ルクセンブルクで有名なものとは?観光からお土産までを徹底解説

ルクセンブルクで有名なものとは?観光からお土産までを徹底解説

「ルクセンブルクって、正直なところ何があるの?」

ヨーロッパの旅好き仲間と話していても、時々そんな声を聞くことがあります。

金融の中心地、裕福な国、そんなイメージが先行して、具体的な旅の姿が描きにくいのかもしれません。

何を隠そう、私も初めてこの国を訪れるまではそうでした。

しかし、ひとたび足を踏み入れた瞬間、その考えは良い意味で完全に裏切られることになります。

深い渓谷に抱かれた中世の要塞都市の絶景、森の中にひっそりと佇む古城、そして美食家たちを唸らせる豊かな食文化…。

小さな国だからと侮ってはいけません。

ルクセンブルクは、知れば知るほど奥深い魅力に満ちた、まさに「掘り出し物の宝石」のような国なんです。

この記事では、私が実際に歩き、味わい、心から感動した体験を織り交ぜながら、あなたの「次の冒険の目的地」にルクセンブルクが加わるよう、その魅力を余すところなくお伝えします。

この記事を読み終える頃には、きっとあなたも、ルクセンブルクを旅する準備を始めたくなるはずです。

記事のポイント
  • なぜルクセンブルクが「金融と古城」という二つの顔を持つのか、その物語
  • 歩くだけで心が躍る、世界遺産の旧市街を120%楽しむための秘訣
  • 現地の人が愛してやまない、本当に美味しい伝統料理と隠れた名ワイン
  • 次の旅で必ず役立つ、具体的なプランニングのコツとプロの視点からのアドバイス
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目次

ルクセンブルクで有名なものを徹底解説

ルクセンブルクで有名なものを徹底解説
image ヨーロッパ冒険紀行

ルクセンブルクといえば金融と古城の国

キルヒベルク高原の金融街。EU機関と銀行が集まる近未来的スカイライン
出典:Visit Luxembourg
朝霧に浮かぶヴィアンデン城。中世の面影を残す名城

ルクセンブルクと聞いて、多くの人が「金融センター」という言葉を思い浮かべるかもしれません。

確かにその通り、神奈川県ほどの小さな国土に、世界中から金融機関が集まるヨーロッパ屈指の経済大国です。

近年も一人あたりのGDP(国内総生産)は世界最高水準で、名目ベースでは常に最上位圏にランクインしているんですから、驚きですよね。

首都を歩けば、近代的なビルが立ち並び、世界のエリートたちが闊歩する…そんな光景を目の当たりにします。

でも、私があなたに伝えたいルクセンブルクの本当の顔は、そこにあります。

近代的なビルのすぐ隣に、まるで時が止まったかのような深い渓谷が口を開け、その断崖には何百年もの歴史を刻んだ古城がそびえ立っているのです。

この国には、なんと数え方によっては70を超える古城や城塞跡が点在していると言われています。

一般的には「50以上」と紹介されることが多いですね。

特に崖の上に雄大にそびえるヴィアンデン城の姿を初めて見た時の感動は、今でも忘れられません。

それはまさに、誰もが子供の頃に夢見た「中世ヨーロッパのお城」そのものでした。

なぜ、こんな小さな国にこれほど堅固な要塞や城が必要だったのか?

それは、この地が常に大国の間で戦略的に極めて重要な場所だったからに他なりません。

「北のジブラルタル」と呼ばれた首都の旧市街は、天然の渓谷を巨大な堀として利用した、まさに難攻不落の要塞都市。

この地形こそが、ルクセンブルクの歴史と文化の全てを物語っています。

現代的な金融センターとしての洗練と、何世紀にもわたる戦いの歴史を秘めた古城。

この劇的なコントラストこそが、ルクセンブルクの旅を忘れられないものにしてくれる、最大にして最高の魅力だと私は思っています。

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世界遺産に登録された旧市街の観光スポット

コルニッシュの道(“ヨーロッパで最も美しいバルコニー”)から望む旧市街とグルント。
出典:Visit Luxembourg
ボックのカズマットの砲門から臨む断崖と旧市街の景観。
出典:Visit Luxembourg/Luxembourg City Tourist Office

