ヨーロッパ治安ランキング2025|安全な旅行先と注意すべき地域

ヨーロッパへの旅行や留学、移住を検討している方にとって、治安情報は最も重要な要素の一つです。

Global Peace Indexによると、ヨーロッパは世界で最も平和な地域であり、世界トップ10の平和な国のうち7カ国がヨーロッパに位置しています。

しかし、同じヨーロッパ内でも国や都市によって治安状況は大きく異なります。

アイスランドやスイスなどの国々は長年にわたり安全度の高い国として評価される一方、一部の都市では観光客を狙った犯罪も発生しています。

この記事では、最新のデータに基づいたヨーロッパの治安ランキングをご紹介し、安全な国や都市、反対に注意が必要な都市についても詳しく解説します。

旅行者や留学生、移住希望者それぞれに役立つ情報を網羅していますので、あなたの目的に合わせてご活用ください。

記事のポイント
  • ヨーロッパで最も安全な国と都市のランキングとその特徴
  • 留学生や女性一人旅に適した安全な都市の情報
  • 移住先として人気のあるヨーロッパ諸国の治安状況
  • 治安の悪い都市や国の特徴と日本人旅行者向けの注意点
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目次

ヨーロッパ治安ランキング最新版

image ヨーロッパ冒険紀行
  • 治安のいいヨーロッパの国TOP5
  • 治安のいい都市TOP5
  • 女性の一人旅に安全な都市TOP5
  • 学生におすすめの都市TOP5
  • 移住先として人気の国TOP5

治安のいいヨーロッパの国TOP5

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ヨーロッパには世界で最も治安のいい国々が集中しています。

Global Peace Index (GPI)という世界の平和度を測る指標によると、ヨーロッパは世界で最も平和な地域であり、世界トップ10の平和な国のうち7カ国がヨーロッパに位置しています。

この指標は各国の犯罪率、テロ行為の発生頻度、近隣諸国との関係、政治的安定性などの23の指標を基に、163カ国をランク付けしています。

治安のいいヨーロッパの国TOP5

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順位国名特徴GPI得点
1アイスランド2008年のGPI開始以来、最も平和な国の地位を維持。低犯罪率、高水準の生活、軍隊なし1.107
2アイルランド欧州で2番目に平和な国。EU加盟国でNATO非加盟の4カ国の一つ1.257
3オーストリア全てのGPIドメインで優れたパフォーマンスを発揮し、トップ15内にランクイン1.300
4スイス高い生活水準、政治的中立性、効率的な社会システム1.357
5ポルトガル低犯罪率、政治的安定性、軍事化ドメインで高評価1.333
Global Peace Index 2024, Institute for Economics & Peaceを基に作成

アイスランドは2024年のGPIにおいても世界で最も平和な国として評価されています。

人口が少なく(約38万人)、生活水準が高く、犯罪に対する社会的な態度が否定的であることが低犯罪率の要因です。

また、軍隊を持たず、警察も銃器を携帯していないという特徴があります。

アイルランドは2024年のランキングで2位に上昇し、欧州で2番目に平和な国となりました。

暴力的な犯罪の発生率が低く、大規模な自然災害のリスクも少ない国です。

また、EU加盟国でありながらNATOには加盟していない4カ国の一つです。

オーストリアは3位にランクインしており、犯罪率の低さや政治的安定性に優れています。

テロ活動や暴力的な抗議活動の発生率が非常に低く、自然災害や危険な野生動物などの自然の脅威も少ないことが特徴です。

スイスは4位にランクされています。

スイスは長年の政治的中立性、堅牢な治安維持システム、そして高い生活水準で知られています。

また、銃規制が厳格であるにもかかわらず、一人当たりの銃所有率が高いことでも知られていますが、それに関連する犯罪率は非常に低いです。

ポルトガルは5位にランクインしています。

2014年には世界18位だったものの、近年は大幅に順位を上げており、特に軍事化ドメインで高評価を得ています。

ポルトガルは武装警察を持っていますが、地域社会と警察の連携が強く、これが犯罪率の低下に寄与しています。

ポルトガルの治安がなぜ良いのか、その背景や理由について詳しく知りたい方は「ポルトガルってなぜ治安がいいの?観光前に知っておきたい安全な理由を徹底解説!」をご覧ください。

実際の観光時に役立つ情報も満載です。

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これらのヨーロッパ諸国の安全性の高さは、社会的平等性、充実した社会福祉制度、効率的な法執行機関の存在など、様々な要因によって支えられています。

また、多くの国々では透明性の高い政府運営と国民の政府への信頼度の高さも重要な要素となっています。

2024年のGPIによると、世界の平和度は全体的に0.56%低下しており、これは過去16年間で12回目の低下となります。

特に欧州では、ロシアとウクライナの紛争の影響で多くの国が軍事化ドメインで悪化傾向を示しています。

治安のいい国に移住や旅行を考える際は、犯罪率だけでなく、医療制度の充実度や自然災害のリスク、言語の壁なども考慮する必要があります。

また、一般的に治安のいい国は生活費も高い傾向にあるため、経済的な面も検討しましょう。

なお、2024年には97カ国で平和度が悪化し、これはGPI開始以来最も多い数字です。

特にガザとウクライナでの紛争が世界の平和度の低下の主な要因となっています。

こうした国際情勢の変化が今後の安全度ランキングにどのような影響を与えるか、注視する必要があるでしょう。

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治安のいい都市TOP5

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ヨーロッパには世界で最も安全な都市が多く集まっています。

