風車や運河が美しいオランダは人気の旅行先ですが、渡航前に気になるのが現地の安全性です。
「オランダの治安」は比較的良好とされる一方、アムステルダム等の観光地では旅行者を狙ったスリや置き引きが多発しており、油断は禁物です。
本記事では、最新の犯罪データや具体的な手口、危険エリアを徹底解説。
現地事情と正しい防犯対策を知れば、トラブルを未然に防ぎ、安心してオランダ旅行を満喫できます。
- オランダの全般的な治安レベルと、テロや暴力犯罪よりもスリや置き引きに警戒が必要な理由
- アムステルダムの観光地や電車内で多発する、注意そらしや偽警官などの具体的な犯罪手口
- 夜間の繁華街や人通りの少ない路地など、近寄るべきではない危険な場所と時間帯の判断基準
- 被害を未然に防ぐための荷物管理術と、実際にトラブルに遭った際の緊急連絡先や対処手順
オランダの治安は悪い?最新の犯罪事情

オランダは欧州の中でも比較的安全な国ですが、観光客を狙ったスリや置き引きなどの軽犯罪は日常的に発生しています。
ここでは統計データや公的機関の情報を基に、旅行者が直面しやすいリスクと、エリアごとのリアルな治安状況を解説します。
まず、オランダの治安状況をひと目で把握できるよう、重要なポイントを整理しました。
| 項目 | 状況・レベル | 旅行者へのアドバイス |
| 全般的な治安 | 比較的安全 | 凶悪犯罪に巻き込まれる確率は低いですが、油断は禁物です。 |
| 最も多い犯罪 | スリ・置き引き | 財布、パスポート、スマートフォンの盗難が多発しています。 |
| 犯罪件数 | 横ばい〜微減 | 2024年の警察記録は約81.2万件。財産犯が約6割を占めます。 |
| テロ脅威度 | レベル4 (Substantial) | 「実質的な脅威」レベルですが、日常リスクはテロより盗難です。 |
| 注意エリア | 空港・駅・観光地 | アムステルダム中心部やスキポール空港、列車内が主戦場です。 |
オランダ、特にアムステルダムの街並みは美しく、運河沿いを歩いているとつい開放的な気分になりますよね。
しかし、その「うっとりしている瞬間」こそが、プロの犯罪グループにとってのチャンスでもあります。
統計によると、2024年の犯罪認知件数は約81.2万件。
数字だけ見ると驚くかもしれませんが、その大半は侵入盗や窃盗などの「財産犯」です。
暴力犯罪の件数は決して無視できませんが、旅行者が日中の観光エリアを歩いていて突然襲われるようなケースは、欧州の他都市と比較しても稀と言えます。
(出典:Centraal Bureau voor de Statistiek『Geregistreerde criminaliteit』)
大切なのは「オランダは安全か危険か」という二元論ではなく、「どのような場所で、どのような手口が使われるか」を知っておくことです。
敵の手口を知れば、恐れることなくこの美しい国を十分に楽しむことができますよ。
オランダでスリや置き引きの手口を知る

オランダ旅行で最も警戒すべきは、間違いなくスリと置き引きです。
長年ヨーロッパで生活してきましたが、ここのスリは単に「そっと盗む」だけでなく、巧みな「演出」でこちらの注意をそらすテクニックに長けています。
よくあるのが、駅や混雑した広場で「何かを落とす」「地図を見せて道を尋ねる」「服に汚れがついていると指摘する」といったアクションです。

あなたが親切心で立ち止まったり、自分の服を確認したりして気が逸れたその一瞬に、別の仲間がバッグから貴重品を抜き取ります。
これは「ディストラクション(注意そらし)」と呼ばれる古典的かつ強力な手口です。
また、移動中の電車内も気が抜けません。
特にアムステルダム・スキポール空港を発着するインターシティ(都市間列車)は要注意です。
網棚に置いたスーツケースが狙われることはもちろんですが、最近では「ドアが閉まる発車ベルの瞬間に荷物を奪ってホームに飛び降りる」という大胆な手口も報告されています。
これだと、車内に残された被害者は追いかけることすらできません。
私自身、アムステルダムのトラムに乗った際、入り口付近で意図的に押し合いを演じられた経験があります。
不自然な混雑を感じたら、すぐにバッグを体の前に抱え込み、周囲の人と距離を取るようにしてください。
スリ集団は「怪しい人」ではなく、身なりを整えた旅行者風のカップルや、地図を持った家族連れを装っていることが多々あります。
「見知らぬ人からの過度な接近や接触」があったら、まずはポケットやバッグのファスナーに手を添える癖をつけましょう。
これだけで「警戒している」というサインになり、ターゲットから外れやすくなります。
偽警官や詐欺など旅行者が遭うトラブル

