ヨーロッパへの海外旅行を計画している方々にとって、JCBカードが現地でどのように使えるのかは重要な関心事です。
日本発のクレジットカードであるJCBは、ヨーロッパでも利用できますが、その実態は国や地域、店舗によって大きく異なります。
この記事では、ヨーロッパ各国でのJCBカードの利用状況、主要観光地での使用実態、現金引き出し方法、そして特典サービスの活用法まで、JCBカードを最大限に活用するためのポイントをご紹介します。
旅の準備として、JCBカードの強みを知り、同時に代替手段も用意することで、ヨーロッパ旅行をより安心して楽しむための情報をお届けします。
- ヨーロッパの国別・地域別JCBカード対応状況と使用可能店舗の特徴
- 現地ATMでの現金引き出し方法と「Maestro」「Cirrus」マークの意味
- JCBカードが使えない場合の代替手段と安全対策の重要性
- JCBプラザや免税手続きなどJCBカード特典の効果的な活用法
海外旅行:ヨーロッパでJCBカードは本当に使える?

- JCBカードはヨーロッパで本当に使える?
- 各国別JCB加盟店と使用状況
- 主要観光地・都市での利用実態
- 代替手段を知っておく
JCBカードはヨーロッパで本当に使える?

結論から申し上げますと、JCBカードはヨーロッパで使えますが、国や地域、店舗によって利用可能性が大きく異なります。
主要観光地や大型商業施設では比較的受け入れられていますが、地方や小規模店舗では使えないケースも多いです。
この状況を理解した上で旅行計画を立てることが重要です。
ヨーロッパでのJCBカード利用状況は国によって大きな差があります。
イタリア、フランス、スペインなどの観光大国では比較的加盟店数が多く、特に主要都市の高級ホテルやブランドショップでは受け入れられることが多いです。
一方で、北欧諸国やバルト三国などでは加盟店数が限られています。
ただし、以下の点に注意が必要です。
たとえば、どんなに観光地として人気のある都市でも、地元の小さなレストランやカフェ、交通機関では使えないことがあります。
このため、現地で困らないように別のカード(VISAやMasterCard)を必ず持参することをおすすめします。
また、ATMでの現金引き出しについては、「Maestro」や「Cirrus」のマークがあるATMであれば利用できる可能性が高いです。
しかし、引き出し時には手数料がかかることがほとんどです。
国内のATM利用と異なり、海外では1回の利用につき数百円程度の手数料に加え、為替レートによる差額も発生することを覚えておきましょう。
他にも、JCBカードの利用にはいくつかのメリットがあります。
例えば、JCBプラザラウンジがあるロンドン、パリ、ローマなどの主要都市では、無料で荷物預かりやWi-Fi、観光情報の提供などのサービスを受けられます。
また、JCBと提携している一部のレストランやショップでは割引特典を受けられることもあります。
しかし、デメリットもあることを忘れてはいけません。
JCBは日本発のカードブランドのため、店舗スタッフがJCBカードを見慣れていないことがあり、利用可能であっても「使えない」と言われるケースがあります。
このような場合は、レジ近くのJCBステッカーを指さすか、公式アプリで加盟店検索結果を見せると解決することがあります。
多くの旅行者から報告があるように、大都市の主要なショッピングエリアでは問題なく使えることが多いですが、郊外に行くほど使える店舗は減少する傾向にあります。
例えば、パリのシャンゼリゼ通りの店舗では比較的広く受け入れられていますが、郊外の小さな町では全く使えないこともあります。
どれだけJCBカードが便利でも、ヨーロッパ旅行には複数の支払い手段を用意することが賢明です。
具体的には、VISAやMasterCardなどの国際的に広く普及しているクレジットカードを1枚以上、そして少額の現金も持参することをおすすめします。
このように、JCBカードはヨーロッパでも使えますが、完全に頼りきることはできません。
旅行前にJCB公式サイトで最新の加盟店情報を確認し、複数の支払い方法を準備することで、安心して旅行を楽しむことができるでしょう。
各国別JCB加盟店と使用状況

ヨーロッパ主要国におけるJCBカードの受け入れ状況(2023年以降)
国名 | 主な動向・取り組み |
---|---|
イギリス | 2025年1月より、DOJOとの提携により11万以上の加盟店(主にホスピタリティ業界)でJCBカードの受け入れが開始。ロンドン中心部では約6,000〜7,000店舗が対象。 |
ドイツ | Fiservとの提携により、JCBカードの受け入れが拡大。JCB ContactlessやJ/Secureなどの決済ソリューションが導入され、物理店舗およびeコマースでの利用が可能に。 |
フランス | FrenchSysとの提携により、決済端末の認証プロセスが簡素化され、JCBカードの受け入れが促進。 |
