永遠の都ローマへの旅行、歴史的な建造物や美味しいグルメなど、考えるだけでワクワクしますね。
一方で、ホテル選びの際には「現地の治安は大丈夫だろうか?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
「ローマのホテルを探しているけれど、治安の良いエリアはどこ?」
「安全に泊まれるホテルはどうやって選べばいいの?」
といった疑問は、ローマ旅行を計画する上で当然の関心事です。
実際にローマでは、残念ながら観光客を狙ったスリや置き引きなどの軽犯罪が発生しており、安心して滞在するためには、どこに泊まるかというホテル選びが非常に重要になります。
立地やホテルのセキュリティ次第で、滞在中の安心感は大きく変わってくるのです。
この記事では、比較的安心して泊まれるおすすめの宿泊エリア、安全なホテルを見極めるための具体的なチェックポイント、多くの人が気になるテルミニ駅周辺の状況、そして滞在中に気をつけるべき点まで、詳しく解説していきます。
この記事を読めば、ローマの治安状況を理解し、ご自身の旅行スタイルに合った安全なホテルを選ぶためのヒントが見つかるはずです。
安心して過ごせる拠点を見つけて、素晴らしいローマの旅を心ゆくまで楽しんでください。
- ローマにおける治安の実情と注意が必要な軽犯罪の手口
- 治安が比較的良く安心して滞在しやすいおすすめ宿泊エリア
- テルミニ駅周辺をはじめ各エリアのメリットと治安面の注意点
- 立地以外にも安全なホテルを見分けるための具体的な方法
ローマのホテル選びと治安の良いエリア

- ローマの治安:基本とホテル選びの重要性
- 比較的安全!おすすめ宿泊エリア3選
- 注意が必要?テルミニ駅周辺のホテル事情
- 立地以外も!安全なホテルの見分け方
- 口コミ活用術:治安情報のチェック方法
- 予算別:安全と価格のバランスの取り方
ローマの治安:基本とホテル選びの重要性

ここでは、ローマの治安に関する基本的な事実と、なぜホテル選びが安全な滞在において非常に重要なのかを、順を追ってご説明します。
まず、ローマの治安状況についての基本的な認識をお伝えします。
ローマは、ヨーロッパの他の主要な首都と比較した場合、銃犯罪などの凶悪犯罪に旅行者が巻き込まれる可能性は、一般的に低いとされています。
日中の主要な観光地は多くの観光客や地元の人々で活気があり、過剰に心配する必要はないでしょう。
しかし、これを「日本と同じように安全」と考えるのは早計です。
残念ながら、スリや置き引き、ひったくりといった、いわゆる「軽犯罪」は、特に観光客を狙って頻繁に発生しているのが実情です。
このような理由から、ローマ旅行におけるホテル選びは、単に寝泊まりする場所を選ぶ以上の、極めて重要な意味を持ちます。
もし、ホテルの立地するエリアの治安が悪かったり、ホテル自体の防犯対策が不十分だったりした場合、せっかくの旅行が不安やトラブルに見舞われる可能性があります。
実際、日本の外務省が提供する海外安全情報においても、イタリア(ローマを含む)では、観光客を狙った犯罪への注意が繰り返し呼びかけられています。
より広い視点でイタリア全体の治安状況や具体的な対策について知っておくと、ローマでの注意点も理解しやすくなります。
詳細はこちらの「イタリアの治安の実態は?旅行前に知るべき情報と対策を完全ガイド」もぜひ参考にしてください。
主に、以下のような場所での被害が報告されています。
- 交通機関: 混雑する地下鉄の車内や駅構内(特にテルミニ駅)、バス(特に観光客が多く利用する路線)。
- 観光地周辺: コロッセオ、フォロ・ロマーノ、ヴァチカン市国(サン・ピエトロ広場・寺院)、トレビの泉、スペイン広場など、人が密集する場所。
- 飲食店: レストランやカフェの屋外席、店内での置き引き。
- その他: 市場、デパート、ホテルのロビーなど。
これらの場所では、集団でのスリ(一人が注意を引き、仲間が財布を抜き取る)、ケチャップなどをわざと衣服にかけて親切を装い近づき犯行に及ぶ、ミサンガや物品を強引に売りつけようとする、署名を求めて近づき貴重品を狙う、などの手口が報告されています。
こういった被害は、ホテルと観光地との移動中や、ホテル周辺を散策している際にも十分に起こり得ます。
もちろん、ローマにも治安を守るための警察組織があります。
国家警察(Polizia di Stato)は一般的な犯罪捜査や治安維持を担当し、カラビニエリ(Carabinieri)は国防省所属の国家憲兵で、より広範な任務を担っています。
主要な観光地では、これらの警察官の姿を見かけることも多く、一定の抑止力にはなっています。
しかし、全ての犯罪を未然に防ぐことは現実的に不可能です。
だからこそ、私たち旅行者一人ひとりが、常に周囲に注意を払い、自衛意識を持つことが求められます。
これを踏まえて、安全なホテル選びの重要性を考えてみましょう。
🔳「立地」という最大の防御
ホテルがどのエリアにあるかは、滞在中の安心感を大きく左右します。
一般的に、夜間でも人通りが多く、街灯が整備されているエリア、治安が良いとされる住宅街に近いエリアなどは、比較的安心して過ごせると言われます。
逆に、いくら交通の便が良くても、夜間の雰囲気が良くない、あるいは特定の犯罪が多いとされるエリアにホテルがあると、夜の外出をためらったり、ホテルへの帰り道で不安を感じたりする可能性があります。
🔳ホテル自体の「砦」としての機能
安全なエリアを選んだとしても、ホテル自体のセキュリティが甘ければリスクは残ります。
例えば、誰でも容易に出入りできるような構造、客室の鍵が簡易的、セーフティボックスがない、といったホテルでは、内部での盗難のリスクも考慮しなければなりません。
24時間対応のフロント、監視カメラの設置状況、カードキーシステムなど、物理的な防犯設備が整っているかを確認することは、安心材料の一つとなります。
🔳心理的な「安らぎ」の確保
何よりも、安全だと感じられるホテルに滞在することは、大きな精神的安らぎをもたらします。
「夜も安心して眠れる」「貴重品を預けて観光に出かけられる」という安心感は、旅行の満足度を格段に高めてくれるでしょう。
治安への不安を抱えながら過ごす旅行は、心から楽しむことが難しくなってしまいます。
このように、ローマでのホテル選びは、単なる利便性や価格だけでなく、「治安」という観点を重視することが、結果的に快適で安全な旅行を実現するための鍵となります。
どのエリアが比較的安全なのか、どのようなホテルを選べばリスクを減らせるのか、具体的な情報は今後の見出しで詳しく解説していきます。
繰り返しますが、ローマは魅力的な都市であり、基本的な注意を払えば安全に旅行を楽しむことが可能です。
そのための第一歩として、宿泊するホテルを慎重に選ぶことの重要性を、ぜひご理解いただければと思います。
比較的安全!おすすめ宿泊エリア3選

ここでは、数あるローマのエリアの中から、比較的治安が安定しており、多くの旅行者にとって宿泊しやすいと一般的に考えられているエリアを3つ、具体的な特徴とともにご紹介いたします。
多くの旅行経験者やガイドブックが、比較的落ち着いて滞在できる場所として挙げることが多いのは、以下の3つのエリアです。
プラティ地区 (Prati): ヴァチカンに近く落ち着いた環境
赤の点線枠(…….)内がプラティ地区です
【どのような場所か】
ヴァチカン市国の東隣に位置し、テヴェレ川に沿って広がるエリアです。
19世紀後半以降に計画的に整備されたため、ローマの旧市街とは異なり、道が広く碁盤の目状になっているのが特徴です。
最高裁判所などの官公庁やオフィスも多く、全体的に洗練され、落ち着いた雰囲気が漂います。
コーラ・ディ・リエンツォ通りという有名なショッピングストリートもあります。
【治安が良いとされる一般的な理由】
高級住宅街としての側面も持ち、比較的裕福な層が多く住んでいると言われています。
整然とした街並みで道幅も広く、街灯も整備されている場所が多いため、夜間でもある程度の安心感が持てると考えられています。
テルミニ駅周辺のような雑多な雰囲気は少ない傾向にあります。
【メリット】
最大のメリットは、ヴァチカン市国(サン・ピエトロ大聖堂やヴァチカン美術館)へ徒歩でアクセスできる点です。
また、地下鉄A線が通っており(Ottaviano駅、Lepanto駅)、テルミニ駅やスペイン広場といった主要スポットへの移動もスムーズです。
ローマの喧騒から少し離れて静かに過ごしたい方には適した環境と言えるでしょう。
質の高いレストランやカフェ、ブティックなども見つかります。
【デメリット・注意点】
コロッセオやフォロ・ロマーノといった古代ローマ遺跡エリアへは、距離があるため地下鉄やバスでの移動が基本となります。
また、オフィス街でもあるため、夜間や週末は人通りが少なくなる通りもあります。
大通りから一本入る際などは、周囲への注意を怠らないようにしましょう。
ホテルは中級クラス以上が中心で、価格帯はローマの他のエリアと比較してやや高めになる傾向があります。
【どんな旅行者におすすめ?】
ヴァチカン市国の観光に時間をかけたい方、人混みを避けて落ち着いた滞在を希望する方、治安の安定性を重視する方(特に初めてのローマ旅行や女性の一人旅など)に向いています。