ルクセンブルクの旅は、1994年にユネスコ世界遺産に登録された旧市街から始まります。

ここは、まるで街全体が「生きた博物館」のよう。

旧市街はとてもコンパクトなので、自分の足で歩いて巡るのが断然おすすめです。
ただし、美しい石畳は意外と足にきます。
必ず歩きやすいスニーカーを用意してくださいね。

ルクセンブルク大公宮

普段は執務に使われている大公の宮殿ですが、夏の一時期だけ、ガイド付きツアーで内部を見学できるんです。

これは本当に特別な体験。

もしあなたの旅が夏なら、絶対に外せないプランです。

外観の落ち着いた雰囲気からは想像もつかない、豪華絢爛な内装にきっと息をのむはず。

ノートルダム大聖堂

様々な建築様式が混ざり合った、美しい大聖堂です。

私が好きなのは、中に入った瞬間に目に飛び込んでくるステンドグラスの光。

静かな祈りの空間で、旅の安全を願うのも良い時間です。

憲法広場

ここは旧市街観光の拠点であり、絶景ポイントでもあります。

広場のテラスから眺めるペトリュス渓谷と、その向こうにかかるアドルフ橋の風景は、まさに絵葉書の世界。

ここからの眺めなくして、ルクセンブルクは語れません。

アルム広場

「市の応接間」と呼ばれる、地元の人々の憩いの場。

カフェやレストランに囲まれていて、少し歩き疲れた時に休憩するのにぴったりの場所です。

ここで飲むコーヒーは格別ですよ。

ボックの砲台とコルニッシュの道

「ヨーロッパで最も美しいバルコニー」と称される散歩道、コルニッシュ。

ここから見下ろすグルント地区の街並みは、おとぎ話の挿絵のよう。

私のおすすめは、夕暮れ時。ガス灯が灯り始め、街がオレンジ色に染まる瞬間は、言葉を失うほどの美しさです。

サン・ミッシェル教会

987年創建という、ルクセンブルクで最も古い教会。

何度も壊され、その度に再建されてきた歴史を持つため、様々な時代の建築様式が混在しています。

その黄色い壁は、この街の長い歴史の証人です。


これらのスポットが全て徒歩圏内にぎゅっと詰まっているのが、ルクセンブルク旧市街のすごいところ。

地図を片手に、気の向くままに路地裏を散策してみてください。きっと、あなただけの宝物のような風景に出会えるはずです。

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渓谷と森が織りなす美しい自然景観

ミュラータールの象徴「シーセントゥンペルの滝」と石橋。緑深い渓谷に癒やされる一枚
出典:Visit Luxembourg
巨岩と原生林のあいだを抜けるミュラータール・トレイル。渓谷美と森歩きを同時に体感
出典:Mullerthal 公式サイト

ルクセンブルクの魅力は、美しい旧市街だけではありません。

「森と渓谷の国」という愛称の通り、一歩郊外に出れば、息をのむような大自然があなたを待っています。

都会の喧騒からほんの少し足を延ばすだけで、この景色に出会える。これこそ、旅慣れた人ほど驚くルクセンブルクの贅沢さかもしれません。

ペトリュス渓谷 & アルゼット渓谷

首都の中心部を流れるこれらの渓谷は、まさに都会のオアシス。

旧市街の喧騒が嘘のように、鳥のさえずりが聞こえてきます。

渓谷沿いの道をのんびり散歩するだけで、最高の癒やしになりますよ。

アルデンヌ地方(北部)

より深く、豊かな自然に触れたいなら北部のアルデンヌ地方へ。

起伏に富んだ丘陵地帯に広がる原生林は、ハイキング好きにはたまらない場所です。

初心者向けの短いコースから、本格的なトレイルまで整備されているので、自分のレベルに合わせて楽しめるのが嬉しいポイントです。

ミュラータール地方(小スイス)