ポーランド | Fiservとの協業により、JCBカードの受け入れが進行中。 |
スペイン | DOJOの決済ソリューションを通じて、JCBカードの受け入れが拡大予定。 |
イタリア | DOJOの決済ソリューションを通じて、JCBカードの受け入れが拡大予定。 |
補足情報
- JCBは、ヨーロッパ全体で9つの主要なアクワイアラー(加盟店契約会社)と提携しており、StripeやSumUpなどの決済プラットフォームとも連携しています。
- オンライン取引においても、JCBカードの利用が増加しており、特にアジアのカード会員によるヨーロッパでのオンライン購入が顕著に伸びています。
ヨーロッパ各国でのJCBカードの加盟店数や使用状況は、国によって大きく異なります。
ここでは主要なヨーロッパ諸国における状況を見ていきましょう。
まず、ヨーロッパ全体として見ると、JCBカードの加盟店数は年々増加傾向にありますが、VISA・MasterCardと比較するとまだ少ないのが現状です。
国別の具体的な加盟店数については、JCB公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。
なぜなら、加盟店数は定期的に更新されるためです。
主要国の状況を見ていきましょう。
フランスでは、パリを中心に高級百貨店やブランドショップで比較的広く受け入れられています。
特にギャラリー・ラファイエットやプランタンなどの大型百貨店では使用可能なことが多いです。
しかし、地方の小さな町や市場では使えないケースが多いため注意が必要です。
イタリアは観光大国ということもあり、ローマ、ミラノ、フィレンツェなどの主要都市では比較的受け入れ率が高い傾向にあります。
特に高級ブランド店や観光客向けの店舗では使える場合が多いですが、地元の小さなトラットリア(レストラン)やバールでは使えないことも少なくありません。
ここで国別の受け入れ状況の目安を簡単にまとめておきます:
- 受け入れ率が比較的高い国:イタリア、フランス、スペイン、イギリス
- 受け入れ率が中程度の国:ドイツ、オーストリア、スイス
- 受け入れ率が低めの国:北欧諸国、東欧諸国
ただし、これらは一般的な傾向であり、同じ国内でも都市部と地方では大きく状況が異なります。
また、同じ都市内でも、高級ホテルや大型ショッピングモールでは使えても、地元の小さな店では使えないことがほとんどです。
スペインでは、バルセロナやマドリードの主要ショッピングエリアでJCBの受け入れが進んでいます。
特にエル・コルテ・イングレスなどの大型百貨店では問題なく使えることが多いです。
一方、イギリスではロンドンを中心に、ハロッズやセルフリッジズなどの高級百貨店で使えるケースが増えていますが、地方都市では依然として使える場所が限られています。
ドイツでは、フランクフルトやミュンヘンなどの主要都市の大型店舗では使える場合がありますが、全体的な受け入れ率はフランスやイタリアと比べるとやや低めです。
特に、地方都市や小さな店舗では使えないことが多いので、別の支払い手段を用意しておくことが望ましいでしょう。
東欧諸国や北欧諸国では、JCBカードの普及率はさらに低く、主要都市の高級ホテルや一部の大型商業施設以外では使えない場合が多いです。
これらの地域を旅行する際は、必ずVISAやMasterCardなどの国際的に広く普及しているカードを併せて持参することをおすすめします。
JCBカードの使用状況は常に変化しています。
旅行前にはJCB公式サイトの海外加盟店検索や、JCBグローバルサイトで最新情報を確認することが大切です。
また、JCBアプリを使えば、現地でもリアルタイムで近くの加盟店を検索できるので便利です。
なお、具体的な加盟店数については、JCB公式からの発表がないため、正確な数字は確認が必要です。
いずれにしても、ヨーロッパ旅行では複数の支払い手段を用意しておくことが安心です。
主要観光地・都市での利用実態

ヨーロッパの主要観光地や都市でのJCBカードの利用実態は、場所によって大きく異なります。
大都市の観光客が多いエリアでは比較的使いやすい一方、地方や小さな観光地では使える場所が限られることが多いです。
パリでは、シャンゼリゼ通りやオペラ座周辺のショッピングエリアで比較的JCBカードが使えます。
特にギャラリー・ラファイエットやプランタンなどの大型百貨店では問題なく利用できる場合が多いです。
また、エッフェル塔周辺のレストランや土産物店でも受け入れられることがありますが、すべての店舗で使えるわけではありません。
一方、モンマルトルのような地域の小さなカフェやビストロでは使えないことが多いため、注意が必要です。
ローマでは、コロッセオやバチカン市国などの主要観光地周辺のショップやレストランで比較的JCBカードの普及が進んでいます。
特にスペイン広場やナヴォーナ広場周辺の高級ブティックでは使える場合が多いです。
