や店舗により異なります)。
一定額を超えると、タッチ決済ではなく、カードを端末に挿入して暗証番号(PIN)を入力するか、サインを求められる場合があります。
まれに端末の不具合などでタッチ決済がうまく反応しないこともありますので、他の支払い方法(ICチップ挿入や現金)も念のため準備しておくと、より安心して旅行を楽しめるでしょう。
参照情報:
- インフキュリオン. (2024, June 11). 数字で解説:世界と日本の「タッチ決済」普及状況. https://insight.infcurion.com/global/contactless-card-payment-penetration-data/
- SMBCカード. (2020, April 30). 大道芸人への投げ銭もカードで!イギリスの最新キャッシュレス事情. https://www.smbc-card.com/mem/hitotoki/column/england.jsp
- Tokyoesque. (2019, August 9). ヨーロッパでキャッシュレスが進んでいる国4選!. https://tokyoesque.com/cashless-society-in-europe/
- Visa, Mastercard, American Express 各社ウェブサイト(タッチ決済に関する情報)
- 各国の中央銀行や決済関連機関のレポート(一部)
「使えません」と言われた時の対処フレーズ

ヨーロッパ旅行中にアメリカン・エキスプレス(Amex)カードで支払おうとした際、お店のスタッフから「Sorry, we don’t accept American Express.(すみません、アメックスは使えません)」と言われてしまう場面は、残念ながらあり得ます。
そんな時でも慌てずに、スマートに対応するための心構えと、いざという時に役立つ簡単なフレーズをいくつかご紹介します。
まず大切なのは、落ち着いて対応することです。
「使えない」と言われても感情的にならず、まずは状況を受け入れましょう。
そして、代替となる支払い方法(VisaやMastercard、あるいは現金)をすぐに提示できるように準備しておくとスムーズです。
お店の方針でAmexを受け付けていない場合は、無理強いせず、素直に別の方法で支払う姿勢が大切です。
以下に、具体的な状況に応じたフレーズを、英語を中心に、簡単なドイツ語・フランス語も併記してご紹介します。
カタカナの発音はあくまで目安として参考にしてください。
単純に「Amexは使えません」と言われた時
まずはお店の意向を受け入れ、別の支払い方法を提示しましょう。
- 英語:
- “Oh, I see. Do you accept Visa or Mastercard?” (オー、アイ スィー。ドゥー ユー アクセプト ヴィーザ オア マスターカード?) 訳: そうですか。VisaかMastercardは使えますか?
- “Okay, I’ll pay with this card instead.” (別のカードを見せながら) (オッケー、アイル ペイ ウィズ ディス カード インステッド。) 訳: わかりました、ではこちらのカードで払います。
- “I’ll pay in cash then.” (アイル ペイ イン キャッシュ ゼン。) 訳: では現金で払います。
- ドイツ語:
- “Ach so. Akzeptieren Sie Visa oder Mastercard?” (アッハ ゾー。アクツェプティーレン ズィー ヴィーザ オーダー マスターカード?)
- “Okay, dann bezahle ich mit dieser Karte.” (オッケー、ダン ベツァーレ イッヒ ミット ディーザー カルテ。)
- “Dann bezahle ich bar.” (ダン ベツァーレ イッヒ バー。)
- フランス語:
- “Ah, d’accord. Acceptez-vous Visa ou Mastercard ?” (ア、ダコー。アクセプテ ヴ ヴィザ ウ マスターカード?)
- “D’accord, je vais payer avec cette carte alors.” (ダコー、ジュ ヴェ ペイエ アヴェック セットゥ カルトゥ アロー。)
- “Je vais payer en espèces alors.” (ジュ ヴェ ペイエ オン エスペス アロー。)
ダメ元で「試してもらえませんか?」とお願いしたい時
「本当は使えるはずなのに…」と思う場合や、店員さんが不慣れな様子の時に、丁寧に試してもらうようお願いするフレーズです。
ただし、強く要求するのは避け、断られたらすぐに引き下がりましょう。
- 英語:
“Could you please try it just in case? Sometimes it works.” (クッデュー プリーズ トライ イット ジャスト イン ケース? サムタイムズ イット ワークス。)
訳: 念のため試していただけますか? 時々使えることがあるので。 - ドイツ語:
“Könnten Sie es bitte für alle Fälle versuchen? Manchmal funktioniert es.” (ケンテン ズィー エス ビッテ フュア アレ フェレ フェアズーヘン? マンヒマル フンクツィオニート エス。) - フランス語:
“Pourriez-vous essayer juste au cas où ? Parfois, ça fonctionne.” (プリエ ヴ エセイエ ジュストゥ オ カズ ウ? パるフォワ、サ フォンクスィオンヌ。)
決済端末でエラーが出たように見える時
カードをかざしたり挿入したりした際にエラー表示が出た場合、一時的な問題か確認するフレーズです。
- 英語:
“Is there an error with the machine? Should I try again?” (イズ ゼア アン エラー ウィズ ザ マシーン? シュッド アイ トライ アゲイン?) 訳: 機械のエラーですか? もう一度試しましょうか? - ドイツ語:
“Gibt es ein Problem mit dem Gerät? Soll ich es nochmal versuchen?” (ギプト エス アイン プロブレーム ミット デム ゲレート? ゾル イッヒ エス ノッホマル フェアズーヘン?) - フランス語:
“Y a-t-il une erreur avec la machine ? Dois-je réessayer ?” (イ ア ティル ユヌ エるーる アヴェック ラ マシーヌ? ドワ ジュ れエセイエ?)
