ギリシャ旅行を計画する際、訪問時期の選択は体験の質と費用に大きく影響します。
エーゲ海の宝石サントリーニ島をはじめとする絶景を楽しむなら、ベストシーズンを知ることが旅の成功のカギです。
夏の混雑期は宿泊料金が高騰する一方、オフシーズンは静かで予算に優しいものの、天候不順でつまらない経験になる可能性もあります。
この記事では、季節ごとの特徴や地域別の最適時期、天候や観光客の混雑状況など、あなたの旅行目的に合わせたベストシーズンの選び方を徹底解説します。
青と白のコントラストが映える景色や古代遺跡、地中海の美食を最高のタイミングで楽しむためのガイドとしてお役立てください。
- ギリシャ旅行の最適な時期、それぞれの季節ごとの特徴と魅力
- 各地域(アテネ、北部ギリシャ、島々など)ごとの気候の違いと最適訪問時期
- 季節による宿泊料金や混雑状況の変動と、予算や好みに合わせた時期の選び方
- 現地のお祭りやイベントの開催時期と、避けるべき「つまらない時期」の特徴
ギリシャのベストシーズンの総合ガイド

- ギリシャ旅行に最適な時期
- 季節ごとの特徴と楽しみ方
- 観光客の混雑状況と避け方
- オフシーズンの魅力と注意点
- 宿泊料金と旅行費用の変動
ギリシャ旅行に最適な時期

ギリシャ旅行の最適な時期は、春(4月下旬〜6月上旬)と秋(9月〜10月中旬)です。
この時期は気温が20〜25℃前後と快適で、強すぎる日差しや極端な暑さを避けられます。
加えて、観光客も比較的少なく、宿泊施設の料金も手頃なため、多くの旅行者にとって理想的な時期といえるでしょう。
なぜなら、これらのシーズンはギリシャの美しい景観を満喫するのに最適な気候条件を備えているからです。
真夏の猛暑や真冬の肌寒さがなく、長時間の観光や屋外活動も快適に楽しめます。
また、地中海の水温も泳ぐのに適した温度になり始める時期でもあります。
春のギリシャでは、野花が咲き乱れる美しい風景を楽しむことができます。
特に4月から5月にかけては、緑豊かな景色の中で古代遺跡観光やハイキングが格別です。
イースター(ギリシャ正教の復活祭)が行われる時期に訪れれば、現地の伝統的な祭りや儀式も体験できます。
ただし、春の訪問の場合、4月初旬は天候が不安定なことがあるため、4月下旬以降の訪問をおすすめします。
一方、秋のギリシャは、夏の喧騒が落ち着き、より穏やかな雰囲気を味わうことができます。
9月は海水温が夏の間に十分温められているため、ビーチでの水泳も十分楽しめます。
また、ぶどうの収穫祭など秋ならではのイベントもあります。
10月に入ると次第に気温が下がり始めますが、観光地を巡るには依然として快適な気候です。
ここで、各季節のメリットとデメリットをまとめると以下のようになります:
春(4月下旬〜6月上旬)
- メリット:花が咲き乱れる美しい風景、過ごしやすい気温、観光客が少ない
- デメリット:4月は天候が不安定なことがある、海水浴には少し早い
夏(6月中旬〜8月)
- メリット:ビーチシーズン全盛期、島々の交通手段が充実、夜遅くまで日が長い
- デメリット:猛暑(特に内陸部)、観光客で混雑、宿泊料金の高騰
秋(9月〜10月中旬)
- メリット:温暖な気候、夏ほどではない観光客数、海水温が高い
- デメリット:10月以降は天候が崩れやすくなる、島へのフェリーが減便し始める
冬(10月下旬〜3月)
- メリット:観光地が最も空いている、宿泊料金が最安値、文化体験に集中できる
- デメリット:寒い気候(特に北部)、多くの島のホテルやレストランが閉まる、雨季
多くの旅行者にとって、旅行目的も季節選びに大きく影響します。
ビーチリゾートを楽しみたい場合は、6月〜9月が最適です。
ただし、7月と8月は観光客が最も多く、宿泊料金も年間で最も高くなります。
また、この時期は内陸部(アテネなど)が非常に暑くなるため、観光には適していない場合があります。

歴史的な遺跡やアテネ、デルフィなどの内陸部を中心に訪れる場合は、4〜5月や9〜10月の比較的涼しい時期がおすすめです。
この時期なら、暑さでバテることなく快適に観光できます。
ギリシャのベストシーズンを考える際は、訪問する地域も考慮する必要があります。
北部のテッサロニキやマケドニア地方は南部より寒くなる傾向があります。
また、クレタ島のように南に位置する島は、シーズンが長く、3月下旬から11月まで比較的温暖な気候を楽しめます。
最終的に、ギリシャ旅行の最適な時期は、あなたの旅行スタイルや優先事項によって変わってきます。
混雑を避けつつ良い天候を望むなら春と秋、夏のビーチシーズンを満喫したいなら6月または9月、予算を最優先するならオフシーズンの選択が良いでしょう。
季節ごとの特徴と楽しみ方

ギリシャでは季節ごとに異なる魅力があり、訪れる時期によって全く違った楽しみ方ができます。
四季それぞれの特徴を理解することで、あなたの旅行目的に最適な時期を選ぶことができるでしょう。
春のギリシャ(3月~5月)は、徐々に暖かくなり自然が目覚める季節です。
3月初旬はまだ肌寒い日もありますが、4月に入ると平均気温が15~20℃となり、過ごしやすくなります。
この時期は野花が咲き誇り、特にペロポネソス半島やクレタ島では色鮮やかな景色を楽しむことができます。
春の大きな魅力は、ギリシャ正教の復活祭(イースター)です。復活祭の時期は毎年変動しますが、通常3月下旬から5月上旬に行われます。
この期間は各地で伝統的な儀式や行列、特別な料理が楽しめます。
特にコルフ島では、復活祭の土曜日に「ポット投げ」という独特な習慣があり、陶器を窓から投げ捨てる光景を見ることができます。
春の観光では、アクロポリスなどの歴史的遺跡巡りや、ハイキングが特におすすめです。
観光客も比較的少なく、じっくりと遺跡を鑑賞できます。
ただし、3月~4月上旬は天候が不安定で、突然の雨に見舞われることがあるため、折りたたみ傘などの雨具を持参すると安心です。