「小スイス」と呼ばれるこのエリアは、私が個人的に大好きな場所の一つ。

苔むした巨大な岩、小さな滝、神秘的な洞窟…。

まるでおとぎ話の世界に迷い込んだかのような、独特の景観が広がっています。

ハイキング初心者だった私でも、「ミュラータール・トレイル」の短いルートは心から楽しめました。

モーゼル川沿いの風景

ドイツとの国境を流れるモーゼル川のほとりには、なだらかな丘陵一面にブドウ畑が広がります。

このヨーロッパらしい牧歌的な風景の中をサイクリングするのは、本当に気持ちがいいものです。

途中、小さなワイナリーに立ち寄って一杯、なんていうのも最高の贅沢ですね。


春の芽吹き、夏の深い緑、秋の紅葉、そして冬の雪景色。

ルクセンブルクの自然は、訪れる季節ごとに全く違う表情を見せてくれます。

旧市街の観光と組み合わせて、ぜひこの国の豊かな自然にも触れてみてください。

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ルクセンブルク料理で外せない食べ物

グロンペルキッシェルシャー(ポテトパンケーキ)とアップルソースの定番ペア。
出典:Luxembourg Government/luxembourg.public.lu
ジュッド・マット・ガーデボウネン(燻製豚肉とそら豆の煮込み)。しっかりボリュームのある“国民食”。
出典:Maison Steffen

旅の大きな楽しみといえば、やはり「食」ですよね。

正直に言うと、ルクセンブルクを訪れるまで、私はこの国の料理についてほとんど知識がありませんでした。

しかし、それは大きな間違いでした。

ルクセンブルクは、一人あたりのミシュラン星の数が世界でもトップクラスという、隠れた美食大国だったのです。

年によって順位は変わりますが、常に上位にいること自体が、この国の食文化のレベルの高さを物語っていますよね。

その食文化は、隣国であるフランス、ドイツ、ベルギーの良いところを併せ持っている、とよく言われます。

私流に言えば、「フランス料理のような繊細なクオリティの料理が、ドイツのような気前の良いボリュームで出てくる」最高の場所なんです。

多くのレストランでは、一皿のボリュームがかなりあります。
これは私の失敗談ですが、一人で前菜とメインを頼んで、その量に圧倒されたことがあります。
色々試したい場合は、何人かでシェアするのが賢い選択ですよ。

ジュッド・マット・ガーデボウネン

名前だけ聞いても全く想像がつかないですよね。

これは、スモークした豚肉をソラマメと一緒に煮込んだ、ルクセンブルクの国民食。

ほろほろと柔らかい豚肉と、豆の優しい甘みが絶妙で、どこか懐かしい気持ちになる家庭料理の最高峰です。

パテ・オ・リースリング

街のパン屋さんや総菜屋さんで必ず見かける、パイ包み。

中には仔牛と豚のパテ、そしてこの国自慢の白ワイン「リースリング」のジュレが入っています。

サクッとしたパイと、ワインが香るパテの組み合わせは、軽めのランチやおやつにぴったりです。

川魚料理

内陸国ならではの、マスやパイク(カワカマス)を使った料理も絶品です。

特に、リースリングソースで仕上げたマスの料理「フレル・アム・レースレック」は、爽やかなワインの酸味が魚の旨味を引き立てる、洗練された一皿です。

グロンペルキッシェルシャー

舌を噛みそうな名前ですが、要はポテトパンケーキ。

刻んだ玉ねぎやパセリが入っていて、外はカリッ、中はモチッとした食感がたまりません。

クリスマスマーケットなどの屋台で、熱々をハフハフしながら食べるのが最高なんです。

そして、忘れてはならないのがワイン。

特にモーゼル川沿いで造られるリースリングや、スパークリングワインの「クレマン・ド・リュクサンブール」は、国際的にも高い評価を受けています。

ぜひ、美味しいルクセンブルク料理と合わせてみてください。

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定番から珍しいものまで選べるお土産

オーバーワイスのチョコレートギフト。上品な詰め合わせは“メイド・イン・ルクセンブルク”の定番土産。
出典:Oberweis 公式サイト
クレマン・ド・ルクセンブルク「VIGNUM」。Domaines Vinsmoselleのスパークリングは贈り物にも最適。
出典:Domaines Vinsmoselle 公式ショップ

旅の最後の楽しみ、お土産選び。

「何を買えば喜ばれるかな?」と考える時間もまた、旅の一部ですよね。

ルクセンブルクには、定番からちょっと珍しいものまで、魅力的な選択肢がたくさんあります。

【私のおすすめ】

お土産選びに迷ったら、まずは「ルクセンブルクハウス(Luxembourg House)」を覗いてみてください。

地元デザイナーが手掛けた雑貨から、食品、アートまで、センスの良い「メイド・イン・ルクセンブルク」が一堂に会しているので、見ているだけでも楽しいですよ。

ワイン(特にクレマン・ド・ルクセンブルク)