様々な安全性評価指標によると、ヨーロッパの都市は低犯罪率、効果的な警察活動、高い生活水準を誇り、世界的に見ても非常に安全な都市として知られています。

特に北欧や中央ヨーロッパの都市は、社会福祉制度が充実していることも安全性の高さに貢献しています。

ヨーロッパの治安のいい都市TOP5

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順位都市名特徴安全指数
1レイキャビクアイスランド非常に低い犯罪率、フレンドリーな地元住民85.8
2コペンハーゲンデンマークサステナブルな都市設計、自転車に優しいインフラ82.4
3チューリッヒスイス充実した警察組織、厳格な銃規制79.0
4ウィーンオーストリア効率的な治安対策、社会福祉の充実77.5
5ヘルシンキフィンランド女性一人旅にも安全、優れた公共交通機関75.6
Numbeo Safety Index 2024およびGlobal Residence Index 2025を基に作成

レイキャビク(アイスランド)は、欧州で最も安全な都市として評価されています。

この都市の犯罪発生率は非常に低く、市民や旅行者のいずれにとっても安心して過ごせる環境が整っています。

小さな人口規模(約13万人)と高い生活水準が、この優れた安全性の一因となっています。

コペンハーゲン(デンマーク)は、エコノミスト・インテリジェンス・ユニットの安全都市指数(SCI)で世界8位にランクされるほど安全性が高い都市です。

デンマークの首都であるこの都市は、中世の城や有名なリトルマーメイド像など魅力的な観光スポットを有しながらも、治安の良さでも知られています。

自転車に優しいインフラと持続可能な都市設計が、安全で快適な都市環境の創出に役立っています。

チューリッヒ(スイス)はグローバル安全指数で高ランクを維持し続けている都市です。

この都市の安全性は、充実した警察組織と司法システムに支えられています。

さらに、スイスの厳格な銃規制法と市民の責任意識の高さも、チューリッヒの安全を確保する重要な要素となっています。

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ウィーン(オーストリア)は、低犯罪率と効率的な治安対策で知られています。

オーストリアの首都であるこの都市は、市民と地域グループとの協力を通じて安全性と包括性の感覚を創り出す効率的な治安戦略を実施しています。

また、社会福祉と教育の充実も生活の質の向上に寄与しています。

ヘルシンキ(フィンランド)は、特に女性の一人旅行者にとって安全な都市として評価されています。

街灯が整備された道路と効率的な公共交通機関が、この都市の安全な環境づくりに貢献しています。

フィンランドの首都であるこの都市の魅力的な建築物と活気ある文化シーンは、安全性と共に多くの観光客を惹きつけています。

これらの都市に共通する安全性の要因には、コミュニティ重視の警察活動、充実した社会福祉制度、維持の行き届いた公共スペース、革新的な治安対策などがあります。

これらの都市は、居住者と訪問者の両方にとって安全で魅力的な環境を創出する模範として、世界中の他の都市からも注目されています。

ただし、どんなに安全な都市でも、観光客として訪れる際には一般的な注意は必要です。

貴重品の管理や人混みでの警戒、現地の緊急連絡先の把握など、基本的な安全対策を怠らないようにしましょう。

また、都市内でも地域によって安全性が異なる場合があるため、訪問前に現地の最新情報を確認することをお勧めします。

ヨーロッパ都市の治安の良さは、地域社会の連帯感、効果的な法執行機関、そして社会福祉への投資という複合的な要因によって支えられています。

これらの都市を訪れる際は、その安全性を享受しながらも、一般的な旅行者としての注意を怠らないことが、より快適で安心な旅行につながります。

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女性の一人旅に安全な都市TOP5

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女性が一人で安心して旅行できる国や都市を選ぶことは、快適で充実した旅行体験のために非常に重要です。

Solo Female Travelers Surveyの調査結果によると、一人旅をする女性の最大の懸念事項は「個人の安全」であることが明らかになっています。

ヨーロッパには、女性の一人旅に特に適した安全な都市が数多く存在します。

女性一人旅に安全なヨーロッパの都市TOP5

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順位都市名女性の安全指数*特徴
1レイキャビクアイスランド85.8非常に低い犯罪率、性別平等の社会、良好な公共交通機関
2コペンハーゲンデンマーク82.4夜間も明るい街路、効率的な公共交通、高度なジェンダー平等
3ヘルシンキフィンランド79.6充実した公共交通、街灯の行き届いた通り、低い犯罪率
4オスロノルウェー78.3夜間一人歩きの安全度83%、低犯罪率、女性の権利保護
5リュブリャナスロベニア76.5コンパクトな市街地、充実した公共交通、強い地域コミュニティ
女性の安全指数:Numbeoの安全指標とWomen, Peace and Security Index 2024のデータを基に算出(100点満点)
出典:Numbeo Safety Index 2024, Women, Peace and Security Index 2024, Solo Female Travel Safety Index

レイキャビク(アイスランド)は、女性の一人旅に最も適した都市としてトップにランクされています。

アイスランドはGlobal Peace Indexで世界最安全国として15年連続で1位を獲得し、特に女性に対する犯罪率が非常に低いことで知られています。

街灯が充実し、市民の治安意識も高く、夜間でも比較的安全に歩くことができます。

リュブリャナ(スロベニア)もこのリストに入っています。

ヨーロッパの中でも比較的小さな首都であるリュブリャナは、コンパクトな市街地と歩きやすい環境が魅力です。

特に女性一人旅にとって、この都市の小ささは安全面でメリットとなり、強い地域コミュニティの存在が安心感をもたらしています。

では、このような都市が女性の一人旅に安全と評価される理由は何でしょうか。

まず、これらの都市では犯罪率が全体的に低いことが挙げられます。

特に女性に対する暴力犯罪の発生率が低く、女性の安全に関する法整備が進んでいる点も重要です。

例えばノルウェーでは、夜間一人で歩く際に安全だと感じる女性の割合が83%と非常に高い数値を示しています。

次に、公共交通機関の安全性と利便性も重要な要素です。

コペンハーゲンやヘルシンキなどの都市では、公共交通機関が夜間も頻繁に運行し、バス停や駅には適切な照明と監視カメラが設置されています。

これにより、女性が夜間でも安心して移動できる環境が整っています。

社会的要因も見逃せません。

北欧諸国を中心に、これらの都市がある国々ではジェンダー平等が進んでおり、女性の権利や安全を重視する社会的風潮が根付いています。

Women, Peace and Security Indexによると、デンマーク、フィンランド、ノルウェーなどはジェンダー平等の面で世界トップクラスの評価を受けています。