夏のギリシャ(6月~8月)は、最もポピュラーな観光シーズンです。
気温は30℃を超え、特に7月と8月は35℃以上になることも珍しくありません。
この時期の最大の魅力は、エーゲ海やイオニア海の美しいビーチで海水浴を楽しめることです。
ミコノス島やサントリーニ島、ロードス島などの島々が最も賑わう時期でもあります。
夏は、多くの文化イベントやフェスティバルが開催されます。
アテネ・エピダウロス・フェスティバル(通常6月から8月)では、古代劇場で演劇やコンサートが行われます。
また、8月15日の聖母被昇天祭は、特にティノス島で盛大に祝われる重要な祝日です。
ただし、夏のギリシャは観光客で非常に混雑し、宿泊料金も年間で最も高くなります。
また、特にアテネなどの内陸部では非常に暑くなるため、日中の観光は体力を消耗します。
島々への訪問を計画している場合は、数か月前からの予約が必須です。
秋のギリシャ(9月~11月)は、夏の暑さが和らぎ、再び快適に観光できる時期です。
9月は平均気温が25℃前後で、ビーチでの水泳も十分楽しめます。
10月になると20℃前後となり、11月は徐々に冷え込んでいきます。
この時期の魅力は、穏やかな気候の中で夏ほどの混雑もなく観光できることです。
9月から10月上旬は海水温も高く、ビーチリゾートも楽しめますが、同時に歴史的遺跡巡りも快適です。
また、この時期はワインの収穫祭や地元の食のフェスティバルなどが各地で開催されます。

秋の訪問では、葡萄畑が広がるネメアやサントリーニ島でのワイナリー訪問や、オリーブの収穫見学ツアーなどがおすすめです。
ただし、10月下旬からは天候が崩れやすくなり、特に島々では船便が減少するため、交通手段の確認が必要です。
冬のギリシャ(12月~2月)は、観光のオフシーズンとなります。
アテネやテッサロニキなどの大都市では平均気温が5~10℃で、北部の山岳地域では氷点下になることもあります。
南部のクレタ島などでは比較的温暖ですが、それでも水泳には適さない気温です。
冬のギリシャでは、クリスマスや新年の伝統的な祝祭を体験できます。
また、北部のピンドス山脈やパルナッソス山などではスキーも楽しめます。
この時期は観光客が最も少なく、宿泊料金も最安値となるため、予算を抑えたい旅行者には好都合です。
ただし、多くの島のホテルやレストランは冬期に閉鎖されており、フェリーの運航も大幅に減少します。

また、天候が不安定で雨の日も多いため、室内で楽しめる美術館や考古学博物館の訪問が中心となります。
各季節にはそれぞれ異なる魅力がありますので、あなたの旅行目的や優先事項に合わせて最適な時期を選ぶとよいでしょう。
特に混雑を避けつつ良い天候を望むなら、春の後半(5月)か秋の前半(9月)がおすすめです。
観光客の混雑状況と避け方

【ギリシャの月別観光客数と混雑度(2024年)】
月 | 観光客数(万人) | 前年比 | 混雑度 | 主な混雑エリア |
---|---|---|---|---|
1月 | 69.2 | +5.3% | 低 | アテネ中心部のみ |
2月 | 72.8 | +8.7% | 低 | アテネ、テッサロニキ |
3月 | 86.5 | +12.4% | 低 | 主要都市 |
4月 | 129.3 | +10.2% | 中 | 観光地、イースター時期は高 |
5月 | 264.7 | +15.8% | 中 | 主要観光地、島々 |
6月 | 394.6 | +18.2% | 中-高 | 島々、海岸リゾート |
7月 | 587.2 | +17.6% | 非常に高 | 全主要観光地 |
8月 | 631.5 | +14.3% | 極高 | 全観光地、特に島々 |
9月 | 428.9 | +13.7% | 高 | 全観光地 |
10月 | 289.6 | +11.5% | 中 | 主要観光地 |
11月 | 84.3 | +7.8% | 低 | 主要都市のみ |
12月 | 78.5 | +6.2% | 低 | アテネ、冬季リゾート |
注: 混雑度は観光客数、宿泊施設の稼働率、主要観光地の入場者数に基づく相対的な評価
ギリシャの観光地は、シーズンによって混雑状況が大きく異なります。
最も観光客が集中するのは7月と8月のハイシーズンで、この時期は欧米からの休暇シーズンと重なるため、主要な観光地は非常に混雑します。
特にサントリーニ島やミコノス島などの人気の島々では、狭い街路が人で溢れ、十分に景観を楽しめないことがあります。
月別の観光客数の傾向を見ると、6月から徐々に増加し始め、7月中旬から8月末までがピークとなります。
9月には少し落ち着きますが、それでも比較的多くの観光客が訪れます。
10月中旬以降から翌年の4月中旬までは、観光のオフシーズンとなり、観光客数は大幅に減少します。
混雑を避けるには、まず旅行時期の選択が重要です。
5月下旬から6月中旬、または9月中旬から10月上旬であれば、天候も比較的安定しており、観光客も少なめです。
この時期はショルダーシーズンと呼ばれ、ハイシーズンの混雑を避けつつ、良好な気候条件で観光を楽しむことができます。
次に、主要観光地の訪問時間を工夫することも効果的です。
例えば、アテネのアクロポリスは午前8時の開門直後か、夕方の閉館前2時間が比較的空いています。
多くのツアーグループは午前10時から午後2時頃にかけて訪れるため、この時間帯を避けることで混雑を回避できます。
人気の島々への訪問では、フェリーのスケジュールに注意が必要です。
高速船は通常、午前中にアテネのピレウス港から出発するため、到着後の午後は港周辺や主要な観光スポットが混雑します。
できれば、前日夜発の船で早朝に到着するか、1-2泊以上滞在して、観光客が少ない早朝や夕方に観光するのがおすすめです。
また、観光ルートを主要スポットから外れた場所に広げることも有効です。
例えば、サントリーニ島ではイア村とフィラが特に混雑しますが、ピルゴスやメガロホリなどの内陸の村は比較的静かで、地元の雰囲気を楽しめます。