「自分は騙されない」と思っている人ほど足元をすくわれやすいのが、詐欺や偽装系のトラブルです。
特にオランダを含むヨーロッパ各地で散見されるのが「偽警官詐欺」です。
観光地を歩いていると、警察官を名乗る私服の人物に呼び止められ、「偽造紙幣やドラッグの捜査をしている。財布や身分証を見せなさい」と要求されるケースがあります。
ここで財布を渡してしまうと、クレジットカードの情報を抜き取られたり、現金を素早く抜かれたりしてしまいます。
基本的に、オランダの警察官が路上でいきなり旅行者の財布の中身(現金やカード)をチェックすることはありません。
もし声をかけられたら、その場で対応せず「警察署(Police Station)に行ってから話しましょう」と提案するか、周囲の人に助けを求めてください。
本物の警官なら応じるはずですし、偽物ならその場を去っていきます。
また、駅の券売機付近で「買い方を教えてあげる」と親切に近づいてくる人物にも注意が必要です。
操作を手伝うふりをして暗証番号を盗み見たり、購入手続きの途中で混乱させてお釣りやカードを奪ったりする手口があります。
オランダの券売機は英語表記に切り替え可能で操作はシンプルです。
見知らぬ人の手助けは、丁重にお断りするのが賢明です。
オランダの警察官(Politie)は、通常は黄色と黒のラインが入った目立つ制服を着用しています。
私服警官も存在はしますが、一般の観光客相手に路上で職務質問を行うことは極めて稀です。
「財布を見せて」と言われたら100%詐欺だと判断し、毅然とした態度で立ち去りましょう。
言葉がわからなければ、「No!」と強く言うだけでも効果があります。
アムステルダムの治安と危険なエリア

首都アムステルダムは、世界中から観光客が集まる魅力的な街ですが、人が集まる場所には犯罪も集まります。
「オランダ 治安」と検索される方の多くが気にされるのが、このエリアの安全性でしょう。
特に注意が必要なのは、アムステルダム中央駅からダム広場にかけてのメインストリートと、有名な「飾り窓地区(Red Light District)」周辺です。
飾り窓地区は夜遅くまで観光客でごった返しており、一見するとテーマパークのような賑わいです。
しかし、狭い路地が入り組んでおり、酔っ払った旅行者やドラッグの売人が徘徊していることもあります。

ここでは「暴力的な危険」というよりは、「トラブルに巻き込まれるリスク」が高いと考えてください。
例えば、路地裏で違法な薬物を売りつけられそうになったり、禁止されているエリアで写真を撮ってトラブルになったりすることがあります。
また、人混みが激しいためスリの活動には絶好の環境です。
一方で、観光エリアには「Handhaving」と書かれた制服を着た市の取締職員も巡回しています。
彼らは警察官ではありませんが、迷惑行為や軽犯罪の抑止力になっています。
何か困ったことがあれば、警察だけでなく彼らに声をかけるのも一つの手です。
昼間の運河沿いや美術館広場(Museumplein)などは比較的穏やかですが、観光客としての「隙」を見せない姿勢はどこにいても必要です。
飾り窓地区は興味本位で訪れる旅行者も多いですが、働く女性を撮影することは厳禁であり、深刻なトラブル(カメラの破壊や暴行)に発展することがあります。
また、夜間に酩酊状態でこのエリアを一人歩きするのは、運河への転落事故のリスクも含めて避けるべきです。
雰囲気を味わうなら、日没直後の早い時間帯に、複数人でメイン通りを歩く程度に留めましょう。

ロッテルダムや中央駅周辺の治安状況

近代建築が立ち並ぶ港湾都市ロッテルダムや、政治の中心地ハーグなど、アムステルダム以外の都市へ足を伸ばす方も多いでしょう。
これらの都市も基本的には安全ですが、大都市特有の注意点は共通しています。
特に警戒レベルを上げてほしいのが「主要駅の周辺」と「夜間の繁華街」です。
ロッテルダム中央駅やアムステルダム中央駅のような巨大ターミナルは、旅行者の動線と地元の生活者の動線、そして犯罪者の動線が交差する場所です。
駅の構内や駅前の広場では、地図アプリを見ながら無防備に立ち止まっていると、あっという間にターゲットとしてロックオンされます。
また、ロッテルダムなどの大都市では、エリアによって雰囲気がガラリと変わることがあります。

