スイス旅行の拠点選び|移動効率か絶景か?鉄道事情で決めるエリア判断

スイス旅行の計画で頭を悩ませるのが「ホテル拠点をどこにするか」です。

国土はコンパクトですが、アルプスの地形や鉄道網の特性により、滞在エリアの選択が旅の移動効率を大きく左右します。

本記事ではSBB(スイス連邦鉄道)の所要時間や手荷物配送ルール、地理的条件といった客観的事実に基づき、都市滞在と山岳リゾート滞在のメリット・デメリットを整理します。

この記事でわかること
  • 移動効率に優れた「都市」と、絶景を楽しめる「山岳リゾート」の機能的な違いとトレードオフ
  • ベルンやツェルマットなど、主要な宿泊拠点の地理的特性と周辺観光地への移動時間
  • 旅程設計を左右するSBB手荷物配送の日数ルール(2日後着)や、車両乗り入れ規制の注意点
  • 移動ロスとコストを天秤にかけた「1拠点滞在」と「周遊型」の合理的な選び方

目次

スイス滞在拠点エリア 比較・判断マトリクス

旅の目的と許容できる移動コスト(時間・手間)に基づき、適した拠点を確認するための比較表です。

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エリア分類都市名主なメリット注意点(トレードオフ)向いている旅のスタイル
【都市型】
移動効率重視
ベルン地理的な中心拠点
チューリッヒ、ルツェルン、インターラーケンへ各約1時間。
天候に合わせて毎朝行き先を変更しやすい。
「リゾート感」は薄い。
アルプスの山々を見るには移動が必要。
「1拠点集中型」
荷造りをせず、毎日身軽にスイス全土をアクティブに回りたい方。
チューリッヒ空港直結
ラインの滝や北東部観光の拠点。
日曜も営業する店舗が多く利便性が高い。
南部(ツェルマット等)や西部への移動は片道2〜3時間かかり、日帰りは負担増。「初日・最終日」
フライト前後のリスク回避や、美術館・ショッピング重視の方。
ルツェルン湖と山の融合
駅前から遊覧船に乗れ、リギ山・ピラトゥス山へ直結。
ゴールデンパス・ラインの始発駅。
人気観光地のため混雑しやすい。
西部(ジュネーブ方面)へは遠い。
「スイス初心者」
都市の便利さと「スイスらしい景色」の両方をバランスよく楽しみたい方。
ローザンヌ
ジュネーブ
西部の玄関口
フランス(TGV)からのアクセス良好。
レマン湖畔や世界遺産の葡萄畑に近い。
ドイツ語圏(チューリッヒ等)や東部へは遠く、周遊の拠点には不向き。「フランス語圏特化」
パリとの周遊や、シヨン城・オリンピック博物館などを巡る方。
【滞在型】
景観・体験重視
インターラーケン
グリンデルワルト
ユングフラウの麓
グリンデルワルトなら「アイガー北壁」が目の前。
インターラーケンは交通の便が良い。
「谷の奥」の地形
他都市へ出るには必ず谷を下る時間(約30分〜)が加算される。
「アルプス満喫」
ユングフラウヨッホ観光が主目的。朝夕の山岳風景をゆっくり見たい方。
ツェルマットマッターホルン特化
ガソリン車禁止(カーフリー)の静寂な環境。
朝焼け(モルゲンロート)が見られる。
「陸の孤島」
アクセスに時間がかかり、専用列車への乗り換え必須。日帰り周遊は困難。
「目的特化型」
移動の不便さを受け入れてでも、マッターホルンを見ることを最優先する方。
サンモリッツ
クール
氷河急行の拠点
サンモリッツは高級リゾートの雰囲気。
クールは鉄道ファン向けの連絡駅。
主要都市(チューリッヒ等)から遠く、移動だけで半日を要する場合がある。「鉄道旅・保養」
氷河急行やベルニナ急行への乗車がメイン。高級ホテルでの滞在を楽しむ方。