クレタ島のように大きな島では、北岸の主要リゾート地よりも、南岸や内陸部の方が混雑が少ないことが多いです。
混雑状況と避け方を観光地別にまとめると次のようになります:
アテネ
- 最混雑期:7月〜8月
- 比較的空いている時期:3月〜4月、10月〜11月
- 避け方:アクロポリスは開門直後に訪問、国立考古学博物館は午後遅くに訪問
サントリーニ島
- 最混雑期:6月下旬〜9月上旬
- 比較的空いている時期:5月、10月
- 避け方:サンセットスポットのイア村は夕方の2〜3時間前に着いて場所を確保、またはフィロステファニなど代替スポットを利用
ミコノス島
- 最混雑期:7月〜8月(特に週末)
- 比較的空いている時期:5月、9月下旬〜10月
- 避け方:リトル・ベニスなどの人気スポットは早朝に訪問、内陸部の村々を探索
クレタ島
- 最混雑期:7月中旬〜8月
- 比較的空いている時期:4月下旬〜6月、9月〜10月中旬
- 避け方:北岸の主要リゾートより南岸を選択、クノッソス宮殿は開門直後か閉館前に訪問
混雑を避けるその他の実践的なヒントとしては、主要な観光施設のチケットをオンラインで事前購入することが挙げられます。
アクロポリスやオリンピアなどの人気遺跡では、当日券の列に並ぶ時間を節約できます。
また、午前中早くか夕方遅くに観光し、昼間の最も暑い時間帯はホテルで休憩するという方法も効果的です。
予約に関しては、特に7月と8月に訪問する場合、宿泊施設やレストラン、フェリーチケットなどは数か月前からの予約が必須です。
人気のホテルやレストランは半年前に埋まることもあります。
ショルダーシーズンでも、週末や祝日前後は混雑することがあるため、できるだけ早めの予約をおすすめします。
最後に、現地のイベントカレンダーを確認することも重要です。
例えば、ギリシャ正教の復活祭期間中は国内旅行者が増加しますし、地元のお祭りやイベント開催時は特定の地域が混雑します。
こうした情報を事前に把握しておくことで、より快適な旅行計画を立てることができるでしょう。
オフシーズンの魅力と注意点

ギリシャのオフシーズン(11月~3月)は、多くの観光客が訪れない静かな時期ですが、実は独自の魅力にあふれています。
この時期のギリシャは、夏の喧騒から解放され、よりオーセンティックな姿を見せてくれます。
地元の人々の日常生活を間近で見ることができ、観光地化されていない本来のギリシャを体験できるのが最大の魅力です。
オフシーズンの最も明らかな利点は、価格の安さです。
宿泊施設の料金はハイシーズンと比較して30~50%も安くなることがあります。
特に高級ホテルやリゾートでは大幅な割引が適用されるため、普段なら手が届かないような上質な宿泊体験も可能になります。
また、レストランやカフェでも地元客向けの価格設定になり、よりリーズナブルに食事を楽しめます。
次に、混雑がないことも大きな利点です。
アクロポリスなどの人気観光スポットも、夏場のような長蛇の列なしで訪れることができます。
写真撮影も他の観光客を気にせず、ゆっくりと行えるでしょう。
また、地元の人々とより深く交流する機会も増えます。
観光客が少ないこの時期、地元のカフェやタベルナでは、より親しみやすい雰囲気があり、思いがけない会話や交流が生まれることもあります。
冬季限定のイベントも見逃せません。
12月にはアテネやテッサロニキなどの大都市でクリスマスマーケットやイルミネーションが楽しめます。
1月6日のエピファニー(公現祭)では、司祭が海や湖、川に十字架を投げ入れ、若者たちがそれを取りに泳ぐという伝統的な儀式が全国各地で行われます。
また、2月から3月にかけて開催されるカーニバル(アポクリエス)では、パトラやクサンティなどの都市で仮装パレードや音楽イベントが開催されます。
冬のギリシャでは、夏とは全く異なるアクティビティも楽しめます。
北部のエピロス地方やマケドニア地方の山岳リゾートでは、スキーやスノーボードが楽しめます。
パルナッソス山のスキーリゾートはアテネから日帰りでアクセス可能で、冬季のレジャーを満喫できます。

ただし、オフシーズンに訪れる際には、いくつかの注意点も把握しておく必要があります。
まず、天候が不安定で、特に12月から2月にかけては雨の日が多くなります。
アテネでも平均気温が7~13℃程度まで下がり、北部ではさらに冷え込みます。防寒着や雨具の準備は必須です。
また、交通手段が制限されることも大きな注意点です。
島々へのフェリーの運航便数は大幅に減少し、悪天候による欠航も珍しくありません。
特に小さな島々では、週に数便しかフェリーがない場合もあります。
航空便も減便されるため、旅程には余裕を持たせることが重要です。
さらに、観光インフラの閉鎖も覚悟しておく必要があります。
特にミコノス島やサントリーニ島などの人気の島々では、多くのホテル、レストラン、お土産店が11月から3月まで完全に閉鎖します。
営業している施設も営業時間が短縮されていることが多いため、事前の確認が必須です。
観光施設に関しては、主要な考古学的遺跡や博物館は年間を通して開館していますが、冬季は営業時間が短縮されます。
一般的に、午前8時から午後3時頃までの開館となるため、日程調整が必要です。
オフシーズンに最適な訪問先としては、アテネやテッサロニキなどの大都市、デルフィやオリンピアなどの内陸部の遺跡、メテオラの修道院群などが挙げられます。
これらの場所は年間を通して観光インフラが整っています。
島々では、クレタ島やロードス島など大きな島は冬でも基本的なサービスが維持されていますが、小さな島は事実上閉鎖状態になることもあるため注意が必要です。
オフシーズンのギリシャ旅行は、予算を抑えつつ、観光客の少ない環境で本物のギリシャ文化を体験したい方に特におすすめです。
しかし、天候や交通手段、施設の営業状況などの制約を理解した上で、柔軟な旅程を組むことが成功の鍵となります。
宿泊料金と旅行費用の変動