中心部は整備されていても、少し離れた移民が多く住むエリアや、落書きが目立つ高架下などは、夜間の一人歩きには適しません。
「何となく空気が淀んでいる」「ゴミが散乱している」「窓ガラスが割れたままの建物がある」といった視覚的な違和感を感じたら、それは直感的な危険信号です。
無理をして近道をせず、大通りや明るい道を選んで迂回してください。
もし夜遅くに主要駅を利用する場合は、駅からホテルまでは徒歩ではなく、Uberや正規のタクシーを利用することを強くおすすめします。
大きな駅に到着すると、ついホッとしてスマホを取り出し、これからのルートを検索したくなりますよね。
しかし、駅こそが最も気が緩みやすく、かつ不特定多数の人がいるリスキーな場所です。
到着ロビーや駅前広場では立ち止まらず、まずは安全なカフェやホテルの中に入ってから、ゆっくりと次の行動を確認するのがプロの鉄則です。
オランダのテロやデモに関する情報

昨今の世界情勢を鑑みると、テロやデモのリスクについても触れておく必要があります。
オランダ政府のテロ対策調整官(NCTV)が発表しているテロ脅威度は、5段階中のレベル4「Substantial(実質的な脅威)」となっています(2025年時点)。
(出典:National Coordinator for Counterterrorism and Security『Terrorist Threat Assessment』)
「レベル4」と聞くと怖くなるかもしれませんが、これは「オランダ国内でテロが起こる可能性は現実的にある」という評価であり、直ちに渡航を中止すべきという勧告ではありません。
実際に街を歩いていてテロの切迫感を感じることは稀です。
ただし、人が密集するイベント会場や、シナゴーグなどの宗教施設、政府機関の周辺では警備が強化されています。
また、オランダはデモ活動が盛んな国でもあります。
アムステルダムのダム広場やデン・ハーグの国会議事堂周辺では、環境問題や政治的な主張を掲げたデモが頻繁に行われます。
ほとんどのデモは平和的ですが、一部がヒートアップして警察と衝突したり、交通機関が麻痺したりすることがあります。
もしデモ行進に遭遇したら、興味本位で近づいたり写真を撮ったりせず、速やかにその場を離れるようにしてください。
テロもデモも、「人が極端に集まる場所」でリスクが高まります。
旅行中は現地のニュースや外務省の「たびレジ」などを活用し、最新の情報をキャッチできるようにしておきましょう。
テロへの不安は理解できますが、確率論で言えば、旅行者が遭遇するリスクは「テロ <<< スリ・置き引き」です。
テロを過剰に心配して旅行を楽しめなくなるよりも、まずは目の前の荷物管理や、夜道の歩き方に注意を払う方が、結果として安全な旅につながります。
「正しく恐れ、賢く備える」バランス感覚が大切です。
オランダでの治安を守るための対策と行動

ここからは、実際にオランダを旅する際に「具体的にどう動けば安全か」という実践的な対策に踏み込みます。
空港に降り立った瞬間からホテルに帰り着く夜まで、シーンごとの防犯ルールを身体に染み込ませておけば、トラブルの9割は未然に防ぐことができます。
スキポール空港や電車内での防犯対策