拠点選びの3つの判断軸:何を最優先するか

スイス旅行の満足度を左右するのは「どの街に泊まるか」という選択です。

国土は九州ほどの大きさですが、アルプスの地形により移動時間が大きく変わります。

「移動の効率」「窓から見える景色」「荷物の運搬」の3点を天秤にかけ、ご自身の旅のスタイルに合う拠点を選ぶための判断材料を整理します。

鉄道網(SBB)の中心性:東西南北への移動時間のロスを最小化する

スイス連邦鉄道(SBB)のダイヤは正確で、主要都市間は30分〜1時間間隔で運行されています。

限られた滞在期間で多くの場所を巡りたい場合、地理的な「中心」に拠点を置くことで、移動時間を大幅に短縮し、天候に応じた行き先変更が可能になります。

特に首都ベルン(Bern)は、スイスの交通網の「へそ」に位置しており、ここを拠点にすると各方面へのアクセス時間が均質化されます。

【主な移動時間の目安(直通または最速乗り継ぎ)】

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出発地目的地所要時間(片道)特徴
ベルンチューリッヒ約56分北東部の観光や空港へ1時間以内
ベルンルツェルン約1時間ゴールデンパス・ラインの起点へ直結
ベルンインターラーケン約50分ユングフラウ地方への入り口まで至近
ベルンローザンヌ約1時間10分レマン湖畔(西部)へも日帰り圏内
ベルンツェルマット約2時間アルプスの奥地へも日帰り可能な距離

このように、ベルンからは主要観光地の多くへ片道1時間前後で到達できます。

一方、チューリッヒジュネーブは国土の端に位置するため、反対側のエリアへ行くには片道3時間近くかかる場合があります。

「毎日の移動時間を1時間以内に抑えたい」と考える場合、中心部の都市が有利な選択肢といえます。

景観と利便性のトレードオフ:「山岳リゾート」か「都市機能」か

「朝起きて窓を開けたら目の前にマッターホルン」という体験は、山岳リゾートならではの特権です。

しかし、そこには都市機能とのトレードオフ(交換条件)が存在します。

🏔️ 山岳リゾート滞在(ツェルマット、グリンデルワルト等)

  • メリット
    早朝や夕暮れの「山が赤く染まる瞬間(モルゲンロート)」を見られる可能性が高い。観光客が押し寄せる前の静寂な時間を過ごせる。
  • 注意点
    天候が悪い場合、代替のアクティビティが少ない。また、ツェルマットはガソリン車乗り入れ禁止(カーフリー)のリゾートです。レンタカーやバスで直接ホテルへ乗り付けることはできず、手前の街「テッシュ(Täsch)」で車を停め、シャトル列車(約12分)に乗り換える必要があります。

🏙️ 都市滞在(チューリッヒ、ベルン、ルツェルン等)

  • メリット
    悪天候時は博物館やショッピングモールへ予定を変更しやすい。スーパーマーケット(CoopやMigros)の規模が大きく、食料調達の選択肢が豊富。
  • 注意点
    スイスでは日曜・祝日はほとんどの店舗が閉店します。ただし、主要駅(SBB駅構内)にある店舗は「365日営業・夜までオープン」という特例があるため、都市部の駅近くに滞在すると、曜日に左右されず買い物が可能です。

SBBラゲージ(手荷物配送サービス)の活用と連泊の必要性

スイスの鉄道旅行では、大きなスーツケースを持っての移動は負担になります。

そこで役立つのが、SBB(スイス国鉄)が提供する手荷物配送サービス「Station to Station Luggage」です。

ただし、このサービスを利用するには「配送日数」のルールを理解し、旅程(特に連泊の有無)を調整する必要があります。

📦 Station to Station(駅での預け入れ・受け取り)の基本条件

  • 料金:荷物1個あたり CHF 12
  • 重量制限: 1個あたり23kgまで
  • 配送日数: 基本的に翌々日(2日後)の朝9時以降の受け取り
    • 例:1日にチューリッヒ駅で預ける ➡ 3日の朝にグリンデルワルト駅で受け取り

以前存在した「当日配送(Fast Baggage)」のサービスは縮小・変更されており、現在は通常の駅間配送では「翌々日着」が標準となっています(※一部の高額なDoor-to-Doorエキスプレスを除く)。

💡 判断のポイント

この「2日後」というタイムラグがあるため、「毎日ホテルを変えて移動する旅」では荷物が届きません。

SBBラゲージを有効活用して手ぶら観光を楽しむためには、以下のいずれかのスタイルを検討することになります。

  1. 拠点連泊型: 同じホテルに3〜4泊し、身軽に日帰り旅行をする。
  2. 先送り型: 大きなスーツケースは2日後の目的地へ送り、その間の1泊分だけリュックに入れて移動する。

「重い荷物を運ばない」ことを最優先にする場合、頻繁にホテルを変えるよりも、交通の便が良い都市に拠点を定めて「連泊」する方が、制度上のメリットを享受しやすいといえます。