おまけ:覚えておくと便利な丁寧表現
- 英語:
“Sorry for the trouble.” (お手数をおかけします/すみません) - ドイツ語:
“Entschuldigung für die Umstände.” (エントシュルディグング フュア ディー ウムシュテンデ) - フランス語:
“Désolé(e) pour le dérangement.” (デゾレ プーる ル デランジュモン) ※女性が言う場合はDésolée - 共通:
“Thank you.” / “Danke schön.” / “Merci.” (ありがとう)
これらのフレーズはあくまで一例です。
完璧な発音でなくても、伝えようとする気持ちと丁寧な態度があれば、きっと相手に意図は伝わります。
指差しやジェスチャーを交えたり、スマートフォンの翻訳アプリを活用したりするのも良い方法です。
一番大切なのは、Amexが使えない状況も想定内として、代替の支払い手段を常に用意しておくこと。
そうすれば、「使えません」と言われても慌てることなく、落ち着いて対応できるはずです。
参照情報:
- 筆者の体験
- 一般的な旅行会話集(オンライン含む)
- オンライン翻訳サービス(Google翻訳, DeepLなど)を参考に作成
ヨーロッパのアメックス活用術!手数料と特典

- Amex特典を最大化!ホテル上級会員・保険
- 3.5%外貨手数料を回避する賢い方法
- DCC(円建て決済)は必ず「No」を選ぶ
- Visa/Masterとの併用がおすすめな理由
- シーン別 おすすめカード組み合わせ例
- 出発前に確認!必須チェックリスト5選
Amex特典を最大化!ホテル上級会員・保険

これまでの記事で、ヨーロッパにおけるアメリカン・エキスプレス(Amex)カードの利用場面について見てきましたが、Amexの魅力は決済のスムーズさだけではありません。
特に上位カードには、旅行体験を格段に豊かにしてくれる特典が付帯しています。
今回は、ヨーロッパ旅行で特に役立つ「ホテル上級会員資格」と「旅行関連保険」に焦点を当て、その活用法をご紹介します。
1. ホテルプログラムの上級会員資格
Amexの特定のカード、例えばプラチナ・カードなどには、提携している有名ホテルグループの上級会員資格が無条件で付与される特典があります。
これにより、通常は年間に何十泊もしなければ得られないようなステータスを、カードを持っているだけで手に入れることができるのです。
- 付帯する可能性のある主なホテルプログラム例(カードによります)
- マリオットボンヴォイ(Marriott Bonvoy):ゴールドエリート会員資格
- ヒルトン・オナーズ(Hilton Honors):ゴールド会員資格
- ラディソン・リワード(Radisson Rewards):Premiumステータス
これらの上級会員資格を持っていると、ヨーロッパ各地の提携ホテルに宿泊する際に、様々な優待を受けられる可能性があります。
- 主な上級会員特典の例
- お部屋のアップグレード(空室状況によります)
- レイトチェックアウト(通常より遅い時間のチェックアウト)
- 朝食無料サービス(ホテルブランドや会員ランクにより、本人+同伴者1名までなど)
- ウェルカムギフト(ポイント付与やドリンクサービスなど)
- 会員専用ラウンジへのアクセス(より上位の会員資格の場合)
これらの特典を活用すれば、ホテルでの滞在がより快適になるだけでなく、朝食代などが無料になることで実質的なコスト削減にも繋がります。
ヨーロッパ旅行でホテル滞在を楽しむ方にとっては、非常に価値の高い特典と言えるでしょう。
ただし、これらの特典を利用するには、事前にカード会員サイト経由で各ホテルプログラムへの登録手続きが必要な場合がほとんどです。
ご自身のカードにどのプログラムが付帯しているか、必ず確認して手続きを済ませておきましょう。
2. 旅行関連保険
多くのAmexカードには、海外旅行中の万が一に備えるための保険が付帯しています。
補償内容はカードの種類によって大きく異なりますが、主に以下のようなものがあります。
- 海外旅行傷害保険:
旅行中の病気やケガによる治療費用、携行品(持ち物)の盗難や破損、誤って他人に損害を与えてしまった場合の賠償責任などを補償します。 - 航空便遅延費用補償:
搭乗予定だった飛行機が大幅に遅延したり、欠航したり、乗り継ぎに失敗したりした場合にかかった食事代や、予期せぬ宿泊が必要になった場合の費用などを補償してくれることがあります。 - 手荷物遅延・紛失費用補償:
空港で預けたスーツケースが、目的地に到着してもなかなか出てこなかったり、紛失してしまったりした場合に、当面必要な衣類や生活必需品を購入する費用を補償してくれることがあります。 - キャンセル・プロテクション(一部カード):
カード会員本人や家族の急な病気やケガ、あるいは社命による出張などで、予約していた旅行やコンサートに行けなくなった場合に、キャンセル費用の一部を補償するサービスです。 - ショッピング・プロテクション:
カードで購入した商品が、購入日から一定期間内に破損したり盗難に遭ったりした場合に、その損害を補償する保険です(国内・海外での購入を問わない場合が多い)。
これらの保険が付帯していることで、安心して旅行に出かけやすくなります。
ただし、利用にあたっては非常に重要な注意点があります。
- 必ず確認すべき重要ポイント
- 適用条件(利用付帯か自動付帯か):
保険が適用される条件として、「カードを持っているだけで自動的に適用される(自動付帯)」のか、「旅行代金などをそのカードで支払う必要がある(利用付帯)」のか、必ず確認が必要です。
同じカードでも補償項目によって異なる場合があります。 - 補償内容と補償額:
具体的にどのような場合に、いくらまで補償されるのか、上限額や対象となる費用を正確に把握しておく必要があります。
特に治療費用は海外では高額になることがあるため、補償額が十分か検討が必要です。 - 対象者:
カード会員本人だけでなく、家族も補償対象に含まれるかどうかも確認しましょう。 - 連絡先と申請方法:
万が一の際にどこへ連絡すればよいのか、保険金を請求する際にどのような書類が必要になるのかを事前に確認し、連絡先を控えておきましょう。
- 適用条件(利用付帯か自動付帯か):
Amexカード付帯の保険は手厚いものが多いですが、あくまでカードの付帯サービスです。
ご自身の旅行スタイルや必要とする補償内容によっては、別途有料の海外旅行保険への加入を検討することも大切です。
付帯保険の内容をよく理解した上で、不足分を補う形で任意保険を選ぶのが賢明です。
これらのホテル特典や保険を最大限に活用するには、出発前の情報収集と準備が不可欠です。
ご自身のカードの特典内容を会員専用サイトや規約集でしっかりと確認し、必要な手続き(ホテル会員登録など)を済ませておくことで、Amexカードのメリットを存分に享受できるでしょう。
参照情報:
- 筆者の体験
- American Express 公式サイト (プラチナ・カード特典ページ、保険規約ページなど)
- Marriott Bonvoy 公式サイト
- Hilton Honors 公式サイト
- 例: Amex会員向けHilton Honors Gold特典 https://www.americanexpress.com/icc/cards/benefits/travel/hilton-honors-elite-gold-status.html
- Radisson Rewards 公式サイト
- 各種クレジットカード情報サイト (例: monsterism.net, vie-simple.com, One Mile at a Time, nanameue-travel.com, hs-sonpo.co.jp, saisoncard.co.jp, hajimetemile.jp, happy-mi-life.net, financial-field.com など)
3.5%外貨手数料を回避する賢い方法

ヨーロッパ旅行中にアメリカン・エキスプレス(Amex)カードをユーロなどで利用すると、日本円に換算される際に「外貨取扱手数料(海外利用手数料とも呼ばれます)」というコストが発生します。
この手数料について、アメリカン・エキスプレス(日本発行の個人・ビジネスカード)は、2025年8月1日から料率を従来の2.0%から3.5%(税込)に改定することを発表しています。
利用額が大きくなると、この3.5%の手数料は無視できない負担となり得ます。
例えば、1,000ユーロのお買い物をした場合(仮に1ユーロ=160円の基準レートで換算)、利用額は160,000円ですが、これに3.5%の手数料(5,600円)が上乗せされ、請求額は約165,600円となります。
このコストを少しでも抑えるための賢い方法を知っておくことは、ヨーロッパ旅行の予算管理において非常に重要です。
残念ながら、Amexカードを利用する際にこの3.5%の手数料を完全にゼロにする方法は基本的にありません。
したがって、最も現実的な対策は、「Amexカードを使う場面を限定し、手数料がより低い、あるいは無料の他の決済手段と賢く使い分ける」ことです。
具体的には、以下のような方法が考えられます。
手数料が低い、または無料の他のカードをメインにする
- 海外利用手数料が低いクレジットカード(Visa/Mastercardなど):
クレジットカードの中には、海外利用時の手数料率をAmexの3.5%よりも低く設定しているものがあります。
例えば、1.6%や2.2%程度の手数料率を採用しているカードも存在します。
VisaやMastercardブランドで探してみると、選択肢が見つかるかもしれません。
これらのカードをヨーロッパでの主な支払い手段として利用することで、手数料負担を軽減できます。 - 海外利用に特化したカード(Wise、Revolutなど):
- Wise(ワイズ)デビットカード:
Wiseのマルチカレンシー口座に事前に日本円を入金し、アプリでユーロなどに両替しておけば、そのユーロ残高から手数料無料で支払いができます。
もしユーロ残高がなくても、日本円残高から自動で両替して支払われますが、その際の両替手数料は0.6%〜(通貨ペアによる)と、Amexの手数料より大幅に低く設定されています。
為替レートも市場の実勢レート(ミッドマーケットレート)に近いものが適用されます。 - Revolut(レボリュート)カード:
海外でのカード決済時にかかる「海外事務手数料」は無料です。
ただし、有利なレートで両替するには、事前にアプリ内で日本円からユーロなどに両替しておくのが基本です。
無料プランの場合、月間の両替額に無料枠があり、それを超えると手数料がかかる場合があります。
また、週末(土日)の両替には追加手数料がかかる点にも注意が必要です(有料プランでは条件が異なります)。
- Wise(ワイズ)デビットカード:
外貨口座から直接支払えるデビットカードを利用する
- SMBC信託銀行プレスティアのGLOBAL PASSなど:
一部の銀行では、外貨普通預金口座を開設し、その口座に紐づいたデビットカード(例: GLOBAL PASS)を発行しています。
口座にあるユーロなどの外貨残高から、海外でのショッピング時に手数料無料で直接支払うことができます。
海外ATMでの現地通貨引き出し手数料も無料の場合があります(別途、口座開設が必要です)。
現金払いを補助的に利用する
- 現金での支払いであれば、カードの海外利用手数料はかかりません。
ただし、日本円からユーロへの両替時に手数料がかかることや、多額の現金を持ち歩くリスク、利便性の低さを考慮すると、あくまで補助的な手段として、少額の支払いやカードが使えない場面に限定するのが良いでしょう。
賢い使い分けが鍵
Amexカードの3.5%という外貨取扱手数料は、他の決済手段と比較すると高めであることは否めません。
そのため、ヨーロッパ旅行においては、以下のような使い分けが賢明です。
- Amexカード:
ホテル上級会員特典の利用、空港ラウンジアクセス、付帯保険の適用(利用付帯の場合)など、Amexならではの特典を享受したい場面に限定して利用する。
ポイントやマイルを高効率で貯めたい特定の支払いにも有効かもしれません。 - 低手数料カード/サービス(上記1, 2):
日常的な買い物、食事、交通費など、多くの支払い場面では、Wise、Revolut、低手数料クレジットカードなどをメインに利用し、手数料負担を最小限に抑える。 - 現金(上記3):
カードが使えない露店や個人商店、チップの支払いなど、限定的な場面で利用する。
どのカードやサービスを選ぶにしても、ご自身の旅行スタイルや利用頻度に合わせて、手数料体系、為替レート、利用限度額、年会費などを事前にしっかりと比較検討することが重要です。
必ず公式サイトで最新の情報を確認するようにしましょう。
参照情報:
- American Express 公式サイト
- TRAICY. (2025, April 23). アメックス、外貨取扱手数料を引き上げ 3.5%に. https://www.traicy.com/posts/20250423336390/
- Wise 公式サイト
- Wiseデビットカードについて: https://wise.com/jp/card/ (手数料詳細含む)
- 参考ブログ: https://wise.com/jp/blog/debit-card-abroad-comparison, https://wise.com/jp/blog/credit-card-abroad-fees
- Revolut 公式サイト
- SMBC信託銀行プレスティア 公式サイト
- GLOBAL PASSについて: https://www.smbctb.co.jp/lp/gp/001/
- 各種クレジットカード比較サイト (例: Bigmac inc https://big-mac.co.jp/media/overseas-credit-card-fees/, exiap.jp, adviser-navi.co.jp, nanameue-travel.com など)
DCC(円建て決済)は必ず「No」を選ぶ

ヨーロッパ旅行中、お店やレストランでクレジットカード(アメリカン・エキスプレスカードを含む)を使って支払う際、あるいはATMで現地通貨を引き出す際に、ちょっと注意が必要な場面があります。
それは、決済端末の画面や店員さんから「日本円(JPY)で支払いますか? それとも現地通貨(ユーロなど)で支払いますか?」と選択を求められるケースです。
一見すると、その場で日本円での支払額が確定するので安心できるように思えるかもしれません。
この「自国通貨建て決済(日本人なら円建て決済)」の仕組みは「DCC(Dynamic Currency Conversion)」と呼ばれています。
しかし、この選択肢には注意が必要です。結論から言うと、海外でカード決済をする際は、必ず「現地通貨建て」を選びましょう。「円建て(JPY)」の選択肢は避けるのが賢明です。