長時間のフライトを終えてスキポール空港(Schiphol Airport)に到着した時、私たちは想像以上に疲労しています。
重いスーツケースを引きずりながら、見慣れない案内板を探し、スマホでホテルの場所を確認する……この「マルチタスク状態」こそが、スリ集団が最も狙いやすいタイミングです。
まず、空港の到着ロビーから市内に向かう電車(NS:オランダ鉄道)に乗るまでの間は、周囲への警戒レベルを最大にしてください。
切符売り場で並んでいる時や、ホームへのエスカレーターに乗っている時に、背後のリュックを開けられるケースが多発しています。
電車内、特にアムステルダム中央駅へ向かうインターシティや、パリ・ブリュッセル方面への国際列車(Eurostarなど)では、「荷物の管理」が生死を分けます(比喩ではなく、旅の存続という意味で)。
日本の感覚だと、大きなスーツケースは車両端の荷物置き場や頭上の網棚に置きたくなりますが、オランダでは「自分の視界に入らない荷物は、自分のものではない」と考えてください。
プロの手口は鮮やかです。
彼らは停車駅でドアが開く直前、網棚の荷物をサッと取ってホームに降り、そのまま雑踏に消えます。
ドアが閉まる瞬間にこれをやられると、座席に座っているあなたには成す術がありません。
【電車移動での鉄則】
- 肌身離さない: パスポート、財布、スマホを入れた小さなバッグは、常に身体の前に抱えるか、コートの内側へ。
- 視界確保: スーツケースは可能な限り座席の隙間に入れるか、網棚に置く場合も対面の棚(自分の目で見える位置)を選ぶ。
- 固定する: どうしても離れた場所に置く場合は、自転車用のワイヤーロックで柱と繋ぐ。「私は警戒しています」というアピールになります。
- スマホを見すぎない: 車内Wi-Fiに繋ぐのに夢中になっている隙に、横からスリ取られることもあります。
(出典:NS International『Safe travel』)
「1等車(First Class)なら変な人はいないだろう」と思っていませんか?
残念ながら、富裕層の旅行者を狙って、あえて1等車のチケットを買って乗り込んでくる「身なりの良いスリ」も存在します。
彼らはビジネスマン風のスーツを着ており、全く怪しく見えません。
座席のグレードに関わらず、貴重品管理のルールは徹底しましょう。
荷物棚のスーツケースに小さな鈴をつけておくだけでも、心理的な安心感が違いますよ。

夜の外出や女性の一人旅の注意点

オランダの夏は夜10時過ぎまで明るく、運河沿いのテラスで過ごす時間は格別です。
基本的には、アムステルダムなどの主要都市でも、大通りや人通りの多いエリアであれば、女性の一人歩きが直ちに危険というわけではありません。
しかし、そこには「場所」と「時間」の線引きが必要です。
夜の外出で最もリスクが高まるのは、「近道」をしようとして細い路地に入った時と、イベントやバーでお酒を飲んだ後です。
アムステルダムの中心部は道が入り組んでおり、賑やかな通りから一本入るだけで、街灯が少なく落書きだらけの薄暗い路地(Steegje)に変わることがあります。
こうした場所は、薬物の売人や引ったくりが潜む死角になりやすいため、どんなに遠回りになろうとも、明るく人目のある大通り(Main Street)を選んで歩くのが正解です。

また、女性の一人旅の場合、バーやクラブでの「飲み物への異物混入」にも警戒が必要です。
オランダに限った話ではありませんが、見知らぬ人から奢られたドリンクは口にしない、トイレに立つ際はグラスを飲み干すか新しいものを頼む、といった自衛策は、ナイトライフを楽しむためのマナーと言えます。
もし夜道で「後ろから誰かがついてきている気がする」と感じたら、その直感を信じてください。
立ち止まってスマホで地図を確認するのではなく、営業中のカフェやホテルのロビーに逃げ込みましょう。
オランダの人は困っている人に親切ですが、夜の路上で助けを求めるなら、通行人よりも「お店の中」の方が確実です。
【夜間の安全チェックリスト】
- [ ] 移動ルートは事前に確認し、スマホを凝視しながら歩かない。
- [ ] 音楽を聴きながらの移動はNG(背後の気配を消してしまうため)。
- [ ] 酔っ払いや騒いでいる集団を見かけたら、道を渡って距離を取る。
- [ ] 深夜の帰宅(特に23時以降)は、短距離でもUberやタクシーを使う。
夜のアムステルダムで犯罪以上に怖いのが「自転車との衝突」です。
オランダの自転車は猛スピードで走っており、特に夜間は彼らも急いでいます。
歩行者がうっかり自転車レーン(赤茶色のアスファルト)にはみ出すと、罵声を浴びせられるどころか、大怪我をする事故に繋がります。
夜道では「不審者」だけでなく、「足元のレーン」にも注意を払いましょう。
大麻やドラッグ事情と安全な行動