これはもう鉄板です。

シャンパンと同じ製法で作られる高品質なスパークリングワイン「クレマン」は、お酒好きな方へのお土産に間違いなく喜ばれます。

日本ではほとんど手に入らない希少性も、嬉しいポイント。スーパーでも1,000円前後から手頃なものが見つかります。

オーバーワイス(Oberweis)のチョコレート

ルクセンブルク大公宮御用達の老舗菓子店。

ベルギーに負けないくらい、ここのチョコレートは本当に美味しい。

私のお気に入りは、ドライオレンジをチョコでコーティングしたもの。上品な甘さとオレンジの爽やかさが絶妙です。

パテ・オ・リースリング(真空パック)

あの美味しいパテを日本でも!

真空パックになっているものなら、お土産として持ち帰ることができます。

ワイン好きの友人へのプレゼントにすれば、きっと話が弾むはずです。

地元産のマスタード

これは少し通好みかもしれませんが、私がいち押しする隠れた名品。

チューブタイプで買いやすく、味わいも様々。

ヨーロッパの肉料理には欠かせないマスタードは、料理好きな方へのお土産にぴったりです。

地ビール

クセンブルクはビールのレベルも高いんです。

ボッファーディング(Bofferding)など、伝統ある醸造所のビールは、ラベルのデザインもお洒落。

飲み比べてみるのも楽しいですね。


スーパーマーケットを覗いてみるのも、宝探しみたいで面白いですよ。

地元産のチーズ「カフケース」やジャムなど、現地の人々の日常が垣間見えるお土産も、きっと素敵な思い出になります。

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旅行前に知っておきたいルクセンブルクの有名なもの

旅行前に知っておきたいルクセンブルクの有名なもの
image ヨーロッパ冒険紀行

世界的に活躍するルクセンブルクの有名人

ジャン=クロード・ユンカー(元欧州委員会委員長)。EUを牽引したルクセンブルク人政治家の公式ポートレート
出典:Council of the EU / Consilium
エドワード・スタイケン『The Flatiron』。世界的写真家による代表作で、ルクセンブルクゆかりの文化人を象徴。
出典:Wikipedia

小さな国ですが、ルクセンブルクは世界に影響を与える人物を何人も輩出しています。

政治の世界では、EU初の同性婚をした首相として知られるグザヴィエ・ベッテル氏が有名です。

私が現地にいた時、市民に混じってエコバッグ片手に買い物をする姿が目撃された、なんて話を聞きました。

国のトップがすぐそこにいるような、そんな親しみやすさがこの国の素敵なところですね。

そして、国民から敬愛されているのがルクセンブルク大公家の存在。

日本の皇室とも親密な交流があり、両国の友好関係の礎となっています。

文化の分野では、写真家のエドワード・スタイケンは外せません。

彼の作品は、北部のクレルヴォー城で常設展示されています。

城の荘厳な雰囲気の中で鑑賞する作品は、また格別なものがありますよ。

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ルクセンブルクで活躍する日本人

在ルクセンブルク日本国大使館での「訪日経済ミッション」壮行レセプション。現地で活躍する日本人コミュニティの一場面
出典:在ルクセンブルク日本国大使館
ルクセンブルク拠点 ispace EUROPE が設計・製造した月面マイクロローバー。先端分野で活躍する日本企業の姿
出典:ispace 公式サイト

「こんな小さな国に日本人がいるの?」と思われるかもしれませんが、最新の公式な発表(2024年10月時点)では約780人もの日本人が暮らしているんですよ。

その多くが金融やIT、製造業などの分野で活躍するビジネスパーソンとそのご家族です。

私が聞いた話では、コミュニティが比較的小さいため結束が強く、「仕事が口コミで見つかることもある」のだとか。

それくらい、お互いを支え合う心強いネットワークがあるようです。

また、2024年6月からは日本との間でワーキング・ホリデー制度もスタートしました。

これにより、若い世代がこの国際的な環境で新しい経験を積むチャンスが大きく広がりました。

これからますます、様々な分野で活躍する日本人が増えていくのが楽しみですね。

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要塞都市の歴史を物語る地下通路

ボックのカズマット内部。岩盤をくり抜いた地下要塞が色彩照明に浮かぶ
出典:Visit Luxembourg
ペトリュス・カズマットの回廊。世界遺産の要塞都市を支えた地下通路を体感
出典:Visit Luxembourg

