パリのホテル相場をランク別に解説!治安とエリアで決める宿泊予算

2026年現在、パリのホテル相場はインフレや円安の影響に加え、宿泊税の改定により複雑化しています。

正確な予算計画には、単なる平均価格ではなく、エリアごとの治安リスクや隠れた法定費用を考慮した現実的な試算が不可欠です。

本記事では、公式統計や政府の格付け基準を基に、エコノミーからラグジュアリーまでグレード別の宿泊費を分析。

客観的なデータで、最適な滞在先を選ぶための判断材料を提示します。

この記事でわかること
  • パリのホテルグレード(1〜5つ星)ごとの適正な相場と客室スペック
  • 治安リスクと交通利便性を踏まえたエリア(行政区)ごとの価格差
  • 表示料金以外に加算される「滞在税」や法定費用を含めた総額コスト
  • 旅行時期(ハイシーズン・イベント時)による価格変動の仕組み
目次

【結論】パリのホテル相場・滞在税 早見表(2025-2026年版)

パリの宿泊費は「グレードごとの室料」に加え、現地で支払う「滞在税(2024年大幅増税)」を考慮して予算を組む必要があります。

以下は1室(2名利用)あたりの目安です。

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ホテルランク1泊あたりの相場目安(1室料金 / 季節変動あり)滞在税(1名1泊あたり)判断の基準・スペック
5つ星・パラス500€ 〜 1,000€超
(約9.2万円〜18.5万円〜)
10.73€〜14.95€
(約2,000円〜2,800円)
【ラグジュアリー】
24㎡以上。ドアマン、コンシェルジュ常駐。
最高峰のサービスと治安を金銭で買う層向け。
4つ星220€ 〜 300€
(約4.1万円〜5.5万円)
8.13€
(約1,500円)
【アップスケール】
16㎡以上。全室エアコン・冷蔵庫完備
快適性と立地を妥協したくない旅行者の最低ライン。
3つ星130€ 〜 180€
(約2.4万円〜3.3万円)
5.20€
(約960円)
【ミドルレンジ】
13.5㎡以上。立地により設備(空調等)に差あり。
日中は観光で外出するため、清潔ならOKという層向け。
1〜2つ星80€ 〜 120€
(約1.5万円〜2.2万円)
2.60€〜3.25€
(約480円〜600円)
【バジェット】
9㎡〜。エレベーターやエアコンが無い場合が多い。
「寝るだけ」と割り切り、体力に自信がある方向け。
アパルトマン
(民泊・Airbnb等)
90€ 〜 250€
(広さにより大きく変動)
宿泊費の約5%
(上限あり)
【長期・グループ】
3名以上や自炊希望なら高コスパ。
フロント業務がないため、英語・仏語での自己解決力が必要。
  • 日本円は1ユーロ=185円で算出。
  • 滞在税は2025年時点の「パリ市」のレート(地域圏追加税含む)。現地でチェックイン/アウト時に別途支払う必要があります。

ホテルグレードおよび施設タイプ別の平均宿泊料金データ

パリのホテル相場は、パンデミック後の需要回復とインフレ、さらに2024年パリ五輪に伴う価格改定の影響を受け、高止まりの傾向が続いています。

フランス観光開発機構(Atout France)が定める格付けは、単なる豪華さだけでなく「客室面積」や「フロント対応時間」といった物理的・機能的な厳格な基準に基づいています。

以下に、2024〜2025年の市場データに基づく現実的な予算感とスペックを整理します。

※日本円換算は1ユーロ=185円(2025年1月時点の目安)で算出しています。

1つ星・2つ星ホテルの相場(エコノミー・バジェット)

「寝るための場所」と割り切れる旅行者向けのカテゴリーです。

パリの歴史的建造物を転用しているケースが多く、エレベーターがない物件も散見されるため、事前の設備確認が不可欠です。

  • 相場目安
    80€〜120€ / 泊(約14,800円〜22,200円)
  • Atout France 格付け基準(抜粋)
    • 客室面積: ダブルルームで 9m²以上(日本の一般的なビジネスホテルより狭いケースが多い)。
    • 設備: 4階建て以上の場合のみエレベーター設置義務あり。エアコンは必須ではない。
  • 判断のポイント
    • スーツケースを広げるスペースがない可能性が高いといえます。
    • 2つ星からはスタッフが「フランス語以外の欧州言語」を話せることが要件に含まれます。

3つ星・4つ星ホテルの相場(ミドルレンジ・アップスケール)