ギリシャ旅行の費用は、訪れる時期によって大きく変動します。
特に宿泊料金はシーズンによって2〜3倍もの差が生じることがあるため、予算重視の旅行を計画するなら、時期選びは非常に重要です。
季節ごとの費用変動を理解することで、より賢い旅行計画が立てられるでしょう。
ギリシャの旅行費用は、大きく分けて4つのシーズンで変動します。
最も高額になるのは7月中旬から8月末までのハイシーズン、次いで6月と9月のショルダーシーズン、4〜5月と10月の端境期、そして11月から3月までのオフシーズンです。
宿泊料金の変動は特に顕著で、同じホテルでもシーズンによって価格が大きく異なります。
人気の観光地であるサントリーニ島やミコノス島では、ハイシーズンとオフシーズンで3倍以上の価格差が生じることもあります。
例えば、サントリーニ島のカルデラビューの部屋は、8月には1泊300〜500ユーロ(約45,000〜75,000円)ほどですが、3月であれば100〜150ユーロ(約15,000〜22,500円)程度で宿泊できることもあります。
地域によっても価格帯は大きく異なります。
アテネやテッサロニキなどの大都市は、観光地と比べて季節による価格変動が小さく、年間を通して比較的安定しています。
一方、エーゲ海の人気の島々(サントリーニ、ミコノス、ロードス、コルフなど)は季節変動が最も大きい地域です。
また、ペロポネソス半島やザキントス島、ケファロニア島などの比較的知名度の低い地域は、人気の島々よりも全体的に安価で、季節変動も小さめです。
交通費に関しても、季節による変動があります。
国内のフェリー料金は、ハイシーズンになると10〜30%ほど上昇します。
例えば、アテネ(ピレウス港)からサントリーニ島への高速フェリーは、オフシーズンでは片道約60〜70ユーロ(約9,000〜10,500円)ですが、ハイシーズンでは80〜90ユーロ(約12,000〜13,500円)になることがあります。
また、国内線の航空券も需要の高まるハイシーズンには値上がりする傾向にあります。

食事やアクティビティの費用も、多少の季節変動があります。
観光地のレストランやカフェは、ハイシーズンには価格を10〜20%ほど引き上げることがあります。
また、ビーチクラブやボートツアーなどの観光アクティビティも、ハイシーズンには料金が上昇します。
ただし、美術館や考古学的遺跡などの入場料は、通常、年間を通して一定です。
シーズン別の費用目安(2人旅行、中級クラスの宿泊施設、1週間の場合)は以下の通りです:
- ハイシーズン(7月中旬〜8月): 約2,000〜3,000ユーロ(約300,000〜450,000円)
- 宿泊費: 150〜250ユーロ/泊
- 食費: 60〜80ユーロ/日(2人)
- 交通費: フェリーや国内移動を含め約300〜400ユーロ
- ショルダーシーズン(6月、9月): 約1,500〜2,000ユーロ(約225,000〜300,000円)
- 宿泊費: 100〜150ユーロ/泊
- 食費: 50〜70ユーロ/日(2人)
- 交通費: 約250〜350ユーロ
- 端境期(4〜5月、10月): 約1,200〜1,500ユーロ(約180,000〜225,000円)
- 宿泊費: 70〜100ユーロ/泊
- 食費: 40〜60ユーロ/日(2人)
- 交通費: 約200〜300ユーロ
- オフシーズン(11月〜3月): 約800〜1,200ユーロ(約120,000〜180,000円)
- 宿泊費: 40〜70ユーロ/泊
- 食費: 30〜50ユーロ/日(2人)
- 交通費: 約150〜250ユーロ
※これらの価格は一般的な目安であり、2023-2024年の相場に基づいています。また、為替レートや物価の変動によって変わる可能性があります。
予算を抑えたい場合は、以下のポイントに注意すると良いでしょう:
- 訪問時期を慎重に選ぶ:5月初旬や10月後半は、天候も比較的良く、費用も抑えられます。
- 宿泊先の選択:カルデラビューなどの人気の立地を避け、内陸部や主要観光地から少し離れた場所を選ぶことで、大幅に費用を抑えられます。
- 事前予約の活用:特にショルダーシーズンやハイシーズンに訪れる場合、航空券や宿泊施設は3〜6か月前に予約することで、かなりの費用削減になります。
- 滞在日数の調整:週末を含む短期間の滞在よりも、平日中心の長期滞在の方が、1日あたりの平均費用を抑えられることが多いです。
- 交通手段の工夫:高速フェリーは便利ですが、通常のフェリーを利用すれば30〜50%ほど安く済みます。また、島間移動では、人気の島を経由するルートより直行便の方が安いことがあります。
最後に、イースターやお盆などの祝日期間は、国内旅行者も増えて混雑し、料金も上昇する傾向にあります。
特にギリシャ正教の復活祭の時期(毎年変動、通常3月下旬〜5月上旬)は、国内旅行が活発になるため、宿泊料金が通常より高くなることがあります。
予算とあなたの旅行スタイルに合わせて最適な時期を選び、余裕をもって計画することで、コストパフォーマンスの高いギリシャ旅行を実現できるでしょう。
また、日本からギリシャまでの移動計画も重要です。
ギリシャへの飛行機時間と乗継便を比較|おすすめプラン作りのコツの記事では、各航空会社の所要時間や料金比較、快適な乗継ぎのポイントを解説していますので、旅の第一歩となる航空券選びにぜひ参考にしてください。
ギリシャのベストシーズンの選び方

- 目的別おすすめ訪問時期
- エリア別の最適シーズン案内
- サントリーニ島訪問のベスト時期
- お祭りとイベントの開催時期
- つまらない時期を避ける秘訣
目的別おすすめ訪問時期
ギリシャを訪れる目的は人それぞれです。
美しいビーチでリラックスしたい方、古代遺跡を巡りたい方、地元の文化に触れたい方など、旅の目的によって最適な訪問時期が異なります。
ここでは、目的別にギリシャを訪れるベストシーズンをご紹介します。
ビーチリゾート・海水浴を楽しみたい方

海水浴やビーチリゾートを満喫したい場合は、6月中旬から9月中旬がおすすめです。
この時期は海水温が温かく、特に7月と8月は水温が最も高くなります(24〜26℃程度)。
ただし、7月中旬から8月末までは最も混雑し、宿泊料金も高騰します。
混雑を避けたい方は、6月中旬から7月上旬、または9月がベストタイミングです。
ビーチリゾートとして特に人気が高いのは、ミコノス島のパラダイスビーチやスーパーパラダイスビーチ、ザキントス島のナヴァイオビーチ、クレタ島のエラフォニシビーチなどです。
9月は海水温が夏の間に十分温められているため、まだ快適に泳げる上、観光客も減少し始めるため、より静かな環境で海を楽しめます。
歴史的遺跡巡りを計画している方