ただし、どんなに安全な都市でも、旅行者としての基本的な注意は必要です。

貴重品の管理や夜間の一人歩きに関する注意、旅行保険の加入、緊急連絡先の把握などは、女性の一人旅では特に重要です。

地元の習慣やマナーに関する事前調査も、トラブルを避けるために役立ちます。

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ヘルシンキ(フィンランド)は女性の一人旅に特に安全な都市として評価されています。

フィンランドは「世界で最も幸福な国」として知られ、高い所得水準、普遍的な医療制度、優れた教育システムを特徴としています。

ヘルシンキの街灯が行き届いた通りや効率的な公共交通機関が、女性の一人旅者に安心感を提供しています。

オスロ(ノルウェー)も女性一人旅に適した都市です。

ノルウェーの首都であるオスロは、犯罪率が非常に低く、主要都市であるオスロ、ベルゲン、スタヴァンゲルでも同様に安全性が高いと報告されています。

また、女性の権利を支持する法律や政策を早くから採用してきた歴史があります。

総じて、これらの都市は、充実した治安対策と女性に対する尊重の文化によって、女性の一人旅者に適した環境を提供しています。

安全性への投資と社会の平等意識が、女性が安心して旅行できる場所を作り出しているのです。

お気をつけていただきたいのは、どんなに安全な都市でも思わぬトラブルは発生する可能性があるという点です。

旅行前に目的地の最新情報を確認し、常に周囲に注意を払うという基本的な安全対策を怠らないことをお勧めします。

それでも、ここで紹介した都市は、女性が一人で安心して訪れることができる場所として、世界中の女性旅行者から高い評価を受けています。

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学生におすすめの都市TOP5

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ヨーロッパへの留学を考える学生にとって、安全性、教育の質、生活費のバランスは非常に重要な要素です。

世界トップクラスの大学が集まるヨーロッパでは、多くの都市が国際学生に素晴らしい環境を提供していますが、特に以下の5都市は学生に最適な場所として高く評価されています。

2024年の複数の学生都市ランキングによれば、これらの都市は学生の実体験に基づく評価や安全性、教育の質、生活の質などの指標で高いスコアを獲得しています。

学生におすすめのヨーロッパ都市TOP5

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順位都市名安全度学生生活費(月額)特徴
1ミュンヘンドイツ85/100€950-1,2002024年最も住みやすい都市、トップレベルの工科大学
2アムステルダムオランダ83/100€1,000-1,300国際的な環境、英語対応の充実度、世界トップ安全都市
3コペンハーゲンデンマーク82/100€1,100-1,400持続可能な都市設計、充実した学生サポート
4ウィーンオーストリア79/100€900-1,200低い授業料、高い生活の質、豊かな文化環境
5リュブリャナスロベニア78/100€700-950低コストで質の高い教育、コンパクトな学生都市
The Campus Advisor 2024年調査、Numbeo Safety Index 2024、StudyLink Cost of Living Data 2024を基に作成

ミュンヘン(ドイツ)は、学生にとって非常に魅力的な環境を提供しています。

2024年のMonocle Surveyでは世界で最も住みやすい都市として1位を獲得し、安全性、公共交通機関の質、文化的多様性において高い評価を受けています。

この都市の魅力は優れた教育機関にもあります。

特にミュンヘン工科大学(Technische Universität München)は世界大学ランキングでトップ50に入る名門校です。

学費も比較的リーズナブルで、多くの学部では国際学生に対しても授業料が無料または非常に低額に設定されている点も魅力です。

アムステルダム(オランダ)も国際学生に人気の高い都市です。

世界トップ5の安全な都市の一つとして評価されており、その多文化環境と英語が広く通用する点が特徴です。

アムステルダム大学やアムステルダム自由大学などの名門校では、英語で受講可能なプログラムも豊富に提供されています。

街中には運河、美術館、公園、フェスティバルなど魅力的なスポットが満載で、学業以外の面でも充実した学生生活を送ることができます。

コペンハーゲン(デンマーク)は、持続可能な都市設計と学生に優しい環境で知られています。

この都市では安全性を高めるための様々な取り組みが行われており、市内全域のCCTVカメラ、明るい街灯、24時間運行の地下鉄など、学生が安心して生活できる環境が整っています。

デンマークの教育システムは世界でも最高水準であり、コペンハーゲン大学は欧州のトップ大学としても認識されています。

コペンハーゲン大学を含むデンマークの大学は、世界大学ランキングでトップレベルの評価を受けており、特にヨーロッパではイギリス、スイス、ドイツに次ぐ高い評価を得ています。

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ウィーン(オーストリア)は、低い授業料と高い生活の質で多くの国際学生を惹きつけています。

オーストリアの公立大学の授業料は年間約2,000ドル(約30万円)と比較的低く設定されており、生活費が高めである点を相殺しています。

ウィーン大学をはじめとする質の高い教育機関と、安全でインフラの整った生活環境が魅力です。

また、効率的な警察活動と市民と地域グループとの連携により、安全で包括的な環境を実現しています。

リュブリャナ(スロベニア)は、比較的知名度は低いものの、コストパフォーマンスの高さで注目されている学生都市です。

欧州の中でも低い生活費で質の高い教育を受けられる点が最大の魅力であり、リュブリャナ大学はヨーロッパの中でも一定の評価を得ています。

また、小さな首都であるこの街は非常に安全で、強いコミュニティ意識に支えられています。

これらの都市では、学生の生活費に関しても考慮すべきポイントがあります。

ドイツの学生の最低生活費は月額約992ユーロ(約16万円)とされていますが、ミュンヘンなどの大都市ではやや高めになります。

一方、アムステルダムでは、2024年第1四半期の家具付き1ベッドルームアパートの平均月額賃料は2,300ユーロ(約38万円)と、ヨーロッパ主要都市の中でもトップクラスの高さです。