なぜ「円建て」を選んではいけないのでしょうか。
それは、DCCで適用される為替レートに理由があります。
DCCを利用して円建てで支払う場合、適用される為替レートは、国際的なカードブランド(Visa, Mastercard, Amexなど)が定める基準レートではありません。
そのお店やDCCサービスを提供する事業者が独自に設定した、多くの場合、利用者にとって不利なレートが適用されるのです。
この独自レートには、お店側の手数料(マージン)が上乗せされていることが一般的で、時には数パーセントから十数パーセントも割高になるケースがあると言われています。
一方で、「現地通貨建て」を選んだ場合は、後日カード会社によって請求額が確定されます。
その際の計算は、通常「カードブランドが定める基準レート」に「カード会社所定の外貨取扱手数料(Amexの場合は2025年8月1日から3.5%)」を加えたレートで行われます。
つまり、DCC(円建て)を選ぶと、お店独自の割高なレートで計算されるため、最終的な日本円での請求額は、現地通貨建てで支払った場合よりも高くなってしまうことがほとんどなのです。
具体的な場面と正しい選択
以下のような場面に遭遇したら、必ず「現地通貨」を選んでください。
- 決済端末の画面:
- 「JPY」と「EUR」(または他の現地通貨)のボタンが表示されたら → 必ず「EUR」(現地通貨)を選択します。
- 「Pay in JPY? Yes / No」と表示されたら → 必ず「No」を選択します。
- 店員からの質問:
- 「Japanese Yen or Euro?」などと聞かれたら → 「Euro, please」または「Local Currency, please」と明確に伝えます。
- レシート:
- サインや暗証番号入力の前に渡されるレシートに、「JPYでの支払いに同意します」といったチェックボックスや署名欄がないか確認し、もしあってもチェックやサインはしません。
金額欄が現地通貨で記載されていることを確認しましょう。
- サインや暗証番号入力の前に渡されるレシートに、「JPYでの支払いに同意します」といったチェックボックスや署名欄がないか確認し、もしあってもチェックやサインはしません。
もし間違えて円建てを選んでしまったら
支払いが完了する前であれば、すぐに店員さんに「現地通貨で支払いたい(I’d like to pay in local currency / Euro, please.)」と伝え、処理をやり直してもらえないか試みましょう。
ただし、一度処理が完了してしまうと変更は難しい場合が多いです。
その場合は、次回から気をつけるようにしましょう。
このDCCの注意点は、Amexカードを利用する場合も全く同じです。
Amexの高いポイント還元や特典を活かしたい場面であっても、支払い時には必ず「現地通貨建て」を選択することを徹底してください。
せっかくの特典が、不利な為替レートで相殺されてしまってはもったいないですからね。
参照情報:
- 筆者の体験
- Stripe. 動的通貨換算とは. https://stripe.com/jp/resources/more/dynamic-currency-conversion-how-it-works-how-to-handle-it-and-how-stripe-can-help
- JCB. 海外旅行でクレジットカードを使うメリットと注意点、手数料の計算方法. https://www.jcb.co.jp/ordercard/special/travel_abroad_creditcard.html
- SMBC信託銀行プレスティア. 海外でのデビットカード決済はDCC?現地通貨?. https://www.smbctb.co.jp/globalcompass/tips/dcc/
- exiap.jp. クレジットカードの海外手数料を比較。. https://exiap.jp/guides/credit-card-fee-comparison
- ドットマネー. クレジットカードのドル決済とは?. https://d-money.jp/creditcard/visa/check-exchange-rate/
- NTTデータ. Frequently Asked Questions | DCCについて. https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/cafis_dcc/dcc_english_faq/
Visa/Masterとの併用がおすすめな理由

これまでの記事を通して、アメリカン・エキスプレス(Amex)カードがヨーロッパの特定の場面で役立つ特典を持つ一方で、利用できる場所が限られたり、外貨利用時の手数料が比較的高め(2025年8月1日以降は3.5%)であったりする側面を見てきました。
では、ヨーロッパ旅行に最適なカード戦略とは何でしょうか?
