スイス旅行を計画している人の中には、スイス旅行はつまらないのでは？と気にしている方も少なくありません。
確かに、スイスは壮大な自然景観が中心の観光地であり、都市のエンターテイメントが豊富な他のヨーロッパ諸国と比較すると、静かな時間がメインになることが多いです。
しかし、スイスには自然の美しさだけでなく、都市観光や文化体験、アドベンチャースポーツなど、さまざまな楽しみ方があります。
本記事では、スイス旅行は本当につまらないのか？という疑問に答えつつ、スイス旅行をより充実させるための魅力やおすすめスポット、観光のヒントをご紹介します。
スイス旅行はつまらない？その噂の真相とは
スイスの自然と都市観光は楽しめる？魅力と期待外れのポイント
スイスは、豊かな自然景観と歴史的な都市が魅力的な国です。
そのため、観光地としては多様な楽しみ方が可能であり、目的や好みによって異なる体験ができます。
しかし、自然景観がメインとなることが多いため、訪れる旅行者の期待によって「楽しめる」と感じるかどうかは変わってきます。
自然の魅力：山岳と湖のハイライト
スイスといえば、まず頭に浮かぶのがアルプス山脈。
その中でも特に有名な観光地が、マッターホルンやユングフラウです。
マッターホルンは、その象徴的なピラミッド型の山頂で、世界中から観光客を引きつけています。
山麓にあるツェルマットの村からは、さまざまなアクティビティを楽しむことができ、登山やスキー、ハイキングが人気です。
また、ユングフラウヨッホは「ヨーロッパの頂点」として知られ、標高3,454メートルに位置し、氷河を見渡す壮大な景色が堪能できます。
このエリアはスイスの大自然を存分に感じる場所であり、アウトドア好きにとっては理想的な目的地です。
一方、静かな湖の周辺もまたスイスの魅力です。
レマン湖やルツェルン湖では、クルーズや湖畔でのリラックスした時間を過ごすことができます。
特にレマン湖では、アルプスの景色を船上から楽しむことができ、夏には人気のアクティビティとなっています。
都市観光の魅力
スイスの都市部も見どころが豊富です。
例えば、ベルンの旧市街はユネスコの世界遺産に登録されており、中世の雰囲気が残る街並みが観光客を魅了します。
また、ジュネーブでは、国際機関が集まる都市としての一面と、レマン湖沿いの美しい景観が楽しめます。
これに対して、チューリッヒやルツェルンといった都市も、歴史的建造物や博物館、ショッピングエリアなどが充実しており、都市観光を好む旅行者にとっても見どころがたくさんあります。
スイスは比較的治安の良い国として知られていますが、他のヨーロッパ諸国の治安状況を知りたい場合は、ヨーロッパ治安ランキング2024年版：安全な国と観光で注意が必要な地域を解説の記事も参考にしてください。
「退屈」と感じるポイントは？
一方で、スイスの観光が「退屈」と感じられるかどうかは、訪問者の期待次第です。
自然の美しさや静けさを楽しむ旅行者にとっては、スイスは理想的な旅行先です。
しかし、エンターテイメント性の高い都市観光を求める人にとっては、他のヨーロッパの大都市に比べるとやや物足りなく感じるかもしれません。
スイスの都市は、博物館や歴史的な建物が多く、夜のアクティビティや派手なナイトライフが少ないため、その点で「つまらない」と感じる人もいるでしょう。
アクティビティ不足で飽きるのか？
スイスは自然の美しさで有名ですが、実際には観光アクティビティも多岐にわたるため、飽きることはほとんどないでしょう。
特にアウトドア愛好者や冒険好きの方にとっては、スイスはまさにパラダイスです。
スポーツやアドベンチャーが豊富
スイスでは、スキー、スノーボード、ハイキング、マウンテンバイクなど、四季を通じてさまざまなアクティビティを楽しめます。
たとえば、インターラーケンはスイスの「アドベンチャーの首都」として知られており、スカイダイビングやキャニオニングなどのエクストリームスポーツも可能です。
また、ユングフラウやシュピルホルンといった山岳エリアでは、登山やスキー、雪遊びを満喫できます。
文化や歴史も体験できる
アウトドア以外にも、ルツェルンやベルンのような歴史的な街での観光や、チョコレート工場見学、ワインツアー、博物館巡りなど、文化的な体験も豊富です。
特にスイスはチーズやチョコレートの産地として有名で、グリュイエール地方ではチーズ工場見学や美食ツアーも人気です。
ユニークな体験も満載
