この記事では、インターラーケンからツェルマットへの最適なアクセス方法を、あらゆる角度から詳しくご紹介します。
最もおすすめの列車移動を中心に、具体的な所要時間、料金の目安、乗り換えのポイント、さらには車での移動との比較も行い、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
スイスが誇る効率的で快適な鉄道網を利用すれば、壮大なアルプスのパノラマを眺めながら、スムーズに目的地へ到着できます。
また、スイストラベルパスやハーフフェアカードといったお得なチケット情報や、その選び方、SBBの便利なアプリやウェブサイトを使った時刻検索術も網羅しています。
ツェルマットは環境に配慮したガソリン車乗り入れ禁止のリゾート地であるため、列車でのアクセスが非常に合理的です。
旅の準備に役立つ季節ごとのアドバイス、乗り換え駅でのちょっとした観光情報、手荷物の扱い方、そして実際に旅行した方々の貴重な体験談まで、あなたの旅がより快適で思い出深いものになるよう、必要な情報をぎゅっと詰め込みました。
- 最適な移動手段(主に列車)とその具体的な所要時間やルート
- 列車の運賃目安や、スイストラベルパスなどのお得なチケット情報
- 季節ごとの気候の違いと、それに合わせた旅の準備や注意点
- 乗り換えのコツや手荷物の扱い方など、スムーズな移動のためのヒント
インターラーケンからツェルマットへの最適ルート

- 結論:列車で最短約2時間50分~
- 列車VS車徹底比較!時間・料金・景色
- 列車の乗り換えと時刻検索術
- 絶景!氷河特急の魅力と予約方法
- お得なパスは?チケット選び徹底解説
結論:列車で最短約2時間50分~

インターラーケンからツェルマットへのご移動をお考えでしたら、列車を利用するのが最も便利でおすすめです。
快適な列車の旅では、スイスの壮大な景色を眺めながら、最短で約2時間50分ほどで目的地に到着できます。
費用は購入時期やご利用になるパスの種類、座席クラスによって変動しますが、一般的な目安としては片道CHF 80~CHF 150程度(2等車、定価の場合。2025年5月時点)を見ておくと良いでしょう。
列車をおすすめする主な理由は、その速さと効率性、そして何よりも車窓からの素晴らしい眺めにあります。
スイスの鉄道網は非常に発達しており、インターラーケン・オスト駅からツェルマット駅まで、通常は2回の乗り換え(シュピーツ駅とフィスプ駅)でスムーズにアクセス可能です。
乗り換え時間も考慮されたダイヤが組まれていることが多く、ストレスを感じることは少ないでしょう。
また、ツェルマットはガソリン車の乗り入れが禁止されている環境に配慮したリゾート地です。
そのため、お車で向かう場合でも、手前のテッシュ(Täsch)という村で駐車場に車を停め、そこからシャトル列車でツェルマットへ入る必要があります。
最初から列車を選択すれば、そのような手間もなく、直接ツェルマットの中心部へ到着できるため合理的です。
具体的に列車の旅程を見てみましょう。多くの場合、以下のルートで移動します。
- インターラーケン・オスト(Interlaken Ost)駅 出発
- シュピーツ(Spiez)駅 到着・乗り換え
(所要時間 約20分) - フィスプ(Visp)駅 到着・乗り換え
(シュピーツからの所要時間 約25~30分、レッチュベルクベーストンネル経由の場合) - ツェルマット(Zermatt)駅 到着
(フィスプからの所要時間 約1時間10分)
各区間の乗車時間は比較的短く、乗り換えも分かりやすい駅がほとんどです。
特にフィスプ駅は近代的な乗り換えハブ駅として機能しています。
他の移動手段と比較した場合の列車のメリット・デメリットを簡単にまとめました。
移動手段 | 所要時間目安 (ドアtoドア) | 費用目安 (片道/1人) | メリット | デメリット |
列車 | 約2時間50分~3時間30分 | CHF 80~150 (定価) | 速い、快適、景色が良い、ツェルマットへ直接アクセス、環境負荷低い | 乗り換えの手間(2回)、時期や時間帯による混雑の可能性 |
車(レンタカー等) | 約2時間30分~3時間 (テッシュまで) + シャトル列車約12分 | レンタカー代、ガソリン代、駐車料金 (CHF 16~/日)、シャトル列車 (CHF 16.40~/往復) | 自由度が高い、荷物の運搬が楽(テッシュまで) | ツェルマット乗り入れ不可、冬季の雪道運転リスク、駐車料金、環境負荷が高い |
専用送迎サービス | 約2時間30分~3時間 | CHF 400~ (車両一台あたり、サービスにより大きく変動) | ドアツードアで非常に楽、プライベート空間 | 非常に高コスト |
これらの情報を総合的に考えると、インターラーケンからツェルマットへの移動は、時間、費用、快適性、そして環境への配慮といった複数の観点から列車が最もバランスの取れた選択肢と言えます。
特にスイスの美しい風景を存分に楽しみたい方、効率的に移動したい方にとっては最適な手段となるでしょう。
スイストラベルパスやハーフフェアカードといった割引パスを利用すると、さらに経済的に旅行できる可能性がありますので、これらについては後ほど詳しくご説明します。
情報参照元:
- スイス国鉄 (SBB) 公式サイト: https://www.sbb.ch/
- ツェルマット公式サイト (テッシュ駐車場・シャトル列車情報): https://www.zermatt.ch/
- 一般的なレンタカー料金比較サイトや専用送迎サービス提供会社の情報
- 筆者の体験
列車VS車徹底比較!時間・料金・景色

インターラーケンからツェルマットへの移動手段として、多くの方が列車か車(レンタカーなど)を検討されることでしょう。
どちらの手段にも一長一短があり、ご自身の旅行スタイルや優先順位によって最適な選択は異なります。
ここでは「時間」「料金」「景色」そして「利便性」の観点から、それぞれの特徴を詳しく比較していきます。
まず、移動にかかる時間について見てみましょう。
列車の場合、インターラーケン・オスト駅からツェルマット駅まで、乗り換えを含めておおよそ2時間50分から3時間30分程度です。
ダイヤは比較的正確で、計画を立てやすいのが利点と言えます。
一方、車の場合はインターラーケンからツェルマット手前の村テッシュ(Täsch)まで、地図上の距離は約80kmからルートによっては100kmを超え、所要時間は休憩なしで約2時間から2時間30分ほどが目安となります。
ただし、これは交通状況がスムーズな場合であり、観光シーズンや週末は道路が混雑することもあります。
そして重要な点として、前述の通りツェルマット村内はガソリン車の乗り入れが禁止されているため、テッシュで車を駐車場に停め、そこからシャトル列車で約12分かけてツェルマットへ入る必要があります。
このシャトル列車への乗り換え時間や待ち時間も考慮すると、総移動時間は列車と大差ないか、むしろ少し長くかかるケースも考えられます。
次に、多くの方が気になる料金についてです。
列車の正規運賃は、インターラーケン・オスト駅からツェルマット駅まで2等車片道でCHF 80からCHF 150程度が目安となります(2025年5月時点のSBBウェブサイト参照、購入タイミングや予約状況により変動します)。