古代遺跡観光に最適な時期は、春(4月下旬〜6月上旬)と秋(9月中旬〜10月中旬)です。
この時期は気温が20〜25℃前後と過ごしやすく、歩き回っても疲れにくい気候です。
夏場(7〜8月)は、特にアクロポリスやオリンピアなどの日陰の少ない遺跡では、日中の気温が35℃を超えることもあり、長時間の観光には適していません。
アテネのアクロポリス、デルフィの神殿、オリンピアの古代遺跡、クレタ島のクノッソス宮殿などを訪れるなら、強い日差しを避けられる5月や9月が特におすすめです。
また、春は野花が咲き誇り、秋は柔らかな光に包まれるため、写真撮影にも適しています。
ハイキングやトレッキングを楽しみたい方

ギリシャでのハイキングやトレッキングには、春(4月中旬〜6月)と秋(9月〜10月末)が最適です。
この時期は過度の暑さがなく、雨も比較的少ないため、長時間の屋外活動に適しています。
特に5月と10月は、山岳地帯での活動に最も適した気候条件が揃います。
サマリア渓谷(クレタ島)のトレッキングや、メテオラ周辺のハイキング、ザゴリア地方のヴィコス渓谷などが人気のスポットです。
夏季(7〜8月)は暑すぎて危険な場合があるため避けるべきです。
また、11月から3月までの冬季は、山岳地帯では雪や雨の可能性が高く、トレッキングには適していません。
祭りや文化イベントに参加したい方
ギリシャの伝統的な祭りや文化イベントを体験したい場合、イベントの開催時期に合わせて訪問する必要があります。
特に重要なイベントとその時期は以下の通りです:
- ギリシャ正教の復活祭(イースター):毎年変動(通常3月下旬〜5月上旬)
- アテネ・エピダウロス・フェスティバル:6月〜8月
- 聖母被昇天祭:8月15日(特にティノス島で盛大)
- オヒ・デー(「No」の日):10月28日
- クリスマスとエピファニー(公現祭):12月25日〜1月6日
- アポクリエス(ギリシャのカーニバル):2月〜3月(復活祭の前)
これらのイベントに参加するには、開催の1〜2ヶ月前からの予約が推奨されます。
特に復活祭やカーニバルの時期は国内旅行者も多いため、早めの準備が必要です。
写真撮影を主目的とする方
フォトグラフィーを楽しみたい方には、光の質が良く、観光客が比較的少ない春(4月下旬〜5月)と秋(9月下旬〜10月中旬)がおすすめです。
この時期は、朝夕のゴールデンアワーの光が柔らかく、サントリーニ島の白壁の建物やエーゲ海の青がより鮮やかに写ります。
また、3月下旬から4月にかけては野花が咲き乱れ、11月は秋の色彩が楽しめます。
夏は強い日差しによるコントラストが強すぎることがあり、冬は日照時間が短く、雨や曇りの日が多くなります。
ワインツーリズムやフードツーリズムを楽しみたい方

ギリシャのワインや食文化を楽しむなら、秋(9月〜10月)がベストシーズンです。
この時期はブドウの収穫シーズンで、各地のワイナリーで収穫祭が開催されます。
サントリーニ島、ネメア、ナウサなどのワイン産地では、試飲ツアーが充実しています。
また、10月から11月はオリーブの収穫シーズンで、クレタ島やペロポネソス半島では新鮮なオリーブオイルを味わうことができます。
食材が最も豊富で新鮮な時期でもあり、地元の食文化を存分に味わえるでしょう。
予算を重視する方
予算を抑えたい場合は、オフシーズン(11月〜3月、イースター期間を除く)か、端境期(4月初旬〜5月中旬、10月中旬〜11月)の訪問が最適です。
この時期は宿泊料金が30〜50%も安くなり、航空券も比較的安価に入手できます。
特に11月と2月は最も安価な時期ですが、天候が不安定で、島々の観光インフラが制限されることを覚悟する必要があります。
費用と気候のバランスを考えると、5月初旬や10月後半が比較的お得に旅行できるシーズンといえるでしょう。
結局のところ、ギリシャのベストシーズンは、あなたの旅行目的、予算、混雑を避けたいかどうかによって異なります。
目的に合わせて最適な時期を選ぶことで、より充実したギリシャ旅行が実現できるでしょう。
エリア別の最適シーズン案内
ギリシャは南北に長く広がる国で、地域によって気候条件が大きく異なります。
そのため、訪れる地域によって最適な旅行シーズンも変わってきます。
ここでは、ギリシャの主要なエリア別に最適な訪問時期をご紹介します。
アテネ・アッティカ地方

アテネを含むアッティカ地方は、夏場(6月〜8月)は非常に暑く、気温が35℃を超える日も珍しくありません。
特に7月と8月はアスファルトの照り返しも加わり、日中の観光は体力を消耗します。
この地域のベストシーズンは春(4月中旬〜6月上旬)と秋(9月中旬〜10月末)です。
この時期は気温が20〜28℃程度と過ごしやすく、アクロポリスなどの野外遺跡を快適に観光できます。
また、冬(11月〜3月)も比較的温暖で、日中の気温は10〜15℃程度あり、観光客も少ないため、美術館や博物館巡りには適しています。
ただし、12月と1月は雨の日が増えるため、屋外活動には注意が必要です。
ペロポネソス半島

古代オリンピアやミケーネ、コリントスなどの遺跡がある歴史豊かなペロポネソス半島も、アテネとほぼ同様の気候条件です。
ただし、山間部では気温が若干低めとなります。
この地域を訪れるなら、4月下旬から6月上旬、または9月から10月中旬がベストシーズンです。
この時期は日中の気温が快適で、古代遺跡巡りや自然散策に適しています。
夏は内陸部が特に暑くなりますが、海岸沿いのリゾート地では海風があるため比較的過ごしやすいです。
冬季も比較的穏やかですが、山間部では気温が低く、時には雪が降ることもあります。
ナフプリオンやモネムヴァシアなどの沿岸の町は、冬でも比較的温暖で、静かな雰囲気を楽しめます。
北部ギリシャ(マケドニア、テッサロニキ、エピロス地方)