さらに、世界最長のゴッタルドベーストンネルを走る鉄道や、サン・ベルナール犬とハイキングできる体験、さらには異色のエイリアンテーマのバーなど、他では味わえないユニークなアクティビティも楽しめます。
スイス旅行がつまらない理由は費用対効果が低いから？
スイス旅行の費用：高すぎるのか？
スイスは世界でも特に物価が高い国の一つとして知られていますが、その費用は旅行スタイルや計画次第で大きく異なります。
観光費用は確かに高めですが、コストを抑えつつも楽しむ方法も存在します。
詳しい費用の目安や節約方法については、Switzerland Tourism公式サイトを参考にしてください。
宿泊費
宿泊に関して、ホテルの価格は大きく変動します。
一般的な宿泊費は、都市部では1泊あたり約CHF 100～400（約12,000～48,000円）ですが、チューリッヒやジュネーブのような都市ではこれよりも高くなることがあります。
リーズナブルな選択肢として、ホステルやAirbnbなどの利用も検討できます。
ホステルでは、1泊約CHF 60（約7,000円）から宿泊が可能です。
食費
食事は、外食を選ぶとかなり費用がかかります。
レストランでの食事は一人あたりCHF 25～50（約3,000～6,000円）が一般的ですが、中級レストランでは一人あたりCHF 80～100（約9,600～12,000円）かかることもあります。
節約のためには、スーパーマーケットで食材を購入して自炊するのも有効です。
交通費
スイスの公共交通機関は便利ですが、交通費も高額です。
長距離列車のチケットは、片道でCHF 20～100（約2,400～12,000円）程度かかることが多いです。
ただし、旅行者向けのスイストラベルパスやハーフフェアカードを活用することで、交通費を大幅に節約できます。
アクティビティ費用
スイスでは、ハイキングや観光名所巡りといった多くの自然アクティビティが無料または比較的安価で楽しめますが、ケーブルカーや山岳鉄道などは高額です。
例えば、ユングフラウヨッホへの往復切符はCHF 239（約28,000円）とかなりの費用がかかります。
スイス旅行を安く楽しむコツ
スイスは確かに高価な国ですが、費用を抑える方法もあります。
スーパーで食材を購入して自炊したり、公共交通機関の割引パスを利用したりすることで、出費を抑えられます。
また、オフシーズンに旅行することで、宿泊費も安くなることがあります。
スイスの物価：費用がかかると感じる理由
スイスが旅行者にとって「費用がかかる」と感じられる理由はいくつかありますが、特に重要な要因を以下にまとめました。
1. 高い賃金
スイスでは、労働者の賃金が非常に高く設定されています。
これにより、物価全体が高騰し、旅行者にとっては日常的なサービスや商品の価格が高く感じられます。
地元の人々にとってはこの高賃金が標準ですが、海外からの旅行者にとっては、物価の高さが一層目立ちます。
2. 輸入コスト
スイスは山岳国であり、農業や自給自足が難しいため、食品や日用品の多くを輸入に頼っています。
この輸入に伴う運送費や関税が上乗せされ、結果として商品価格が高くなります。特に外食費用が高くなる原因の一つです。
3. 高い税金と規制
スイスは社会保障や公共サービスの質が非常に高く、それを維持するために比較的高い税金がかかっています。
これらの税金が商品の価格やサービス費用に反映され、旅行者にも影響します。
また、厳しい規制により、特に食品や製品の品質が高水準で維持されていますが、その分コストも増加しています。
4. 観光需要の高さ
スイスは世界的に人気の高い観光地であり、特に繁忙期には観光需要が高まるため、宿泊施設や観光スポットの価格が上昇します。
観光産業が主要な収入源であるため、観光客向けのサービスにはプレミアム価格が設定されることが一般的です。
5. 強いスイスフラン
スイスフランは他国の通貨に比べて安定しており、強い通貨として知られています。
これにより、為替レートの影響で海外から訪れる旅行者にとっては、スイスでの消費がさらに割高に感じられることがあります。
スイスでの食費やチップの相場
食費について
スイスでの外食費は、ヨーロッパでも特に高額です。
たとえば、通常のレストランでの一食あたりの費用は、ランチで約CHF 20～30（約3,000～4,000円）、ディナーではCHF 40～60（約6,000～8,000円）かかることが一般的です。
観光地のレストランや高級レストランではさらに高額になり、ワインなどのアルコールを追加すると1人あたりCHF 100（約12,000円）以上になることもあります。