スイストラベルパスやハーフフェアカードなどの割引パスを利用すれば、この金額より抑えることが可能です。
車の場合、費用は複数の要素から成り立ちます。
- レンタカー代:
車種や保険内容、レンタル期間により大きく異なりますが、コンパクトカーで1日あたりCHF 50~CHF 150程度からが一般的です。 - ガソリン代:
スイスのガソリン価格と走行距離(往復約160km~200km以上)によりますが、CHF 30~CHF 50程度は見込む必要があるでしょう。 - 高速道路料金:
スイスの高速道路の利用にはヴィニエット(年間ステッカー、CHF 40)が必要ですが、レンタカーには通常付いています。 - テッシュの駐車料金:
1日あたりCHF 16程度からです。数日滞在する場合はそれなりの金額になります。 - テッシュ~ツェルマット間のシャトル列車料金:
往復で大人1人あたりCHF 16.40(2025年5月時点、Matterhorn Gotthard Bahn ウェブサイト参照)です。
これらを合計すると、1名での旅行の場合は列車の方が安価に収まることが多いでしょう。
しかし、3~4名のグループで荷物が多い場合などは、総額では車の方が割安になる可能性も出てきます。
そして、旅の大きな楽しみである景色についてです。
列車での移動は、スイスの壮大な景色をリラックスしながら満喫できるのが最大の魅力の一つです。
特にシュピーツからフィスプへ向かう路線や、フィスプからマッターホルン・ゴッタルド鉄道に乗り換えてツェルマットへ至る谷間の風景は素晴らしく、大きな窓から迫力ある山々や美しい渓谷を眺めることができます。
車の場合、運転手は運転に集中する必要がありますが、同乗者は景色を楽しめます。
また、道中気になった場所に自由に立ち寄れるというメリットがあります。
しかし、主要な幹線道路はトンネル区間も多く、必ずしも常に絶景が広がっているわけではありません。
以下の表に、各項目を簡潔にまとめました。
比較項目 | 列車 | 車(テッシュまで + シャトル列車) | 備考 |
所要時間 | 約2時間50分~3時間30分 | 約2時間~2時間半(テッシュまで) + シャトル約12分 + 乗り換え時間 | 交通状況により変動。車は渋滞リスクあり。 |
料金(1人目安) | CHF 80~150(定価) | レンタカー・ガソリン代(分割可) + 駐車代 + シャトル代。総額は人数や条件で大きく変動。 | スイストラベルパス等で列車は割引可。車は複数人だと割安になる可能性。 |
景色 | ◎ パノラマウィンドウから満喫 | △ 運転手は集中。同乗者は楽しめる。途中の寄り道は自由。 | 列車はリラックスして車窓を楽しめる。 |
快適性・利便性 | ○ 車内で自由に過ごせる。トイレ有。ツェルマット駅直結。 | △ 運転の必要。テッシュで必ず乗り換え。冬季の雪道運転は注意。 | 列車は乗り換えがあるが、総合的な手間は少ない。 |
荷物 | △ 大きな荷物は混雑時や乗り換え時にやや大変なことも。 | ◎ テッシュまでなら積載自由。 | 車は荷物が多い場合に有利。 |
環境負荷 | 低 | 中~高(車種による) | 環境意識が高いなら列車が望ましい。 |
このように、列車と車にはそれぞれ異なる特徴があります。
スイスならではの鉄道旅行を体験し、車窓からの景色を存分に楽しみたい方、環境への配慮を重視する方、そして何よりツェルマットへ直接アクセスしたい方には列車がおすすめです。
一方で、道中の自由度を最大限に活かしたい方、スイス国内の他の地域も車で周遊する計画の一部である方、大人数や多くの荷物を持って移動する方にとっては、車(テッシュまで)も有効な選択肢となります。
ただし、その場合は冬季の運転条件やツェルマットの交通規制を事前にしっかり確認しておくことが不可欠です。
また、スイス滞在中の様々な場面で必要になるのがスイスフランです。
日本円からスイスフランへの両替は、どこでどのように行うのが最もお得で安心なのでしょうか。
その具体的な方法や手数料比較、注意点については「旅行前に必ず知っておくべきスイスフラン両替のおすすめ攻略術」が役立ちますので、出発前に確認しておくと良いでしょう。
情報参照元:
- スイス国鉄 (SBB) 公式サイト: https://www.sbb.ch/
- Matterhorn Gotthard Bahn (MGBahn) 公式サイト: https://www.matterhorngotthardbahn.ch/
- ツェルマット観光局公式サイト: https://www.zermatt.ch/
- スイスのレンタカー比較サイトやガソリン価格情報サイト
- スイス高速道路ヴィニエットについて(スイス連邦税関国境警備局): https://www.bazg.admin.ch/bazg/en/home/information-individuals/documents-for-travellers-and-road-taxes/vignette-autobahngebuehren.html
- 筆者の体験
列車の乗り換えと時刻検索術

左下:Spiez駅 右下:Zermatt駅
インターラーケンからツェルマットへ列車で向かう際には、通常2回の乗り換えが発生します。
しかし、スイスの鉄道システムは旅行者にとって非常に分かりやすく設計されているため、事前の準備と少しのコツを掴めば、初めての方でも安心して乗りこなすことができます。
ここでは、主な乗り換え駅のポイントと、便利な時刻検索の方法について具体的にご案内します。
まず、インターラーケン・オスト(Interlaken Ost)駅が旅の出発点です。
ここから最初の乗り換え地であるシュピーツ(Spiez)駅へ向かいます。
シュピーツ駅に到着したら、次に乗車するフィスプ(Visp)行きの列車の出発ホームを確認しましょう。
スイスの駅では、電光掲示板に列車の行き先、発車時刻、経由地、そして重要な「プラットホーム番号(Gleis/Voie)」が明瞭に表示されています。
乗り換え時間は通常5分から15分程度確保されていますが、SBBの公式アプリやウェブサイトで事前に確認しておくと、より落ち着いて行動できます。
続いての乗り換えはフィスプ(Visp)駅です。
ここは近代的なターミナル駅で、ツェルマットへ向かうマッターホルン・ゴッタルド鉄道(MGBahn)への乗り換え拠点となります。
MGBahnの列車は赤と白の鮮やかな車体が特徴的です。
フィスプ駅でも同様に、電光掲示板でツェルマット行きの列車の出発ホームを確認します。
MGBahnのホームは、SBBの長距離列車が発着するホームと隣接しているか、専用のセクターやプラットホーム(例えば1番線や10番線など、駅によって異なります)に設けられていることが多いです。
案内表示に従って進めば迷うことは少ないでしょう。
乗り換えをスムーズに行うための一般的なヒントをいくつかご紹介します。
- ホームの確認: 駅に到着する前や到着後すぐに、次の列車の出発ホームを電光掲示板で確認します。