日本人旅行者が最も検討しやすいボリュームゾーンです。

特に3つ星と4つ星の間には「客室の広さ」と「空調設備」において明確な規格の差が存在します。

  • 3つ星ホテルの相場
    130€〜180€ / 泊(約24,000円〜33,300円)
    • 基準: 客室 13.5m²以上。全室にテレビ・電話・インターネット完備。受付は1日12時間以上対応。
    • 特徴: 立地が良い場合、設備が古くてもこの価格帯になる傾向があります。
  • 4つ星ホテルの相場
    220€〜300€ / 泊(約40,700円〜55,500円)
    • 基準: 客室 16m²以上全室エアコン完備が義務付けられます。国際放送対応テレビ、ルームサービス等の付帯サービスが求められます。
    • 特徴: 夏期の滞在や、一定の広さと快適性を確保したい場合の最低ラインといえます。

5つ星・パラス(Palace)称号ホテルの相場(ラグジュアリー)

5つ星ホテルの中でも、さらに卓越した施設のみにフランス政府から授与される最高位の称号が「パラス(Palace)」です。

パリ市内には『ル・ブリストル』『オテル・ド・クリヨン』『ジョルジュ・サンク』など、わずか12軒ほどしか認定されていません。

  • 5つ星ホテルの相場
    500€〜1,000€以上 / 泊(約92,500円〜185,000円〜)
    • 基準: 客室 24m²以上。24時間対応のレセプション、バレーパーキング、コンシェルジュ、客室へのエスコートなどが必須。
  • パラス(Palace)の相場
    1,200€〜2,500€以上 / 泊(約222,000円〜462,500円〜)
    • 特徴: 価格の上限はなく、スイート利用では1泊数百万円に達することも珍しくありません。歴史的価値や美食体験も含めた「滞在自体が目的」となるクラスです。

アパルトマン・民泊(Airbnb等)の平均単価とホテルとの比較

ホテル価格の高騰を受け、キッチン付きの宿泊施設を選択する旅行者が増えています。

特に3名以上のグループや長期滞在において、1人あたりのコストパフォーマンスが向上する傾向にあります。

  • 相場目安
    90€〜250€ / 泊(広さとエリアにより大きく変動)
  • ホテルとの比較
    • メリット: 同価格帯のホテル(15〜20m²)と比較し、30〜40m²以上の広い空間を確保しやすい。自炊による食費削減が可能。
    • 注意点: フロント業務がないため、鍵の受け渡しやトラブル対応(給湯器の故障など)を英語またはフランス語で自己解決する必要があります。清掃料金やサービス料が別途加算されるケースが多く、最終支払額での比較が必要です。

ユースホステル・ドミトリーのベッド単価相場

パリのホステルは「Generator Paris」や「The People」など、デザイン性を高めたポッシュ(高級)ホステルが増加傾向にあります。

治安の良いエリアの施設は予約が埋まりやすいため注意が必要です。

  • ドミトリー(相部屋)相場
    30€〜60€ / ベッド(約5,550円〜11,100円)
    • 特徴: シーズンによる価格変動が激しく、ハイシーズン(夏・ファッションウィーク)はバジェットホテルの個室に近い価格まで上昇することがあります。
    • 個室利用: ホステル内の個室は100€〜150€程度となり、2つ星ホテルの価格帯と競合します。交流や共用キッチンの利用を目的としない場合は、ホテルの方がプライバシーを確保しやすいといえます。

パリ市内20区および近郊エリア別の価格変動と立地条件

宿泊エリアの選定は、予算と「時間・安全性」のトレードオフになります。

中心部の利便性を取るか、移動時間を許容してコストを下げるか、あるいは治安リスクを回避するために追加予算を組むか。

行政区ごとの特徴とデータに基づき、最適なエリアを判断するための材料を提示します。

中心部(1区〜8区)の相場:観光地へのアクセスと価格の相関

パリの地理的中心であり、ルーヴル美術館(1区)やシャンゼリゼ通り(8区)、サンジェルマン・デ・プレ(6区)を含むこのエリアは、常に需要が供給を上回る「高値安定」ゾーンです。

  • 相場傾向
    市内平均と比較し、約30〜50%の価格プレミアムが上乗せされます。特にセーヌ川左岸(5区・6区・7区)は歴史的景観保護のため物件数が限られ、単価が下がりくい傾向にあります。
  • 右岸(1区・2区・8区)
    ビジネスと高級ブランドの拠点であり、5つ星ホテルや高級チェーンが集中しています。
  • 左岸(5区・6区)
    古い建物をリノベーションした小規模なブティックホテルが多く、エレベーターの有無や客室の狭さ(12㎡前後)と価格のバランスに注意が必要です。
  • 判断基準
    徒歩での観光が可能であるため、地下鉄やタクシーの利用頻度を下げられます。「移動時間の節約」に予算を投じるという考え方が適用できます。