答えは、「Amex一枚に頼るのではなく、VisaやMastercardブランドのカードと必ず併用する」ことです。
その具体的な理由をいくつかご紹介します。
1. 圧倒的な加盟店網で支払いをカバーできる(最重要)
ヨーロッパにおいて、支払い可能な店舗数(加盟店数)ではVisaとMastercardが圧倒的なシェアを誇ります。
二つのブランドを合わせると、ヨーロッパのカード決済可能店舗の9割近くをカバーするとも言われています。
一方、Amexが利用できるお店は、前述の通り、主要都市の大手ホテルや百貨店、一部のチェーン店などに限られる傾向があります。
VisaやMastercardを併せ持つことで、Amexが使えない個人経営のレストランやカフェ、スーパーマーケット、小さなお土産屋さん、公共交通機関の券売機など、旅先でのあらゆる支払い場面に対応できるようになります。
これにより、「Amexが使えるお店では特典を狙ってAmexを使い、それ以外のお店ではVisa/Mastercardで確実に支払う」という柔軟な使い分けが可能になります。
2. 海外利用手数料を節約できる可能性がある
Amexカードで外貨決済をする際にかかる3.5%(2025年8月1日以降)の手数料は、他のカードと比較してやや高めの水準です。
VisaやMastercardブランドのクレジットカードの中には、この海外利用手数料がより低く設定されているもの(例えば1.6%~2.2%程度)も存在します。
日常的な支払いや少額の決済を、手数料の低いVisa/Mastercardブランドのカードで行い、Amexの利用は特典が目的の場合などに絞ることで、旅行全体でかかる手数料コストを効果的に抑えることができます。
3. カードトラブル発生時のリスクを分散できる
海外旅行中は、何が起こるかわかりません。万が一、お持ちのAmexカードが磁気不良やICチップの破損で読み取れなくなったり、紛失・盗難に遭って利用停止せざるを得なくなったりした場合、他に決済手段がないと非常に困ってしまいます。
また、稀に特定のお店の決済端末とカードの相性が悪く、うまく処理できないというケースも考えられます。
複数の異なる国際ブランドのカードを持っていれば、このような不測の事態が発生しても、別のカードで支払いを続けることができ、安心感が格段に高まります。
4. ATMでの現金引き出しの選択肢が広がる
現地通貨が少し必要になった際に、クレジットカードのキャッシング機能を使ってATMから現金を引き出すことができます。
この時、利用できるATMはカードブランドが提携しているネットワークによって異なります。
Visaは主に「PLUS」、Mastercardは主に「Cirrus」というネットワークに接続されており、ヨーロッパの多くのATMにはこれらのマークが表示されています。
VisaとMastercardの両方を持っていれば、より多くのATMを利用できる可能性が高まります。
(ただし、キャッシングは借入れにあたり、利息が発生しますので、利用は計画的に、必要最低限に留めることをお勧めします。)
5. 各ブランドが提供する特典を活用できる
AmexにはAmexならではの充実した特典がありますが、VisaやMastercardにもそれぞれ独自の優待プログラムが存在します。
例えば、Visaでは特定のレンタカー会社での割引が提供されていたり、Mastercardでは「Priceless Cities」プログラムを通じて、ヨーロッパを含む世界中の都市で特別な観光体験やレストランでの優待などが提供されていたりします。
複数のブランドを持つことで、それぞれの特典を状況に応じて活用できるチャンスも広がります。
これらの理由から、ヨーロッパ旅行においては、Amexカードの特典を享受しつつ、VisaやMastercardでその弱点を補完し、利便性・経済性・安全性を高める「併用戦略」が最も賢明と言えます。
最低でも「Amex + Visa」または「Amex + Mastercard」の2枚持ち、可能であれば「Amex + Visa + Mastercard」の3ブランドを揃えておくと、より安心して快適な旅行を楽しめるでしょう。
ちなみに、同じく日本で馴染みのあるJCBカードについてはどうでしょうか。
アメックスと同様に、ヨーロッパでの利用を考える際には、その特性を知っておくことが役立ちます。
ヨーロッパでのJCBカードの利用状況や注意点について詳しく知りたい方は、『ヨーロッパへの海外旅行でJCBカード使用時の全知識まとめ』の記事も参考にしてみてください。
JCBが使える国や店舗、アメックスとの違いなどを把握することで、より盤石なカード戦略を立てられるはずです。
参照情報:
- European Court of Auditors. (2025). Special report 01/2025: Digital payments in the EU. https://www.eca.europa.eu/en/publications/SR-2025-01
- Payments Dive. (2023, December 11). Mastercard ties growth to digital strategy. https://www.paymentsdive.com/news/mastercard-credit-debit-card-growth-digital-cash-strategy/701871/
- Nilson Report. Global Brand Card Acceptance Locations. (加盟店数に関する業界レポート)
- NerdWallet. (2024, April 25). Who Has the Acceptance Edge: American Express or Discover?. https://www.nerdwallet.com/article/credit-cards/discover-american-express-acceptance
- Visa 公式サイト (優待情報など)
- Mastercard 公式サイト (Priceless Cities: https://www.priceless.com/ など)
- 三井住友カード公式サイト (海外レンタカー優待など)
シーン別 おすすめカード組み合わせ例

これまで、ヨーロッパにおけるアメリカン・エキスプレス(Amex)カードの特性、メリット・デメリット、そしてVisaやMastercardとの併用の重要性について解説してきました。
では、具体的にどのようなカードを組み合わせて持って行くのが良いのでしょうか?