- セクター表示の活用: スイスの駅ホームには「セクター(A, B, C, Dなど)」という区分があり、電光掲示板には予約した座席クラス(1等車/2等車)の車両がどのセクターに停車するかが表示されます。これを参考にすることで、列車到着時に適切な乗車位置で待つことができます。
- 乗降時のドア操作: 列車のドアは自動で開かないことがあります。その場合は、ドア付近にあるボタンを押すか、ハンドルを手前に引いて開けてください。
- 荷物への配慮: 大きなスーツケースなどをお持ちの場合は、乗り降りに時間がかかることを想定し、早めに乗降口へ移動しておくと安心です。
次に、旅の計画に不可欠な時刻検索の方法です。最も信頼性が高く便利なのは、スイス国鉄(SBB)の公式ツールです。
【SBB Mobileアプリ(スマートフォン向け)】
このアプリは非常に高機能で、スイス国内のほぼ全ての公共交通機関の時刻検索、遅延情報確認、そしてチケット購入まで可能です。
- お使いのスマートフォンに「SBB Mobile」アプリをダウンロードし、インストールします。
- アプリを起動し、検索画面(通常は「Timetable」や時計のアイコン)を開きます。
- 「From」(出発地)に「Interlaken Ost」、「To」(目的地)に「Zermatt」と入力します。
- 出発したい「Date」(日付)と「Time」(時刻)を指定します。到着希望時刻からの逆算検索も可能です。
- 「Search」(検索)ボタンをタップすると、候補となるルートが複数表示されます。
- 各ルートには、所要時間、乗り換え回数、乗り換え駅、出発・到着時刻、そして利用可能な場合はリアルタイムでのプラットホーム番号も表示されます。ルートをタップすると、乗り換えの詳細(乗り換え時間、各区間の列車番号など)を確認できます。
【SBB公式ウェブサイト (https://www.sbb.ch/)】
パソコンから検索する場合は、SBBの公式ウェブサイトが便利です。
- ウェブブラウザでSBBの公式サイトを開きます。
- トップページにある時刻表検索欄に、同様に「From」(出発地)、「To」(目的地)、日付、時刻を入力します。
- 「Search connection」(接続を検索)ボタンをクリックすると、アプリと同様に詳細なルート情報が表示されます。
- ウェブサイトからもチケットの購入が可能です。スイストラベルパスなどの割引を適用する場合は、適切なオプションを選択してください。
これらの検索ツールを利用する際は、正確な駅名(例: Interlaken Ost, Spiez, Visp, Zermatt)を入力することが大切です。
事前にこれらのツールで検索し、いくつかの候補ルートを把握しておけば、当日の移動がぐっとスムーズになります。
特に観光シーズンや週末は列車が混み合うこともあるため、余裕を持った計画を立てることをお勧めします。
情報参照元:
- スイス国鉄 (SBB) 公式サイト: https://www.sbb.ch/
- Matterhorn Gotthard Bahn (MGBahn) 公式サイト: https://www.matterhorngotthardbahn.ch/
- 筆者の体験
絶景!氷河特急の魅力と予約方法

「氷河特急(Glacier Express)」と聞くと、スイスの雄大な景色をゆったりと楽しむ豪華な列車の旅を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
インターラーケンからツェルマットへ直接「氷河特急」が運行しているわけではありませんが、そのルートの一部区間の美しい景色は、通常の列車を利用する際にも十分に堪能することができます。
また、もし旅の日程に余裕があれば、ツェルマットを基点として「氷河特急」に乗車し、スイスアルプスを横断する特別な体験をするのも素晴らしい選択です。
まずご理解いただきたいのは、「氷河特急」はツェルマットとサンモリッツ(またはダヴォス・プラッツ)という二大山岳リゾートを結ぶ、約8時間かけて運行される特別な観光列車であるという点です。
インターラーケンからツェルマットへの移動には、前述の通りSBB(スイス国鉄)とMGBahn(マッターホルン・ゴッタルド鉄道)の列車を乗り継ぐのが一般的で、このルートのフィスプ(Visp)からツェルマットまでの区間は、「氷河特急」も同じ線路を走行します。
つまり、この区間では、通常の列車に乗りながらも「氷河特急」が通過するのと同じ壮大なマッター谷の風景、深い渓谷や山々の迫力ある眺めを楽しむことができるのです。
MGBahnの通常の列車も、大きな窓を備えた快適な車両が多く、車窓からの景色を存分に満喫できるよう配慮されています。
もし、「氷河特急」そのものの特別な体験を望まれるのであれば、ツェルマットに到着した後、あるいはツェルマットへ向かう前に、旅程に組み込むことを検討してみてはいかがでしょうか。
例えば、ツェルマットからブリークやアンデルマット、クールを経由してサンモリッツ方面へ向かうルートでは、天井まで届く大きなパノラマウィンドウから、息をのむようなアルプスの絶景を堪能できます。
「氷河特急」の主な魅力と特徴
特徴項目 | 氷河特急(Glacier Express) | 通常列車(MGBahn フィスプ~ツェルマット区間) |
車両 | 天井まで広がるパノラマウィンドウが特徴 | 大きな窓を備えた快適な車両が多い |
座席指定 | 全席指定(乗車券とは別に座席指定料が必須) | 不要(自由席が基本、一部予約可能な場合あり) |
追加料金の目安 | 座席指定料 CHF 44~CHF 49程度(2025年5月時点、季節・クラスにより変動) | なし(通常の乗車券やスイストラベルパス等で乗車可) |
車内サービス | 景観案内(オーディオガイド)、食事サービス(有料・要予約)など充実 | 車内販売や簡単な供食サービスがある場合も(列車による) |
運行本数 | 1日数本(季節により異なる) | 比較的多い(30分~1時間間隔程度) |
主な目的 | スイスアルプスの絶景を約8時間かけて横断する観光列車 | 地域住民や観光客の一般的な移動手段 |
【「氷河特急」の予約方法】
「氷河特急」に乗車するには、乗車券(スイストラベルパスなども有効です)の他に、必ず座席指定券が必要です。
- 公式サイトでの予約:
「氷河特急」の公式サイト(https://www.glacierexpress.ch/)からオンラインで予約するのが最も確実で便利です。
希望の乗車日、区間、人数、座席クラス(1等、2等、またはエクセレンスクラス)を選択し、クレジットカードなどで決済します。 - 予約時期:
特に人気のシーズン(夏や冬のピーク時)は数ヶ月前から予約が埋まり始めることもあるため、早めの予約をおすすめします。
遅くとも数週間前には手続きを済ませておくと良いでしょう。 - 座席指定料:
前述の通り、乗車区間やクラス、季節によって異なりますが、CHF 44からCHF 49程度が一般的な目安です(2025年5月時点)。
エクセレンスクラスはさらに高額な追加料金とサービスが含まれます。 - 食事の予約:
車内でランチを楽しみたい場合は、座席予約と同時に食事も予約できます。