住宅街(9区〜20区)の相場:治安リスクとコストのバランス

「1桁区」を取り囲むこのエリアは、地区によって治安と価格の振れ幅が最も大きいゾーンです。

単に「中心から離れるから安い」と判断せず、具体的な通りやメトロ駅単位での確認が推奨されます。

  • 北東部(10区・18区・19区・20区)
    • 価格: 市内で最も安価な価格帯(中心部の半額程度になることも)。
    • リスク要因: パリ北駅(Gare du Nord)や東駅周辺、18区のバルベス(Barbès)からラ・シャペル(La Chapelle)、スターリングラード(Stalingrad)周辺は、ひったくりや路上犯罪の発生率が統計的に高いエリアです。特に夜間の独り歩きには警戒レベルを上げる必要があります。
    • 例外: 18区でもモンマルトルの丘の頂上付近(サクレ・クール寺院周辺)は観光地として整備されており、比較的安全ですが価格も観光地価格となります。
  • 南西部(12区・13区・14区・15区)
    • 特徴: 住宅街であり、観光地のような華やかさは薄れますが、犯罪発生率は比較的低く落ち着いています。
    • 15区(エッフェル塔南側): ファミリー層が多く、日本人が居住することも多いエリアです。価格は「中程度」で、治安とコストのバランスが良い選択肢といえます。

パリ環状線外(近郊・ラデファンス地区)の宿泊費と交通費の比較

パリ市の境界線(ペリフェリック)の外側を選択肢に入れることで、同予算でホテルのグレードを1ランク上げることが可能です。

特にビジネス地区ラ・デファンス(La Défense)は狙い目となります。

  • ラ・デファンス地区
    • 相場: 平日はビジネス需要で高騰しますが、週末(金〜日)やバカンス期は価格が下落する傾向にあります。パリ市内の古い3つ星価格で、近代的な4つ星ホテル(広めの客室、エアコン完備)に宿泊できるケースが多く見られます。
    • アクセス: メトロ1号線(自動運転・ストライキの影響を受けにくい)やRER A線で、凱旋門まで約10分、ルーヴルまで約20分とアクセスは良好です。
  • コスト比較の視点
    • 郊外宿泊の場合、移動には「Zone 1-3」または「Zone 1-5」の交通チケットが必要です。
    • 判断式: 「(市内ホテルの差額) > (追加交通費 × 人数 × 日数) + 移動時間コスト」であるかを計算します。往復の移動で1日1時間以上をロスする可能性があるため、短期滞在には不向きな場合があります。

オリンピック後の価格推移と再開発エリアの影響

2024年パリ五輪・パラリンピック開催に伴い、一時的に高騰した宿泊費(前年比2〜3倍)は、2025年以降「正常化」のプロセスに入っていますが、一部エリアでは再開発による地価変動が起きています。

  • 価格の正常化
    五輪期間中のような異常なプレミアム価格は解消されましたが、人件費高騰とエネルギーコスト上昇により、ベースとなる価格(ADR:平均客室単価)は2019年比で約20〜25%高い水準で推移しています。
  • サン・ドニ(Saint-Denis)エリア
    • 五輪選手村や新アリーナ建設によりインフラが刷新され、メトロ14号線の延伸(サン・ドニ・プレイエル駅)により都心へのアクセスが劇的に向上しました。
    • 注意点: ハード面(ホテル・交通)は新しくなりましたが、地域全体の治安改善(セーヌ=サン=ドニ県は犯罪発生率が高い地域)には時間を要するため、女性一人旅や深夜の移動を含む旅程では慎重な判断が求められます。
  • メトロ延伸の影響
    14号線がオルリー空港まで直結したことにより、沿線の13区・14区南部の利便性が向上し、これまで割安だったエリアの相場が上昇傾向にあります。

時期による変動係数と宿泊料金に加算される法定費用

パリのホテル予約における最終支払額は、検索サイトに大きく表示される「客室料金」とは異なります。

特に2024年以降、交通インフラ整備を目的とした大幅な増税(滞在税の引き上げ)が実施されており、現地決済時に想定外の出費となるケースが多発しています。

ここでは、隠れたコストと時期による価格変動の仕組みを解説します。

月別価格トレンド:ハイシーズン(春夏・ファッションウィーク)とオフシーズンの騰落率

パリの宿泊相場は、需要に応じて価格が2〜3倍に跳ね上がる「ダイナミックプライシング」が極端に適用されます。

以下の係数は、1月・2月の閑散期を基準(1.0)とした場合の目安です。

基準月(1.0): 1月・2月・11月

天候が優れない冬期は最も安価ですが、クリスマス休暇(12月後半)は例外的に高騰します。

ハイシーズン(1.5〜2.0): 5月〜7月、9月・10月

気候が良い観光ベストシーズンです。特に全仏オープン(テニス)や大規模な展示会がある週は価格が上昇します。

特異日(2.5〜3.0以上): パリ・ファッションウィーク(年4回)