ルクセンブルクの歴史を肌で感じるなら、ボックの砲台とその地下通路(カズマット)は必見です。

963年にこの地の歴史が始まって以来、千年以上にわたって増改築が繰り返されてきた巨大な地下要塞。

全長はなんと約20km。

「北のジブラルタル」という異名は伊達じゃありません。

薄暗く迷路のような通路を歩いていると、まるで巨大なダンジョンを探検しているような気分になります。

内部は階段のアップダウンが多く、足元が悪い場所もあります。
見学は必ずスニーカーで。
また、夏でもひんやりと感じることがあるので、薄い羽織ものが一枚あると安心です。

通路の途中にある砲門から外を覗くと、眼下にはアルゼット川とグルント地区の美しい街並みが広がります。

この絶景と、地下要塞の物々しい雰囲気とのコントラストは強烈な印象を残します。

ここを訪れると、ルクセンブルクという国がいかにして独立を守り抜いてきたかを、理屈ではなく体で理解できるはずです。

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ワイン街道で楽しむモーゼルワイン

ヴォルメルダンジュの丘から見下ろすモーゼル川と段々畑のブドウ畑。ワイン街道らしい絶景
出典:Visit Luxembourg
モーゼル川沿いのブドウ畑を望むハイキングコース。川風と陽光が育むワインの里
出典:Visit Luxembourg

ワイン好きなら、このためだけにルクセンブルクを訪れる価値がある。

私がそう断言するのが、モーゼル川沿いに広がる42kmのワイン街道です。

ここで造られるワインは、驚くほど高品質。

しかし、ルクセンブルクの人々は自国のワインをこよなく愛しており、造られたワインの多くが国内で消費されると言われています。

そのため輸出される比率は比較的低めで、結果的に国外ではなかなかお目にかかれない、ちょっとした「幻のワイン」になっているんです。

【知っておくと得する豆知識】

実は「クレマン」という高品質スパークリングワインは、フランスだけでなくベルギーなどでも造られていますが、ルクセンブルクが誇る「クレマン・ド・リュクサンブール」も、その称号を名乗ることが認められた特別なスパークリングワインなんです。

川沿いに点在するワイナリーを巡り、テイスティングを楽しむのは最高の体験。

急斜面に広がるブドウ畑の世話は、そのほとんどが手作業で行われています。

そんな造り手たちの情熱に思いを馳せながら飲む一杯は、忘れられない味になるでしょう。

最近では、環境に配慮した持続可能なワイン造りにも力を入れています。

過去には国として除草剤(グリホサート)の禁止に踏み切ろうとした経緯もあり(現在はEUの承認下で使用可能)、そうした先進的な意識が、私がこの国のワインを愛する理由の一つでもあるんです。

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多言語国家ならではの文化的特徴

「Ierzewee」のストリートサイン(ルクセンブルク語)。日常の看板にもルクセンブルク語が使われています。
出典:Wikimedia Commons
「Rue Alfred Kowalsky」のストリートサイン(フランス語)。フランス語表記も一般的です。
出典:Wikimedia Commons

ルクセンブルクを旅していると、すぐに気づくことがあります。

街の看板、レストランのメニュー、人々の会話…あらゆる場面で複数の言語が飛び交っているのです。

公用語は、ルクセンブルク語、フランス語、ドイツ語の3つ。

それに加えて、ほとんどの人が英語も流暢に話します。

「言葉の壁が心配…」という旅の不安は、ここではほとんどありません。

英語が広く通じるので、旅行者にとっては非常に安心できる環境です。

【旅のヒント】

もちろん英語で大丈夫ですが、もし勇気があれば、挨拶だけでもルクセンブルク語で言ってみてください。

「モイエン!(Moiën!)」=こんにちは。

きっと、現地の人々の表情がほころび、ぐっと心の距離が縮まるはずですよ。

この多言語環境こそが、ルクセンブルクが国際金融センターとして成功し、多様な文化を受け入れる豊かな土壌を育んできた源泉なのです。


ルクセンブルクの有名なものを効率的に巡るプラン

さあ、ここまで読んで、あなたのルクセンブルクへの冒険心も高まってきたのではないでしょうか。

最後に、この国の魅力を最大限に体験するための、具体的なモデルコースをプランナーの視点から提案します。

このプランをベースに、あなたの興味に合わせてアレンジすれば、初めてでも絶対に満足できる旅ができますよ。

2泊3日プラン:首都とワイン街道を楽しむ(ハイライト凝縮コース)