【宿泊施設の特徴】
上品な雰囲気のホテルや、内装にこだわったB&B(ベッド&ブレックファスト)、サービスアパートメントなどが見られます。
モンティ地区 (Monti): 古代遺跡に近く、おしゃれな雰囲気
赤の点線枠(…….)内がモンティ地区です
【どのような場所か】
コロッセオとテルミニ駅の間に広がる、ローマで最も古い歴史を持つ地区の一つです。
石畳の細い道が迷路のように入り組み、蔦の絡まる古い建物が並ぶ、非常に趣のある景観が魅力です。
近年、おしゃれなセレクトショップやヴィンテージショップ、職人の工房、雰囲気の良いトラットリア(大衆食堂)やワインバーなどが集まるエリアとして人気が高まっています。
【治安が良いとされる一般的な理由】
日中は観光客や地元の人々で賑わい、夜も遅くまで営業している飲食店が多いため、特にメインストリート周辺は活気があります。
比較的小さなエリア内にコミュニティが形成されており、地元住民の目が行き届きやすい側面もあると言われています。
【メリット】
コロッセオやフォロ・ロマーノといった主要な古代ローマ遺跡へ徒歩で行ける絶好のロケーションが最大の魅力です。
テルミニ駅も徒歩圏内(場所によりますが10~15分程度)なので、空港とのアクセスや他の都市への移動にも便利です。
個性的な店が多く、ただ街を散策するだけでも楽しめます。
美味しいと評判のレストランも多く集まっています。
【デメリット・注意点】
石畳が多く、坂道もあるため、重いスーツケースを引いての移動は少し大変かもしれません。
細く入り組んだ路地は、夜間は暗く人通りが少なくなる場所もあります。
地図アプリなどを活用し、夜道の一人歩きには注意が必要です。
人気のエリアゆえに、週末の夜などは特に賑わいます。
活気がある反面、静かな環境を求める方には騒がしく感じられる可能性もあります。
【どんな旅行者におすすめ?】
コロッセオ周辺の古代遺跡観光をメインに考えている方、ローマらしい石畳の街並みやおしゃれな雰囲気を楽しみたい方、美味しい食事やワインを堪能したい方におすすめです。
【宿泊施設の特徴】
デザイン性の高い小規模なブティックホテルや、アットホームな雰囲気のB&B、アパートメントタイプの宿泊施設が多く見られます。
大型のチェーンホテルは少ない傾向です。
トラステヴェレ地区 (Trastevere): 下町情緒とグルメの宝庫
赤の点線枠(…….)内がトラステヴェレ地区です
【どのような場所か】
テヴェレ川を挟んで旧市街の対岸(西側)に位置するエリアです。
「テヴェレ川の向こう側」という名前の通り、古くから庶民の街として栄えてきました。
石畳の迷路のような路地、色褪せた壁の建物、点在する小さな広場など、中世の面影と下町の活気が同居する独特の魅力があります。
夜になると多くのレストランやバールが灯りをともし、食事やアペリティーヴォ(食前酒)を楽しむ人々で賑わいます。
【治安が良いとされる一般的な理由】
夜遅くまで開いている飲食店が多く、特にサンタ・マリア・イン・トラステヴェレ広場周辺やメインストリートは人通りが絶えにくいです。
地元住民も多く利用するエリアであり、観光地でありながら生活感も感じられます。
【メリット】
これぞローマといった下町情緒あふれる雰囲気を満喫できます。
石畳の路地を散策したり、サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会などの美しい教会を訪れたりするのも楽しいでしょう。
美味しいと評判のトラットリアやピッツェリア(ピザ屋)が密集しており、グルメを重視するなら外せないエリアです。
夜の活気ある雰囲気を体験したい方にもおすすめです。
【デメリット・注意点】
エリア内に地下鉄の駅がありません。
中心部へのアクセスは、トラム(8番線がテルミニ駅方面やヴェネツィア広場へ接続)やバスを利用するか、徒歩(例えばパンテオン周辺まで20~30分程度)となります。
夜は非常に賑やかになるため、ホテルの場所によっては騒音が気になる可能性があります。
静かな環境を最優先する方には不向きかもしれません。
また、入り組んだ細い路地も多く、夜間は暗がりも存在します。
特に人通りの少ない道ではスリなどへの注意が必要です。
【どんな旅行者におすすめ?】
ローマの庶民的な雰囲気や活気を体験したい方、夜の街歩きや美味しい食事を存分に楽しみたい方、グルメな旅を計画している方に向いています。
【宿泊施設の特徴】
比較的小規模なB&Bやアパートメントタイプの宿泊施設が多く、個性的な宿が見つかる可能性があります。
他の中心エリアと比較して、リーズナブルな価格帯の宿も見つけやすいと言われています。
エリア比較のまとめ(一般的な傾向)
より比較しやすくするために、各エリアの特徴を表にまとめました。
ただし、これはあくまで大まかな傾向であり、エリア内でも場所によって状況は異なります。
エリア | 主な特徴 | 治安面の傾向 | メリット | デメリット・注意点 | おすすめ旅行者タイプ |
プラティ | ヴァチカン近く、整然とした街、オフィス街 | 比較的落ち着いている、夜は静か | ヴァチカンへ徒歩圏、落ち着いた環境、地下鉄アクセス可 | 他の観光地へは移動必要、夜は人通り減る場所も、ホテル価格やや高め | ヴァチカン観光重視、静かさ重視 |
モンティ | コロッセオ近く、古い街並み、おしゃれ | 日中・夜も活気あり、小道は注意 | コロッセオ・フォロへ徒歩圏、テルミニ駅近い、街歩きが楽しい | 石畳・坂道、細い路地は夜注意、週末は賑やか(騒がしい可能性) | 古代遺跡観光重視、おしゃれ好き |
トラステヴェレ | テヴェレ川西岸、下町情緒、グルメ | 夜は賑やか、メイン通りは活気あり | ローマらしい雰囲気、グルメ充実、夜の活気 | 地下鉄なし(トラム・バス)、夜は賑やか(騒がしい可能性)、細い路地注意 | 下町情緒・グルメ重視、夜も楽しみたい |
エリア選びで大切なこと
ここまで3つのエリアをご紹介しましたが、重要なのは、これらの情報をご自身の旅行スタイルや優先順位と照らし合わせることです。
「どこが一番良い」という絶対的な答えはありません。
静かで落ち着いた滞在を望むのか、観光に便利な立地を優先するのか、あるいはグルメや夜の雰囲気を楽しみたいのかによって、最適なエリアは異なります。
これらの情報を参考に、ぜひご自身にとってベストなエリアを見つけてください。
注意が必要?テルミニ駅周辺のホテル事情

ローマでのホテル選びを考える際、多くの方が候補に入れるのが、ローマ最大のターミナル駅である「テルミニ駅」周辺エリアではないでしょうか。
空港からのアクセスも良く、市内のどこへ行くにも便利なこのエリアには、確かに多くのホテルが集まっています。
しかし一方で、「治安に注意が必要」という声もよく耳にします。
ここでは、テルミニ駅周辺のホテル事情について、その利便性と注意すべき点を具体的にお伝えし、あなたが安心してホテルを選ぶための判断材料を提供できればと思います。
まず、テルミニ駅周辺がホテル選びの候補となりやすい理由、つまり「メリット」から見ていきましょう。
- 圧倒的な交通利便性: これが最大のメリットです。
- 鉄道: イタリア各地へ向かう高速鉄道(フレッチャロッサなど)や在来線が発着します。
- 地下鉄: ローマ市内を走る地下鉄A線とB線の両方が乗り入れており、主要な観光スポットへのアクセスが非常に容易です。
- バス: 市内各方面へ向かう路線バスのターミナルにもなっています。
- 空港アクセス: フィウミチーノ空港へは直通列車「レオナルド・エクスプレス」が発着し、チャンピーノ空港へもシャトルバスが多く出ています。
- ホテルの選択肢の多さと価格帯:
駅周辺には、高級ホテルから比較的リーズナブルな価格帯のホテル、B&B(ベッド&ブレックファスト)まで、多種多様な宿泊施設が数多く存在します。予算に合わせて選びやすい点は魅力と言えるでしょう。 - 周辺施設:
駅構内や周辺には、スーパーマーケット、レストラン、カフェ、ショップなどが揃っており、滞在中の買い物や食事にも便利です。
このように、テルミニ駅周辺は、ローマ観光やイタリア周遊の拠点として、非常に優れた利便性を持っていることは間違いありません。
しかし、その一方で「注意が必要」と言われるのはなぜでしょうか。
その「デメリット」や「注意点」についても、具体的に見ていく必要があります。
🔳人の多さと多様性に伴うリスク
イタリア最大の駅であるテルミニ駅には、一日中、膨大な数の人々が行き交います。
観光客、通勤・通学者、地元住民に加え、残念ながらスリや置き引きを働く者、しつこい客引き、物乞いをする人々なども集まりやすい環境であることは否定できません。
特に、混雑する時間帯の駅構内や周辺、地下鉄やバスの乗り降り時には、手荷物から目を離さない、貴重品は体の前で持つなど、細心の注意が求められます。
🔳エリアによる雰囲気の違いと夜間の変化
テルミニ駅周辺と一口に言っても、場所によって雰囲気が異なります。
一般的に、駅正面(五百人広場側、マルサーラ通り側)は比較的開けていますが、駅の側面や裏手側(ジョリッティ通り側など)は、道が狭く、建物も密集しており、日中でもやや雑然とした印象を受けるかもしれません。