しかし、市場や地元の小さなトラットリア(レストラン)では現金しか受け付けていないことがあります。
ロンドンにおいては、オックスフォードストリートやナイツブリッジなどの主要ショッピングエリアでJCBカードが使えることが増えています。
ハロッズやセルフリッジズなどの高級百貨店では概ね問題なく使えますが、市内の小さなパブやコーヒーショップでは使えないことも多いです。
アムステルダムでは、ダム広場周辺や花市場などの観光客が多く訪れるエリアの店舗で使える場合がありますが、全体的な普及率はパリやロンドンと比べるとやや低いです。
また、アムステルダムの公共交通機関ではJCBカードが使えないケースが多いため、別の支払い方法を用意しておくことをおすすめします。
バルセロナでは、ランブラス通りやグラシア通りなどの主要観光スポット周辺のショップやレストランでJCBカードを使える場所が増えています。
特にエル・コルテ・イングレスなどの大型百貨店では問題なく利用できることが多いです。
ただし、地元の市場やタパスバーでは現金を好む傾向があります。
注目すべきことに、観光地における利用可能性と実際の利用のしやすさは必ずしも一致しません。
例えば、店舗のレジに「JCB」のステッカーが貼られていても、スタッフがJCBカードの処理に慣れていないため、手続きに時間がかかったり、最終的に「システムエラー」として断られることもあります。
ホテルに関しては、高級ホテルや国際チェーンホテルでは問題なくJCBカードが使えることが多いです。
しかし、小規模な家族経営のホテルやB&Bでは、VISAやMasterCardしか受け付けていないケースも少なくありません。
観光地での買い物の際、特に免税店やブランドショップではJCBカードが使える場合が比較的多いですが、地元のスーパーマーケットや公共交通機関ではJCBカードが使えないことがほとんどです。
このため、少額の現金やVISA・MasterCardなどの国際的に広く普及しているカードを併せて持っていくことが賢明です。
最後に、JCBカードの利用実態は常に変化しています。
旅行前にJCB公式サイトで最新の加盟店情報を確認することをおすすめします。
また、JCBアプリをダウンロードしておけば、現地でもリアルタイムで周辺の加盟店を検索することができます。
代替手段を知っておく

ヨーロッパ旅行中にJCBカードが使えない状況に遭遇した場合、代替決済方法を持っていることが非常に重要です。
ここでは、JCBカードが使えないときの対処法と事前準備についてご紹介します。
最も確実な代替手段は、VISAやMasterCardのクレジットカードです。
これらは世界的に普及率が高く、ヨーロッパでほぼどこでも使用できます。
特にMasterCardはヨーロッパで非常に広く受け入れられているため、少なくとも1枚は持参することをおすすめします。
また、カード盗難や紛失に備えて、複数のカードを持参し、別々の場所に保管しておくと安心です。
現金も重要な代替手段です。
少なくとも1日分の予算に相当するユーロを常に持ち歩くようにしましょう。
特に小額の買い物や、カード決済に対応していない小さなカフェやマーケットでは現金が必要になることが多いです。
ただし、多額の現金を持ち歩くことはセキュリティ上のリスクがあるため、ホテルのセーフティボックスなどを利用して適切に管理することが大切です。
プリペイドカードも便利な選択肢です。
旅行前に日本で購入できるヨーロッパで使えるプリペイドカードには、グローバルICキャッシュカードやトラベレックスマネーカードなどがあります。
これらのカードは事前に必要な金額をチャージしておくことができ、現地でATMからの引き出しやショッピングに使用できます。
デジタル決済方法として、ApplePayやGooglePayなどのモバイル決済サービスも急速に普及しています。
ただし、これらのサービスを利用するには、VISAやMasterCardなどの対応カードを登録する必要があります。
また、欧州のすべての店舗でこれらのサービスが利用できるわけではない点に注意が必要です。
万が一すべてのカードが使えない場合や、カードを紛失した場合に備えて、海外キャッシング機能付きのクレジットカードを持参しておくことも重要です。
これにより、現地のATMから現金を引き出すことができます。
ただし、キャッシングには手数料がかかるため、緊急時の対応策として考えておくとよいでしょう。
緊急事態に備えて、国際送金サービスの利用方法を事前に調べておくことも有効です。
Western Unionなどのサービスを使えば、日本から現地への送金が可能ですが、手続きには時間がかかることを考慮しておきましょう。
旅行前の準備として、以下のことをチェックリストにしておくことをおすすめします:
- VISAまたはMasterCardを少なくとも1枚用意する
- 複数のカードを異なる場所に保管する
- 現地通貨の現金を適量用意する
- カード会社の海外緊急連絡先を控えておく