住居費を抑えるためには、大学の寮や学生向けシェアハウスの利用も検討すべきでしょう。

また、多くのヨーロッパ諸国では学生向けの公共交通機関割引や文化施設の学生料金なども充実しています。

安全性の面では、これらの都市はいずれも犯罪率が低く、特に女性の一人歩きに関する安全度も高いことが特徴です。

ただし、どの都市でも観光客の多いエリアではスリや置き引きなどの軽犯罪に注意が必要です。

結論として、これら5つの都市はいずれも質の高い教育、安全な環境、そして充実した学生生活を提供しています。

しかし、自分の学びたい分野や予算、言語要件などを考慮して、自分に最も適した都市を選ぶことが大切です。

また、選んだ都市の大学の奨学金制度や学生向け支援制度についても事前に調査しておくことをおすすめします。

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移住先として人気の国TOP5

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海外への移住を考える際、安全性、生活の質、ヘルスケアシステム、税制など様々な要素を考慮する必要があります。

特にヨーロッパは、その高い安全性と充実した社会保障制度から、多くの人々にとって理想的な移住先となっています。

ヨーロッパの国々は世界の安全指標で上位を占めており、特にノルディック諸国(北欧)はその傾向が顕著です。

移住先として人気のヨーロッパ国TOP5

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順位国名安全度スコア生活費指数特徴居住許可取得方法
1ポルトガル1.301/5 (7位)59.3/100温暖な気候、手頃な生活費、EU圏内移動の自由ゴールデンビザ (€250,000~)
2スイス1.357/5 (8位)123.5/100高い生活水準、優れた医療制度、政治的安定就労許可・投資家居住許可
3スペイン1.532/5 (27位)65.6/100温暖な気候、優れた医療制度、リラックスした生活様式ゴールデンビザ (€500,000~)
4オランダ1.560/5 (31位)87.2/100英語が広く通用、優れた交通インフラ、高い雇用機会高技能移民制度・起業家ビザ
5アイルランド1.312/5 (3位)83.5/100英語圏、友好的な人々、EU加盟国投資家・起業家プログラム
Global Peace Index 2024, Numbeo Cost of Living Index 2024, Global Citizen Solutions 2024を基に作成

ポルトガルは、欧州で最も人気のある移住先の一つです。

その魅力は、温暖な気候、比較的手頃な生活コスト、そして高い安全性にあります。

Global Peace Index 2024では世界で7位にランクされており、欧州の中でも特に安全な国として評価されています。

また、ポルトガルのゴールデンビザプログラムは、非EU市民に対して投資を通じた居住権を提供する制度として知られています。

ポルトガルへの移住を検討する際の大きなメリットは、EU圏内での自由な移動が可能になることです。

シェンゲン協定加盟国(オーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツなど29カ国)を自由に旅行できるようになります。

さらに、5年後には市民権の申請資格が得られる点も魅力的です。

スイスは、その高い生活水準と政治的安定性で知られています。

Global Peace Index 2024では世界8位にランクされ、特に個人の安全性、公衆衛生、インフラの安全性、環境安全性、デジタルセキュリティなどの面で高い評価を受けています。

生活費は他の欧州諸国より高い傾向にありますが、それに見合った高水準の生活環境が整っています。

スイスでの移住プロセスは他の欧州諸国と比べてやや複雑ですが、高技能の専門家向けの就労許可や投資家向けの居住許可プログラムがあります。

特に、金融やテクノロジー分野での雇用機会が豊富で、多言語環境(ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語)も魅力の一つです。

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スペインは、その温暖な気候と豊かな文化的魅力から、特に退職者や遠隔勤務者に人気の移住先です。

Global Peace Index 2024では27位にランクされています。

スペイン独自のライフスタイル、美しい海岸線、そして充実した医療システムが、多くの移住者を惹きつけています。

スペインのゴールデンビザプログラムは、非EU市民に対して50万ユーロ以上の不動産投資など複数の投資オプションを通じて居住権を提供します。

このビザの取得者は、スペイン国内での生活・就労権に加え、シェンゲン圏内での自由な移動も享受できます。

ただし、最近では不動産投資によるゴールデンビザの廃止に向けた動きがあり、投資要件が変更される可能性があります。

オランダは、英語が広く通用し、国際的なビジネス環境が整っていることから、キャリア志向の移住者に特に人気があります。

アムステルダムやロッテルダムなどの都市には活気あふれる国際コミュニティがあり、質の高い公共サービス、環境保護への強い取り組み、優れた医療や教育システムが整っています。

オランダへの移住は主に就労ビザや高技能移民制度を通じて行われます。

特にIT、物流、テクノロジー分野での雇用機会が豊富です。

生活費は都市によって大きく異なりますが、全体的に見ると欧州の他の主要都市と比較して中程度です。

アイルランドは、その友好的な文化と英語圏であることから、言語の壁を気にする移住者にとって魅力的な選択肢です。

Global Peace Index 2024では世界3位という高い安全性を誇り、EU加盟国でありながらも独自の文化的アイデンティティを保持しています。

アイルランドへの移住は主に就労許可や投資家・起業家プログラムを通じて行われますが、投資家向けのゴールデンビザプログラムは2023年に廃止されました。

それでも、質の高い教育システム、活気ある文化、そして拡大するテクノロジー産業が、多くの高技能労働者をこの国に惹きつけています。

移住先を選ぶ際には、安全性や生活の質に加え、現地の言語、雇用機会、税制、医療制度、そして長期的な居住要件なども考慮することが重要です。

また、各国の移民政策は定期的に変更される可能性があるため、最新の情報を常に確認する必要があります。

いずれの国を選ぶにしても、事前の訪問や短期滞在を通じて実際の生活環境を体験することをお勧めします。

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ヨーロッパ治安ランキングの実態

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  • 治安の悪い都市TOP5
  • 国別犯罪発生率の傾向
  • 主要都市の治安の違い
  • 日本人向け注意点とアドバイス
  • 日本との安全性比較