そして、特に注意が必要なのは夜間です。
日中の喧騒が嘘のように人通りが少なくなる場所もあり、街灯が少なく暗い路地も存在します。
ホームレスの人々が駅周辺で夜を過ごしている光景も見られます。
夜遅くにホテルへ戻る場合などは、できるだけ明るく人通りの多い道を選び、周囲への警戒を怠らないことが重要です。
🔳ホテル自体の質の見極め
ホテルが多いということは、選択肢が広い反面、中には設備が古かったり、セキュリティ対策が十分でなかったりする施設も含まれている可能性があります。
価格の安さだけで選んでしまうと、快適性や安全性に問題がある場合も考えられます。
これらの理由から、テルミニ駅周辺でのホテル選びは、他のエリア以上に慎重さが求められると言えます。
外務省の海外安全情報などでも、テルミニ駅周辺はスリや置き引きが多発するエリアとして常に注意喚起がなされています。
それでは、もしテルミニ駅周辺の利便性を優先してホテルを選ぶ場合、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。
- 立地の吟味:
駅に近すぎる場所や、特に治安に注意が必要とされる通り(例えば、ジョリッティ通り周辺など)に面したホテルは慎重に検討しましょう。駅から少しだけ離れていても、比較的大きな通りに面している、あるいは評判の良いエリア(例えば、共和国広場方面や、隣接するモンティ地区に近い側など)を選ぶという選択肢もあります。予約前に地図アプリのストリートビューなどで、ホテルの周辺の雰囲気を確認するのも有効な手段です。 - ホテルのセキュリティと設備:
フロントが24時間対応か、入り口の施錠はしっかりしているか、防犯カメラはあるか、客室にセーフティボックスは設置されているかなどを確認しましょう。建物の新しさや清潔感も、ある程度参考になるかもしれません。 - 口コミの徹底的な確認:
予約サイトなどの口コミは非常に重要な情報源です。特に、「治安」「安全」「ロケーション」「夜間の雰囲気」「スタッフの対応」に関するコメントを注意深く読みましょう。良い口コミだけでなく、悪い口コミ(特に具体的なトラブルに関するもの)にも目を通し、総合的に判断することが大切です。特に女性の一人旅や子連れ旅行の場合は、同様の旅行者からのレビューが参考になります。 - 部屋の階層:
可能であれば、低層階よりも中層階以上の部屋を選ぶ方が、路上からの騒音や侵入のリスクを軽減できる可能性があります(ただし、これは一般的な考えであり、ホテルの構造によります)。
結論として:テルミニ駅周辺は選択肢の一つだが、注意深い判断を
テルミニ駅周辺のホテルは、その抜群の利便性から魅力的な選択肢であることは事実です。
特に、早朝の列車や飛行機を利用する場合、あるいはローマを拠点に日帰り旅行を多く計画している場合には、大きなメリットがあります。
しかし、治安面での注意点が他のエリアよりも多いことも事実です。
利便性を取るか、より落ち着いた環境と安心感を優先するかは、個々の旅行者の価値観や経験、同行者などによって判断が分かれるところでしょう。
もしテルミニ駅周辺を選ぶのであれば、上記のような注意点を十分に理解し、ホテル選びに時間をかけ、滞在中も常に防犯意識を高く持つことが不可欠です。
少しでも不安を感じる方や、特に静かで安全な環境を最優先したい方は、前回の見出しで紹介したプラティ地区やモンティ地区など、他のエリアを検討することをおすすめします。
いずれにしても、情報をしっかりと吟味し、ご自身が納得できるホテルを選ぶことが、快適なローマ滞在の第一歩となります。
立地以外も!安全なホテルの見分け方

ここでは、立地以外で、安全なホテルを見分けるためのチェックポイントをいくつかご紹介します。
これらはあくまで目安であり、総合的な判断が重要です。
フロント・レセプションの体制
- 24時間対応の有無:
フロントに24時間スタッフが常駐しているホテルは、夜間の緊急時対応や、不審者の侵入抑止という点で、より安心感が高いと言えるでしょう。特に深夜や早朝にチェックイン・チェックアウトする場合や、万が一トラブルが発生した場合に、すぐに対応してもらえるのは心強いです。小規模なホテルやB&B(ベッド&ブレックファスト)では、常駐していない場合も多いので、その場合はチェックイン時間や緊急連絡先を事前に確認しておくことが重要になります。 - 入り口の監視:
スタッフがロビーや入り口付近に常駐し、出入りする人をある程度把握しているかどうかも、間接的ながらセキュリティ意識の表れと言えます。
建物の入り口とアクセス管理
- オートロックシステム:
ホテルのメインエントランスが夜間などにオートロックになり、宿泊者以外が容易に入れないようになっているかは重要なポイントです。 - カードキーシステム:
客室だけでなく、エレベーターの利用や、場合によってはフロアへのアクセスにもカードキーが必要なシステムを導入しているホテルは、セキュリティレベルが高いと言えます。 - 小規模施設の場合:
B&Bやアパートメントタイプの場合、建物全体の入り口がオートロックか、各戸の鍵がしっかりしているかなどを確認しましょう。古い建物を利用している場合、入り口のセキュリティがやや甘いケースも見受けられるため、注意が必要です。
客室のセキュリティ設備
- ドアの鍵:
ドアの鍵がしっかりしているかはもちろん、内側からかけられる二重ロック(デッドボルト)や、ドアガード、ドアチェーンなどが付いていると、より安心感が増します。ヨーロッパの古い建物では、鍵のタイプが日本と異なる場合もあるため、使い方を確認しておくと良いでしょう。 - 窓の施錠:
特に低層階(1階や2階など)に宿泊する場合、窓の鍵がしっかりと機能するかは非常に重要です。バルコニーがある場合も同様です。予約サイトの写真だけでは分かりにくい部分なので、気になる場合は口コミを確認したり、ホテルに直接問い合わせたりすることも考えられます。 - セーフティボックス(金庫):
パスポートや予備の現金、高価な電子機器などを保管するために、客室内にセーフティボックスが設置されているかは必ず確認したいポイントです。無料で利用できるか、有料か、また、ノートパソコンなどが入る大きさかどうかも、必要であればチェックしましょう。暗証番号タイプか鍵タイプかなどもホテルによって異なります。
防犯カメラの設置状況
ロビー、廊下、エレベーターホールなど、共用部分に防犯カメラが設置されているホテルは、犯罪抑止効果が期待でき、万が一何かあった際の証拠にもなり得ます。
予約サイトの設備欄に記載があるか、あるいは口コミで言及されていないか確認してみましょう。
非常時の安全対策
直接的な犯罪対策ではありませんが、ホテルの安全管理体制を見る上で参考になります。
- 非常口・避難経路: 客室のドアの内側などに、非常口や避難経路が明示されているか。
- 火災報知器・スプリンクラー: これらの設備が適切に設置・管理されているか。
これらの設備が整っているホテルは、宿泊客の安全全般に対する意識が高いと推測できます。
清掃・衛生管理の状況
一見、防犯とは関係ないように思えるかもしれませんが、館内や客室が清潔に保たれているかどうかも、ホテルの管理体制やスタッフの意識レベルを反映する一つの指標となり得ます。
隅々まで清掃が行き届いているホテルは、他の面でも管理がしっかりしている可能性が高いと考えられます。
口コミで「清潔さ」に関する評価を確認するのも良いでしょう。
ホテルタイプによる一般的な傾向
- 大規模ホテル・チェーンホテル:
一般的に、セキュリティマニュアルが整備されており、防犯カメラやカードキーシステムなどの設備も整っている傾向があります。スタッフの数も多く、24時間体制である場合が多いです。ただし、宿泊客が多く出入りも多いため、他の宿泊客によるトラブルの可能性もゼロではありません。 - 小規模ホテル・B&B・アパートメント:
アットホームな雰囲気が魅力ですが、セキュリティ設備は施設によって差が大きい可能性があります。オーナーやスタッフとの距離が近く、目が届きやすいというメリットがある一方で、フロントが常時不在だったり、入り口の管理がシンプルだったりする場合もあります。予約前に設備や口コミをより注意深く確認する必要があります。
ホテル選びは総合的な判断で
ここまで様々なチェックポイントを挙げましたが、これら全てを満たす完璧なホテルを見つけるのは難しいかもしれません。
特に、価格帯や立地との兼ね合いも考える必要があります。
例えば、非常に便利な立地にある歴史的な建物を利用したホテルでは、最新のセキュリティ設備を導入するのが難しい場合もあります。
重要なのは、これらのポイントを参考に、自分自身が「これなら安心して滞在できる」と納得できるレベルのホテルを選ぶことです。
予約サイトの設備情報をよく読み、口コミ(特に「安全」「セキュリティ」に関するもの)を参考にし、必要であればホテルに直接問い合わせるなどして、情報を多角的に集めましょう。
口コミ活用術:治安情報のチェック方法

ここでは、ホテルの治安や安全性に関する情報を得るために、口コミをどのように活用すればよいか、具体的な方法と注意点をご紹介します。
どこで口コミをチェックするか?