- 家族や友人に連絡できる手段を確保しておく
また、旅行保険に加入しておくことも重要です。
多くの旅行保険では、盗難や紛失によるカードの不正利用や、緊急時の現金手配についてのサポートが含まれています。
保険の補償内容を事前によく確認し、必要に応じて補償範囲を拡大しておくことをおすすめします。
JCBカードがメインの決済手段であっても、これらの代替方法を用意しておくことで、ヨーロッパ旅行をより安心して楽しむことができます。
特に初めてのヨーロッパ旅行では、支払い方法のバックアッププランを十分に準備しておくことが旅の成功のカギとなります。
JCBカード以外の選択肢として、ヨーロッパでアメックスは使える?利用可否から代替手段まで徹底解説の記事も参考にすると、より多様な支払い方法の選択肢について理解できるでしょう。
ヨーロッパへの海外旅行でJCBカードを賢く使うコツ

- 現地ATMでの現金引き出しと手数料
- 「Maestro」「Cirrus」マークの活用法
- レストランでのチップ支払いのコツ
- 予備カード準備と安全対策
- JCB特典・優待を最大限活用する
- 体験談から学ぶ免税連携術
現地ATMでの現金引き出しと手数料

ヨーロッパ旅行中、JCBカードで現地ATMから現金を引き出すことは可能ですが、いくつかの注意点があります。
適切なATMを見つけ、手数料を理解することで、効率的に現金を調達できます。
JCBカードでの現金引き出しには、「Maestro」または「Cirrus」のロゴが表示されているATMを利用することが重要です。
これらのロゴがあるATMであれば、JCBカードでの現金引き出しに対応している可能性が高いです。
ヨーロッパの主要都市では、銀行やショッピングモール内のATMで多く見かけることができます。
手数料については、一般的に以下の2種類がかかることを理解しておきましょう。
手数料の種類 | 内容 | 目安額 |
---|---|---|
JCB側の手数料 | 海外キャッシング手数料 | 引き出し額の約1.0〜4.0%(カードによって異なる) |
現地銀行の手数料 | ATM利用手数料 | 約2〜5ユーロ程度(銀行によって異なる) |
なお、これらの手数料は一般的な目安であり、実際の手数料はJCBカードの種類や利用するATMの運営銀行によって異なります。
正確な手数料については、ご自身のJCBカードの利用規約や発行会社のウェブサイトで確認することをおすすめします。
現地銀行の手数料を節約するためには、大手銀行のATMを利用することが効果的です。
例えば、フランスのBNPパリバやイタリアのウニクレディトなどの大手銀行のATMでは、手数料が比較的低いか、場合によっては無料の場合もあります。
一方、ホテルやレストラン、観光地内に設置されている独立系ATM(Euronet、Travelexなど)では手数料が高くなる傾向があるため、可能であれば避けることをおすすめします。
また、1回あたりの引き出し額を大きくすることで、回数を減らし、結果的に手数料の総額を抑えることが可能です。
ただし、多額の現金を持ち歩くセキュリティリスクとのバランスを考慮する必要があります。
ATM利用時の安全対策としては、以下の点に注意しましょう:
- 人通りが多く、明るい場所にあるATMを選ぶ
- ATMの周囲に不審な装置がないか確認する
- 暗証番号入力時は手で覆うなどして見られないよう注意する
- 引き出した現金はすぐに財布にしまい、人前で数えない
為替レートについては、ATMでの引き出しは一般的に良好なレートが適用されますが、ATM画面で「現地通貨で引き出す」(Withdraw in local currency)オプションを選択することが重要です。
「自国通貨で引き出す」(Withdraw in your currency)オプションを選ぶと、ATM運営会社の設定した不利なレートが適用され、余分なコストがかかることがあります。
一部のJCBカードでは、海外ATM手数料の優遇があるプレミアムカードも存在します。
例えば、JCBゴールドやJCBプラチナなどの上位カードでは、年間数回分の海外ATM手数料が無料になるケースがあります。
お持ちのカードに該当する特典があるか、カード発行会社のウェブサイトや会員サイトで確認してみるとよいでしょう。
現金引き出しの代替手段として、旅行前に日本で必要分のユーロを両替しておくこともひとつの選択肢です。
長期旅行や多額の現金が必要な場合は、リスク分散のために複数の方法を組み合わせることをおすすめします。
最後に、JCBカードでのATM利用が不可能だった場合に備えて、VISAやMasterCardなど別ブランドのカードも持参することで、安心して旅行を楽しむことができます。
多くの場合、複数の支払い手段を用意しておくことが、海外旅行での資金管理の鍵となります。
特にフランスを訪れる予定の方は、フランス旅行で現金はいくら必要?クレジットカードとの使い分け&賢い両替方法の記事で、より詳しい現金管理のコツを確認しておくと安心です。