インターラーケンからツェルマットへの移動においては、まず通常の列車でその美しい道のりを体験し、もし「氷河特急」の特別な旅に興味が湧いたなら、ツェルマットを拠点に、あるいは旅の別の機会に、この世界的に有名なパノラマ列車での旅を計画に加えてみてはいかがでしょうか。
どちらの選択も、スイスの素晴らしい自然を心ゆくまで楽しむことができるでしょう。
情報参照元:
- 氷河特急(Glacier Express)公式サイト: https://www.glacierexpress.ch/
- マッターホルン・ゴッタルド鉄道(Matterhorn Gotthard Bahn)公式サイト: https://www.matterhorngotthardbahn.ch/
- スイス国鉄(SBB)公式サイト: https://www.sbb.ch/
- 筆者の体験
お得なパスは?チケット選び徹底解説

インターラーケンからツェルマットへの列車移動を含むスイス旅行では、交通費が気になる点の一つかもしれません。
スイスの鉄道運賃は日本と比較して高めに感じられることがありますが、旅行者向けに様々な種類の割引パスやお得なチケットが用意されています。
これらを上手に活用することで、交通費を賢く節約し、より快適な旅を楽しむことができます。
ご自身の旅行プランや滞在日数、移動の頻度に合わせて最適な選択肢を見つけましょう。
ここでは、主なパスとチケットの種類、それぞれの特徴やメリット・デメリット、そしてどのような旅行スタイルの方におすすめかをご紹介します。
スイストラベルパス (Swiss Travel Pass)
スイス国内の広範囲な鉄道、バス、湖船が指定期間中乗り放題になる、まさにオールインワンのパスです。
- 特徴・メリット:
- 連続使用タイプ(3日間、4日間、6日間、8日間、15日間)と、1ヶ月の有効期間内に任意の日にちを選んで使えるフレキタイプがあります。
- ほとんどの公共交通機関が乗り放題になるため、いちいちチケットを購入する手間が省けます。
- リギ、シュタンザーホルン、シュトースといった一部の山岳交通が無料になるほか、ユングフラウヨッホやティトリスなど多くの山岳鉄道・ロープウェイで50%割引(一部25%割引)が適用されます。
- 全国約500ヶ所の美術館・博物館に無料で入場できる特典も付いています。
- インターラーケンからツェルマットへの列車も、このパスの有効範囲内です。
- 25歳未満の方向けのユース割引があります。
- デメリット・注意点:
- 短期間の滞在で移動が少ない場合や、山岳交通をあまり利用しない場合は、元が取れず割高になることがあります。
- 氷河特急などの特別な観光列車では、別途座席指定料が必要です。
- こんな人におすすめ:
スイス国内を広範囲に周遊する予定の方、多くの都市や山岳リゾートを訪れたい方、美術館巡りも楽しみたい方。 - 料金目安 (2025年5月時点):
大人2等、連続使用3日間でCHF 249から。料金はSBB公式サイトなどでご確認ください。
ハーフフェアカード (Swiss Half Fare Card)
購入すると、スイス国内のほぼ全ての鉄道、バス、湖船、そして多くの山岳交通のチケットが半額で購入できるカードです。
- 特徴・メリット:
- 旅行者向けの「Swiss Half Fare Card」は1ヶ月間有効です。
- スイストラベルパスを購入するほど頻繁には移動しないものの、ある程度の距離を移動する方や、高額な山岳交通を利用する予定がある場合に有効です。
- 個々のチケットを半額で購入できるため、旅の自由度が高いのが魅力です。
- デメリット・注意点:
- カード自体の購入費用(CHF 120)がかかります。
- 乗車するたびにチケットを購入する必要があります(SBB Mobileアプリを使えば比較的簡単に購入可能です)。
- こんな人におすすめ:
滞在期間が比較的長く、特定の区間だけ高額なチケットを購入する予定がある方、スイストラベルパスの元を取る自信はないが、それでも交通費を抑えたい方。 - 料金目安 (2025年5月時点):
1ヶ月有効でCHF 120。
セーバーデイパス (Saver Day Pass / Spartageskarte)
スイストラベルパスの有効範囲とほぼ同じエリアが、1日限定で乗り放題になるチケットです。
- 特徴・メリット:
- 購入時期が早いほど、また需要の少ない日ほど安価になる変動料金制です(乗車日の60日前から購入可能)。
- ハーフフェアカードを持っていると、さらに割引された価格で購入できます。
- 特定の日に長距離を移動する予定がある場合、スイストラベルパスを購入するよりも経済的になることがあります。
- デメリット・注意点:
- 購入後の変更や払い戻しはできません。
- 人気の日や時間帯、購入が直前になると高額になったり、売り切れたりする場合があります。数量限定です。
- こんな人におすすめ:
旅行中の特定の日に、インターラーケンからツェルマットへの移動のように長距離を移動することが決まっている方。 - 料金目安 (2025年5月時点):
ハーフフェアカードなしの場合で最安CHF 52から、ハーフフェアカード所持の場合は最安CHF 29から。
SBBのウェブサイトやアプリで確認が必要です。
スーパーセイバーチケット (Supersaver tickets / Sparbillette)
特定の列車・区間に限り、通常運賃から大幅な割引価格(最大70%オフも)で購入できるチケットです。
- 特徴・メリット:
- 移動する日時と列車が確定している場合に、最も安く移動できる可能性があります。
- ハーフフェアカードとの併用も可能です。
- デメリット・注意点:
- 購入後の変更や払い戻しはできません。
- 指定された列車以外には乗車できません(乗り遅れた場合は無効)。
- 数量限定で、特に人気の路線や時間帯はすぐに売り切れてしまいます。
乗車日の60日前からSBBのウェブサイトやアプリで購入可能です。
- こんな人におすすめ:
旅行の計画が既に固まっており、特定の列車での移動で費用を最大限に抑えたい方。
チケット選びのポイントまとめ
パス/チケット種類 | 特徴・メリット | デメリット・注意点 | おすすめの旅行スタイル |
スイストラベルパス | 広範囲乗り放題、美術館無料多数、山岳交通割引、チケット購入の手間なし | 短期・移動少ないと割高、一部別途料金あり | スイス周遊型、多くの観光地訪問、公共交通機関を頻繁に利用 |
ハーフフェアカード | ほぼ全ての交通機関が半額、有効期間1ヶ月でフレキシブル | カード代初期費用、都度チケット購入が必要 | 中長期滞在、特定の高額区間利用、自由な旅程を組みたい |
セーバーデイパス | 1日乗り放題(STP範囲)、早期購入で格安、ハーフフェアカードで更に割引 | 変更・払戻不可、数量限定、直前購入は高額/売切 | 特定日に長距離移動が決定している |
スーパーセイバーチケット | 特定列車で最大70%オフも、ハーフフェアカード併用可 | 変更・払戻不可、指定列車のみ有効、数量限定 | 移動日時が完全に確定しており、費用を最優先したい |
お子様連れの場合
スイスファミリーカード(Swiss Family Card)を覚えておきましょう。