費用を抑えたい場合は、日替わりメニュー（Tagesmenu）が提供されるレストランを選ぶのがおすすめです。
ランチタイムには比較的安価にセットメニューを楽しめることが多く、CHF 15～25程度で提供されています。
また、スーパーマーケットで食材を購入して自炊することも有効な節約手段です。
チップの相場
スイスでは、サービス料が基本的に含まれているため、チップは必須ではありませんが、良いサービスを受けた際にはチップを渡すことが一般的です。
レストランでは、5～10％のチップを上乗せするか、合計金額を切り上げて支払うのが通例です。
たとえば、CHF 46の食事の場合、CHF 50を支払ってお釣りを受け取らないといった形です。
また、カフェやバーでも同様に、ドリンク代を数フラン切り上げるのが一般的です。
ホテルのポーターやハウスキーピングには、1～5フラン程度のチップを渡すのがよいでしょう。
このように、スイスではチップは強制ではなく、良いサービスに対する感謝として渡すものです。カードで支払う場合でも、チップを追加するオプションがあることが多いです。
『スイス旅行はつまらない』を覆す方法
スイス旅行のモデルコース：効率よく楽しむ方法
スイスは自然の美しさと文化的な魅力が詰まった国で、限られた日数でも効率よく旅行を楽しむことができます。
以下は、7日間を想定したモデルコースで、スイスの代表的な観光地を無理なく巡るためのスケジュールです。
1日目：チューリッヒ
スイス最大の都市チューリッヒに到着後、旧市街や湖畔を散策。市内の博物館や美術館、ショッピングも楽しめます。夜はゆったりとしたディナーを楽しんでください。
2日目：ルツェルン
朝にルツェルンへ移動（電車で約1時間）。
ここでは、カペル橋や旧市街の散策、さらには湖畔クルーズが楽しめます。
午後はピラトゥス山やリギ山への日帰り観光もおすすめです。
3日目：インターラーケンとユングフラウ
次に、自然の絶景を楽しむためにインターラーケンへ向かい、ユングフラウヨッホ（「ヨーロッパの屋根」）を訪れます。
この地域ではハイキングやケーブルカーでの山岳観光が魅力です。
4日目：ラウターブルンネンとグリンデルワルト
この日は、スイスらしい美しい山村ラウターブルンネンとグリンデルワルトを訪問。
雄大な滝や牧草地を見ながらのハイキングが楽しめます。
また、トレッキングコースも充実しています。
5日目：ツェルマットとマッターホルン
早朝にツェルマットへ移動（約3.5時間）。
ここでは、ゴルナーグラート鉄道で展望台へ登り、マッターホルンの壮大な景色を堪能できます。
車がない街のため、落ち着いた雰囲気も楽しめます。
6日目：モントルーとシャトー・ド・シヨン
湖畔の美しい街モントルーへ向かい、レマン湖をクルーズしたり、歴史的なシャトー・ド・シヨン城を訪れたりします。
午後は近隣のラヴォーのワイン畑（UNESCO世界遺産）もおすすめです。
7日目：ベルン
最後は、スイスの首都ベルンへ。
旧市街はユネスコ世界遺産に指定されており、ツィットグロッゲ時計塔やバラ園、エインシュタイン博物館などを訪れることができます。
このモデルコースは、スイス旅行の魅力を短期間で効率よく楽しむことができるように構成されています。
スイス・トラベルパスを活用すれば、公共交通機関を自由に使い、移動の負担も軽減できます。
マッターホルンは一見の価値あり？それとも期待外れ？
マッターホルンはスイスの象徴的な山であり、その美しいピラミッド型の頂きは、世界中の観光客を引きつけています。
しかし、「期待外れ」と感じるかどうかは、天候や旅行者の期待次第です。
なぜマッターホルンは見る価値があるのか？
晴れた日には、マッターホルンの全景を一望でき、その壮大な美しさに圧倒されるでしょう。
特にマッターホルン・グレイシャー・パラダイスの展望台（標高3883メートル）からは、スイス、イタリア、フランスの山々が一望でき、38の山頂と14の氷河を見ることができます。
また、冬でもスキーやスノーボードが楽しめ、通年でアクティビティが充実しています。
期待外れに感じる可能性は？
一方で、天候が悪いと視界が悪く、マッターホルンが霧や雲に隠れてしまうことがあります。
この場合、多くの人が「期待外れ」と感じるかもしれません。
また、観光シーズン中は混雑することが多く、特に展望台では待ち時間が発生することもあります。
天候チェックが非常に重要で、事前に現地の天候やウェブカメラを確認してから訪れるのがおすすめです。
高額な費用に見合う体験か？