  • 2月下旬〜3月上旬 / 9月下旬〜10月上旬(レディース)
  • 1月中旬 / 6月中旬(メンズ)

この期間は世界中からバイヤーや関係者が集まるため、3つ星以下のホテルでも予約困難かつ価格が高騰します。

日程が重なる場合は、エリアを郊外にずらす判断が必要です。

【重要】パリ市滞在税(Taxe de séjour)の最新税率表

パリの滞在税は、ホテルグレードごとに「1名1泊あたり」の固定額が徴収されます。

2024年の法改正により、従来の約3倍(200%増)の税額が継続適用されています。

これは宿泊費とは別に、チェックインまたはチェックアウト時に支払う義務があります。

ホテルグレード1名1泊あたりの税額(総額)2名3泊時の合計税額目安
パラス(Palace)14.95 € 〜 15.60 €約 93.60 €(約17,300円)
5つ星10.73 € 〜 11.38 €約 68.28 €(約12,600円)
4つ星8.13 € 〜 8.45 €約 50.70 €(約9,400円)
3つ星5.20 € 〜 5.53 €約 33.18 €(約6,100円)
2つ星3.25 €約 19.50 €(約3,600円)
1つ星 / ホステル2.60 €約 15.60 €(約2,900円)

※未分類(Airbnb等の民泊の一部)は、宿泊料金(税抜)の5%が適用される場合があります(上限あり)。
※日本円は1€=185円換算。

イル・ド・フランス地域圏の追加税(滞在税への上乗せ措置)の仕組み

上記の高額な滞在税の内訳には、「イル・ド・フランス地域圏追加税(Taxe additionnelle régionale)」が含まれています。

  • 仕組み
    自治体(パリ市)が定める基本税額に対し、200%の上乗せ(Taxe additionnelle de 200%)が適用されています。
  • 背景
    パリを含むイル・ド・フランス地域圏の交通網(メトロ、RER、グラン・パリ・エクスプレス計画)の整備財源を確保するため、2024年1月1日より導入されました。
  • 注意点
    予約サイトによっては、この「現地徴収税」が合計金額に含まれておらず、「現地で別途支払いが必要」と小さく記載されている場合があります。予算計画時には必ず税金が含まれているか(Tax included / Excluded)を確認してください。

朝食料金の相場とVAT(付加価値税)の適用区分

フランスのホテルにおける朝食代は、宿泊費に含まれていない「室料のみ(Room Only)」プランが一般的です。

朝食相場

エコノミー(2〜3つ星): 12€〜18€ / 人

高級ホテル(4〜5つ星): 25€〜45€ / 人

VAT(付加価値税)

  • 10%: 宿泊費および朝食料金に適用されます。
  • 20%: アルコール類に適用されます。朝食にシャンパンなどが含まれる場合や、ホテルバーでの利用には標準税率の20%がかかります。
  • 判断: 市中のカフェ(カフェ・クレームとクロワッサンで6〜10€程度)と比較し、ホテルの朝食に利便性や体験価値を見出せるかで追加判断を行います。

デポジット(保証金)の一般的相場とクレジットカード枠の確保

チェックイン時、宿泊費とは別にデポジット(保証金)としてクレジットカードの与信枠(プリオーソリゼーション)が確保されます。

  • 相場
    1泊あたり50€〜100€、または宿泊費総額と同等額。
  • 仕組み
    実際に請求はされませんが、カードの利用可能枠が一時的に減ります。チェックアウト後の客室確認で破損やミニバーの未精算がなければ、数日〜2週間程度で解除されます。
  • 注意
    デビットカードを使用すると、即座に口座から引き落とされ、返金に数週間〜1ヶ月かかるケースがあるため、クレジットカードの提示が推奨されます。限度額ギリギリのカードで渡航するのは避けるべきといえます。

参考情報・公式サイトリスト

本記事のデータおよび算出根拠として使用した、フランス政府・パリ市・交通当局の公式サイトです。

最新の税率確認や、具体的なエリアの安全情報を確認する際にご活用ください。

宿泊税・法的規制(予算算出の根拠)

ホテル格付け・品質基準(スペック確認)

交通・エリア・治安(立地判断の材料)

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