ここでは、旅行の目的やスタイルに合わせたカードの組み合わせ例をいくつかご紹介します。
ただし、これらはあくまで一般的なモデルケースです。
ご自身がお持ちのカードの特典や手数料、ポイントプログラム、そして旅行のスタイルに合わせて、最適な組み合わせを考える際の参考にしてください。
目的 | メイン決済候補 | 予備・補助候補 | 組み合わせのポイント |
観光・ショッピング (一般的な旅行) | ① 低手数料Visa/Mastercard ② Wise/Revolutカード | Amex, ①の場合は②、②の場合は①、現金 | コストと利便性のバランス重視 ・日常的な支払いは手数料の低い①か②で。 ・Amexはホテル特典や高級店でのポイント獲得、ラウンジ利用など「特別な場面」に限定。 ・現金はチップやカード不可の小規模店用に。 |
出張(経費精算) | 会社支給Amex (経費分) | Revolut/Wiseカード, 個人用Visa/Mastercard, 現金 | 経費精算と個人の利便性両立 ・会社の経費は指定のAmexに集約し明細管理を容易に。 ・個人の食事代や交通費、現地ATMでの現金引き出しはRevolut/Wise等で低コストに。 ・個人のクレカは緊急用や立替用。 |
特典重視派 | 低手数料Visa/Mastercard or Wise/Revolutカード | Amex (特典利用場面で積極的に), 現金 | Amex特典を最大限活用しつつコスト意識 ・ホテル(FHR含む)や空港ラウンジ、保険などAmex特典をフル活用。 ・ただし決済自体はAmex対応店以外では低コストなカードをメインに。無理にAmexで払おうとしない。 |
各組み合わせ例の補足
- 観光・ショッピング:
多くの旅行者にとって現実的なのがこのパターンです。
普段の街歩きでの買い物や食事は、海外利用手数料が比較的低いVisa/Mastercardや、さらに手数料を抑えられるWise/Revolutカードを利用します。
そして、Amexは提携ホテルの特典(部屋のアップグレードや朝食無料など)を受けたい時や、空港ラウンジを使いたい時、あるいはポイントが多く貯まる特定のお店で利用するなど、明確な目的がある場面に絞って使う、という考え方です。
現金も少額は用意しておくと安心です。 - 出張(経費精算):
会社からAmexカードが支給されている場合、経費の支払いはそれにまとめるのが一般的でしょう。
明細が一つになり経費精算が楽になります。
一方で、個人的な支払い(自由時間の食事など)や、現地で少し現金が必要になった場合に備えて、RevolutやWiseのようなカードがあると便利です。
これらは個人の口座から低コストで支払い・現金引き出しができます。
さらに予備として個人のVisa/Mastercardもあると安心です。 - 特典重視派:
Amexの年会費に見合うメリットを最大限引き出したい方はこのパターンです。
Fine Hotels + Resorts (FHR)での予約、ホテル上級会員特典の享受、充実した旅行保険などを積極的に活用します。
ただし、決済手数料の高さを考慮し、Amexが使えて特典メリットが大きい場面以外では、無理にAmexを使わず、他の低コストなカードで支払うのが賢明です。
特典享受とコスト効率のバランスを取ることが重要になります。
カードの持ち歩き方について
どの組み合わせを選ぶにしても、複数のカードを持つ場合は、紛失や盗難のリスクに備えて分散して携帯することをおすすめします。
例えば、メインで使うカードは財布に入れ、予備のカードは別の安全な場所(ホテルのセーフティボックスや、別のカバンの内ポケットなど)に保管しておくと、万が一の際にも安心です。
また、スマートフォンにApple PayやGoogle Payを設定しておけば、物理カードを持ち歩かずに済む場面も増え、より安全・便利になります。
最終的には、ご自身のカードラインナップと旅行計画を照らし合わせ、どのカードをどの場面で使うか、事前にシミュレーションしておくことが大切です。
この組み合わせ例をヒントに、あなたにとってベストなカード戦略を見つけてください。
参照情報:
- これまでの記事で参照した各種情報(Amexの特性、Visa/Mastercardの加盟店状況、Wise/Revolutの特徴、手数料情報など)に基づいて作成。
出発前に確認!必須チェックリスト5選

ヨーロッパ旅行の準備もいよいよ大詰め。
パスポートや航空券、ホテルの予約はOKでも、意外と見落としがちなのがクレジットカードに関する事前確認です。
現地で「カードが使えない!」「どうしよう…」と慌てないために、出発前に必ずチェックしておきたい5つの必須項目をリストアップしました。
特にアメリカン・エキスプレス(Amex)カードをお持ちの方は、特典利用なども含めて確認しておきましょう。
【チェックリスト】
- カードの有効期限と利用限度額は大丈夫?
- 確認ポイント:
持っていく予定の全てのクレジットカード(Amex、Visa、Mastercardなど)の表面に記載されている有効期限(MONTH/YEAR)を確認し、旅行期間中に切れてしまわないかチェックしましょう。 - なぜ必要?:
有効期限切れのカードはもちろん使えません。 - 追加チェック:
クレジットカードの利用可能枠(限度額)も確認を。特にホテルでのデポジット(保証金)や高額な買い物、旅行費用全体の支払いを考えると、十分な残高があるか把握しておくことが大切です。
必要であれば、一時的な増枠が可能かカード会社に相談することも検討しましょう。
- 確認ポイント:
- 暗証番号(PINコード)は覚えていますか?
- 確認ポイント:
お持ちのICチップ付きカードの4桁の暗証番号(PINコード)を正確に覚えているか確認しましょう。 - なぜ必要?:
ヨーロッパでは、日本国内よりもカード決済時に暗証番号の入力を求められる場面が多くあります。
駅の券売機やスーパーのセルフレジ、一部店舗での高額決済時など、サインではなく暗証番号が必須となるケースが増えています。 - 注意点:
暗証番号を忘れてしまった場合、照会には時間がかかることがあります。
Amexの場合、オンライン・サービス(マイアカウント)やアプリで即時確認が可能ですが、電話での照会は郵送となり1週間~10日程度かかる場合があります。
他のカード会社も同様の場合があるので、出発直前ではなく、余裕をもって確認・手続きをしましょう。
- 確認ポイント:
- タッチ決済・モバイル決済の準備はOK?