「Maestro」「Cirrus」マークの活用法

ヨーロッパ旅行でJCBカードを最大限に活用するために、「Maestro」と「Cirrus」のマークを理解することは非常に重要です。
これらのマークは、JCBカードが利用できるATMや決済端末を見分ける際の重要な目印となります。
まず、「Maestro」と「Cirrus」とは何かについて説明します。
これらはMasterCard社が運営する国際決済ネットワークのブランドマークです。
JCBカードは国際提携により、これらのネットワークを通じてヨーロッパの多くのATMや一部店舗での決済が可能になっています。
マーク | 主な用途 | 見た目の特徴 |
---|---|---|
Maestro | 店舗での決済、ATMでの現金引き出し | 青と赤の重なる円形デザイン |
Cirrus | 主にATMでの現金引き出し | 青を基調とした三つの円が重なるデザイン |
「Maestro」マークを見つけるコツとしては、ヨーロッパのショップやレストランのレジ周辺、入口ドアやレジカウンターに貼られたステッカーを確認することです。
このマークがある場所では、JCBカードが使える可能性が高いです。
特に、観光地や都市部の大型店舗では、入口に国際カードブランドのステッカーが貼られていることが多いため、そこで確認するとよいでしょう。
「Cirrus」マークは主にATMで見かけます。
ヨーロッパの銀行ATMや街中のATMコーナーで、機械本体や画面の近くにこのマークが表示されていれば、JCBカードでの現金引き出しが可能な目印となります。
ただし、マークがあっても実際に利用できないケースもあるため、できれば主要銀行のATMを利用することをおすすめします。
これらのマークを活用するための実践的なアドバイスをいくつか紹介します。
まず、旅行前にJCB公式サイトで現地の提携ATM情報を確認しておくことが大切です。
次に、JCBのスマートフォンアプリをダウンロードしておくと、現地でも最新の加盟店情報やATM情報を検索できるため便利です。
また、ATM利用時には画面の言語設定で英語を選択できる場合が多いため、操作が分からない場合は言語設定を確認してみましょう。
「Withdraw Cash」や「Cash Advance」といった選択肢を選ぶことで、現金の引き出しが可能です。
注意点として、一部の「Maestro」「Cirrus」マーク表示があるATMでも、実際にJCBカードが使えないケースがあります。
これは、ATM運営会社の設定によるものです。
そのような場合は、別のATMを探すか、別の支払い手段を検討する必要があります。
国別の「Maestro」「Cirrus」対応状況には差があります。
一般的に、イタリア、フランス、イギリス、スペインなどの主要観光国では、大手銀行のATMで広く対応している傾向があります。
一方、東欧諸国や北欧では対応ATMの数が限られることもあるため、事前の確認が特に重要です。
万が一「Maestro」「Cirrus」マークのあるATMでJCBカードが使えなかった場合の対処法としては、ATM画面の言語設定や操作手順を再確認することが有効です。
また、暗証番号入力の際に、日本で使用している4桁の暗証番号をそのまま入力するようにしましょう。
トラブルを避けるためには、旅行前に複数の支払い手段を用意しておくことが賢明です。
特に、VISAやMasterCardなど別ブランドのカードも1枚は持参すると安心です。
これらのマークを理解し活用することで、ヨーロッパ旅行中のJCBカード利用がよりスムーズになります。
事前の準備と現地での注意深い観察を心がけることで、支払いに関するストレスを減らし、旅行を楽しむことができるでしょう。
レストランでのチップ支払いのコツ

ヨーロッパでのレストラン利用時、チップの支払いはJCBカードで可能なケースもありますが、国や店舗によって対応が異なります。
ここでは、JCBカードを使用する際のチップ支払いのコツをご紹介します。
まず、ヨーロッパ各国のチップ習慣を理解することが重要です。
国によってチップの相場は異なり、支払い方法にも違いがあります。
国名 | チップの一般的な相場 | チップの支払い方法 |
---|---|---|
フランス | サービス料込みの場合が多い(追加は1〜2ユーロ程度) | 現金で置いていくことが一般的 |
イタリア | 会計の5〜10%程度(サービス料込みなら少額でも可) | テーブルに現金を置くか端数を切り上げ |
イギリス | 10〜15%程度(サービス料込みの場合は不要) | カード決済時に金額を追加するか現金で |
スペイン | 5〜10%程度(高級店では10%が一般的) | テーブルに現金を置くことが多い |
ドイツ | 5〜10%程度 | 「支払いは○○ユーロで」と言いながら端数を切り上げる |
JCBカードでチップを支払う方法には主に3つのパターンがあります。