治安の悪い都市TOP5

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ヨーロッパ旅行を計画する際に、安全面は重要な考慮事項です。

ここでは、最新のデータに基づいて治安の悪いとされるヨーロッパの都市TOP5をご紹介します。

まずは結論から申し上げると、2025年の最新データによれば、ヨーロッパで最も治安が悪いとされる都市は英国のブラッドフォード、フランスのマルセイユ、英国のコベントリーとバーミンガム、そしてイタリアのナポリです。

これらの都市は犯罪指数(Crime Index)が高く、観光客や居住者の安全に影響を及ぼす可能性があります。

犯罪指数とは、世界最大のユーザー投稿型データベースであるNumberoが提供する指標で、0から100の間で評価されます。

この指標では、20未満は「非常に低い」、20〜40は「低い」、40〜60は「中程度」、60〜80は「高い」、80以上は「非常に高い」と分類されています。

ヨーロッパの治安の悪い都市TOP5(2025年)

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順位都市名国名犯罪指数安全指数主な犯罪タイプ
1ブラッドフォードイギリス66.333.7薬物取引・消費、窃盗
2マルセイユフランス65.834.2薬物取引、強盗、窃盗、暴力犯罪
3コベントリーイギリス65.434.6薬物犯罪、強盗、住居侵入
4バーミンガムイギリス64.535.5暴力犯罪、性犯罪、窃盗、強盗
5ナポリイタリア62.937.1マフィア関連犯罪、スリ、強盗、車両盗難
Numbeo Crime Index 2025、Tourism Review、TravelingLifestyleを基に作成

では、これらの都市について詳しく見ていきましょう。

第1位のブラッドフォードは、イギリス・ヨークシャー州にある都市で、薬物取引・消費に関連する犯罪が特に問題視されています。

また、窃盗や車上荒らしの発生率も高いとされています。

同都市では人口1000人あたり146件の犯罪が報告されており、その中でも暴力犯罪や性犯罪が最も多いとのことです。

第2位のマルセイユは、フランス南部に位置する港湾都市です。

この都市では薬物取引が盛んであり、複数の犯罪組織が活動していることが高い犯罪率の要因となっています。

スリ、クレジットカード詐欺、ひったくりなどが一般的な犯罪ですが、暴力犯罪も問題となっています。

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第3位のコベントリーは、イギリス中部のウェストミッドランズ地域にある都市です。

2021年のデータによると、コベントリーでは人口1000人あたり102件の犯罪が報告されています。

特に市の中心部にあるバーやナイトクラブが密集しているエリアでは、治安の問題が起きやすいとされています。

第4位のバーミンガムは、イギリス第二の都市であり、最も一般的な犯罪は暴力犯罪と性犯罪で、次いで窃盗と強盗、車両盗難が続きます。

コベントリー同様、薬物取引やストリートギャングの問題も依然として存在しています。

第5位のナポリは、イタリア南部の主要都市で、カモッラというイタリアのマフィアの発祥地であるカンパニア州の州都です。

ナポリではマフィア関連の犯罪が一般的で、密輸、汚職、恐喝、ゆすり、スリ、強盗、車両盗難などが発生しています。

イタリアの都市によって異なる治安状況や、旅行時の具体的な対策については「イタリアの治安の実態は?旅行前に知るべき情報と対策を完全ガイド」で詳しく解説していますので、イタリア旅行を計画している方は必ずチェックしてください。

安全に旅行するためのポイントがわかります。

ただし、いくつかの注意点もあります。

ブラッドフォードの地区司令官であるロブ・マッコーブリー警視正は、これらのランキングの方法論に疑問を呈し、「ブラッドフォードは住み、働き、訪れるのに安全な場所です」と述べています。

また、過去3年間でナイフ犯罪が19%、住居侵入が57%減少したと指摘しています。

こうしたランキングはあくまで参考情報として捉え、実際に訪問する際には最新の情報を確認し、基本的な安全対策を取ることが重要です。

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国別犯罪発生率の傾向

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ヨーロッパ各国の犯罪発生率は国によって大きく異なり、その傾向を把握することは旅行の安全対策に役立ちます。

ここでは2025年の最新データに基づき、ヨーロッパ諸国の犯罪発生率の傾向について詳しく解説します。

ここでまず注目すべきは、ヨーロッパ全体での犯罪傾向です。

Eurostat(欧州統計局)の最新データによれば、2022年にはEU全体で盗難事件が17.9%増加し、26カ国中25カ国で前年比増加が報告されています。

また性犯罪も10.3%増加し、長期的な上昇傾向が見られます。

ヨーロッパの犯罪指数上位10カ国

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順位国名犯罪指数安全指数主な犯罪傾向
1フランス55.444.6都市部での薬物犯罪、強盗が多い
2ベラルーシ49.850.2政治的抑圧関連の犯罪
3ベルギー49.450.6大都市圏での強盗、窃盗
4スウェーデン48.551.5都市部でのギャング関連犯罪
5モルドバ47.152.9組織犯罪、汚職
6ギリシャ47.053.0観光地でのスリ、詐欺
7イギリス46.953.1都市部での暴力犯罪、窃盗
8イタリア46.953.1組織犯罪、観光地でのスリ
9ウクライナ46.753.3紛争関連の犯罪
10アイルランド45.954.1都市部での窃盗、薬物犯罪
出典:Numbeo Crime Index 2025