- 確認ポイント:
カード表面(または裏面)にWi-Fiのような波マークがあるか確認しましょう。これがタッチ決済対応の目印です。 - なぜ必要?:
ヨーロッパではタッチ決済が非常に普及しており、スピーディな支払いに役立ちます。 - 追加チェック:
Apple PayやGoogle Payを利用する場合は、必ず日本国内にいる間にカード情報を登録し、アクティベート(利用可能な状態に)しておきましょう。
海外で設定しようとすると、SMS認証の受信がうまくいかないなどのトラブルが発生する可能性があります。
- 確認ポイント:
- カード裏面の署名(サイン)は書いてありますか?
- 確認ポイント:
クレジットカードの裏面にある署名欄に、ご自身のサインがしっかりと書かれているか確認しましょう。 - なぜ必要?:
カード裏面の署名は、カード会社の規約で義務付けられています。
署名がない場合、店舗での利用を断られたり、万が一紛失・盗難に遭って不正利用された際に、カード付帯の保険(盗難保険など)の補償が受けられなくなる可能性があります。
油性の消えないペンで、パスポートと同じサインを書いておくのがおすすめです。
- 確認ポイント:
- 緊急連絡先(紛失・盗難時)を控えていますか?
- 確認ポイント:
万が一カードを紛失したり、盗難に遭ったりした場合に備え、すぐにカード会社に連絡して利用停止の手続きができるように準備しておきましょう。 - なぜ必要?:
不正利用の被害を最小限に抑えるためには、迅速な連絡が不可欠です。 - 具体的な準備:
各カード会社の海外からの緊急連絡先(電話番号)を、カードとは別の安全な場所(スマートフォンだけでなく、紙のメモ帳など)に控えておきましょう。
Amexには「グローバル・ホットライン」という24時間日本語対応の窓口があります。
連絡先は事前にAmexの公式サイトなどで確認してください。
カード番号や有効期限も別途控えておくと手続きがスムーズですが、これらの情報の保管には厳重な注意が必要です。
- 確認ポイント:
その他(推奨事項)
- 海外利用の事前連絡:
以前は推奨されていましたが、現在は多くのカード会社で必須ではなくなっています。
ただし、普段と異なる高額な利用予定がある場合など、不正利用検知システムによる一時停止が心配な方は、念のためカード会社に連絡しておくと安心感が増すかもしれません。 - 付帯保険の再確認:
加入している海外旅行保険の内容(補償範囲、適用条件、保険金請求に必要な書類、緊急連絡先など)を改めて確認し、必要な情報をメモしておくと、いざという時に役立ちます。
これらのチェック項目を確認し、しっかりと準備を整えることで、ヨーロッパでのカード利用に関する不安を減らし、より快適で安全な旅行を楽しむことができるはずです。
参照情報:
- 筆者の体験
- American Express 公式サイト (ICカード暗証番号について、グローバル・ホットライン、カードご利用の前に、海外旅行前のチェックリストなど)
- Visa, Mastercard 公式サイト (一般的なカード利用の注意点)
- 各カード発行会社(セゾンカード、楽天カード、イオンカード、SMBCカードなど)のFAQや利用案内
- PayPayカード 公式サイト (海外利用に関する注意点)
ヨーロッパ旅行におけるアメックス利用のポイントを総括
- ヨーロッパでのAmexは都市部の大手施設利用が中心と考えるべきである
- VisaやMastercardと比較して加盟店数が少ないのが主な理由である
- 地方都市や個人経営の店舗、市場などでは利用が難しい傾向がある
- 国によって利用可能度は異なり、イギリスは比較的使えるがドイツなどは限定的である
- 国際ホテルチェーンや大手百貨店、高級ブランド店などでは使える可能性が高い
- 多くの公共交通機関の券売機やタクシーでは使えないことが多い
- Apple Pay等モバイル決済に登録しても、店がAmex非対応なら決済できない
- タッチ決済は普及しているが、Amex対応店舗でのみ利用可能である
- 特定のAmexカードにはホテル上級会員資格が付帯することがある
- 旅行傷害保険や航空便遅延補償が付帯するが、適用条件の確認は必須である
- 外貨取扱手数料は3.5%(2025年8月1日以降)と高めであるため注意が必要である
- 手数料を抑えるにはWiseやRevolut、低手数料の他社カードとの使い分けが有効である
- 支払い時はDCC(円建て決済)を避け、必ず現地通貨建てを選択すべきである
- 加盟店網の広さや手数料、リスク分散のためVisaやMastercardとの併用が強く推奨される
- 出発前に有効期限、暗証番号、署名、カード会社緊急連絡先の確認が不可欠である