1つ目は、カード決済時に端末で追加するパターンです。
レストランによっては、決済端末でチップ額を入力できるシステムを導入しています。
この場合、スタッフが持ってきた端末で金額を確認し、チップを含めた合計額を承認します。
2つ目は、サイン伝票にチップ額を記入するパターンです。
特に英国や北欧諸国では、カードで支払う際にサイン伝票にチップ欄があることが多いです。
この場合、合計額(Total)の欄にチップを含めた金額を書き、サインをします。
ただし、JCBカードの場合、この方法が使えないレストランもあるため注意が必要です。
3つ目は、現金でチップを別途支払うパターンです。
これは最も確実な方法で、ヨーロッパのどの国でも通用します。
食事代をJCBカードで支払った後、テーブルに現金でチップを置いていくか、会計時に「これはチップです」と伝えながら現金を渡します。
JCBカードでチップを支払う際の注意点としては、一部の店舗では端末システムがJCBカードのチップ追加に対応していないケースがあります。
その場合は、スタッフに事前に確認するか、現金でチップを用意しておくことが賢明です。
特にドイツやオーストリアなど、「レヒヌング・ビッテ」(お勘定をお願いします)と言ってから「○○ユーロにしてください」と伝える習慣がある国では、カード払いの場合でもチップは現金で用意することが多いです。
また、フランスやイタリアなどでは、すでにサービス料(Service Compris、Coperto)が含まれている場合があります。
メニューや請求書に「Service Included」などの表記があるか確認しましょう。
サービス料が含まれていれば、追加のチップは少額でも問題ありません。
万が一JCBカードでチップを含めた決済ができない場合に備えて、少額の現地通貨を常に用意しておくことをおすすめします。
5ユーロ、10ユーロ程度の紙幣や1〜2ユーロのコインがあれば、ほとんどのチップ支払いに対応できます。
最後に、チップを支払う時のマナーとして、スタッフの前でチップを数えたり、レシートと一緒に置いたりするのは避けましょう。
テーブルに残す場合は、グラスの下やレシートの上に置くと、チップとして認識されやすいです。
ヨーロッパでのレストラン体験をより良いものにするためにも、現地のチップ習慣を理解し、支払い手段を複数用意しておくことが大切です。
予備カード準備と安全対策

ヨーロッパ旅行でJCBカードを利用する際、予備カードの準備と安全対策は非常に重要です。
JCBカードが使えない場面や紛失・盗難時のトラブルに備えて、適切な対策を講じておきましょう。
まず、予備カードとして何を準備すべきかを明確にします。
JCBカード1枚だけで海外旅行に出かけるのはリスクが高いため、以下のような予備カードを用意することをおすすめします。
カードの種類 | 準備する理由 | 保管場所の提案 |
---|---|---|
別ブランドのクレジットカード (VISAやMasterCard) | JCBが使えない場所でも利用可能 | メインとは別の財布や金庫に保管 |
デビットカード | 現金引き出し用として利用 | スーツケースの内ポケットなど |
プリペイドカード | 少額決済用、盗難時の被害を限定 | 日常使いのバッグなど |
予備カードを用意する際の重要なポイントは、異なるブランドのカードを選ぶことです。
例えば、メインでJCBカードを使うなら、予備としてVISAやMasterCardのカードを持参すると、カード会社のネットワークトラブルや加盟店の対応状況に左右されにくくなります。
安全対策としては、カードの保管方法が重要です。
すべてのカードを同じ財布に入れて持ち歩くのは危険です。
メインのカードは普段使う財布に、予備カードはホテルのセーフティボックスや鍵付きスーツケースの内ポケットなど、別の安全な場所に保管しましょう。
また、ICチップ付きカードの場合、スキミング対策としてICチップ保護ケースを使用することも効果的です。
カード情報の安全管理も大切です。
カード番号、有効期限、セキュリティコード(CVV)、カード裏面の署名など、重要な情報を記録しておきましょう。
ただし、これらの情報をスマートフォンのメモアプリなど簡単にアクセスできる場所に保存するのは避けてください。
代わりに、暗号化されたパスワード管理アプリを使うか、紙に記録する場合はカード本体とは別の場所に保管することをおすすめします。
万が一カードを紛失したり盗難にあったりした場合の対応手順も事前に確認しておくことが大切です。
JCBカードの海外紛失・盗難時の連絡先は、JCBグローバルカスタマーサービスの24時間対応ホットラインです。
この番号はJCB公式サイトで確認できます。
また、渡航前にスマートフォンにJCBグローバルサポートアプリをインストールしておくと、緊急時の連絡先にすぐにアクセスできて便利です。
また、カード利用に関する通知設定も安全対策の一環として有効です。