【都市型】移動効率を最優先する主要ハブ 4選

限られた旅行期間でスイスの多様なエリアを巡る場合、滞在拠点の選択が移動効率を決定づけます。

「空港からの距離」「東西南北への接続性」を基準に、機能の異なる4つの主要都市(ハブ)における移動の条件を整理します。

✈️ チューリッヒ (Zürich):国際空港直結かつ北東部観光の最大拠点

スイス最大の国際空港(Zürich Flughafen)を擁するチューリッヒは、入国初日や帰国直前の拠点として機能します。

空港駅から中央駅(Zürich HB)までは鉄道で約10〜15分と非常に近く、フライト前後の移動リスクを最小化できます。

また、スイス北東部エリアへのアクセスに特化しており、以下の観光地へ乗り換えなし、または短時間で到達可能です。

  • ラインの滝(Neuhausen Rheinfall): Sバーン(S9など)で約50分
  • ザンクト・ガレン(修道院図書館): 特急(IC)で約1時間
  • スタイン・アム・ライン: 乗り換えを含め約1時間15分〜30分

📍 考慮すべき地理的条件

国土の北端に位置するため、南部のツェルマットや西部のジュネーブへは片道約3時間程度を要します。

「スイス全土を毎日日帰りで巡る」というスタイルよりは、北東部を集中的に観光する場合や、空港利用時の前後泊に適した拠点といえます。

🚋 ベルン (Bern):国土の中心・各都市へ約1時間圏内の乗り換えハブ

首都ベルンは、スイスの鉄道網における物理的な「中心点」に位置しています。

ここを拠点とする最大の利点は、東西南北の主要観光地への移動時間が均質化されることです。

当日の朝、天気予報を見てから「晴れているエリア」へ行き先を変更するような柔軟な旅程管理が可能になります。

⏱️ ベルンからの主要移動時間(目安)

目的地所要時間備考
チューリッヒ約56分北東部の最大都市
インターラーケン約55分ユングフラウ地方への玄関口
ルツェルン約1時間直通列車(IR)利用
ローザンヌ約1時間10分レマン湖畔(西部)
ツェルマット約2時間10分ヴィスプ(Visp)で乗り換え

このように、主要な観光エリアの多くが片道1時間圏内(ツェルマットも日帰り圏内)に収まるため、連泊して荷物を動かさずに周遊する場合の合理的な選択肢となります。

🏔️ ルツェルン (Luzern):中央スイスの要衝かつゴールデンパス・ラインの起点

ルツェルンは「都市の利便性」と「リゾートの景観」を併せ持つ中央スイスの拠点です。

駅を出てすぐにルツェルン湖とカペル橋が広がり、遊覧船乗り場と鉄道駅が直結しています。

以下の山岳観光地へは、ルツェルン駅から直接アクセスが可能です。

  • リギ山 (Mt. Rigi): 遊覧船と登山鉄道を乗り継ぎ山頂へ
  • ピラトゥス山 (Mt. Pilatus): バスまたは船で麓へ移動し、登山鉄道・ロープウェイ利用
  • ティトリス山 (Mt. Titlis): エンゲルベルク(Engelberg)まで直通列車で約43分

また、ルツェルンは人気の景観列車「ゴールデンパス・ライン(ルツェルン・インターラーケン・エクスプレス)」の始発駅でもあります。

ここからインターラーケンまでは、ブリューニック峠を越える約2時間のパノラマルートとなります。

🇫🇷 ローザンヌ・ジュネーブ (Lausanne & Geneva):西部の玄関口とTGV接続

スイス西部(フランス語圏)を巡る場合、またはフランス(パリ)から高速列車TGVリリアで入国する場合の拠点です。

  • ジュネーブ (Genève)
    • 国際空港があり、多くの国際機関が集まるビジネス・外交都市です。シャモニー(モンブラン観光)へのバス発着地としても機能します。
    • パリ(リヨン駅)からTGVで約3時間強。
  • ローザンヌ (Lausanne)
    • ジュネーブから列車で約45分の位置にあり、より観光地(モントルーやラヴォー地区の葡萄畑)に近い立地です。
    • TGVリリアの停車駅でもあり、パリからのアクセスも良好です。