まず、信頼できる情報源から口コミを集めることが基本です。
- 大手ホテル予約サイト:
Booking.com、Expedia、Hotels.com、Agoda、楽天トラベル、じゃらんなど、多くの予約サイトには宿泊者によるレビュー機能があります。実際に予約・宿泊した人しか投稿できない仕組みになっているサイトが多く、比較的信頼性が高いと言えます。 - 旅行レビューサイト:
TripAdvisor(トリップアドバイザー)などは、ホテルだけでなくレストランや観光スポットに関する口コミも豊富です。様々な角度からの意見を見ることができます。 - 複数のサイトを比較する:
可能であれば、一つのサイトだけでなく、複数のサイトの口コミを比較検討することをおすすめします。サイトによってユーザー層や評価の傾向が異なる場合があるため、より多角的な視点が得られます。
「治安」「安全」に関する情報を効率的に見つける方法
全ての口コミを一つ一つ読むのは大変です。
効率的に情報を収集するために、以下の方法を試してみましょう。
- キーワード検索・絞り込み機能の活用:
多くのサイトには、口コミを特定のキーワードで検索したり、評価項目(例:「ロケーション」「清潔さ」「スタッフ」など)で絞り込んだりする機能があります。- 試したいキーワード例: 「治安」「安全」「セキュリティー(security)」「夜(night)」「音(noise/sound)」「静か(quiet)」「駅(station)」「立地(location)」「周辺(around/neighborhood)」「暗い(dark)」「危険(danger/unsafe)」など。
- 日本語だけでなく、英語などのキーワードでも検索すると、より多くの情報が見つかることがあります。(例:「safe」「security」「location」「noise」など)
- 評価スコアだけでなくコメントを読む:
総合評価の点数だけを見るのではなく、具体的なコメント内容を読むことが重要です。特に、低い評価をつけたコメントの中に、安全性に関する具体的な指摘が含まれている場合があります。
注目すべき口コミの内容
安全性に関連して、特にどのような点に注目して口コミを読めばよいでしょうか。
- 立地・周辺環境に関する具体的な記述:
- 「夜、ホテルまでの道が暗くて少し怖かった」
- 「最寄り駅からホテルまで人通りが多く、夜でも安心だった」
- 「周辺は静かな住宅街で落ち着けた」
- 「駅からは近いが、周辺に少し怪しい雰囲気の場所があった」
- このような具体的な記述は、地図だけでは分からない現地の雰囲気を知る手がかりになります。
- ホテルの設備・セキュリティに関する体験談:
- 「部屋の鍵が古くて少し不安だった」
- 「セーフティボックスが小さくてノートPCが入らなかった」
- 「フロントが24時間対応で安心できた」
- 「壁が薄く、隣の部屋の物音や廊下の話し声がよく聞こえた」(騒音は快適性だけでなく、安心感にも影響します)
- 「オートロックがしっかりしていた」
- スタッフの対応(特にトラブル時の対応):
- 「困ったことがあった際、スタッフが親切に対応してくれた」
- 「フロントに相談したが、あまり対応が良くなかった」
- スタッフの対応力も、万が一の際の安心感につながります。
- 自分と似た属性の宿泊者のコメント:
- 「女性一人旅でしたが、安心して滞在できました」
- 「子連れだったので、エレベーターがあるか心配でしたが大丈夫でした」
- 自分と同じような状況(一人旅、家族連れ、長期滞在など)の人の意見は、特に参考になります。
口コミを読む際の注意点
口コミは玉石混交です。
情報を正しく評価するために、以下の点に注意しましょう。
- 投稿時期を確認する:
数年前の口コミは、現在の状況(ホテルのリニューアル、周辺環境の変化など)を反映していない可能性があります。できるだけ新しい、直近の口コミを中心に確認しましょう。 - 極端な意見は割り引いて考える:
全員が絶賛している、あるいは全員が酷評している、といった極端な評価しかない場合は、少し慎重になった方が良いかもしれません。個人的な相性や、特定の出来事に対する感情的な反応である可能性もあります。複数の口コミで同様の指摘がなされているかを確認しましょう。 - 具体性のないコメント:
「最悪だった」「最高だった」といった抽象的なコメントよりも、「何が」「どのように」悪かったのか、良かったのかが具体的に書かれているコメントの方が参考になります。 - ポジティブ・ネガティブ両方の意見を読む:
良い点ばかり、あるいは悪い点ばかりに注目するのではなく、両方の側面から情報を集めることで、よりバランスの取れた判断ができます。 - ホテルからの返信コメント:
ネガティブな口コミに対して、ホテル側がどのように返信しているかも、そのホテルの姿勢を知る上で参考になる場合があります。真摯に対応しているか、テンプレート的な返信かなどを見てみましょう。 - 言語の壁: 日本語の口コミが少ない場合は、翻訳ツールなどを活用して英語などの口コミも読んでみると、より多くの情報を得られることがあります。ただし、機械翻訳の精度には限界がある点も理解しておきましょう。
口コミはあくまで判断材料の一つ
口コミは、ホテル選びにおける非常に強力なツールですが、それが全てではありません。
情報は常に主観的であり、個人の感じ方によって評価は大きく異なります。
また、悪意のある虚偽の投稿(サクラや嫌がらせ)が全くないとも言い切れません。
したがって、口コミから得た情報は、ホテルの公式サイトで提供される情報(設備、サービス、写真など)、立地条件、価格、そしてご自身の優先順位と照らし合わせ、総合的に判断することが重要です。
口コミを賢く活用し、様々な角度から情報を集めることで、ローマでの安全で快適なホテル選びに、ぜひ役立ててください。
予算別:安全と価格のバランスの取り方

ここでは、限られた予算の中で、できる限り安全性を確保しながら、納得のいくホテルを選ぶための考え方や具体的なヒントをご紹介します。
まず大切なのは、「価格と安全性は、ある程度の相関関係はあるものの、必ずしも完全に比例するわけではない」という点を理解しておくことです。
- 「高いホテル=絶対に安全」ではない:
一般的に、価格帯が高いホテルは、立地が良く、セキュリティ設備やスタッフ体制が整っている傾向があります。しかし、例えば非常に有名な観光地の真ん中にある高級ホテルであっても、多くの人が出入りするため、スリや置き引きのリスクが全くないとは言えません。また、価格が高い理由が、豪華な設備やサービス、ブランド力によるものであり、必ずしも防犯対策に特化しているとは限りません。 - 「安いホテル=必ず危険」でもない:
逆に、価格が比較的リーズナブルなホテルであっても、オーナーが安全管理に気を配っていたり、立地が中心部から少し離れた落ち着いた住宅街にあったりすることで、安心して滞在できるケースも存在します。特に、B&B(ベッド&ブレックファスト)などでは、アットホームな雰囲気の中で、オーナーの目が行き届いている場合もあります。
つまり、単純に価格だけでホテルの安全性を判断することはできないのです。
重要なのは、価格帯に関わらず、これまで述べてきたような立地、設備、口コミといった情報を吟味し、総合的に判断することです。
それでは、予算を意識しつつ、安全性をできるだけ確保するためには、どのような点に注目してホテルを探せば良いのでしょうか。
自身の予算と「譲れない安全条件」を明確にする
- 予算の上限を決める:
まず、今回の旅行でホテル代にいくらまでかけられるのか、具体的な上限額を決めましょう。 - 最低限の安全条件リストを作る:
次に、安全のために「これだけは譲れない」という条件をリストアップします。例えば、「24時間対応フロント」「客室セーフティボックス」「しっかり施錠できるドアと窓」「治安に関する悪い口コミが極端に多くない立地」などです。このリストを基に、予算内で条件を満たすホテルを探していきます。
時期や曜日を工夫する
- ローシーズンを狙う:
ローマにも観光客が多いハイシーズン(一般的に春や秋、夏休み期間など)と、比較的落ち着くローシーズン(一般的に冬期、ただしクリスマスや年末年始などは除く)があります。もし旅行時期を選べるのであれば、ローシーズンに訪れると、同じホテルでも宿泊料金がかなり抑えられる場合があります。航空券も安くなる傾向があります。ただし、冬は日照時間が短く、気候も考慮する必要があります。現在の正確なシーズン情報やイベント時期は、事前に確認が必要です。 - 平日を狙う:
週末(特に金・土曜)は宿泊料金が高くなる傾向があります。可能であれば、平日の宿泊を多く含む日程を組むことで、費用を抑えられる可能性があります。
立地選びの工夫