多くのJCBカードでは、利用時にSMSやアプリ通知を受け取る設定が可能です。
これにより、不正利用があった場合にすぐに気づくことができます。
渡航前に通知設定を有効にし、海外でもスマートフォンがインターネットに接続できる状態にしておくことをおすすめします。
予備カードの準備と合わせて、少額の現金も複数の場所に分散して持っておくと安心です。
例えば、財布に50ユーロ、パスポートケースに20ユーロというように分散させることで、財布を紛失しても最低限の現金は確保できます。
最後に、旅行保険の加入も検討してください。
多くの旅行保険では、海外でのカード紛失・盗難時のサポートや不正利用の補償が含まれています。
JCBカードによっては、カード付帯の海外旅行保険があるものもありますので、出発前に付帯サービスの内容を確認しておくとよいでしょう。
適切な予備カードの準備と安全対策を行うことで、ヨーロッパ旅行中のカードトラブルに備え、安心して旅行を楽しむことができます。
JCB特典・優待を最大限活用する

ヨーロッパ旅行でJCBカードを利用する際、多くの特典や優待サービスを活用することで旅行体験をより豊かにできます。
特に知っておくべき特典と活用方法をご紹介します。
JCBの最大の特典の一つが「JCBプラザ」です。
ヨーロッパ主要都市に設置されているJCBプラザでは、日本語対応スタッフによる観光案内や緊急時のサポートを受けることができます。
現在、パリ、ロンドン、ローマ、マドリード、フランクフルトなどの主要都市にJCBプラザが設置されています。
JCBプラザでは、無料で荷物の一時預かりやWi-Fi、観光情報の提供などのサービスが利用できます。
特に、現地の日本語観光マップやパンフレットがもらえるのは貴重です。
JCBプラザの主なサービス | 内容 |
---|---|
観光案内 | 日本語での観光情報提供、地図やガイドブックの配布 |
トラベルデスク | ホテル予約、レストラン予約のサポート |
無料Wi-Fi | プラザ内での無料インターネット接続 |
荷物預かり | 観光中の手荷物の一時預かり(一部店舗) |
緊急時サポート | カード紛失・盗難時の相談対応 |
特典を最大限に活用するためには、旅行前にJCB公式サイトの「JCB海外優待ガイド」を確認しておくことが大切です。
このガイドでは、ヨーロッパ各地の提携店舗での割引や特典が詳しく紹介されています。
例えば、パリのギャラリー・ラファイエットでの免税手続きの優先レーン利用や、ロンドンの一部レストランでの割引などが受けられる場合があります。
また、JCBカードのグレードによって特典内容が異なります。
一般カードよりも、ゴールドやプラチナなどの上位カードでは、より充実した特典が用意されていることが多いです。
例えば、空港ラウンジの無料利用や海外旅行保険の補償額アップなどが挙げられます。
お持ちのカードの特典内容を事前に確認しておきましょう。
渡航前に準備しておくべきこととして、JCBのスマートフォンアプリ「MyJCB」をダウンロードしておくことがおすすめです。
このアプリでは、現地での特典情報をリアルタイムで確認できるほか、近くの加盟店検索機能も利用できます。
また、カード利用時の通知設定をオンにしておくことで、不正利用の早期発見にも役立ちます。
JCBの海外旅行保険サービスも見逃せない特典です。
多くのJCBカードには海外旅行保険が自動付帯されていますが、その補償内容はカードによって異なります。
一般的に、旅行中の病気やケガの治療費、携行品の盗難・破損、旅行キャンセル費用などがカバーされます。
ただし、正確な補償内容については、お持ちのカードの会員サイトや発行会社のウェブサイトで確認することをおすすめします。
ヨーロッパの空港では「プライオリティパス」などの空港ラウンジサービスが付帯しているJCBカードもあります。
上位グレードのカードを持っている場合は、出発前や乗り継ぎ時に無料でラウンジを利用できる可能性があります。
快適な空間で休憩したり、軽食やドリンクを楽しんだりできるため、長時間のフライトの際には特に便利です。
JCBの特典を利用する際の注意点として、一部のサービスは事前予約が必要な場合や、利用条件がある場合があります。
また、特典内容は予告なく変更される可能性もあるため、最新情報を確認することが大切です。
JCB公式サイトや会員向けニュースレターをこまめにチェックしておくことをおすすめします。
これらの特典・優待を上手に活用することで、ヨーロッパ旅行をより快適に、そして経済的に楽しむことができるでしょう。
体験談から学ぶ免税連携術

ヨーロッパ旅行でのショッピングでは、免税(Tax-Free)制度を活用することで、かなりの節約になります。
JCBカードと免税手続きを上手に連携させることで、より便利に買い物を楽しめます。
ここでは、実際の体験に基づいた効果的な免税連携のコツをご紹介します。