マッターホルン・グレイシャー・パラダイスまでのケーブルカーの料金は、往復でCHF 100以上と高額ですが、多くの旅行者はその値段に見合う価値があると感じています。
特に晴天の日に訪れることで、その素晴らしい景色を存分に堪能できます。また、観光アクティビティも豊富で、アイスパレスや氷河の上を歩く体験も含まれています。
総じて、マッターホルンは天候に恵まれた場合、人生に一度は訪れる価値のあるスポットといえるでしょう。
ただし、期待を満たすためには、天候や混雑具合を考慮して計画を立てることが重要です。
ベルンは本当に退屈な街なのか？
ベルンはスイスの首都でありながら、観光地として他の都市に比べて目立たないこともあります。
そのため、「ベルンは退屈なのでは？」という疑問を抱く旅行者もいますが、実際には独自の魅力を持つ都市です。
以下、その理由を詳しく見ていきましょう。
ベルンの歴史的魅力
ベルンの旧市街はユネスコ世界遺産に登録されており、その中世の街並みや石畳の道、歴史的な建物が今も残っています。
特に有名なのが、ツィットグロッゲ（Zytglogge）時計塔やベルン大聖堂といったランドマークで、街全体が美術館のような雰囲気を持っています。
この古風で落ち着いた景観が、他の観光地とは異なる魅力を放っています。
自然と都市のバランス
ベルンは都市でありながら、アーレ川やバラ園など、自然に囲まれた美しい景観も楽しめます。
アーレ川沿いの散策や、丘の上から街を見渡す風景は訪れる価値があります。
加えて、街の中心からもすぐにアクセスできるハイキングやアウトドアアクティビティがあり、自然と都市の調和が絶妙です。
アクティビティと文化的体験
ベルンには、博物館や美術館、季節ごとのイベントも豊富にあります。
たとえば、ベルン歴史博物館やアルプス博物館など、スイスの文化や歴史に触れることができる施設が充実しています。
さらに、毎年11月に開催されるツィーベルマリット（Zibelemärit）という伝統的な玉ねぎ祭りは、ベルンならではの体験です。
退屈と感じる要素は？
一方で、ベルンはチューリッヒやジュネーブのような大都市に比べると、派手なナイトライフやモダンなショッピングエリアが少ないため、刺激を求める人には物足りなく感じるかもしれません。
しかし、それはベルンの静かで落ち着いた魅力でもあります。
賑やかな都市の喧騒から離れて、リラックスできる場所を探している人にはぴったりです。
絶対行ったほうがいいスイスの隠れた名所
スイスには、観光客が少ない隠れた名所が数多く存在し、観光の定番ルートとは異なる静けさや特別な体験を提供してくれます。
以下は、訪れる価値のある隠れた名所をいくつか紹介します。
1. クレウ・ドゥ・ヴァン（Creux du Van）
ネシャテル地方に位置する自然の石灰岩の円形劇場で、高さ160メートルの崖に囲まれた壮大な景観が魅力です。
アルプスやジュラ山脈の美しい風景を楽しみながら、ハイキングを楽しむことができます。
ここでは、野生動物のイベックスやマーモットに出会うこともあるため、自然好きにとって特別な場所です。
2. カウマ湖（Caumasee）
グラウビュンデン州のフリムスに位置するこの美しい湖は、その透き通ったターコイズ色の水で知られています。
湖畔はリラックスできるピクニックや水泳に最適な場所であり、静けさを求める旅行者にとって理想的です。
観光地としてあまり知られていないため、混雑を避けて訪れることができます。
3. ベリンツォーナの城（Bellinzona Castles）
ティチーノ州のベリンツォーナには、中世の時代に築かれた3つの壮大な城（カステルグランデ、モンテベロ、サッソ・コルバーロ）があり、スイスの歴史を感じられる場所です。
それぞれの城からは、美しい緑の谷が広がり、周囲の景観を一望できます。
このエリアは歴史と自然を同時に楽しめる場所であり、観光客が少ないためゆっくりと散策できます。
4. アレッチ氷河（Aletsch Glacier）
ベルンアルプスに位置するスイス最大の氷河で、ユネスコ世界遺産にも登録されています。
全長23キロメートルに及ぶ氷の川は、圧倒的な自然の美しさを体験できる場所です。
夏にはハイキング、冬にはスキーが楽しめ、周囲にはユングフラウやアイガーといった名峰がそびえ立っています。
これらの隠れた名所は、スイスの静寂で美しい風景や文化を存分に楽しめるスポットです。観光地の混雑を避けながら、特別な体験を求める旅行者にとって、これらの場所は訪れる価値が十分にあります。