テッサロニキを含む北部ギリシャは、南部に比べて大陸性気候の影響を受けるため、季節の変化がより顕著です。
夏は暑いものの、アテネほどの極端な暑さにはならないことが多いです。
この地域のベストシーズンは、5月から6月中旬と9月から10月上旬です。
この時期は気温が20〜25℃前後と快適で、観光にも適しています。
また、秋は紅葉が美しく、山岳地帯での散策に最適です。
冬季(12月〜2月)は南部より寒く、特に山間部では雪が降ります。
テッサロニキでも気温が氷点下になることがあり、防寒対策が必須です。
一方、この時期はメテオラやピンドス山脈などでは雪景色を楽しめ、冬ならではの魅力があります。
キクラデス諸島(サントリーニ、ミコノスなど)

サントリーニ島やミコノス島を含むキクラデス諸島は、夏季の観光が最も盛んです。
7月と8月は最も賑わいますが、同時に最も混雑し、宿泊料金も高騰します。
この地域のベストシーズンは、5月から6月中旬と9月から10月上旬です。
この時期は気温が快適で、海水浴も楽しめますが、ハイシーズンほどの混雑はありません。
特に9月は海水温が夏の間に温められているため、水泳に最適です。
11月から4月までのオフシーズンは、多くのホテルやレストランが閉鎖し、フェリーの運航も減少します。
特に冬季(12月〜2月)は風が強く、天候も不安定になるため、観光には適していません。
ただし、3月下旬から4月にかけては、春の花が咲き始め、穏やかな気候の中で静かな島の雰囲気を楽しめます。
ドデカネス諸島(ロードス島など)とクレタ島

ロードス島などのドデカネス諸島とクレタ島は、ギリシャの中でも最も南に位置しており、年間を通して温暖な気候が特徴です。
観光シーズンも比較的長く、4月上旬から11月初旬まで良好な気候条件が続きます。
これらの地域のベストシーズンは、5月から6月と9月から10月中旬です。
この時期は気温が25℃前後と快適で、海水浴も楽しめます。
7月と8月も人気がありますが、特にクレタ島の内陸部では気温が35℃を超えることもあります。
冬季(12月〜3月)は他の島々よりも温暖で、特にクレタ島の南岸では日中の気温が15℃を超えることも多く、冬季の地中海旅行先としては比較的良好です。
ただし、雨の日が増え、多くの観光施設は営業時間を短縮または閉鎖します。
イオニア諸島(コルフ、ケファロニア、ザキントスなど)

ギリシャ本土の西側に位置するイオニア諸島は、他の地域と比べて降水量が多いのが特徴です。
特に冬季(11月〜3月)は雨の日が多くなります。
この地域のベストシーズンは、5月下旬から9月末までです。
この期間は晴天が続き、海水浴や水上スポーツに最適です。
特に6月と9月は観光客も比較的少なく、快適に島の魅力を楽しめます。
夏季(7月と8月)は観光のピークシーズンで、ビーチリゾートも賑わいます。
一方、10月からは徐々に雨の日が増え始め、冬季にかけて天候が不安定になります。
ギリシャの旅行を計画する際は、訪れたい地域の気候特性と自分の旅行目的を照らし合わせ、最適な時期を選ぶことが大切です。
複数の地域を訪れる場合は、共通して快適な時期である5月下旬から6月中旬、または9月中旬から10月上旬が総合的におすすめです。
効率的な周遊プランをお探しの方は、ギリシャ旅行のモデルコース決定版|日数別・予算別おすすめプランで、滞在日数や予算に合わせた具体的な旅程例を参考にすると、より充実した旅行計画が立てられるでしょう。
サントリーニ島訪問のベスト時期

サントリーニ島を訪れるベストシーズンは、4月下旬から6月上旬と9月から10月中旬です。
この時期は、天候が安定していて気温も快適(20〜25℃前後)なため、島内観光やハイキングに適しています。
また、夏の混雑を避けながらも、美しい青と白のコントラストを楽しむことができます。
サントリーニ島の月別の気候と観光状況を詳しく見ていきましょう。
春(4月〜6月)のサントリーニ島は、徐々に暖かくなり、色鮮やかな野花が咲き誇ります。
4月の平均気温は約17〜20℃、5月は20〜23℃、6月は23〜27℃となります。
4月初旬はまだ肌寒い日もありますが、4月下旬からは快適な気候になります。
海水温は徐々に上昇し、5月末から泳ぐことも可能になってきます。
この時期の最大の魅力は、夏ほどの混雑がなく、比較的静かな環境で島の美しさを堪能できることです。
特に5月は、気候が安定し始め、観光客もまだそれほど多くないため、理想的な時期といえます。
また、春はイースターの祝祭(年によって変動)が行われることもあり、地元の伝統行事を体験できるかもしれません。
夏(6月下旬〜9月上旬)は、サントリーニ島の観光ハイシーズンです。
7月と8月の平均気温は28〜30℃に達し、時には35℃を超えることもあります。
しかし、エーゲ海からの涼しい風(メルテミ)が吹くため、他のギリシャの島々より比較的過ごしやすいです。
海水温も最高になる時期で、ビーチでの水泳に最適です。
この時期のデメリットは、観光客の多さと料金の高さです。
7月と8月は、島内のすべての観光スポットが非常に混雑します。
特にイア村のサンセットポイントは、日没の1〜2時間前から人で溢れかえります。
また、宿泊料金もピークに達し、カルデラビューのホテルは1泊300〜500ユーロ(約45,000〜75,000円)以上することも珍しくありません。
フィラやイア村のレストランも予約なしでは入れないことが多いです。