なお、犯罪指数(Crime Index)とは、統計サイトNumberoが半年ごとに編集する0~100の範囲のスコアで、数値が低いほど好ましく、安全指数(Safety Index)は数値が高いほど好ましいとされています。

特筆すべきは、フランスが2025年のヨーロッパで最も犯罪指数が高い国となっていることです。

その指数は55.4で、特にマルセイユ、パリ、モンペリエなどの都市部で犯罪率が高いことが影響しています。

第2位のベラルーシは、前年から順位を下げているものの依然として高い犯罪指数を示しています。

2023年の56.4から2025年には49.8へと改善が見られます。

地域別に見ると、西ヨーロッパと東ヨーロッパで異なる傾向があります。

西ヨーロッパでは都市部における窃盗や強盗が主な問題である一方、東ヨーロッパでは組織犯罪や汚職に関連する犯罪が多い傾向にあります。

犯罪の種類に関しては、Eurostatの統計によれば、2022年にEU全体で発生した詐欺(サイバー関連詐欺を含む)は増加傾向にあり、データを提供した26カ国中19カ国で前年比増加が見られました。

また、13カ国が2016年から2022年までの期間で最高値を記録しています。

特に懸念されるのは家族間や親密なパートナーによる殺人事件の増加です。

2022年には女性の被害率が100万人あたり3.9人から4.3人に増加し、2015年から2022年の期間で最も高い2016年の水準に戻りました。

一方、男性の被害率は100万人あたり1.9人と変化がありませんでした。

北欧諸国に目を向けると、一般的に治安が良いと言われているものの、スウェーデンは犯罪指数48.5でヨーロッパ内では第4位となっています。

これは主に都市部でのギャング関連犯罪の増加が影響していると考えられます。

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対照的に、アイスランドは10年以上連続で世界で最も安全な国にランクされています。

人口が少なく(約34万人)、生活水準が高いこと、犯罪に対する社会的態度が厳しいこと、教育を受けた警察部隊があること、そして異なる経済的・社会的階級の人々の間に憎しみがないことが低犯罪率の要因とされています。

最後に、ヨーロッパのどの国を訪れる場合でも、一般的な安全対策を取ることが重要です。

特に観光客が多い都市では、スリやひったくりなどの小さな犯罪に注意し、貴重品の管理に気を配るようにしましょう。

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主要都市の治安の違い

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ヨーロッパを旅行する際に、各都市の治安状況を理解することは安全に旅を楽しむために重要です。

都市によって治安の特徴は大きく異なり、観光客が注意すべきポイントも様々です。

まず注目すべきは、ヨーロッパの都市間での安全性の格差です。

例えばマドリードは他の主要ヨーロッパ都市と比較して非常に安全であり、犯罪指数26.46、安全指数73.54を記録しています。

一方、ロンドンは犯罪指数54.57、安全指数45.43、パリは犯罪指数57.66、安全指数42.34となっています。

ヨーロッパ主要都市の安全性比較(2025年)

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順位都市名国名犯罪指数安全指数主な安全上の特徴
1サン・セバスティアンスペイン16.983.1窃盗、汚職、侵入、暴力犯罪がすべて稀
2レイキャビクアイスランド24.375.7犯罪率が非常に低く、暴力犯罪や窃盗、薬物関連犯罪も少ない
3チューリッヒスイス22.277.8スリや強盗の被害リスクが低く、テロや詐欺の危険性も低い
4アムステルダムオランダ27.073.0全体的に安全だが、特定の地区は夜間に注意が必要
5コペンハーゲンデンマーク25.674.4スリ、自然災害、強盗、テロ、詐欺のリスクが低い
30ロンドンイギリス54.645.4犯罪率が中程度で観光客向けの詐欺に注意
36パリフランス58.141.9観光客を狙ったスリが多い
44マルセイユフランス65.834.2フランス国内で最も危険な都市の一つ
出典:Numbeo Crime Index 2025、Global Peace Index、WayToStay、WorldWildSchooling

この表からわかるように、北欧や中欧の都市は総じて治安が良好である一方、一部の西欧や南欧の都市では犯罪率が高い傾向があります。

最も安全な都市としては、スペイン北部のサン・セバスティアンが挙げられます。

Numbeoの報告によれば、犯罪指数わずか16.9、安全指数83.1という優れた数値を記録しており、窃盗、汚職、住居侵入、暴力犯罪のいずれも稀です。

次に安全な都市として、アイスランドの首都レイキャビクが続きます。

人口約14万人のレイキャビクは、安全指数75.7を誇り、警察の効果的なコミュニティ重視の取り組みや高度な監視システムにより、低い犯罪率を維持しています。

実際、2023年のグローバル・ピース・インデックス(Global Peace Index)では、レイキャビクは世界で最も安全な都市として評価されています。

スイスのチューリッヒも高い安全性を誇る都市です。

安全指数77.8を持つチューリッヒは、約140万人が住む金融の中心地でありながら、効率的な警察システムや緊急サービスの迅速な対応(救急車の平均応答時間は約6分)により、安全な環境を提供しています。