📍 拠点選びのヒント

「シヨン城」や「ラヴォー地区(世界遺産)」への観光を主目的とする場合、ジュネーブよりもローザンヌ、あるいはモントルーに滞在するほうが移動時間は短縮されます。

一方で、フランス側への出国や空港利用を優先する場合はジュネーブが交通の結節点となります。


【滞在型】アルプスの絶景を確保する山岳リゾート 3選

都市部とは異なり、「そこでしか見られない景色」を確保するために滞在するエリアです。

ただし、山奥ならではの地形的制約や「カーフリー(ガソリン車乗り入れ禁止)」等の規制があり、都市部への移動には時間を要することを前提とした計画が必要です。

🏔️ インターラーケン・グリンデルワルト

ユングフラウ地方へのアクセス機能と「谷の奥」の地理的特性

ベルン高地(Bernese Oberland)の観光拠点は、「移動の自由度」をとるか「客室からの眺望」をとるかで、インターラーケンかグリンデルワルトの二択になります。

地形はY字型の谷になっており、その分岐点と奥地という関係性にあります。

  • インターラーケン (Interlaken)
    • 役割: 2つの湖(トゥーン湖・ブリエンツ湖)の間に位置する交通の結節点
    • メリット: 東駅(Ost)からルツェルンやベルン、チューリッヒへ直通列車が頻発しており、悪天候時に他のエリアへ逃げやすい「リスク分散型」の拠点です。
    • 景観: 「山の麓の街」であり、ホテルからアイガー等の名峰が直接見える場所は限られます。
  • グリンデルワルト (Grindelwald)
    • 役割: アイガー北壁が目の前に迫る山岳リゾート
    • メリット: ユングフラウヨッホへ向かう最新ロープウェイ「アイガー・エクスプレス」の始発駅(Grindelwald Terminal)があり、山頂へのアクセスが最短です。朝夕の「モルゲンロート(朝焼け)」を体験できるのは宿泊者の特権といえます。
    • 注意点: 「谷の行き止まり」に近い地形です。他の都市へ出るには、まずインターラーケンまで下りる必要があり(約35分)、往復の移動時間が加算されます。

⚠️ ツェルマット (Zermatt)

マッターホルン観光特化と「カーフリー(ガソリン車乗り入れ禁止)」規制の注意点

マッターホルン観光の拠点ツェルマットは、環境保護のためガソリン車の乗り入れが禁止されています。

レンタカーやバスで直接ホテルの玄関まで行くことは物理的に不可能です。

⛔ 到達までの必須ルート(乗り換えルール)

すべての自動車は、手前の村テッシュ (Täsch) でストップします。

そこから先は以下の手順が必要です。

  1. 車をテッシュ駅のターミナルに駐車する(約2,100台収容)
  2. MGBシャトル列車(Zermatt Shuttle)に乗り換える
    • 運行: 20分間隔(所要時間12分)
    • 運賃: 片道 約 CHF 8.60 〜
  3. ツェルマット駅到着後: 電気自動車(e-Taxi)または電気バスでホテルへ移動

ツェルマットは地理的に「谷の最奥」に位置するため、他都市への移動には必ず「ヴィスプ (Visp)」までの谷を下る時間(約1時間強)が発生します。

ここを拠点に毎日スイス各地へ出かけるのは非効率ですが、マッターホルンが見える確率は滞在時間に比例するため、最低でも2泊以上の滞在が合理的といえます。

🚆 サンモリッツ・クール (St. Moritz & Chur)

氷河急行(グレイシャー・エクスプレス)利用時の東部拠点としての役割

スイス東部(グラウビュンデン州)は、人気観光列車「氷河急行」や「ベルニナ急行」の発着エリアです。

「豪華な滞在体験」か「移動の効率」かで拠点が分かれます。

  • サンモリッツ (St. Moritz)
    • 特徴: 標高約1,800mに位置する高級リゾート。氷河急行の始発・終着駅です。
    • メリット: 湖畔の散策や高級ブランド店巡りが楽しめます。世界遺産「レーティッシュ鉄道アルブラ線」のハイライト区間を含めて乗車できます。
    • アクセス: チューリッヒ空港から列車で約3時間〜3時間半。
  • クール (Chur)
    • 特徴: スイス最古の都市であり、SBB(国鉄)とRhB(レーティッシュ鉄道)の接続駅です。
    • メリット: サンモリッツよりも標高が低く、チューリッヒへ約1時間15分(直通)でアクセス可能です。氷河急行も停車します。
    • 判断の分岐点: クールから氷河急行に乗車する場合、サンモリッツ〜クール間の「アルブラ線(石造りのランドヴァッサー橋などがある絶景区間)」を通過しません。この区間を見たい場合はサンモリッツ発着を選ぶか、別途普通列車で往復する必要があります。