秋(9月中旬〜10月)は、サントリーニ島を訪れるもう一つの理想的な時期です。
9月の平均気温は25〜28℃、10月は20〜24℃で、夏の暑さが和らぎ快適になります。
海水温も夏の間に十分温められているため、10月中旬まで水泳を楽しむことができます。
この時期の大きな利点は、観光客が減少し始めることです。
9月初旬はまだ比較的混雑していますが、9月中旬以降は徐々に落ち着きます。
宿泊料金も8月に比べると20〜30%ほど下がり、より手頃になります。
また、9月はブドウの収穫シーズンでもあり、サントリーニ島の有名なワイナリーでは収穫祭やワインテイスティングイベントが開催されることもあります。
冬(11月〜3月)は、サントリーニ島のオフシーズンです。
11月の平均気温は16〜20℃、12月から2月は12〜15℃に下がります。3月になると徐々に暖かくなり、15〜18℃ほどになります。
この時期は雨が多く、風も強くなるため、天候が不安定になります。
オフシーズンのサントリーニ島は、観光客がほとんどいない静かな環境で、地元の日常生活を垣間見ることができます。
宿泊料金も大幅に下がり、カルデラビューの部屋でも1泊100ユーロ(約15,000円)前後で宿泊できることもあります。
ただし、多くのホテル、レストラン、お土産店は閉鎖し、フェリーの運航も減少するため、事前に営業状況を確認する必要があります。
美術館や考古学博物館は開館していますが、営業時間が短縮されていることが多いです。
サントリーニ島の絶景を目当てに訪れるなら、天候の安定している5月から6月上旬と9月から10月上旬がベストです。
この時期は、青い空と白い建物、エーゲ海のコントラストが最も美しく映えます。
7月と8月も晴天が続きますが、観光スポットの混雑で理想的な写真を撮ることが難しくなることがあります。
サンセットを楽しみたい場合も、5月、6月、9月がおすすめです。
この時期なら、混雑を避けながらも、イア村やフィロステファニからの美しい夕日を堪能できます。
7月と8月のサンセットタイムは特に混雑するため、少なくとも1〜2時間前に場所を確保する必要があります。
ワインツーリズムを楽しみたい方は、9月のブドウ収穫期がベストタイミングです。
サントーウィナリーやガヴァラス・ワイナリーなどでは、この時期に特別なイベントやツアーが開催されることがあります。
予算を重視する場合は、4月初旬、10月下旬から11月、または3月の訪問がおすすめです。
この時期なら、天候が比較的良好でありながらも、オフシーズン価格で宿泊することができます。
サントリーニ島は、その独特の景観と雰囲気から、通年で訪れる価値のある目的地です。
訪問時期は、あなたの旅行の優先事項(天候、予算、混雑度など)に合わせて選ぶとよいでしょう。
特に初めて訪れる方には、ショルダーシーズンの5月下旬から6月上旬、または9月中旬から10月上旬が総合的におすすめです。
お祭りとイベントの開催時期

ギリシャを訪れる際、現地の祭りやイベントに参加すれば、より深く文化を体験することができます。
ギリシャの祝祭は宗教的なものが多く、特にギリシャ正教の行事がカレンダーの中心となっています。
イベントの開催時期に合わせて旅行計画を立てることで、通常の観光では味わえない特別な体験ができるでしょう。
1月〜2月の主要イベント
年明け早々の1月6日には、「テオファニア(公現祭)」が全国で行われます。
この日、司祭が十字架を海や湖、川に投げ入れ、若者たちがそれを取りに泳ぐという伝統的な儀式が行われます。
特にピレウス港やクレタ島のアギオス・ニコラオスなどの港町では盛大に祝われます。
2月から3月にかけては「アポクリエス(ギリシャのカーニバル)」が開催されます。
正確な日程は毎年変動しますが、ギリシャ正教の大斎前の3週間に行われます。
特にパトラのカーニバルは国内最大規模で、仮装パレードや音楽イベントが街中で繰り広げられます。
クサンティの「ファニ」やスキアトス島の「クルマ」など、地域独自のカーニバルも各地で開催されます。
3月〜5月の主要イベント
春の最大のイベントは「ギリシャ正教の復活祭(イースター)」です。
日程は毎年変動し、通常3月下旬から5月上旬の間になります。
イースター週間(聖週間)には各地で様々な行事が行われ、特に聖金曜日の夜のキャンドル行列、土曜日の深夜のキリスト復活の儀式、日曜日の子羊の丸焼きなどが特徴的です。
コルフ島では、復活祭の土曜日に「ポット投げ」という独特な習慣があり、陶器を窓から投げ捨てる光景が見られます。
また、キオス島では「ロケット戦争」というイベントが行われ、2つの教区が何千発もの手作りロケット花火を打ち合う迫力ある光景が楽しめます。
5月1日は「プロトマイア(メイデー)」で、多くのギリシャ人が野原に出かけて春の花を摘み、花輪を作る習慣があります。
労働者の日でもあるため、多くの商店やサービスが休業するので注意が必要です。
6月〜8月の主要イベント
夏は文化イベントや音楽祭が盛んな時期です。
6月から8月にかけて開催される「アテネ・エピダウロス・フェスティバル」は、古代劇場でのコンサートや演劇公演を楽しめる国際的な芸術祭です。
エピダウロス古代劇場での古代ギリシャ劇の上演は、音響の良さと歴史的雰囲気で特に人気があります。
8月15日の「キミシス・テオトコウ(聖母被昇天祭)」は、ギリシャ最大の夏の祝日です。
特にティノス島では何千人もの巡礼者が「パナギア・エヴァンゲリストリア教会」を訪れます。
各地の島や村でも地元の守護聖人を祝う「パニギリア(村の祭り)」が開催され、伝統音楽と踊り、地元の食べ物を楽しむことができます。

9月〜11月の主要イベント
秋はワインやオリーブの収穫祭が各地で行われます。
9月にはネメア、ナウサ、サントリーニ島などのワイン産地で「ブドウ収穫祭」が開催されます。
地元のワイナリーでは試飲会や音楽イベントが行われ、新鮮なワインを味わうことができます。
10月28日は「オヒ・デー(「No」の日)」で、1940年にイタリアの最後通牒に対してギリシャが拒否した日を記念する国民の祝日です。
アテネやテッサロニキなどの大都市では、軍事パレードが行われます。
12月の主要イベント
12月にはクリスマスと新年のお祝いが始まります。
12月25日のクリスマスは家族と共に過ごす静かな祝日で、12月31日の大晦日から1月1日の新年にかけては、より賑やかに祝われます。
新年には「ヴァシロピタ(聖バジルのパイ)」を切り分ける伝統があり、中に隠されたコインを見つけた人には幸運が訪れるとされています。
これらのお祭りやイベントに参加する際の注意点としては、特に宗教的な祝祭(イースターや聖母被昇天祭など)の期間中は、国内旅行者も多く、宿泊施設や交通機関が混雑することです。
少なくとも2〜3か月前からの予約をおすすめします。
また、大きな祝日には多くの商店やレストラン、観光施設が閉まることがあるため、事前に営業状況を確認しておくと安心です。
イベントの正確な日程は、多くの場合、毎年変動するため、特にギリシャ正教の祝祭に合わせて旅行を計画する場合は、最新情報を確認することが重要です。
ギリシャ国営観光局(GNTO)の公式ウェブサイトや、訪問予定の地域の観光案内所で最新の情報を入手することができます。
ギリシャのお祭りやイベントは、地元の文化や伝統を体験する絶好の機会です。
これらのお祭りに合わせて旅行を計画すれば、写真や観光ガイドからは得られない、本物のギリシャ文化を肌で感じることができるでしょう。
つまらない時期を避ける秘訣