親(少なくとも一方がスイストラベルシステムの有効なチケットまたはパスを所持)と同行する6歳から15歳までのお子様は、このカードがあれば無料でスイスの公共交通機関を利用できます。
スイストラベルパスやハーフフェアカード購入時に無料で申し込めます。
これらの情報を参考に、ご自身の旅行計画(日数、訪問地、移動頻度、山岳交通の利用予定など)を考慮し、SBBの公式サイトやアプリで料金をシミュレーションしながら、最もお得で便利なチケットやパスの組み合わせを見つけてください。
事前の準備が、スイスでの快適な列車旅をさらに素晴らしいものにしてくれるでしょう。
また、スイス旅行全体の費用を計画する上で、どの時期に訪れるかによっても予算は大きく変わってきます。
具体的にいつが安い時期なのか、シーズンごとの費用比較や予約のタイミングについては「スイス旅行の安い時期を知って賢く楽しむ!費用を抑える旅のコツ」で詳しく解説していますので、旅の計画とあわせて読むと費用をさらに抑えるヒントが見つかるでしょう。
情報参照元:
- スイス交通システム(Swiss Travel System)公式サイト: https://www.swisstravelsystem.com/
- スイス国鉄(SBB)公式サイト: https://www.sbb.ch/
- 筆者の体験
インターラーケンからツェルマット旅の準備とヒント

- 季節別アドバイス 冬の雪道・夏の混雑
- 途中下車も!ブリーク・フィスプ観光
- 大きな荷物は?駅のロッカーと預かり所
- 駅にエレベーターはある?構内バリアフリー
- 〜して良かったこと・困ったこと
季節別アドバイス 冬の雪道・夏の混雑

インターラーケンからツェルマットへの旅は、一年を通して素晴らしい体験ができますが、訪れる季節によってその魅力や注意すべき点が大きく異なります。
特に冬の雪深い道のりや夏の賑わいは、事前の準備と心構えが大切になります。
ここでは、春・夏・秋・冬、それぞれの季節の特徴と、快適に過ごすためのアドバイスをお届けします。
春(4月~5月):雪解けと新たな生命の息吹
春のツェルマット周辺は、長い冬が終わりを告げ、徐々に雪が解けていく季節です。
谷間では新緑が芽吹き始めますが、標高の高いハイキングコースや展望台周辺ではまだ多くの雪が残っているでしょう。
- 気候と服装:
日中は日差しがあれば暖かく感じることもありますが、朝晩は冷え込みます。
天候も変わりやすいため、重ね着で体温調節ができる服装が基本です。
防水性のあるジャケットや、雪解け水でぬかるんだ道を歩くことも考慮し、歩きやすい防水性の靴が良いでしょう。 - 移動とアクティビティ:
夏に比べて観光客は少なく、比較的静かに過ごせる時期です。
一部のハイキングコースはまだ閉鎖されている可能性がありますが、春スキーやスノーシューを楽しめる場所も残っています。
列車の運行は通常通りですが、車でテッシュまで向かう場合は、標高の高い区間で路面凍結の可能性も残るため注意が必要です。
夏(6月~9月):緑輝くアルプスと賑わいの季節、そして混雑対策
夏はツェルマットが最も活気に満ちあふれるシーズンです。
高山植物が咲き誇り、ハイキングやマウンテンバイクなど多彩なアクティビティを楽しむ人々で賑わいます。
- 気候と服装:
日差しが強く、日中は気温も上がりますが、朝晩や標高の高い場所では涼しく感じられます。
速乾性のある動きやすい服装を基本に、日差し対策の帽子、サングラス、日焼け止めは必須です。
急な天候の変化や標高差に対応できるよう、薄手の羽織ものやレインウェアも携帯しましょう。
しっかりとしたハイキングシューズも重要です。 - 夏の混雑と対策:
この時期は世界中から観光客が訪れるため、ツェルマットの村内、人気の展望台(ゴルナーグラート、マッターホルン・グレッシャー・パラダイスなど)、主要なハイキングコースは大変混雑します。- 宿泊施設:
半年~1年前からの予約が推奨されます。
直前では希望の宿を見つけるのが難しくなることもあります。 - 列車・ロープウェイ:
特に午前中の人気の展望台へ向かう便は混み合います。
可能であればオンラインで事前にチケットを予約するか、早朝や午後の遅めの時間帯を狙うなど、時間をずらす工夫をすると良いでしょう。 - レストラン: 人気店は予約がおすすめです。
- 宿泊施設:
- 移動:
列車の本数は多くなりますが、それでも混雑は避けられません。
時間に余裕を持った計画を立てましょう。
秋(10月~11月):黄金色の絶景と静けさ
秋は、カラマツが黄金色に染まる美しい季節です(見頃は例年10月中旬~下旬頃)。
空気は澄み渡り、比較的安定した天候に恵まれることが多いですが、徐々に気温は下がり、標高の高い場所では初雪の便りも聞かれるようになります。
- 気候と服装:
日中は過ごしやすい日もありますが、朝晩は冷え込み、冬の気配を感じ始めます。
フリースやライトダウンジャケット、手袋、帽子など、暖かい服装を準備しましょう。
足元も防水性のあるしっかりとした靴が安心です。 - 移動とアクティビティ:
夏の喧騒が嘘のように落ち着き、静かに景色を楽しみたい方には最適なシーズンです。
ただし、一部の夏期のみ営業している山岳レストランやロープウェイ、ハイキングコースは、10月中旬以降、順次冬季運休に入ることがあります。
事前に各施設の営業状況を確認することが大切です。
冬(12月~3月):銀世界の楽園と雪道への備え
冬のツェルマットは、世界屈指のスキーリゾートとしてその真価を発揮します。
一面の銀世界は幻想的で、スキーヤーやスノーボーダーで賑わいます。
- 気候と服装:
気温は常に氷点下と考え、万全な防寒対策が必要です。防水・防風機能の高いスキーウェアや厚手のコート、保温性のある下着、セーター、そして手袋、帽子、ネックウォーマーなどの小物は必須です。
雪の反射が強いためサングラスも忘れずに。
足元はスノーブーツや滑りにくい冬靴を選びましょう。 - 冬の雪道(主に車でのアクセスについて):
- インターラーケンからテッシュ(ツェルマット手前の村)までは除雪作業が行われますが、冬用タイヤの装着は法律で義務付けられています。
積雪状況によってはタイヤチェーンが必要になることもあります。
雪道の運転に慣れていない場合は、列車での移動を強くおすすめします。 - 悪天候時には峠道が一時的に通行止めになるリスクも考慮しておきましょう。
- インターラーケンからテッシュ(ツェルマット手前の村)までは除雪作業が行われますが、冬用タイヤの装着は法律で義務付けられています。
- 列車でのアクセス:
列車は雪に強く、冬でも比較的安定して運行されます。
インターラーケンからツェルマットへの最も安全で確実な移動手段と言えるでしょう。 - 混雑とアクティビティ:
クリスマスから年末年始、及び2月から3月のスキーシーズンは非常に混雑します。
宿泊施設やスキーパス、スキースクールなどの予約は数ヶ月前からの手配が賢明です。
スキー以外にも、スノーシューハイキングやウィンターウォーキングなども楽しめます。
全季節共通のアドバイス
- 山の天気は変わりやすい:
どの季節でも、山の天気は急変することがあります。
常に最新の天気予報を確認し、雨具や防寒具を携帯しましょう。 - 標高への順応:
ツェルマット村の標高は約1,620メートル、ゴルナーグラートなどの展望台は3,000メートルを超えます。