  • 1日目:旧市街の世界遺産巡り
    • 午前:ルクセンブルク到着後、まずはボックの砲台へ。絶景と歴史を体感。
    • 午後:ノートルダム大聖堂、大公宮を巡り、憲法広場からの眺めを堪能。
    • 夕方:コルニッシュを散歩し、グルント地区でディナー。
  • 2日目:モーゼルワイン街道
    • 午前:バスで国境の村シェンゲンへ。ワイナリーでテイスティング。
    • 午後:ワイン街道沿いの美しい村々を散策。
    • 夕方:ルクセンブルク市に戻り、購入したワインと郷土料理のマリアージュを楽しむ。
  • 3日目:北部の古城と自然
    • 午前:バスでヴィアンデン城へ。中世の城の雰囲気に浸る。
    • 午後:エシュテルナッハの可愛らしい街並みを散策。
    • 夕方:出発前に、街なかでお土産の最終チェック。

3泊4日プラン:ルクセンブルクの全貌を体験(じっくり満喫コース)

  • 1日目:旧市街じっくり探索
    • 午前:ボックの砲台に加え、ペトリュス砲台のツアーにも参加し、要塞を深掘り。
    • 午後:ノートルダム大聖堂、そして夏季なら大公宮の内部見学へ。
    • 夕方:コルニッシュからの美しい夕景を心ゆくまで楽しむ。
  • 2日目:文化と歴史の深掘り
    • 午前:ルクセンブルク市立歴史博物館などで、この国の成り立ちを学ぶ。
    • 午後:近代的なキルヒベルク地区を訪れ、EU機関の建物を外から眺めてみる。
    • 夕方:フィルハーモニー・ルクセンブルクでコンサート鑑賞など、特別な夜を。
  • 3日目:ワインと美食の旅
    • 午前:モーゼル川クルーズで、水上からワイン街道の景色を満喫。
    • 午後:気になるワイナリーを2〜3軒はしご。ランチはワイナリー併設のレストランで。
    • 夕方:お気に入りのワインをスーツケースに詰めて、大満足で市内に戻る。
  • 4日目:北部の秘境探索
    • 午前:クレルヴォー城とエドワード・スタイケンの写真展を鑑賞。
    • 午後:ミュラータール地方で、初心者向けのハイキングコースに挑戦。
    • 夕方:最後のショッピングを楽しみ、空港へ。

実践的なアドバイス

  • 交通手段
    ルクセンブルクでは、なんと国内を走る公共交通機関(バス、トラム、電車)の“2等席”が完全に無料! これは旅行者にとって、これ以上ない朗報ですよね。ほとんどの場合2等席で十分快適に移動できますが、1等席に乗りたい場合や、国境を越えて隣国へ向かう区間は有料になるので、そこだけ覚えておきましょう。
  • 宿泊エリア
    観光に便利なのは旧市街周辺。価格を抑えたいなら駅周辺(ガレ地区)も選択肢ですが、夜は少し注意も必要です。
  • 必須アイテム
    • 歩きやすい靴:これは絶対に譲れません。石畳と坂道が多いので、スニーカーは必須です。
    • 雨具:ヨーロッパの天気は変わりやすいので、折り畳み傘や軽いジャケットがあると安心。
    • 現金とカード:ほとんどのお店でカードが使えますが、小さなカフェや市場では現金のみの場合も。

グルメ必須リスト

これだけは食べて帰ってきてほしい、というものを厳選しました。

  • ジュッド・マット・ガーデボウネン(国民食)
  • パテ・オ・リースリング(軽食に最適)
  • グロンペルキッシェルシャー(屋台の味)
  • クレマン・ド・ルクセンブルク(幻のスパークリング)
  • 地元産チーズ「カフケース」

小国ならではの利点を活かせば、都市、自然、歴史、美食、そのすべてを短期間で、しかも深く味わうことができる。

それがルクセンブルクの旅の醍醐味です。

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参考情報・公式サイト

公式サイト・政府機関

世界遺産・観光施設

ワイン・グルメ関連

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関連統計・データ

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