「オランダ 治安」と検索する際、多くの人が懸念するのが大麻(ソフトドラッグ)の存在でしょう。
「オランダでは大麻が合法」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、正確には「容認(Toleration policy)」という非常に独特な法的枠組みの中にあります。
厳密には違法ですが、一定の条件(指定された店舗での少量販売など)の下では起訴しない、という運用です。
街中には「コーヒーショップ(Coffeeshop)」と呼ばれる大麻販売店が点在しており、独特の甘ったるい草のような匂いが漂ってくることがあります。
普通のカフェだと思って入ったら大麻の店だった、という間違いは、店先の緑と白のステッカーや、漂う匂いですぐに気づくはずです。
旅行者として守るべきルールは明確です。
「興味本位で近づかない」「路上で絶対に買わない」「他人から受け取らない」。
特に注意すべきは、店舗外の路上で「いいモノがあるよ」と声をかけてくる売人(ストリートディーラー)です。
彼らが売っているのは、品質の保証がない危険なドラッグや、観光客をカモにした偽物である可能性が高いです。
また、路上での購入・所持は警察の取締対象にもなり得ます。
治安の悪いエリアや深夜の路地裏にはこうした売人がたむろしていることがあるため、目線を合わせずに通り過ぎるのが鉄則です。
また、お土産屋さんで売られているクッキーやブラウニーにも注意してください。
「Space Cake」や大麻の葉のマークがついているものは、大麻成分が含まれています。
これを普通のオランダ土産だと思って日本に持ち帰ると、日本の法律(大麻取締法)により処罰の対象となります。
絶対に買ってはいけません。
コーヒーショップの近くや公園では、副流煙(受動喫煙)を吸ってしまう可能性があります。
匂いが不快だと感じたらすぐにその場を離れましょう。また、大麻成分入りの食品(エディブル)は、見た目が普通のお菓子と変わらないことがあります。パッケージの「THC」「Cannabis」といった表記を必ず確認し、子供が誤って口にしないよう細心の注意を払ってください。
自転車盗難や車上荒らしへの対策

オランダは世界一の自転車大国ですが、同時に「自転車盗難大国」でもあります。
現地の人にとって、自転車が盗まれることは雨に降られるのと同じくらい日常的な出来事です。
もしレンタサイクルを利用する場合は、現地の流儀に従ったロック方法が必須です。
オランダの自転車には、後輪をロックするリング錠が標準装備されていますが、これだけでは不十分です。
必ず太いチェーンロックを使い、柵やポールなどの「動かないもの」と一緒に地球ロック(アースロック)をしてください。
これを怠ると、ほんの数分目を離した隙に、自転車ごと車に積まれて持ち去られてしまいます。
また、レンタカーで移動する場合、「車上荒らし(Smash and Grab)」への警戒も必要です。
オランダでは、座席にカバンや上着、小銭、充電ケーブルなどが残っているだけで、窓ガラスを割られる被害が発生しています。
「トランクに入れておけば大丈夫」と思いがちですが、トランクに荷物を隠す瞬間を誰かが見ているかもしれません。
【車を利用する際のルール】
- 「車内は空っぽ」にする
外から見て、盗めるものが何もない状態(グローブボックスを開けておくほど徹底する人もいます)にするのが最強の防犯です。 - 駐車場所を選ぶ
監視カメラのある有料駐車場(P+Rなど)を利用し、路上の暗がりには停めない。 - ナビを外す
ポータブルナビやスマホホルダーも盗難の動機になります。
治安とは少しずれますが、レンタサイクルでの事故を防ぐために。
オランダの自転車にはハンドブレーキがなく、ペダルを逆回転させて止める「コースターブレーキ」のタイプが主流です。
慣れていないといざという時に止まれず、交差点に飛び出して事故に遭う危険があります。
借りる際は、ハンドブレーキ付きの車種があるか確認するか、広場で練習してから街に出ることを強くお勧めします。
被害時の緊急連絡先と警察への届出