高山病(頭痛、吐き気など)の症状が出ないよう、到着初日は無理せずゆっくりと行動し、水分をこまめに摂ることを心がけてください。 - 情報収集:
出発前には、訪れる季節の気候特性に加え、利用予定の交通機関の運行状況や、観光施設・ハイキングコースのオープン状況などを各公式サイトで必ず確認しましょう。
季節ごとの特徴を理解し、それに合わせた準備をすることで、インターラーケンからツェルマットへの旅はより一層思い出深いものになるはずです。
情報参照元:
- ツェルマット観光局公式サイト: https://www.zermatt.ch/
- スイス政府観光局公式サイト: https://www.myswitzerland.com/ja/
- MeteoSwiss(スイス連邦気象局): https://www.meteoswiss.admin.ch/
- スイス国鉄(SBB)公式サイト: https://www.sbb.ch/
- TCS(スイス交通クラブ): https://www.tcs.ch/
- 筆者の体験
途中下車も!ブリーク・フィスプ観光
インターラーケンからツェルマットへ向かう列車の旅では、多くの場合フィスプ(Visp)またはブリーク(Brig)で乗り換えが必要となります。
これらの町は単なる通過点として通り過ぎることもできますが、実はそれぞれに個性的な魅力があり、時間に少し余裕を持たせれば、途中下車して散策を楽しむことで旅の思い出を一層豊かなものにできます。
手荷物は駅のコインロッカーなどに預けて、身軽に町歩きを体験してみてはいかがでしょうか。
ブリーク(Brig):シンプロン峠の麓に栄えた歴史都市

ブリークは、ローヌ川の谷に位置し、古くからシンプロン峠を越えてイタリアへと至る交通の要衝として栄えてきました。
国際列車も停車する大きな駅を持ち、活気のある町です。
- 見どころ:
- シュトックアルパー城(Stockalperpalast):
スイス国内でも最大級のバロック様式の城館で、ブリークの象徴的な存在です。
17世紀に豪商カスパール・フォン・シュトックアルパーによって建設され、金色の玉ねぎ型ドームを持つ3つの塔が印象的です。
城内はガイドツアー(有料、所要時間約1時間~1時間半)で見学でき、当時の華やかな暮らしぶりを垣間見ることができます。美しい中庭や庭園も散策におすすめです。
駅から徒歩約10分ほどです。 - 旧市街(Altstadt):
シュトックアルパー城の周辺に広がる旧市街は、石畳の道や歴史を感じさせる建物が並び、散策が楽しいエリアです。
カフェで一息ついたり、地元の小さなお店を覗いたりするのも良いでしょう。
- シュトックアルパー城(Stockalperpalast):
- 駅の設備:
ブリーク駅には、SBB(スイス国鉄)のウェブサイトやアプリで確認できるコインロッカーや手荷物預かり所がありますので、大きな荷物があっても安心です。 - 滞在時間の目安:
シュトックアルパー城の見学を中心に、旧市街を散策するなら、2時間半から4時間程度あるとゆっくり楽しめるでしょう。 - ツェルマットへのアクセス:
ブリーク駅からツェルマット行きのマッターホルン・ゴッタルド鉄道(MGBahn)の列車が頻繁に出ています(フィスプ経由で所要時間は約1時間20分~1時間半)。
フィスプ(Visp):近代的な駅と趣ある旧市街が共存する町

フィスプは、ローヌ川と、ツェルマットから流れてくるマッター・フィスパ川が合流する地点に位置する町です。
近年、駅舎が新しくなり非常に近代的で機能的な乗り換えハブ駅として整備されました。
インターラーケンからツェルマットへ向かう多くの列車がここで乗り換えとなります。
- 見どころ:
- 旧市街(Altstadt):
新しい駅舎から一歩足を踏み入れると、そこには石畳の細い路地や可愛らしい家々が並ぶ、趣のある旧市街が広がっています。
規模はブリークほど大きくありませんが、聖マルティン教会を中心に、中世の面影を残す建物を見ながらのんびりと散策するのに適しています。
駅から徒歩数分でアクセスできます。 - ブドウ畑:
フィスプの町の斜面にはブドウ畑が広がり、この地域がワイン生産地であることも感じさせます。
- 旧市街(Altstadt):
- 駅の設備:
フィスプ駅にもコインロッカーが設置されています(SBBウェブサイト等で確認可能)。
乗り換えの合間に手軽に利用できます。 - 滞在時間の目安:
旧市街を中心にさっと見て回るなら、1時間から1時間半程度でも楽しめます。
乗り換え時間が少し長めにある場合に立ち寄るのにぴったりです。 - ツェルマットへのアクセス:
フィスプ駅からツェルマット行きのマッターホルン・ゴッタルド鉄道(MGBahn)に乗り換え、所要時間は約1時間10分です。
途中下車を楽しむためのポイント
- 時刻表の確認:
SBBのアプリやウェブサイトで、途中下車を考慮した列車の接続を事前に調べておきましょう。
乗り換え時間を通常より長めに設定して検索するか、区間ごとに分けて検索すると計画しやすいです。 - チケットの有効性:
通常の区間乗車券であれば、目的地までの間で途中下車が可能です。
ただし、スーパーセイバーチケットなど特定の列車に限定された割引チケットの場合は途中下車が無効になることがあるため注意が必要です。
スイストラベルパスやセーバーデイパスをお持ちの場合は、有効範囲内であれば自由に乗り降りができます。 - 荷物のこと:
途中下車して観光する際は、駅のコインロッカーや手荷物預かり所を上手に利用しましょう。
事前にSBBのウェブサイトで、利用したい駅の設備(ロッカーのサイズや数、手荷物預かり所の有無や営業時間など)を確認しておくと当日スムーズです。
ブリークもフィスプも、それぞれ異なる魅力を持つ町です。
インターラーケンからツェルマットへの移動の途中で少し足を延ばしてみることで、スイスの地方都市の雰囲気や歴史に触れることができ、旅の深みが増すことでしょう。
時間に余裕があれば、ぜひこれらの町での散策を計画に加えてみてください。
情報参照元:
- ブリーク観光情報(Brig Simplon Tourismus): https://www.brig-simplon.ch/
- フィスプ観光情報(Visp Tourismus): https://visitvisp.ch/en/
- スイス国鉄(SBB)公式サイト: https://www.sbb.ch/
- マッターホルン・ゴッタルド鉄道(Matterhorn Gotthard Bahn)公式サイト: https://www.matterhorngotthardbahn.ch/
- 筆者の体験
大きな荷物は?駅のロッカーと預かり所

インターラーケンからツェルマットへの列車の旅を計画する際、スーツケースなどの大きな荷物の扱いは悩ましい点の一つかもしれません。
しかしご安心ください。
スイスの主要な鉄道駅には、旅行者の便宜を図るためのコインロッカーや手荷物預かり所が整備されていることが多く、これらを上手に活用することで、移動や観光をより身軽に、そして快適に楽しむことができます。
さらに、SBB(スイス国鉄)は便利な手荷物輸送サービスも提供しています。
駅のコインロッカーと手荷物預かり所