まず、ヨーロッパの主要国における免税の基本的な仕組みを理解しておきましょう。
EU諸国では一般的に、一定金額以上の買い物をした場合、非EU居住者は付加価値税(VAT)の還付を受けることができます。
この税率と最低購入金額は国によって異なります。
国名 | VAT税率(目安) | 最低購入金額(目安) |
---|---|---|
フランス | 約20% | 約100ユーロ以上(1店舗) |
イタリア | 約22% | 約155ユーロ以上(1店舗) |
スペイン | 約21% | 約90ユーロ以上(1店舗) |
ドイツ | 約19% | 約25ユーロ以上(1店舗) |
JCBカードと免税手続きを連携させる最大のメリットは、現金還付ではなくカード還付(クレジットリファンド)を選択できる点です。
多くの旅行者の経験によると、カード還付は空港での長い列に並ぶ必要がなく、確実に還付金を受け取れるメリットがあります。
大手百貨店でのJCBカード利用時の免税連携テクニックとして、まず購入時にJCBカードで支払い、その後すぐに免税カウンターで手続きを行います。
この際、支払いに使ったJCBカードと同じカードを免税還付先として登録することで、手続きがスムーズになります。
特にパリのギャラリー・ラファイエットやロンドンのハロッズなどの大型百貨店では、JCBカード会員専用の免税カウンターや優先レーンが設けられていることがあります。
ただし、これらのサービスの有無は各店舗の方針によって異なりますので、最新情報は公式サイトで確認することをおすすめします。
免税手続きの際に注意すべき点として、パスポート原本が必須であることが挙げられます。
コピーやデジタル画像では手続きができません。
また、商品を未使用の状態で保管し、購入時のレシートも必ず保管しておく必要があります。
これらの点は、多くの旅行者が手続き時に困った経験として報告しています。
JCBカードを使用した免税還付のプロセスとしては、以下の流れが一般的です:
- 店舗での買い物時に、免税対象となる金額以上の買い物をする
- レジで免税書類(Tax-Free Form)の発行を依頼する
- 必要事項(パスポート情報など)を記入し、還付方法としてJCBカードを選択する
- 出国時に空港の税関で商品と書類の確認を受け、スタンプをもらう
- スタンプ付きの書類を免税カウンターに提出する(カード還付の場合は提出のみ)
実際の体験者によると、混雑する観光シーズンの空港では免税カウンターに長蛇の列ができることがあります。
そのため、出国の際は十分な時間的余裕を持って空港に到着することが重要です。
また、一部の空港では自動化された免税手続き機(デジタルキオスク)が導入されており、これを利用することで時間短縮になることもあります。
JCB特有のサービスとして、一部の都市のJCBプラザでは、免税手続きのアドバイスを受けられることがあります。
特に、複雑な免税書類の記入方法や、空港での手続きの流れについてサポートを受けられる場合がありますので、現地到着後にJCBプラザに立ち寄ることも検討してみてください。
免税連携においても、複数の支払い方法を用意しておくことは重要です。
万が一JCBカードが使用できない場合や、特定の店舗でカード還付に対応していない場合に備えて、現金還付の方法も理解しておくとよいでしょう。
ヨーロッパでの免税ショッピングをより快適に楽しむためには、事前準備と正しい知識が鍵となります。
JCBカードと免税制度を上手に連携させることで、買い物の楽しさがさらに広がるでしょう。
ヨーロッパへの海外旅行でJCBカードを活用するための基本知識を総括
- JCBカードはヨーロッパでも使用可能だが国や地域によって利用可能性が大きく異なる
- イタリア、フランス、スペイン、イギリスでは比較的受け入れ率が高い
- 北欧諸国や東欧諸国ではJCBカードの普及率が低い
- 大都市の観光地や大型商業施設では比較的受け入れられているが地方では使えないケースが多い
- 「Maestro」「Cirrus」マークのあるATMでは現金引き出しが可能
- ATM利用時には海外キャッシング手数料と現地銀行手数料の2種類がかかる
- 小さなレストランやカフェ、公共交通機関では使えないことが多い
- ヨーロッパ主要都市にあるJCBプラザでは無料で荷物預かりやWi-Fi、観光情報提供を受けられる
- 店舗スタッフがJCBカードに慣れていないため利用可能でも使えないと言われるケースがある
- VISAやMasterCardなど別ブランドのカードも併用することが推奨される
- 予備カードや少額の現金を複数の場所に分散して保管するのが安全対策として有効
- 免税手続きではJCBカードでのカード還付(クレジットリファンド)が選択可能
- レストランでのチップ支払いは国によって習慣や相場が異なる
- JCBカード上級会員(ゴールドやプラチナ)では特典が充実している
- JCB公式アプリで現地の加盟店情報やATM情報をリアルタイムで検索できる