- 中心部から少し離れたエリアを検討:
ローマの中心部(スペイン広場、ナヴォーナ広場、パンテオン周辺など)は非常に便利ですが、ホテル代も高くなる傾向があります。地下鉄やバスの路線が発達しているので、中心部から1~2駅離れた、比較的治安が良いとされる住宅街寄りのエリア(例:プラティ地区の一部や、主要駅から少し離れた落ち着いた通りなど)で探すと、コストパフォーマンスの良いホテルが見つかることがあります。ただし、移動時間や交通費との兼ね合いも考慮しましょう。 - テルミニ駅周辺での選び方:
前述の通り注意は必要ですが、利便性を優先しテルミニ駅周辺を選ぶ場合でも、駅の裏手側などを避け、比較的評判の良いエリア(共和国広場方面など)や大通り沿い、駅から少し距離のある場所を選ぶなどの工夫で、リスクを軽減しつつ価格を抑えることも不可能ではありません。口コミでの確認は必須です。
ホテルタイプと設備で調整する
- 豪華さより機能性を重視:
5つ星ホテルのような豪華な設備(プール、スパ、高級レストランなど)が不要であれば、そうした設備を持たない、よりシンプルで機能的なホテルを選ぶことで価格を抑えられます。 - B&Bやアパートメントも選択肢に:
ホテルよりも比較的安価な場合が多いB&Bやアパートメントも検討してみましょう。ただし、フロント不在、清掃頻度が低い、セキュリティ設備がシンプルなどのデメリットもあるため、設備や口コミの確認はより重要になります。 - 最低限の安全設備は妥協しない:
価格を抑える場合でも、「譲れない安全条件」でリストアップした項目(しっかりした鍵、セーフティボックスなど)は妥協しないようにしましょう。
予約方法とタイミングを考える
- 早期予約割引:
旅行の計画が早くから決まっている場合は、早めに予約することで割引料金が適用されることがあります。特に人気のホテルやハイシーズンは、早めの予約がおすすめです。 - 価格比較サイトの活用:
複数の予約サイトの価格を比較検討することは基本です。同じホテルでもサイトによって料金が異なる場合があります。 - 直前割引は慎重に:
出発直前に割引料金が出ることもありますが、選択肢が大幅に限られたり、希望のホテルが満室だったりするリスクがあります。あまりおすすめできる方法ではありません。
「安すぎる」宿泊施設には注意
ローマの一般的な相場と比較して、極端に価格が安い宿泊施設には、やはり注意が必要です。
安いのには何らかの理由がある可能性が高いと考えましょう。
立地が非常に不便だったり、治安に懸念のあるエリアだったり、設備が老朽化していたり、衛生面に問題があったり、あるいはセキュリティが非常に甘かったりするケースが考えられます。
もし極端に安い宿を検討する場合は、なぜ安いのか、その理由を口コミなどで徹底的に調べ、納得できる場合のみ選択するようにしましょう。
安全に関わる部分での大きな妥協は避けるべきです。
そもそもイタリア、そしてローマのホテル相場がどの程度なのかを把握しておくと、予算内で適切なホテルを選びやすくなります。
こちらの「イタリアのホテル相場を知って失敗しない!宿泊先の選び方を解説」では、イタリアの主要都市のホテル相場や、予算に合わせた選び方のヒントを紹介していますので、併せて確認することをおすすめします。
バランスの取り方はあなた次第、でも安全は大切に
最終的に、予算と安全性のどこに重点を置くかは、個々の価値観や旅行スタイルによって異なります。
「少し高くても絶対に安心できるホテルが良い」という人もいれば、「最低限の安全が確保できれば、あとは価格を抑えたい」という人もいるでしょう。
大切なのは、情報をしっかりと集め、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、ご自身が納得できるバランス点を見つけることです。
価格だけに目を向けるのではなく、この記事で紹介したような様々な工夫を取り入れながら、予算内でできる限り安全で快適なホテルを探してみてください。
安心して過ごせる拠点があってこそ、ローマの素晴らしい魅力を存分に楽しむことができるはずです。
ローマ滞在中のホテル周辺治安と対策

- ホテル内でできる基本的な安全対策
- 夜間の外出:安全な移動方法と注意点
- スリ・置き引き対策:ホテル周辺でも油断禁物
- 緊急時:連絡先と対処法の確認
- 女性の一人旅:特に気をつけたいポイント
ホテル内でできる基本的な安全対策

ここでは、ローマのホテル内で簡単にできる、基本的な安全対策について具体的にご紹介します。
これらの対策は、特別なことではなく、少しの注意で実践できるものがほとんどです。
「自分の身は自分で守る」という意識を持って、ぜひ習慣づけてみてください。
客室の施錠は常に徹底する
これは最も基本的かつ重要な対策です。
- 在室時も施錠:
部屋の中にいるときでも、必ずドアの鍵はかけましょう。もし内側からかけられる二重ロック(デッドボルト)やドアガード、ドアチェーンがあれば、それらも必ず使用してください。ほんの短い時間であっても、施錠する習慣をつけましょう。 - 外出時の施錠確認:
部屋を出る際は、ドアが確実に閉まり、施錠されたかしっかりと確認しましょう。オートロックのホテルであっても、完全に閉まったか、念のためドアノブを引いて確認するくらいの注意が必要です。 - 窓の施錠も忘れずに:
特に低層階(1階や地上階に近い階)に宿泊する場合は、外出時や就寝時には窓の鍵もしっかりとかけることを忘れないでください。バルコニーがある場合も同様です。
貴重品の管理を厳重に
客室内での盗難リスクを減らすために、貴重品の管理は非常に重要です。
- セーフティボックスを最大限活用:
パスポート、多額の現金、予備のクレジットカード、航空券、高価な宝飾品や時計などは、客室に備え付けのセーフティボックス(金庫)に必ず保管しましょう。チェックインしたら、まずセーフティボックスが問題なく使えるか、使い方を確認してください。暗証番号を設定するタイプの場合は、誕生日や部屋番号など、推測されやすい番号は避けるようにしましょう。 - セーフティボックスに入らない貴重品:
ノートパソコンなど、セーフティボックスに入らないサイズの貴重品は、スーツケースに入れて鍵をかけるという対策も考えられます。ただし、スーツケースごと持ち去られるリスクもゼロではないため、可能であればホテルのフロントに預ける(貴重品預かりサービスがある場合)などの対応も検討しましょう(ただし、ホテル側の責任範囲については確認が必要です)。 - 貴重品を無造作に置かない:
机の上やベッドサイドなどに、財布やスマートフォン、カメラなどを無造備に置いたまま部屋を離れるのは絶対にやめましょう。「ちょっとトイレに行くだけ」「すぐに戻るから」といった油断が狙われます。
ドアへの対応は慎重に
- 訪問者の確認:
在室中にドアをノックされたり、呼び鈴が鳴ったりしても、すぐにドアを開けてはいけません。まずはドアスコープ(覗き穴)で相手を確認しましょう。相手がホテルスタッフを名乗った場合でも、何か不審に感じたら、すぐにドアを開けずに、まずフロントに内線電話などで連絡を取り、確認することをおすすめします。 - 「Do Not Disturb(起こさないでください)」札の活用:
日中、部屋でゆっくりしたい場合や、清掃などでスタッフに入室してほしくない時間帯には、「Do Not Disturb」の札をドアノブにかけておくのも一つの方法です。ただし、長時間かけっぱなしにすると、緊急時にスタッフが安否確認をためらう可能性も考慮する必要があるかもしれません。
個人情報の管理
- 部屋番号は慎重に扱う:
フロントでのチェックイン時や、レストランでの部屋付け会計時などに、自分の部屋番号を大声で言ったり、他の人に聞こえるように話したりしないようにしましょう。また、ルームキー(特にカードキー)に部屋番号が記載されている場合は、人前で見せないように注意が必要です。 - ルームキーの管理:
ルームキー(特にカードキー)は紛失しないように厳重に管理しましょう。もし紛失した場合は、速やかにフロントに届け出て、無効化してもらうなどの手続きが必要です。
他の宿泊客や訪問者への注意
- 安易に部屋に入れない: ホテル内で知り合った人であっても、安易に自分の部屋に招き入れるのは避けましょう。
- 共用エリアでの注意: ロビーやレストラン、プールサイドなどの共用エリアで、貴重品を置いたまま席を離れないようにしましょう。
清掃時などの注意点
- 清掃スタッフ入室時の貴重品: 清掃スタッフが部屋に入る可能性がある時間帯には、貴重品は必ずセーフティボックスに入れるか、スーツケースに鍵をかけて保管しましょう。
- 不安な場合: もし清掃時の盗難などが心配な場合は、外出するタイミングでフロントに清掃を依頼する、あるいは「清掃不要」の意思表示をするなどの方法も考えられます。