旅程設計のためのエリア組み合わせ事例

スイス旅行の計画において、拠点の選び方は「移動時間」と「荷造りの回数」に直結します。

ここでは、代表的な2つの滞在パターンについて、具体的な移動コスト(時間・運賃)と制度上のメリット・デメリットを整理します。

📉 「1拠点集中型(ベルン等)」のメリットと移動コスト(時間・運賃)の試算

旅の期間中、すべての宿泊を1つの都市(例:ベルン)に固定するスタイルです。

  • メリット
    • 荷造りが不要: 毎日スーツケースをパッキングする手間がなく、身軽な装備で観光に出かけられます。
    • 天候対応: 当日の朝、スイス全土の天気予報を見てから「晴れている方向」へ行き先を決められます。
  • デメリット(移動コストの試算)
    • 主要観光地への往復移動時間が毎日発生します。例えばベルンからマッターホルン(ツェルマット)を見に行く場合、以下のコストがかかります。

ベルン滞在でツェルマットへ日帰りする場合(往復)】

項目コスト(目安)備考
移動時間約4時間20分片道 約2時間10分 × 2
正規運賃約 CHF 100〜1102等車往復(約19,800円〜)

※2026年1月時点レート(1 CHF ≒ 198円)で換算

ベルンは地理的中心ですが、毎日遠方(ツェルマットやサンモリッツ等)へ出かけると、滞在時間の約4〜5時間を列車内で過ごすことになります。

この「通勤時間」を許容できるかどうかが判断の分かれ目です。

🔄 「都市+山岳の2拠点周遊型」で移動ロスを減らすロジック

移動時間を短縮し、かつ「アルプスの朝」を楽しむために、拠点を2つに分けるスタイルです。

  • 前半:都市拠点(チューリッヒまたはルツェルン)
    • 到着後の初日や、ラインの滝・美術館巡りなど、天候に左右されにくい観光をこなします。
  • 後半:山岳拠点(グリンデルワルトまたはツェルマット)
    • 山麓のホテルに泊まることで、移動時間を「0分」にします。早朝の晴天率が高い時間帯を逃さず、部屋から景色を楽しめます。

【ロジックの比較】

  • 1拠点型: 毎日往復移動が発生(行って戻る)。
  • 2拠点型: 「都市から山へ」の片道移動のみ。帰りは空港へ直行するため、重複するルート(無駄な折り返し)を減らせます。

ただし、ホテル移動日に荷物を運ぶ必要があるため、前述の「SBBラゲージ(手荷物配送)」を活用し、身軽に移動する準備が不可欠です。

🎫 スイストラベルパスの通用範囲(ガストカード特典)と拠点選びの相関関係

ホテル選びで見落としがちなのが、宿泊者特典である「ゲストカード(Gästekarte)」と、有料の鉄道パス「スイストラベルパス」の役割の違いです。

これを混同すると、無駄な交通費が発生する可能性があります。

🏨 ゲストカード(宿泊者が無料で貰えるカード)

  • 範囲:市内・町内の近距離交通のみ(バス・トラム等)。
    • 例:「ベルン・チケット」はベルン市内のトラムは無料ですが、インターラーケン行きの鉄道には乗れません。
    • 例:「インターラーケン・ゲストカード」は近隣のバスは無料ですが、グリンデルワルト行きの登山鉄道は対象外(または割引のみ)です。
  • 判断: 都市間の移動(ベルン〜チューリッヒ等)には使えません。

🇨🇭 スイストラベルパス(購入する周遊券)

  • 範囲: SBB(国鉄)、主要私鉄、湖船、バスが乗り放題。さらに約500箇所の美術館・博物館が入場無料になります。
  • 拠点との相関:
    • 「1拠点集中型」の場合: 毎日長距離列車に乗るため、都度切符を買うよりもトラベルパスの元が取りやすくなります(損益分岐点を超えやすい)。
    • 「山岳リゾート連泊」の場合: 山岳エリア(ユングフラウ鉄道など)はトラベルパスがあっても「無料」ではなく「25〜50%割引」に留まる区間が多いです。山に篭る日はパスの効力をフル活用できないため、「ハーフフェアカード(半額カード)」の方が総額を抑えられるケースがあります。

「どこに泊まるか」を決める際は、「その場所からどこへ、どの頻度で移動するか」をシミュレーションし、パスの種類を選ぶことが重要といえます。

参考情報・公式サイト

🚆 交通・移動・手荷物(SBB公式)

🏔️ 山岳リゾート・景観列車(エリア公式)

🏙️ 主要都市の観光局(拠点情報)

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