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一方で、治安に課題がある都市も存在します。

例えばフランスのパリは、特に観光客を狙った軽犯罪が課題となっています。

エッフェル塔、ルーブル美術館、シャンゼリゼ通りなどの観光スポットは、特にスリが多発する場所として知られています。

ロンドンも観光客には注意が必要な都市です。

犯罪指数54.57と安全指数45.43を記録しており、パリほどではないものの、観光地を中心にスリや詐欺の被害に遭うリスクがあります。

イタリアのローマは、過去に比べて安全性が向上していますが、特にトレヴィの泉などの混雑した観光スポット周辺では警戒が必要です。

主に観光客を狙った詐欺師に注意が必要で、コロッセオなどの観光スポット周辺で無料のギフトやサービスを提供するふりをして、後で支払いを要求するケースがあります。

都市間の安全性の違いには様々な要因があります。

北欧諸国の都市が安全である理由としては、社会的平等や福祉制度の充実、効果的な法執行などが挙げられます。

例えばコペンハーゲンは、スリ、自然災害、強盗、テロ、詐欺のリスクが全体的に低いとされています。

旅行者として注意すべき点は、都市によって異なります。

例えばアムステルダムでは、特に夜間に危険性が増す地区(ビルマーミアやニーウェンダマーハムなど)を避け、レッドライト地区への夜間の単独訪問には注意が必要です。

これらの地区は通常、観光客がホテルを取るエリアとは離れています。

時間帯別の安全性も都市により異なります。

昼間はほとんどの主要都市で安全に観光できますが、夜間は特に注意が必要です。

特にバルセロナやパリなどの大都市では、夜間の公共交通機関や人通りの少ない地域での単独行動は避けるべきです。

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日本人向け注意点とアドバイス

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ヨーロッパ旅行を計画している日本人観光客にとって、現地の治安状況を理解し、適切な対策を取ることは重要です。

日本と比べて犯罪率が高い地域もあるため、特に注意すべきポイントを紹介します。

まず認識しておくべきは、日本とヨーロッパでは治安面での大きな違いがあることです。

ヨーロッパの多くの都市では、特に観光客が集まる場所でスリや置き引きが頻繁に発生します。

これらの犯罪は単独ではなく、組織化された集団によって行われることが多く、特に観光シーズンのピーク時には活動が活発になります。

日本人観光客が注意すべきヨーロッパの犯罪タイプと対策

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犯罪タイプ主な発生場所対策
スリ・置き引き観光スポット、公共交通機関、混雑した市場や広場貴重品は分散して所持、マネーベルトの活用、大金や高価な物を見せない
偽の署名活動主要観光地周辺見知らぬ人からの署名依頼には応じない。慈善活動を装った詐欺の可能性あり
偽警官による詐欺観光地周辺身分証明を求められても財布を渡さない。正規の交番や警察署での対応を依頼する
「落とし物」詐欺歩道や観光地地面に落ちている指輪やアクセサリーを拾うよう促してくる人物に注意
飲み物への薬物混入ナイトクラブ、バー、繁華街飲み物から目を離さない。見知らぬ人からの飲み物は受け取らない
出典:Rick Steves Travel Tips、Embassy World、Travel Canada

特に日本人観光客が陥りやすい状況について詳しく見ていきましょう。

日本人観光客特有の問題として「パリ症候群」と呼ばれる現象が知られています。

これは、メディアやポップカルチャーで理想化されたヨーロッパの都市のイメージと、実際の都市環境とのギャップによって引き起こされる強い失望感や文化的ショックのことです。

言語の壁、コミュニケーションスタイルの違い、日本とは異なる社会的規範などが要因となります。

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日本人観光客に特に重要な安全対策としては、以下のポイントが挙げられます:

  • 言語対策:言語の壁は大きな不安要素となりますが、近年は英語を話す人が増えています。身振り手振りやGoogle翻訳などのツールを活用し、簡単な文章を翻訳できるようにしておくと良いでしょう。 ヨーロッパの主要都市では、日本語対応の緊急ホットラインや観光案内所も増えています。事前に現地の日本大使館や総領事館の連絡先を控えておくことをお勧めします。
  • 貴重品の管理:ヨーロッパでは、マネーベルト(服の下に着用するポーチ)を使用することが強く推奨されます。これは本当に大切なもの(パスポート、余分な現金、クレジットカード)を安全に保管するのに役立ちます。 また、貴重品を複数の場所に分散して持ち歩くことも有効な対策です。
  • パスポートの扱い:外出時には、パスポートのコピーと運転免許証などの身分証明書を携帯し、原本はホテルのセーフティボックスに保管するのが一般的です。ただし、一部の国では原本の携帯が必要な場合もあるため、現地の法律を確認しておきましょう。
  • 注意すべき状況:特に警戒が必要なのは、公共交通機関の中、観光スポット周辺、混雑した市場や広場です。何かの騒動や混乱が起きた場合は特に注意してください。
  • 文化的違いの理解:日本とヨーロッパでは社交性の基盤が異なります。日本では集団の一員であることが重視されますが、ヨーロッパでは個人主義的な傾向が強く、フランス人などは気分の表現が豊かで、それが日本人には誤解される可能性があります。

日本国内では、観光地で忘れ物をしても無事に返ってくることが多いですが、ヨーロッパではそうとは限りません。

特に混雑した観光地では、スリやバッグのひったくりが日常的に発生している地域もあります。

自己防衛のために、旅行前に現地の一般的な詐欺手法について調査しておくと良いでしょう。

また、スマートフォンの位置追跡機能を活用したり、貴重品にGPS追跡デバイスを取り付けることも検討できます。

もし実際に犯罪被害に遭った場合は、最寄りの警察署で被害届を提出することが重要です。

場合によっては外国人に対して被害届の作成に消極的な警察官もいるかもしれませんが、その場合は日本大使館や総領事館に支援を求めることができます。

また、緊急時に備えて、スマートトラベラー登録プログラム(STEP)などの各国が提供している旅行者向け安全サービスに登録しておくことも検討してください。

これにより、緊急時に大使館からの連絡を受け取りやすくなります。

最後に、ヨーロッパ旅行中は常に状況を把握し、直感を信じることが大切です。

不審に感じる状況からは速やかに離れ、安全な場所で状況を再評価しましょう。

これらの対策を講じることで、より安全で楽しいヨーロッパ旅行が実現できます。

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日本との安全性比較

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ヨーロッパ旅行を検討する日本人にとって、日本と比較した場合の治安状況を理解しておくことは重要です。