非常時の備え
- 避難経路の確認: チェックインしたら、客室のドアの内側などに掲示されている避難経路図を確認し、非常口の場所を把握しておきましょう。万が一の火災やその他の緊急事態に備えておくことは大切です。
これらの対策は、どれも基本的なことですが、旅行中は気が緩みがちです。
常に「ここは海外である」という意識を持ち、これらの安全対策を実践することで、ホテル内での不要なトラブルを避け、安心してローマ滞在を楽しむことができるでしょう。
夜間の外出:安全な移動方法と注意点

ローマの夜には、日中とはまた違った魅力がたくさんあります。
せっかく訪れたからには、夜の街も楽しみたいと考えるのは自然なことでしょう。
しかし、同時に気になるのが夜間の安全性です。
結論から申し上げますと、ローマの夜の外出は、基本的な注意点を守れば十分に可能ですが、日中よりも慎重さが求められることは間違いありません。
ここでは、夜間に外出する際の心構えと、安全な移動手段の選び方、そしてそれぞれの注意点について具体的に解説します。
夜間外出の基本的な心構え
まず、夜間にホテルから外出する際には、以下の点を常に意識しておきましょう。
- 必要性を考える:
本当にその外出が必要か、一度立ち止まって考えてみましょう。特に深夜の外出や、治安に不安のあるエリアへ行くのは、可能な限り避けるのが賢明です。 - 事前準備を怠らない:
- ルート確認: 出かける前に、目的地までのルートを地図アプリなどで確認し、できるだけ明るく人通りの多い道を選べるようにしておきましょう。
- 終電・終バスの時間確認: 公共交通機関を利用する場合は、必ず事前に最終の運行時間を確認しておきます。(詳細は後述)
- ホテルの連絡先: ホテルの住所と電話番号を控えたメモやカードを携帯しましょう。万が一の場合に役立ちます。
- 複数での行動:
可能であれば、一人での外出は避け、友人や家族など複数で行動するようにしましょう。特に女性の場合は、夜間の一人歩きは極力避けることを強く推奨します。 - 貴重品は最小限に:
多額の現金やパスポート、高価なアクセサリーなどはホテルのセーフティボックスに保管し、外出時に持ち歩く貴重品は必要最小限にしましょう。バッグは体の前でしっかりと持ち、周囲から見えにくいようにします。 - 周囲への警戒:
スマートフォンを見ながら歩いたり、音楽を聴きながら歩いたりするのは避け、常に周囲の状況に気を配りましょう。不審な人物や状況を感じたら、すぐにその場を離れ、近くの店に入るなど安全な場所に移動してください。 - 飲酒はほどほどに:
レストランやバールでお酒を楽しむのは良いですが、酔いすぎて注意力が散漫にならないように気をつけましょう。判断力が低下すると、トラブルに巻き込まれやすくなります。
移動手段別の注意点
夜間の移動手段としては、主に徒歩、公共交通機関(バス、地下鉄、トラム)、タクシーが考えられます。
それぞれのメリット・デメリットと注意点を理解しておきましょう。
- 徒歩:
- メリット:
手軽で費用がかからず、夜の街並みを間近に感じられます。近距離の移動には便利です。 - デメリット・注意点:
- 必ず明るく、人通りの多いメインストリートを選びましょう。細い路地裏や公園、駅周辺の暗がりなどは絶対に避けてください。
- 距離が長い場合や、治安に不安のあるエリアを通過する場合は、徒歩は避けましょう。
- スマートフォンで地図を見ながら歩く際は、ひったくりに注意が必要です。時折立ち止まって周囲を確認するなど、警戒を怠らないでください。
- 複数人で歩く方がより安全です。
- メリット:
- 公共交通機関(バス・地下鉄・トラム):
- メリット: 比較的安価に移動できます。主要なルートは夜間でもある程度運行しています。
- デメリット・注意点:
- 運行時間と本数:
夜間は日中に比べて運行本数が大幅に減ります。特に地下鉄の終電時間(通常23:30頃、金・土曜は深夜1:30頃までが多いですが、路線や時期により変動あり。必ずATAC公式サイト等で最新情報をご確認ください)には注意が必要です。終電・終バスを逃すと、タクシーを利用せざるを得なくなる場合があります。 - 夜間バス (Linea N):
地下鉄の運行終了後などに夜間バスが運行されていますが、ルートや運行間隔は限られています。利用する場合は、事前にルートと時刻表をよく確認しましょう。 - 待ち時間と車内:
バス停や駅のホームで長時間待つ場合や、乗客が極端に少ない車内では、スリやその他のトラブルに巻き込まれるリスクが高まる可能性があります。周囲の状況には常に注意を払いましょう。可能であれば、他の乗客がいる場所で待つ、車内では出入り口付近を避けるなどの工夫も考えられます。 - スリへの警戒: 日中と同様、混雑していなくても油断せず、手荷物には常に注意してください。
- 運行時間と本数:
- タクシー:
- メリット:
ホテルやレストランから目的地まで、ドアツードアで移動できるため、特に深夜や荷物が多い場合には最も安全で便利な移動手段と言えます。 - デメリット・注意点:
- 料金:
他の交通機関と比較して料金は高くなります。深夜料金が適用される場合もあります。 - 正規タクシーを選ぶ:
ローマには残念ながら、法外な料金を請求する「白タク」(無許可タクシー)が存在します。必ず正規のタクシーを利用しましょう。正規タクシーは以下の特徴があります。- 車体の色は白。
- 屋根の上に「TAXI」の表示灯がある。
- 前方のドアにローマ市章と認可番号が記載されている。
- 乗り方:
流しのタクシーは少ないため、駅や主要な広場にある正規のタクシー乗り場から乗るか、電話またはタクシー配車アプリ(FreeNow, itTaxiなどが知られています)で呼ぶのが一般的です。ホテルやレストランで呼んでもらうのが、最も確実で安心な方法の一つです。 - メーターの確認:
乗車したら、必ずメーターが作動しているか確認しましょう。もしメーターを使わずに高額な料金を提示された場合は、支払う前にホテルのスタッフや警察に相談する姿勢を見せましょう。 - 料金トラブル回避:
目的地を告げる際に、おおよその料金を確認するのも良いかもしれません。支払い時にはレシート(Ricevuta: リチェヴータ)を必ずもらいましょう。
- 料金:
- メリット:
避けるべき行動
最後に、夜間の外出で特に避けるべき行動をまとめます。
- 深夜に人気のない公園や路地裏、治安に不安のあるとされるエリアへ行くこと。
- しつこい客引きや、親切そうに話しかけてくる見知らぬ人に安易についていくこと。
- 酩酊するほどお酒を飲むこと。
- 多額の現金や目立つ貴重品を持ち歩くこと。
ローマの夜は、正しい知識と注意を持って行動すれば、安全に楽しむことが可能です。
無理のない計画を立て、常に周囲への意識を忘れず、素晴らしい夜の思い出を作ってください。
スリ・置き引き対策:ホテル周辺でも油断禁物

ここでは、ローマで横行するスリや置き引きの一般的な手口を理解し、特にホテル周辺で注意すべき場面と、具体的な対策について詳しく解説します。
ローマでよくあるスリ・置き引きの手口(一般例)
まず、どのような手口があるのかを知っておくことが、対策の第一歩です。
犯人たちは非常に巧妙で、一瞬の隙を狙ってきます。
- 集団での犯行:
一人が話しかけてきたり、わざと物を落としたりして注意を引きつけ、その隙に別の仲間が財布やバッグを盗む、という連携プレーは非常に多い手口です。 - 親切を装う:
服にケチャップや鳥のフン(に見せかけたもの)などをわざと付け、「汚れていますよ」と親切に拭くふりをして近づき、貴重品を盗みます。道を尋ねるふりなども同様です。 - 子供の利用:
子供たちに取り囲まれ、気を取られている間に貴重品を抜き取られるケースもあります。子供だからと油断してはいけません。 - 混雑の利用:
地下鉄やバスの車内、市場、観光スポットなど、人が密集する場所での接触紛れのスリは定番です。 - 署名やアンケートを装う:
何らかの活動への署名やアンケートを求めて近づき、バインダーなどで視界を遮りながらバッグなどから物を盗む手口です。 - 物品の強引な販売:
ミサンガなどを無理やり腕に巻き付けたり、花などを押し付けたりして、注意がそれた隙や、支払いのために財布を出した瞬間を狙います。
これらの手口は、ローマ市内の至る所で起こりうることをまず認識しておきましょう。
ホテル周辺で特に注意すべき場面
ホテル周辺は、慣れない土地での緊張感が少し和らぎ、油断が生まれやすい場所でもあります。
以下のような場面では、特に注意が必要です。
- チェックイン・チェックアウト時:
フロントでの手続きに集中している間、足元に置いたスーツケースやバッグから目を離してしまう瞬間が狙われやすいです。荷物が多い時は特に注意しましょう。 - ホテルのロビーやラウンジ:
ソファでくつろいでいる時や、待ち合わせをしている間など、貴重品の入ったバッグを隣の席に置いたり、床に置いたままにしたりしないようにしましょう。 - 朝食会場(特にビュッフェ形式):
席にバッグなどを置いたまま料理を取りに行くのは非常に危険です。ほんの短い時間でも、必ず誰かが見ているか、貴重品は身につけて移動しましょう。 - ホテル併設・近隣のカフェやレストラン:
テーブルの上にスマートフォンや財布を置くのは厳禁です。椅子の背もたれにバッグをかけるのも狙われやすいです。バッグは膝の上に乗せるか、体の前(足元など)に置き、常に意識が向くようにしましょう。 - ホテル近くのスーパーや売店:
買い物に夢中になっていると、手荷物への注意が散漫になりがちです。支払いの際なども周囲に気を配りましょう。 - ホテルへの帰り道:
観光を終えてホテルに戻る際、「もうすぐ着くから」と気を緩めがちですが、最後まで油断しないことが大切です。
具体的なスリ・置き引き対策
被害に遭わないためには、常に防犯意識を持ち、具体的な対策を講じることが不可欠です。
- 持ち物の管理方法:
- 貴重品の分散: パスポート(原本はホテルの金庫へ推奨)、現金、クレジットカードなどを一つの財布やバッグにまとめず、いくつかの場所に分散して持つようにしましょう。
- 財布の持ち方: ズボンの後ろポケットに財布を入れるのは絶対に避けましょう。前ポケットや、内ポケットなど、盗まれにくい場所に入れます。
- バッグの選び方と持ち方: 口がしっかりと閉まるチャック付きのバッグを選び、常に体の前で抱えるように持ちます。リュックサックの場合は、混雑した場所では前に抱えるのが安全です。ショルダーバッグも体の前側に回しましょう。
- セキュリティポーチの活用: 現金やパスポートのコピーなどを、腹巻きタイプや首下げタイプのセキュリティポーチに入れて衣服の下に隠し持つのは有効な対策の一つです。ただし、これらも絶対ではないため、過信は禁物です。
- 多額の現金は持ち歩かない: 必要最低限の現金のみを持ち歩き、支払いは可能な限りクレジットカードやデビットカードを利用しましょう。
- 服装と振る舞い:
- 目立たない服装: 高価な宝飾品や、いかにも高級ブランドとわかるバッグや服装は、スリのターゲットになりやすいため避けましょう。
- 毅然とした態度: キョロキョロと周囲を見回したり、不安そうな表情を見せたりすると、「警戒心が薄い旅行者だ」と見なされ、狙われやすくなります。地図を見る際も、道の真ん中で立ち止まらず、壁際など安全な場所で素早く確認しましょう。
- 周囲への警戒: 常に周囲の状況に気を配り、不自然に近づいてくる人や、怪しいと感じる動きには注意しましょう。
- 距離を保つ: 話しかけられても安易に信用せず、一定の距離を保つように心がけましょう。不要であれば、はっきりと断る態度も大切です。
- スマートフォンなどの管理:
- テーブルの上にスマートフォンを置きっぱなしにするのは非常に危険です。食事中なども、使わない時はバッグの中にしまいましょう。写真撮影に夢中になっている時も狙われやすいので注意が必要です。
「自分だけは大丈夫」と思わないこと
スリや置き引きの被害に遭わないために最も重要なのは、「自分は大丈夫」「まさか自分が」といった油断をしないことです。
どれだけ対策を講じていても、一瞬の隙を突かれる可能性はあります。
これらの対策を神経質になりすぎるほど実践する必要はありませんが、常に頭の片隅に置き、警戒心を持って行動することが、結果的に安全で楽しいローマ滞在につながります。
ホテル周辺であっても、ローマの街を歩く際は、常に防犯意識を忘れないようにしましょう。
緊急時:連絡先と対処法の確認

ここでは、ローマ滞在中に緊急事態が発生した場合に備えて、事前に確認しておくべき連絡先と、状況に応じた基本的な対処法の流れについて解説します。
旅行前に必ず準備・確認しておくこと
転ばぬ先の杖として、以下の準備を日本出発前に済ませておきましょう。
- 緊急連絡先リストの作成と携帯:
- この記事で紹介する主要な緊急連絡先(警察、救急、大使館など)をリスト化し、スマートフォンに保存するだけでなく、紙にも印刷して財布などとは別の場所に携帯しましょう。スマートフォンの紛失やバッテリー切れに備えるためです。
- 海外旅行保険への加入と情報携帯:
- 万が一の病気、怪我、盗難などに備え、必ず海外旅行保険に加入しましょう。補償内容をよく確認し、保険証券(またはそのコピー)と、保険会社の緊急連絡先(24時間対応のサポートデスクなど)をすぐに取り出せるように携帯してください。
- 重要書類のコピー:
- パスポート(顔写真ページ、ビザページ)、航空券(eチケット控え)、ホテルの予約確認書などのコピーを、原本とは別の場所に保管しておきましょう。データとしてスマートフォンやクラウドストレージに保存しておくのも有効です。
- クレジットカード情報と連絡先の控え:
- 利用するクレジットカードの番号、有効期限、カード裏面の緊急連絡先電話番号を控えておき、これもカード自体とは別の場所に保管します(ただし、番号の管理には十分注意してください)。
- ホテルの情報:
- 宿泊するホテルの正式名称、住所、電話番号をすぐに確認できるようにしておきましょう。タクシーで戻る際や、緊急連絡時に必要になります。
- 日本との連絡手段:
- 日本の家族や友人との間で、緊急時の連絡手段(電話、メール、SNSなど)を確保しておきましょう。国際ローミングや現地SIM、Wi-Fiルーターなどの準備も含まれます。
主要な緊急連絡先(イタリア・ローマ)
以下の番号は、命に関わるような緊急時に使用するものです。
- 欧州共通緊急番号: 112
- 警察(Carabinieri/Polizia)、救急(Ambulanza)、消防(Vigili del Fuoco)のすべてに繋がります。オペレーターが状況に応じて担当部署に繋いでくれます。多くの場合、英語での対応も可能です。まずはこの番号にかけるのが最も確実とされています。
- (参考)従来の番号:
- 警察(国家警察 Polizia): 113 (近年112への統合が進んでいます)
- 救急車: 118
- 消防: 115
- 在イタリア日本国大使館(ローマ):
- パスポートの紛失・盗難、重大な事故や事件に巻き込まれた際などに相談できます。
- 所在地: Via Quintino Sella, 60 00187 Roma
- 電話番号: (+39) 06-487-991 (一般的な問い合わせ)
- 開館時間: 月曜~金曜(祝祭日を除く)の午前・午後(※最新の開館時間は必ず大使館ウェブサイトでご確認ください)
- 緊急連絡先(閉館時): 大使館の代表電話にかけると、緊急時の連絡先に関する音声ガイダンスが流れる場合があります。事前に大使館ウェブサイトで確認しておくことを強く推奨します。
状況別の基本的な対処法(概要)
万が一、トラブルに遭遇してしまった場合の基本的な行動の流れです。
- スリ・盗難被害に遭ったら:
- 身の安全確保: まずはご自身の安全を確保してください。犯人を追いかけるなどの危険な行為は避けましょう。
- 警察への届け出: 最寄りの警察署(Questura または Carabinieri の署)へ行き、盗難・紛失届(Denuncia di furto/smarrimento)を作成してもらいます。この届け出証明書は、海外旅行保険の請求や、後述するパスポートの再発行手続きに必要となります。英語が通じにくい場合もあるため、可能であればホテルのスタッフに同行を依頼するか、通訳サービス(保険会社経由など)を利用することも検討しましょう。
- カード会社への連絡: クレジットカードやキャッシュカードが盗まれた場合は、直ちにカード裏面などに記載されている緊急連絡先に電話し、カードの利用停止手続きを行ってください。事前に連絡先を控えておくことが重要です。
- パスポートを紛失・盗難されたら:
- 警察への届け出: 上記と同様に、まず警察署で紛失・盗難届を作成してもらいます。
- 日本大使館へ連絡・相談: その後、在イタリア日本国大使館(ローマ)に連絡し、パスポートの再発行、または日本へ帰国するための一時的な証明書である「帰国のための渡航書」の発給手続きについて相談します。申請に必要な書類(警察の届け出証明、写真、戸籍謄本または抄本などが必要になる場合があります)や手続きの流れについても、大使館の指示に従ってください。手続きには時間がかかる場合があるため、速やかに行動することが大切です。
- 交通事故に遭ったり、怪我をしたりしたら:
- 安全確保と救護: まずは安全な場所に移動し、必要であれば周囲に助けを求めます。
- 緊急連絡: 状況に応じて救急車(112または118)や警察(112)に連絡します。