インターラーケン・オスト駅、乗り換えで利用するシュピーツ駅、フィスプ駅、ブリーク駅、そして目的地のツェルマット駅など、多くの駅で荷物を一時的に預けるための設備が利用可能です。
- 設置状況と種類:
- コインロッカー:
主要駅には、さまざまなサイズのコインロッカーが設置されています。
小さなリュックサックから大きなスーツケースまで対応できるよう、S, M, L, XLといったサイズが用意されていることが一般的です。 - 手荷物預かり所 (Left Luggage Office / Gepäckaufbewahrung):
有人のカウンターで荷物を預かってくれるサービスです。
コインロッカーに入らない特大の荷物や、数日間にわたり預けたい場合などに便利です。
ただし、営業時間が限られている点に注意が必要です。
- コインロッカー:
- 料金と支払い方法:
- コインロッカーの料金は、ロッカーのサイズや預け入れ時間(通常は24時間またはそれ以下の単位)によって異なります。
一般的にはCHF 5からCHF 12程度が目安です。 - 支払い方法は、現金(スイスフランの硬貨)のみ対応の旧型ロッカーと、クレジットカードやデビットカードも利用できる新型のロッカーが混在しています。
両替機がない場合もあるため、小銭をある程度用意しておくと安心です。 - 手荷物預かり所の料金は、荷物の数、サイズ、預け期間によって異なり、カウンターで確認が必要です。
- コインロッカーの料金は、ロッカーのサイズや預け入れ時間(通常は24時間またはそれ以下の単位)によって異なります。
- 利用方法(コインロッカーの一般的な例):
- 駅構内の案内表示に従い、ロッカー設置場所へ行きます。
- 空いているロッカーを選び、荷物を入れます。
- 扉を閉め、表示された料金を投入口に入れるか、カード決済の場合は指示に従い操作します。
- 施錠し、鍵を受け取るか、暗証番号やQRコードが記載されたレシートが出てくるので、大切に保管します。
- SBB公式サイトでの情報確認:
SBBの公式ウェブサイト(https://www.sbb.ch/)では、各駅のページで「駅の設備(Station equipment)」や「ロッカー(Lockers)」といった項目から、コインロッカーの有無、サイズ、おおよその料金、手荷物預かり所の有無や営業時間などの情報を確認できます。
出発前に調べておくと計画が立てやすくなります(情報は随時更新されますが、現地での最終確認も推奨します)。
SBBの手荷物輸送サービス
「もっと手ぶらで旅行したい!」という方には、SBBが提供する以下の手荷物輸送サービスが大変便利です。
- 駅の手荷物託送 (Station to Station Luggage):
出発駅のカウンターで荷物を預け、目的地の駅で受け取ることができるサービスです。
例えば、インターラーケン・オスト駅で預けた荷物を、ツェルマット駅で受け取るといった利用が可能です。- 所要日数:
通常、預けた当日または翌々日の午後(駅や曜日により異なる)に受け取れます。
「エクスプレス」オプションを利用すれば、当日中の配達も可能な場合があります(対象駅や受付時間に制限あり)。 - 料金目安:
荷物1個あたりCHF 12から(通常サービス)。
エクスプレスサービスは追加料金が発生します。
- 所要日数:
- ドア・ツー・ドア・ラゲージ (Door to Door Luggage):
スイス国内の指定した住所(ホテルなど)から、別の指定した住所へ荷物を直接配送してくれるサービスです。- 所要日数: 集荷・配達に数日を要するため、旅程に余裕がある場合に適しています。
- 料金目安: 荷物1個あたりCHF 40程度から。
- フライトバゲージ (Flight Luggage):
スイス国内の多くの駅から、チューリッヒ空港やジュネーブ空港へ、またはその逆方向へ荷物を直接送ることができます。
一部航空会社では、駅で荷物を預ける際に搭乗手続き(チェックイン)まで完了できるサービスもあります。- 料金や利用条件は、利用する駅、空港、航空会社によって異なります。
これらの手荷物輸送サービスを利用する際は、SBBのウェブサイトで最新の料金、対象駅、受付締切時間、受取可能時間、予約の要否などを必ず確認してください。
特に国際線に接続するフライトバゲージは、航空会社の規定も併せて確認することが重要です。
列車内での荷物の扱いについて
列車内には、座席上の棚や、車両の端または中央付近にスーツケースなどを置ける荷物スペースが設けられています。
しかし、混雑時には置き場所に困ることもあるため、可能であればSBBの輸送サービスを利用するか、比較的乗客の少ない時間帯の列車を選ぶと、より快適に過ごせるでしょう。
乗り換えの際は、荷物を持ってプラットホームを移動するため、時間に余裕を持ったスケジュールを組むことをお勧めします。
このように、駅の設備やSBBのサービスを賢く利用すれば、大きな荷物があってもスイスの鉄道旅行を存分に楽しむことができます。
ご自身の荷物の量や旅のスタイルに合わせて最適な方法を選び、ストレスの少ない快適な旅を実現してください。
情報参照元:
- スイス国鉄(SBB)公式サイト – https://www.sbb.ch/
- 筆者の体験
駅にエレベーターはある?構内バリアフリー

インターラーケンからツェルマットへの列車の旅を計画される際、特に大きな荷物をお持ちの方、車椅子をご利用の方、小さなお子様連れでベビーカーを使用される方にとって、駅構内のバリアフリー設備は非常に重要な情報となります。
スイスの鉄道駅は、アクセシビリティの向上に力を入れており、主要な駅ではエレベーターやスロープなどが整備され、安心して利用できる環境が整いつつあります。
主要駅のバリアフリー設備について
インターラーケン・オスト駅、乗り換えで経由するシュピーツ駅、フィスプ駅、ブリーク駅、そして目的地のツェルマット駅など、旅行者が利用する主要な駅では、バリアフリー化が進んでいます。
- エレベーターとスロープ:
多くの近代化された駅や主要な乗り換え駅では、プラットホームへのアクセスや、異なるプラットホーム間の移動をスムーズにするために、エレベーターが設置されています。
また、階段の代わりにスロープが設けられている箇所も多く、車椅子やベビーカー、重いスーツケースを持っていても楽に移動できるよう配慮されています。 - バリアフリートイレ:
主要な駅には、車椅子で利用しやすい広さの多目的トイレ(バリアフリートイレ)が設置されていることが一般的です。 - 案内表示:
駅構内では、エレベーターやトイレの場所などが、国際的に認知されやすいピクトグラム(絵文字)で分かりやすく表示されています。 - SBB公式サイト・アプリでの情報確認:
SBB(スイス国鉄)の公式ウェブサイト(https://www.sbb.ch/)では、各駅の詳細情報ページでバリアフリー設備に関する情報を確認できます。
「駅の設備 (Station equipment)」や「アクセシビリティ (Accessibility at the station)」といった項目をチェックすると、エレベーターの有無、プラットホームへの段差なしアクセスが可能か、車椅子対応トイレの有無などが記載されています。