ここでは、客観的なデータに基づいて、日本とヨーロッパ主要国の安全性を比較します。

まず全体像としては、日本は世界的に見ても非常に安全な国として知られています。

OECDによれば、犯罪の中でも殺人率(人口10万人あたりの殺人件数)は、他の犯罪と違って報告漏れが少ないため、国の安全レベルをより正確に測る指標となります。

この指標で比較すると、日本と欧州諸国の間には明確な差があります。

日本と主要ヨーロッパ諸国の安全性比較(2024年最新データ)

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国名殺人率(10万人あたり)犯罪指数(低いほど安全)安全指数(高いほど安全)夜間一人歩きで安全と感じる割合
日本0.321.378.780%
フランス1.255.444.666%
イギリス1.146.853.269%
ドイツ0.938.561.573%
イタリア0.546.953.173%
スペイン0.732.667.478%
EU平均1.041.258.874%
出典:Numbeo Crime Index 2025、OECD Better Life Index、UNODC

この表からわかるように、日本の殺人率は非常に低く、国連薬物犯罪事務所(UNODC)の2013年の統計によれば、人口10万人あたり0.3件と世界的にも最低レベルとなっています。

一方、ヨーロッパ諸国の平均は約3.0とアジア地域の平均(2.3)よりもやや高い水準です。

次に、犯罪の種類別に日本とヨーロッパを比較してみましょう。

犯罪種類別の比較(人口10万人あたりの件数、2024年)

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犯罪種類日本フランスイギリスドイツイタリアスペイン
殺人0.31.21.10.90.50.7
強盗1.8153.387.252.345.8132.5
窃盗(自動車)23.1241.9112.483.5244.2102.6
性犯罪11.262.386.442.125.737.9
暴行18.5385.2502.7157.3113.292.8
出典:UNODC、Eurostat、日本警察庁統計

この表から、特に強盗や窃盗の発生率において、日本とヨーロッパ諸国の間に大きな差があることがわかります。

例えば、フランスの強盗発生率は日本の85倍以上になります。

また、自動車窃盗に関しては、イタリアやフランスが特に高い数値を示しています。

ただし、日本でも犯罪状況は変化しており、2023年の日本の犯罪発生件数は前年比で10万件以上増加して703,351件となり、2年連続の増加となりました。

特に窃盗が全体の約70%を占め、詐欺や薬物関連の犯罪も増加しています。

それでも全体的には、国際比較の観点からは日本の犯罪率は低い水準を維持しています。

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日本とヨーロッパの安全性の違いを生み出している要因としては、以下のようなものが考えられます:

  • 銃規制の違い:日本は銃器の所持に関して非常に厳しい規制を行っています。これに対し、ヨーロッパ諸国でも銃規制は比較的厳しいものの、日本ほどではありません。
  • 社会的要因:日本社会における集団意識の強さや規範意識の高さも、低犯罪率の一因と考えられています。
  • 警察と司法制度:日本の警察は解決率が高く、1989年には強盗事件の75.9%、殺人事件の95.9%を解決しています。また、日本の司法制度は厳格で、犯罪に対する抑止力となっています。

実際の旅行者にとっての安全性という観点からは、観光客が実際に直面する可能性が高いのは暴力犯罪よりもスリや置き引きなどの軽犯罪です。

この点においても、日本は世界的に見ても発生率が低い国の一つです。

なお、夜間一人で歩く際に安全と感じる人の割合については、日本は約80%と高い数字を示していますが、ヨーロッパの中でもスペインなどは比較的高い数値(78%)を示しています。

一方、フランスでは約66%と比較的低めの数値となっています。

地域別に見ると、ヨーロッパの犯罪率は歴史的に大幅に減少しています。

13世紀から14世紀の西ヨーロッパでは、殺人率が人口10万人あたり10件を超えており、イタリアでは70件にも達していました。

現在は約1件と、当時の10分の1以下になっています。

日本人旅行者がヨーロッパを訪れる際は、日本よりも犯罪リスクが高いことを認識し、特に観光地や公共交通機関での窃盗や強盗に注意することが大切です。

ただし、これは過度に警戒する必要があるということではなく、基本的な安全対策を取れば、ヨーロッパも十分に安全に楽しむことができる地域です。

ヨーロッパの国と都市の治安ランキングとその特徴 総まとめ

  • Global Peace Indexによるとヨーロッパは世界で最も平和な地域である
  • 2024年の安全な国TOP5はアイスランド、アイルランド、オーストリア、スイス、ポルトガルである
  • アイスランドは2008年のGPI開始以来、最も平和な国の地位を維持している
  • 安全な都市TOP5はレイキャビク、コペンハーゲン、チューリッヒ、ウィーン、ヘルシンキである
  • レイキャビクは非常に低い犯罪率とフレンドリーな住民で知られている
  • 女性一人旅に安全な都市TOP5はレイキャビク、コペンハーゲン、ヘルシンキ、オスロ、リュブリャナである
  • 学生に人気の安全な都市TOP5はミュンヘン、アムステルダム、コペンハーゲン、ウィーン、リュブリャナである
  • 移住先として人気の国TOP5はポルトガル、スイス、スペイン、オランダ、アイルランドである
  • 治安の悪い都市TOP5はブラッドフォード、マルセイユ、コベントリー、バーミンガム、ナポリである
  • 犯罪指数が高い国はフランス、ベラルーシ、ベルギー、スウェーデン、モルドバの順である
  • 2024年にはEU全体で盗難事件が17.9%増加し、性犯罪も10.3%増加している
  • 北欧諸国は社会的平等や福祉制度の充実により安全性が高い傾向にある
  • 日本の犯罪率はヨーロッパと比較して全般的に低いレベルにある
  • 日本人観光客はパリ症候群と呼ばれる文化的ショックに注意が必要である
  • ヨーロッパでは観光客を狙ったスリや置き引きが主な注意点である
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