- 医療機関の受診: 軽傷の場合でも、念のため医療機関を受診することをおすすめします。ホテルのフロントに相談すれば、近くの病院や診療所(救急外来は Pronto Soccorso と言います)を教えてもらえる場合があります。
- 保険会社への連絡: 加入している海外旅行保険会社に速やかに連絡し、状況を報告します。医療費のキャッシュレスサービスや、医療通訳の手配などについて相談しましょう。
- 急病になったら:
- 症状が重い場合: 意識がない、呼吸が苦しいなど、症状が重い場合は、ためらわずに救急車(112または118)を呼びましょう。
- 比較的軽い症状の場合: ホテルのフロントに相談するか、海外旅行保険のサポートデスクに連絡し、症状を伝えて適切な医療機関を紹介してもらいましょう。日本語対応可能な医師や病院を紹介してもらえる場合もあります。
対処時の心構え
- 冷静さを保つ: パニックになると状況が悪化することもあります。深呼吸をして、落ち着いて行動しましょう。
- 正確な情報を伝える: 警察や救急隊、大使館、保険会社などには、いつ、どこで、何があったのかを、できるだけ正確に伝えましょう。
- 必要書類の保管: 警察の届け出証明、病院の診断書や領収書など、後々の手続き(保険請求など)に必要となる書類は、必ず全て保管しておきましょう。
「備えあれば憂いなし」
緊急事態はいつ起こるかわかりません。
しかし、事前に連絡先と基本的な対処法を知っておくだけで、万が一の際の不安は大きく軽減されます。
この記事で紹介した情報を参考に、しっかりと準備をしておくことが、結果的に安心してローマ旅行を楽しむための「お守り」となるはずです。
女性の一人旅:特に気をつけたいポイント

ここでは、女性が一人でローマを安全かつ快適に旅するために、特に気をつけておきたい点や、具体的な対策についてお伝えします。
過度に心配する必要はありませんが、これらのポイントを頭に入れておくことで、不要なトラブルを避け、より安心して旅を楽しむことができるはずです。
ホテル選びはさらに慎重に
一人旅、特に女性の場合、ホテルの安全性は最優先事項の一つです。
これまで解説した内容に加え、以下の点を特に意識しましょう。
- 立地の再確認:
治安が良いとされるエリア(例:プラティ地区など)を選ぶのはもちろんですが、その中でも、最寄り駅からホテルまでの道のりが夜でも明るく、人通りがあるか、実際に地図アプリのストリートビューなどで確認しておくと安心です。大通りに面しているか、入り口が分かりやすい場所にあるかもチェックポイントです。 - セキュリティ設備の重視:
24時間対応のフロント、オートロック式の入り口、エレベーターのセキュリティ(カードキーが必要かなど)、客室の二重ロックやドアガードの有無は、一人旅の場合、より重要度が増します。セーフティボックスも必須と考えましょう。 - 口コミの活用:
予約サイトの口コミで、「女性一人旅(female solo traveler)」のレビューを探し、参考にしましょう。同じ立場の人がどのように感じたか、安全面で気になる点はなかったか、といった情報は非常に役立ちます。
服装と持ち物への配慮
- TPOをわきまえた服装:
ローマはファッションの都でもありますが、過度に肌を露出した服装や、極端に華美な服装は、望まない注目を集めてしまう可能性があります。特に、教会や宗教施設を訪れる際は、肩や膝を覆うなど、服装規定への配慮が求められます。場の雰囲気に合わせた、清潔感のある動きやすい服装を心がけると良いでしょう。 - 高価なものは控えめに:
一目で高級ブランドとわかるバッグや時計、派手な宝飾品などは、スリやひったくりのターゲットになりやすいため、できるだけ身につけない方が賢明です。 - バッグの管理は徹底:
これは男女共通ですが、一人旅では荷物を見てくれる人がいないため、より一層の注意が必要です。バッグは必ず体の前で持ち、チャックはしっかりと閉めましょう。貴重品はセキュリティポーチなどを活用し、分散して管理します。
日中の行動で気をつけること
- 毅然とした態度:
不安そうな様子や、キョロキョロと落ち着きのない態度は、狙われやすい隙を与えてしまうことがあります。自信を持って、堂々とした態度でいることを心がけましょう。道に迷った場合でも、慌てずにカフェなど安全な場所に入ってから地図を確認するようにします。 - 親切そうな申し出にも警戒:
道案内や写真撮影の申し出など、親切そうに近づいてくる人の中にも、下心があったり、スリの仲間だったりする可能性はゼロではありません。もちろん、本当に親切な人もたくさんいますが、初対面の人をすぐに信用せず、少し警戒心を持っておくことも大切です。しつこくされた場合は、曖昧な態度は取らず、はっきりと「No, grazie(結構です)」と断る勇気を持ちましょう。 - 安全なルートを選ぶ:
地図を見て近道だと思っても、人通りの少ない細い路地裏や、治安に不安のあるエリアには立ち入らないようにしましょう。
夜間の行動は特に慎重に
- 単独での夜間外出は極力避ける:
ローマの夜景は美しいですが、残念ながら、女性の夜間の一人歩きはリスクが高まります。特に、徒歩での移動は極力避け、必要な場合はタクシーを利用しましょう。その際も、必ず正規のタクシーを選び、ホテルで手配してもらうのが最も安全です。 - 夜の予定は計画的に:
夜景スポットやディナーに行く場合も、事前に場所やアクセス方法、周辺の治安状況を確認し、安全な移動手段を確保してから計画しましょう。帰りの時間も考慮し、あまり遅くならないように心がけます。 - 飲酒は節度を守る:
バーなどで一人でお酒を楽しむ際は、自分のペースを守り、飲みすぎないように注意しましょう。見知らぬ人から飲み物をご馳走されたり、席を立つ際に飲み物を置いたままにしたりするのは避けてください。
コミュニケーションの取り方
- 誤解を招かない態度:
イタリアの人々は、男女問わずフレンドリーで、気軽に話しかけてくることが多いです。これは文化の違いであり、多くは純粋な親切心や好奇心からですが、中には馴れ馴れしいと感じたり、下心を持って近づいてきたりする人もいるかもしれません。愛想笑いや曖昧な態度は、相手に好意があると誤解させてしまう可能性もあります。興味がない場合や、不快に感じた場合は、笑顔は保ちつつも、はっきりと断る意思表示をすることが大切です。 - 個人情報は慎重に:
親しくなったと感じても、安易に個人的な情報(宿泊先のホテル名、部屋番号、詳細な旅行スケジュール、連絡先など)を教えるのは避けましょう。
いざという時のために
- 相談できる相手:
何か困ったことや不安なことがあれば、まずはホテルのフロントスタッフ(可能であれば女性スタッフ)に相談してみましょう。信頼できそうなカフェやお店の店員さんに助けを求めるのも良いかもしれません。 - 家族や友人との連絡:
日本にいる家族や友人と、こまめに連絡を取り合い、自分の居場所や状況を伝えておくと、双方の安心につながります。 - 緊急連絡先の携帯:
警察(112)や日本大使館の連絡先は、すぐに確認できるようにしておきましょう。
自信を持って、安全な旅を
女性の一人旅には、確かに注意すべき点があります。
しかし、それはローマに限ったことではありません。
基本的な防衛意識を持ち、これらのポイントを心に留めておけば、きっと安全に、そして自由にローマの街を満喫できるはずです。
事前の準備をしっかり行い、自信を持って、素晴らしい一人旅を実現してください。
ローマでのホテル選び:治安を考慮した重要ポイントを総括
- ローマはヨーロッパ他都市比で凶悪犯罪は少ないがスリや置き引きは多発する
- 安全な滞在のため、治安を考慮したホテル選びは極めて重要である
- 交通機関(特にテルミニ駅)、主要観光地周辺は軽犯罪に注意が必要
- プラティ地区はヴァチカンに近く、落ち着いた環境を求める人向けである
- モンティ地区は古代遺跡に近く、おしゃれな雰囲気と散策が魅力である
- トラステヴェレ地区は下町情緒とグルメを楽しめるが地下鉄はない
- テルミニ駅周辺は交通至便だが、ホテル選びは特に慎重さが求められる
- 安全なホテルは24時間対応フロントやセーフティボックス等の設備を持つ
- 予約サイト等の口コミで立地やセキュリティに関する具体的情報を確認すべきである
- 予算と安全性のバランスを取り、中心部から少し離れたエリアも検討価値がある
- ホテル内でも客室の施錠を徹底し、貴重品はセーフティボックスに保管する
- 夜間外出は明るく人通りの多い道を選び、必要なら正規タクシーを利用する
- スリは集団犯行や親切を装う手口もあるため常に警戒心を持つ
- 緊急連絡先(警察/救急112、日本大使館)と海外旅行保険情報は必携である
- 女性一人旅では、ホテル選びや夜間の行動に特に慎重さが求められる