どんなに注意していても、不運に見舞われることはあります。
万が一被害に遭った時、パニックにならずに次の行動を取れるよう、以下の連絡先と手順をスクショして保存しておいてください。
1. 緊急通報(警察・救急・消防共通)
- 電話番号:112
- 生命の危険がある場合、強盗や暴行の現行犯、重大な事故などの緊急時。英語で通じます。「Police(警察), Ambulance(救急), Fire(消防)」のどれが必要か、場所はどこかを落ち着いて伝えてください。
2. 緊急ではない警察への相談・届出
- 電話番号:0900-8844
- スリや置き引きに遭った後(犯人がもういない)、空き巣の発見など。国外の携帯からかける場合は
+31-343-57-8844になります。
もしパスポートや貴重品を盗まれたら?
- カードを止める
クレジットカード会社や銀行に連絡し、利用停止手続きを行います。 - 警察でポリスレポートを作成
最寄りの警察署に行き、盗難届(Aangifte)を出します。これがなければ、帰国後の海外旅行保険の請求や、パスポートの再発行手続きができません。英語の被害届フォームを用意している署も多いです。 - 日本国大使館へ連絡
パスポートの盗難・紛失時は、デン・ハーグの在オランダ日本国大使館で「帰国のための渡航書」などの発給を受ける必要があります。
| 連絡先名称 | 電話番号 / Web | 備考 |
| 緊急通報 | 112 | 生命の危険・現行犯 |
| 警察(非緊急) | 0900-8844 | 盗難届の相談など |
| 在オランダ日本国大使館 | +31-70-3469544 | パスポート再発行等 |
| 外務省 領事サービス | たびレジ・海外安全 | 最新情報の確認 |
(出典:Government of the Netherlands『Emergency number 112』)
警察署で被害届を書く際、「いつ・どこで・何を・どのように」盗まれたかを詳細に書くよう求められます。「気づいたらなかった」よりも、「駅のエスカレーターで後ろから押された直後になくなった」など、犯罪の構成要件を満たすような具体的な状況説明(手口)を含めると、スムーズに受理されやすい傾向があります。スマホのIMEI番号(製造番号)なども控えておくと役立ちます。
警察署で被害届を書く際、「いつ・どこで・何を・どのように」盗まれたかを詳細に書くよう求められます。
「気づいたらなかった」よりも、「駅のエスカレーターで後ろから押された直後になくなった」など、犯罪の構成要件を満たすような具体的な状況説明(手口)を含めると、スムーズに受理されやすい傾向があります。
スマホのIMEI番号(製造番号)なども控えておくと役立ちます。
オランダの治安情報のまとめとポイント
最後に、改めて「オランダの治安」のポイントを整理しましょう。

オランダは、基本的な警戒心さえ持っていれば、女性の一人旅や家族連れでも十分に楽しめる、安全で美しい国です。
怖いのは「凶悪な犯罪者」ではなく、旅行者の「ほんの少しの油断」です。
- スリは「親切」を装う: 向こうから話しかけてくる人は、まず疑って距離を取る。
- 荷物は肌身離さず: 電車やカフェでは、荷物を絶対に身体から離さない。
- 夜は場所を選ぶ: 飾り窓地区や人通りのない路地には、深夜に近づかない。
- 「No」と言う勇気: 偽警官や怪しい勧誘には、毅然とした態度で断る。
「オランダは治安が良いから大丈夫」と無防備になるのではなく、「治安は良いけれど、スリはいる」という現実的なラインで構えておくこと。
それが、あなたの旅を最高のものにするためのパスポートです。
風車が回るのどかな風景も、アムステルダムの歴史ある運河も、適切な準備をした旅行者を温かく迎えてくれます。
どうぞ、安全で素晴らしいオランダの旅を!
参考情報・公式サイト
記事内で参照した統計データ、安全情報、および緊急時の連絡先に関する一次情報源の一覧です。最新の状況確認や、万が一の際の実務情報としてご活用ください。
【日本の公的機関・安全情報】
- 海外安全ホームページ:オランダ(外務省)
- 日本の外務省による最新の危険度レベル、犯罪手口、安全対策の公式情報です。
- 安全の手引き(在オランダ日本国大使館)
- 現地日本国大使館が発行する、在留邦人・旅行者向けの具体的な防犯マニュアルです。パスポート紛失時の連絡先もこちら。
【オランダの公的機関・警察・統計】
- Emergency number 112 (Government.nl)
- オランダ政府による緊急通報(112)の利用ガイド。警察・消防・救急の呼び方が記載されています。
- Contacting the police (Politie.nl)
- オランダ警察の公式英語ページ。緊急ではない相談や、最寄りの警察署の検索が可能です。
- Security and Justice (Centraal Bureau voor de Statistiek)
- オランダ中央統計局(CBS)による犯罪件数や傾向に関する公式統計データです。
- Toleration policy regarding soft drugs (Government.nl)
- オランダ政府による「ソフトドラッグ容認政策」とコーヒーショップのルールに関する公式解説です。
【交通・観光・現地情報】
- Safe travel (NS International)
- オランダ鉄道(NS)の国際線部門による、駅や列車内での荷物管理・盗難防止のアドバイスです。
- Safety in Amsterdam (I amsterdam)
- アムステルダム市の公式観光ガイドによる、エリア別の安全情報や注意事項がまとめられています。