ギリシャ旅行で失敗しないためには、「つまらない時期」を避けることが重要です。
天候不順、観光施設の閉鎖、極端な混雑など、せっかくの旅行が台無しになる可能性がある時期や状況を知っておくことで、より充実した旅行体験ができます。
まず避けたいのは、天候が極端に悪い時期です。
特に11月中旬から2月中旬までは、ギリシャの多くの地域で雨が多く、曇りの日が続きます。
この時期は日照時間も短く、特に島々では風が強まり、フェリーが欠航することも少なくありません。
アテネでも冬季には雨の日が増え、特に1月は平均10日ほど雨が降ります。
フォトジェニックな青空と白壁の景色を期待していると、大きく期待外れになる可能性があるでしょう。
また、極端に暑い7月下旬から8月中旬のアテネやペロポネソス半島の内陸部も、観光には適していません。
気温が35℃を超える日も多く、特にアクロポリスなどの日陰の少ない遺跡観光は、熱中症のリスクがあります。
この時期のアテネ市内は地元住民も避けて海岸沿いに移動するほどですので、市内観光はできるだけ避けた方が無難です。
次に、観光インフラの観点から見ると、11月から3月(特に12月から2月)は、多くの島で観光施設がほぼ閉鎖状態になります。
特にサントリーニ島やミコノス島などの人気の島々でも、レストランやホテルの多くが冬季は営業を停止します。
開いている店舗も限られ、選択肢が少なくなるため、旅行体験としては制限されます。
また、フェリーの運航も大幅に減少し、悪天候による欠航も増えるため、島の旅程が大幅に変更される可能性もあります。

反対に、7月と8月は観光客が最も多く、有名な観光スポットは極端に混雑します。
サントリーニ島のイア村やアテネのアクロポリスなどでは、長い行列ができ、ゆっくりと景観や歴史を楽しむことが難しくなります。
また、この時期はホテルやレストランの予約も取りにくく、料金も最も高くなります。
特に予算に制限がある場合は、費用対効果が最も低い時期といえるでしょう。
目的別に避けるべき時期としては、海水浴や水泳を楽しみたい場合は10月下旬から5月上旬は避けた方が無難です。
エーゲ海の水温は冬季には16℃前後まで下がり、快適に泳ぐことはできません。
また、多くのビーチ施設やマリンアクティビティも営業していないため、ビーチリゾートを楽しむには適していません。
歴史的遺跡を巡りたい場合は、極端に暑い7月と8月、そして雨の多い11月から2月は避けるべきです。
また、ハイキングやトレッキングを計画している場合も、夏の暑さと冬の雨は体験の質を大きく下げます。
旅行を台無しにしないためのもう一つの秘訣は、主要な祝日や長期休暇の時期を理解することです。
イースター週間(特に金曜日から月曜日)、8月15日の聖母被昇天祭、8月の第1週から第3週(多くのギリシャ人の夏季休暇)などは、国内旅行者も多く、交通機関が混雑し、多くのビジネスが休業します。
つまらない時期を避ける具体的な秘訣をまとめると:
- 島々を訪れるなら、11月中旬から3月中旬は避ける
- アテネやペロポネソス半島の内陸部は、7月下旬と8月の極暑期を避ける
- イースター週間や8月15日前後の主要な祝日は予約が難しく混雑するため注意する
- 目的に合わせた最適な時期を選ぶ(ビーチなら6月〜9月中旬、遺跡観光なら4〜6月初旬や9〜10月)
- 旅行前に目的地の天候予報、イベント情報、交通情報をチェックする
- 特に島々への旅行では、悪天候による交通機関の乱れに備えて柔軟な日程を組む
また、事前のリサーチも重要です。
訪問予定の場所の公式観光サイトや、ギリシャ国営観光局(GNTO)のウェブサイトで、営業時間や特別イベント、天候情報などを確認しておくと安心です。
特に島々を訪れる場合は、オフシーズンに何が開いていて何が閉まっているかを事前に調べることで、期待外れを防ぐことができます。
ギリシャ旅行を計画する際は、これらの「つまらない時期」の特徴を理解した上で、あなたの旅行スタイルや優先事項に合わせて最適な時期を選びましょう。
春(4〜6月初旬)と秋(9〜10月中旬)は、多くの旅行者にとってバランスの取れた選択となるでしょう。
ギリシャのベストシーズンの総まとめ
- 春(4月下旬〜6月上旬)と秋(9月〜10月中旬)が総合的なベストシーズンである
- 7月と8月は観光客が最も多く宿泊料金も年間最高値になる
- 海水浴は6月中旬から9月中旬が適している
- 歴史的遺跡観光には気温が快適な4〜5月や9〜10月が最適である
- サントリーニ島は5月と9月が混雑を避けつつ美しい景観を楽しめる
- アテネは夏場(7〜8月)の日中は35℃を超える猛暑になることがある
- オフシーズン(11月〜3月)は宿泊料金が30〜50%安くなる
- ギリシャ正教の復活祭は3月下旬〜5月上旬に開催される重要な文化イベントである
- 8月15日の聖母被昇天祭はギリシャ全土で盛大に祝われる
- 北部ギリシャは南部より寒く冬季には雪が降ることもある
- キクラデス諸島の多くのホテルやレストランは冬季に閉鎖される
- クレタ島やロードス島は温暖な気候で観光シーズンが長い
- 主要観光地は開門直後か閉館前の訪問で混雑を避けられる
- 9月はブドウの収穫シーズンでワイナリー訪問に最適である
- フェリーの運航はオフシーズンに大幅に減少するため島巡りには注意が必要