また、SBB Mobileアプリでも同様の情報が得られることがあります。
出発前に確認しておくと安心です。
列車乗降時の一般的な注意点
- スイスの列車は新しい車両も多く導入されており、低床式でプラットホームとの段差が少ないタイプも増えてきています。
しかし、一部の古い車両や駅によっては、列車とプラットホームの間に若干の段差や隙間が生じることがあります。 - 列車のドアは、自動で開くタイプと、乗客がドア付近のボタンを押したり、ハンドルを操作したりして開けるタイプがあります。
- 長距離列車(IC: インターシティ、IR: インターレギオなど)には、車椅子スペースや車椅子対応トイレが備え付けられていることが多いです。
SBBの時刻表検索では、車椅子での利用に適した列車に車椅子マークが表示されるので、参考にすると良いでしょう。
ツェルマット駅のバリアフリー状況
ツェルマット駅は、マッターホルン・ゴッタルド鉄道(MGBahn)の管轄駅です。
比較的コンパクトな駅で、観光客にも分かりやすい構造になっています。
駅構内にはエレベーターやスロープが設置されており、バリアフリーにも配慮されています。
MGBahnも乗客のアクセシビリティ向上に努めています。
インターラーケンからツェルマットへの列車の旅は、これらのバリアフリー設備を理解し活用することで、どなたにとってもより快適でアクセスしやすいものとなります。
ご自身の状況に合わせて事前に情報を確認し、必要な手配を行うことをお勧めします。
情報参照元:
- スイス国鉄(SBB)公式サイト – https://www.sbb.ch/
- マッターホルン・ゴッタルド鉄道(MGBahn)公式サイト: https://www.matterhorngotthardbahn.ch/
- 筆者の体験
〜して良かったこと・困ったこと

インターラーケンからツェルマットへの旅をより快適で思い出深いものにするために、実際に旅行した方々からよく聞かれる「やっておいて良かったこと」や、逆に「こうすれば良かった」という「困ったこと」の体験談は、非常に貴重な情報源となります。
ここでは、それらの声を参考に、皆さんの旅の準備に役立つヒントをいくつかご紹介します。
移動・乗り換えについて
◎ やっておいて良かった
- 「SBB Mobile を日本で入れておいたら、インターラーケン・オスト 08:05 発の列車が5分遅れと通知が来ました。改札横の Coop Restaurant Interlaken Ost でカプチーノとクロワッサンを買って待てたので、ホームでダッシュせずに済みました。」
- 「乗り換え時間を 15 分以上に設定したおかげで、Spiez で列車の発着番線が変わった時も慌てずに済みました。エレベーターを見つける余裕があったので、30 kg のスーツケースでも楽でした。」
- 「Visp 駅はホーム間を結ぶ地下通路に幅広リフトがあって、スロープも緩やか。バリアフリー表示が英語併記で初見でも迷いませんでした。」
△ こうすれば良かった
- 「Spiez では反対側ホームへ行くのに跨線橋を選んで階段で汗だく…。案内板にある (地下通路)経由なら段差が無かったのに。」
- 「ドアが自動で開かず固まったのは私だけ? スイス国鉄車両は緑色のボタンを押して開ける方式と知っていればスマートでした。」
- 「夏のピーク時で 2 等車の荷物ラックがいっぱい。前日に荷物サービスを予約すれば快適だったと思います。」
チケット・パスについて
◎ やっておいて良かった
- 「3 日間のスイストラベルパス(2 等)でタッチレス移動。ゴルナーグラート鉄道が 50 % 割引だったのも嬉しい誤算!」
- 「Excel で行程を整理し、長距離移動日はSaver Day PassをSBB Mobileで購入。合計で約 CHF 80 節約できました。」
△ こうすれば良かった
- 「都度購入したらInterlaken–Zermatt 片道でCHF 75。ハーフフェアカード+当日券にしておけば良かった…。」
- 「Supersaver(列車固定の割安券)に飛びついたものの、ハイキングが押して乗り遅れ=払い戻し不可。条件を要確認でした。」
荷物について
◎ やっておいて良かった
- 「Spiez で 3 時間の乗り継ぎ観光に備え、大型ロッカーへスーツケースを預け、トゥーン湖畔を手ぶら散歩。快適!」
- 「インターラーケンのホテルでFast Baggageを手配し、翌夕方にツェルマット駅窓口で受け取り。標高差 1,500 m の移動が雲泥の差でした。」
△ こうすれば良かった
- 「Visp のロッカーは硬貨のみ対応で € の小銭は使えず、両替に手間取りました。CHF コインを事前に用意すべきでした。」
季節・天候・服装について
◎ やっておいて良かった
- 「8月でもゴルナーグラート展望台は体感 5 °C。ユニクロのウルトラライトダウン+薄手手袋が大活躍。」
- 「12 月のツェルマットは路面凍結。防水トレッキングシューズと簡易アイゼンで転倒ゼロ。」
- 「山の天気は急変と聞き、折り畳み傘+レインジャケットを常備。雨→晴れ→雹を無傷で切り抜けました。」
△ こうすれば良かった
- 「標高 2,000 m の紫外線で SPF 15 では鼻が真っ赤。SPF 50・PA++++が必須でした。」
- 「到着日に即ゴルナーグラートへ上がったら軽い高山病。初日は町歩きだけにすべきでした。」
これらの体験談が、皆さんのインターラーケンからツェルマットへの旅の準備において、少しでもお役に立てれば幸いです。
事前の情報収集とちょっとした心構えで、旅の快適さは大きく変わります。
情報参照元:取材
インターラーケンからツェルマットへの旅:総合ガイド
- インターラーケンからツェルマットへの最適ルートは列車で、所要時間は約2時間50分から
- 列車移動は速く快適で、車窓からの景色が素晴らしく、ツェルマット中心部へ直接アクセス可能である
- 一般的な列車ルートはインターラーケン・オスト発、シュピーツとフィスプで2回乗り換える
- 列車運賃の目安は2等車片道CHF 80~150だが、割引パス利用で節約できる
- 車利用時は手前のテッシュで駐車しシャトル列車へ乗り換えが必要である
- SBB Mobileアプリや公式サイトでの列車時刻検索とオンラインチケット購入が推奨される
- 氷河特急はツェルマットとサンモリッツ等を結ぶ観光列車であり、この区間を直接運行はしない
- スイストラベルパスは広範囲な交通機関が乗り放題となり、多くの山岳交通割引や美術館無料特典が付く
- ハーフフェアカードを購入すると、ほとんどの交通機関のチケットを半額で買える
- セーバーデイパスやスーパーセイバーチケットは、条件が合えば交通費を大幅に抑えられる
- 夏は観光客で大変混雑するため、宿泊施設や人気展望台のチケットは早期予約が賢明である
- 冬季に車でテッシュへ向かう際は冬用タイヤが必須で、雪道運転に不慣れなら列車が良い
- 乗り換え駅のブリークやフィスプでの途中下車観光も旅の楽しみを増やす選択肢である
- 主要駅にはコインロッカーや手荷物預かり所が整備され、SBBの手荷物輸送サービスも便利
- スイスの主要駅ではバリアフリー化が進んでおり、SBB公式サイトで設備情報を確認できる